旅するはらっぱ~日々旅日記

from HP 「旅するはらっぱ」


各地の各智を旅する、

はらみづほの旅日記です。

●2012年・新春ダイアリー⑥ 交流エネルギー ≪きくちゆみさん≫

2012å¹´01月28æ—¥ | ã•ã£ã½ã‚æ—…
●しばらくごぶさたでした~(汗)

旧暦では1月23日が お正月でしたので、
タイトルはまだ、「新春ダイアリー」 のままで行きますね(笑)


●昨日&一昨日、札幌で 
「非暴力コミュニケーション(NVC)」
=「共感のコミュニケーション術」
=「平和をつくるコミュニケーショ術」

 
を学ぶワークショップ(WS)を行いました。

講師は、ジャーナリストで平和活動家の きくちゆみ さん。


主催は、私を含む、「NVC実行委員会さっぽろ」。

昨年6月は私の単身主催でしたが、
今回はNVCへの想いを共有している方々とともに
この実行委員会を作り、2日間で3つの連続講座を主催しました。

準備や告知の協力パワーで計40名の方々にご参加いただき、
学びと、気づきと、実践に満ちた、
濃密な平和時間を共有できたと感じています。

(皆さんもそうだといいな~♪)

(3番目のWS風景)


(最後のWS終了後まで残ってくださった方々と)


(↓これは、WSのラストにやった ボディワーク。
 一人ずつ自分の “ニーズ” を声に出して言ってから前の人の親指を握って、
 一つにつながり、輪=環=和になりました♪)

つながることができた皆さんに、心から感謝です!


●「非暴力コミュニケーション」
=NVC (Non Violent Communication) とは、

ガンジー、マザーテレサ、キング牧師など、
平和的な偉業を成し遂げた人々のコミュニケーション方法を研究し、
心理学者のマーシャル・ローゼンバーグ氏が体系化した手法。

(彼は現在80歳を超えていますが、ご健在だそうです)

対立を超え、互いの中に共感のポイントを見出し、
双方の ニーズ
 (根源的に必要としていること) を尊重しながら、
互いに、調和・発展していくためのコミュニケーション術です。


●日本語で読める関連書は、今のところ
『「なんでわかってくれないの!」と思ったときに読む本』(紀伊国屋書店)
1冊だそうですが、読みやすくて解りやすい内容でオススメです。


●東京では2月18日(土)~19日(日)に
明治学院大学 白金キャンパスで、
ゆみさんが学んでいた場所 「Bay NVC」 の
リーダーシッププログラムの講師の一人である、
ロクシー・マニングさんによるワークショップがあり、
ゆみさんから強力オススメメールが届きましたので、
興味がある方は定員になる前にご予約を♪


●私がNVCに出逢ったのは、2009年のこと。

2008年の終わりに出逢った ゆみさんに勧められ、
東京で開かれた外国人講師による2日間のWSに
参加したときの衝撃は、今も忘れられません。

その時のWSのテーマは、「怒りと嫌悪」。

当時、病気になるほど人間関係に苦悩し、
罪悪感や自己嫌悪でいっぱいだった私は、

そのWSでの
自分自身や参加者それぞれの具体的な悩みを
例題にしたやりとりを通じて、

・他者否定の気持ち(怒りや嫌悪)をたどってゆくと、
 自己否定に行き着くこと。

・自己否定の気持ち(自己嫌悪など)は、
 やがて他者嫌悪や他者否定につながってゆくこと。


を何度もワークして痛烈に思い知ったのでした。

(つまり、自己否定と他者否定はつながっている、ということです)

そして、もっと衝撃的だったのは、
講師の方の話と具体的なワークを通じて、

怒りや憎悪の源を さらに深くまでたどってゆくと、
どんな人も、どんな場合も、例外なく愛にたどり着く、


という、普遍の原理と 感情の筋道を発見した時。

その瞬間、自分の内に大地震が起きるとともに、
胸の底に氷河のように存在していた
孤独や不安のカタマリが一気に溶け去り、

胸の真ん中から全身の細胞に向かって温泉が染み渡っていくかのように、
私は自分の内側が、温かな安らぎで満たされてゆくのを体感したのです。

それ以来、その温かな確信は私の消えない宝物となり、
たとえ打ちのめされ、倒れることがあっても、
やがてまた凛とほほ笑んで立ち上がらせてくれる力になっています。


●以来、日常生活の中で
試行錯誤やトライ&エラーを繰り返しつつも
NVCの実践を心がけてゆくうちに、
実際、人々との交流が、だんだん、ぐんぐんスムーズになり、

人とのコミュニケーションはもとより、
生きること自体への不安が消え去りました。


もちろん今も (3・11後は特に)、
疲れ果てたり、ムカついたり、イライラしたり、
悲しくて泣かずにはいられないこともありますが、

そんな時もどんな時も心のベースにはいつも、
自分と、他者と、与えられている現実への揺るぎない信頼が、
大地のように広がっているのを感じます。


●長年繰り返してきた無意識のクセや習慣は、
数回NVCを学んだからといって一朝一夕に手放せるものではないし、

この手法に出逢って3年目になる私も、もちろんまだまだ学びの途上。

9年前、イラク戦争直前に米国で活動中にNVCに出逢い

(ある講演会時に、聴衆から、マーシャル・ローゼンバーグ氏の
 講演テープをプレゼントされたそうです)、
この手法が生まれたアメリカで2年間学び続けた ゆみさんでさえ、
「苦節9年でも、まだまだよ」 とのことですが、

「まず自分自身が平和に満たされること」 
から始まる、このNVCという手法や、

「NVC的コミュニケーション」
=「“自分の根源的な望みや必要性” に基づいた表現」
を多くの人が実践し、


(特にNVCを学ばずとも、
 暴力的でないコミュニケーションを実践している人々は
 日本を含む世界中にいることでしょう)

人間界が 「生かし合う喜び」 で満たされることが、
私がNVCを広めたい理由であり、ニーズなので、

そのニーズを満たすために、今後も自分の個性や特技を、
クリエイティヴに生かしていきたいと思っています。


(私の場合、なぜ上記のことがニーズなのかというと、

 「生かし合う喜び」 で満たされた世界では、
 殺し合いや、傷つけ合いや、奪い合いの必要がないので、
 安心して楽しく伸びやかに生きることができ、
 自分の個性を思う存分発揮しながら他者とつながって、
 互いにムリなく支え合い、学び合いながら、
 ワクワクする毎日を創造できると思うからで、

 NVCが、それを実現するための一つの道だと
 実感しているからです)



●今回のWSでも、参加された方々それぞれが
いろんな発見を持ち帰られたことと思いますが、

私が最も胸に残ったことは、ゆみさんご自身の体験に基づく
“信念” についてのエピソードでした。

人一倍信念が強く、それを原動力にして
様々な平和活動をモリモリやり続けてきた ゆみさんは、
アメリカでのNVCトレーニングで、
“信念” の新しい意味合いに気づかされたとのこと。

それは、
“信念とは、一つの道しかないと思い込むこと” という視点。


 「強い信念を持って脱原発運動を20年やってきた私は、
  一刻も早く全ての原発を廃炉にしないと
  子ども達は全員死んじゃう!
 と思っていて、
  NVCトレーニングの時にもそう言ったら、

  『それは本当のことか?』 と問われたの。

  そのことによって、「全員は死なないし、ほとんどは生き残る」
  という事実に立ち返ることができたんだよね。

  もちろん“ただちに影響が出ない” だけで、
  多くの子ども達の健康や安全、そして安心のニーズは
  すでに損なわれている
し、

  実際に福島の子どもたちには、
  下痢や鼻血や甲状腺の異変などの症状も出てきているから、

  すべての原発を廃炉にしたい!
  という私の想いは今も変わらないけれど、

  確かに、今すぐ全員が死んでしまうわけではない。

  私は長い間 強い “信念” を持って生きてきて、
  “信念はいいものだ” と思っていたから、

  『信念とは、その道しかないと思い込むこと』

  と言われてショックだったけれど、ハッとさせられたの。
 
  一つの考えに囚われるんじゃなく、
  いろんな可能性を新しく探していくこと
 も大切だよね。

  NVCでは、手段は一つじゃない、無限にあるよ、
  
って、いつも言われるんだ。
  そして、ニーズまでたどり着けば争いはない、ってね」」



●そして、こんなエピソードも話してくださいました。

「先日 別の町でやったNVCワークショップに
 とても熱心な様子で参加してくれた人がいて、

 WSの最後に 『渡すかどうか迷ったのですが』 と
 その人が名刺を差し出してくれたら、
 そこには原子力関係の会社名が書いてあったの。

 WSが始まる前に渡されていたらスパイかと疑ったかもしれないし、
 以前の私なら敵対心や不信感を抱いたかもしれないけれど、
 WS後で心がつながった後だったから、

 私の口から思わず出たのは、『今、大変でしょう……』 という、
 その人の気持ちに寄り添う言葉だった。

 後日、平和を求めて真剣に思い悩んでいるその人からメールが届き、

 『どうすれば、世界のすべての人々が幸せになれるエネルギーを
  つくることができるのでしょうね……』


 と書いてあってね、

 私は、『一緒に探していきましょう』 と返信したの。

 敵だと思っていた立場の人と
 こんなふうに語り合えるようになるなんて、夢みたい。

 NVCをやっていなかったら、
 こんなコミュニケーションは生まれなかった。

 やっていてよかった! と、心から思ったわ」



いや~ ええ話やなぁ~!(笑&感動)

私もいつか、敵対してしまいがちな立場にいる方々とも、
人間同士のコミュニケーションが交わせるようになって、
互いの特性を活かしながら新しい可能性を切り開いていけるように
精進しようと思いまっす!


●今回のWSで ゆみさんが繰り返し教えてくださったことは、
 「自己共感」 の大切さでした。

 これは、
 “自分が根源的・普遍的に必要としているもの”
 を、自分自身がしっかり把握している状態
のこと。

 自分が根源的・普遍的に必要としているもののことを、
 NVCでは “ニーズ(Needs)” と呼び、

 何はなくとも まずこれを自分自身に問いかけて、
 その時々の自分のニーズ を
 正確に把握することがNVCの基本になるのですが、

 これが すんなりシッカリできるようになってくると、
 まるで、息を吐き切ったあと
 吸おうとしなくても自然と息が吸えるように、

 次は 相手とつながるコミュニケーション に向かって
 その時々のTPOに合った自分なりのやり方で、
 自然と踏み出せるようになるのだと思います。


●自分自身のニーズとしっかりつながり、
その上で相手のニーズにも共感することができれば、
心と心の間に橋がかかり、互いに心根でつながることができる。

事実上 「つながりを絶つ究極の行為」 である 「殺し合い=戦争」
の現場となっていたパレスチナ自治区で、
本当は戦う必要も欲求もない人々
が殺し合っている姿を目の当たりにし、

コミュニケーションの断絶が
その大きな原因の一つであることを痛烈に体感した私は、

実践するたびにいつも 
“自分自身とも他者とも心根でつながれる喜び” が実感できるNVCを、

戦争
 (個人的・精神的な殺し合いも含めて) をなくす一つの方法として、

平和や安らぎを必要としている一人でも多くの人々に伝えたい! 
と思っています。
 (まだまだ未熟者ではありますが……汗)


●参考までに、ここでもNVCの基本をお伝えしますね。
(私には、“平和への貢献” と “効率性”  のニーズがあるので。笑)


 ①Observation(観察)
 …判断や意見を入れず、ありのままの事実だけを、
  カメラで見ているかのように客観的に認識して伝える。


 ②Feeling(感情)
 …気持ちや感じていること を認識して伝える。

 ③Needs(欲求)
 …根源的な望み・必要としていること を認識して伝える。

 ④Request(要求)
 …相手にイエス・ノーを委ねた上で、リクエストを投げかける。

……というステップで対話することが、
NVC(非暴力コミュニケーション)の基本。


対話の流れによって、この4つの作業の主体が
自分になったり相手になったりするのですが
 
(相手になる場合は、“推測” と “問いかけ” が前提です)、

この4つの柱をしっかり身につけた上で対話できれば、

相手との間に共感が生まれ
スムーズな人間関係を築くことができる、

平和的なコミュニケーション=NVC

になります。


●このシンプルな4ステップが すんなりできるようになるまでには、
たくさんのWSやトレーニングが必要なのですが、

それはつまり、現代人はそれほどまでに ほとんどの場合、

NVCとは かけ離れた言葉
=自分の本質と かけ離れた、平和的でない言葉
 を話している、

ということ。


あなたがもし、人々との日常会話に
この4ステップとは かけ離れた言葉を使っていて、

今の人間関係に、不安や、孤独や、悲しみや、苦しみや、
イライラや、ムカムカや、ウツウツや、ビクビクや、
悩みや、不満や、ストレスや、ウンザリ……
を感じているならば、

その現実を変える第一歩として、

これまでの話し方をやめ、
この4ステップに基づく言葉を話してみること

をオススメします。


●興味がある方は 試しにまず NVCの大基本となる、

自分のニーズ
=根源的に必要としているもの
=最も大切に思っているもの


は何かを、考えてみてください。


言い換えればそれは、

自分は何が欲しいのか、
何をしたいのか、
何のためにそれをしているのか、


ということです。


“ニーズだと思ってしまいがちなもの” の代表格が
「お金」 や 「時間」 ですが、
この2つは ニーズを手に入れるための手段 であり、
ニーズそのものではない ので、ご注意あれ。


●あなたが自分のニーズを見つける助けになるように、
WSでもらった ≪ニーズの未完成リスト≫ から
いくつかの “ニーズ言葉” を挙げておきますね。

 つながり ・ 受け容れられること ・ 愛
 認めてもらうこと ・ 協力 ・ サポート ・ 貢献
 仲間 ・ 思いやり ・ 配慮 ・ 共感 ・ 親密さ
 尊敬 ・ 安心 ・ 安全 ・ 信頼 ・ 誠実さ
 喜び・平和 ・ 美 ・ 気楽さ ・ くつろぎ ・ 平等 ・ 調和
 身体的幸福 ・ 空気 ・ 水 ・ 食べもの
 活動 ・ 運動 ・ 休息 ・ 睡眠
 意識 ・ 創造性 ・ 発見 ・ 効率性
 成長 ・ 希望 ・ 学び ・ 刺激 ・ 理解
 自主 ・ 自立 ・ 選択 ・ 自由 ・ 空間…… などなど



ニーズはその時々で変化するかもしれませんが、

表面的な自分の欲求をたどって行った根っこにある
「根源的・普遍的なニーズ」

を正確に自覚し、自分自身を深く理解することができれば、
そのニーズがどんなことであれ、結果的に誰もが間違いなく、
安心や喜びにたどり着きます。
 (断言!)


●ゆみさんいはく、

 「NVCは、筋トレのようなもの。
  トレーニングすればするほど鍛えられ、身についていくのよ」



慣れるまでは筋肉痛になることもあるかもしれませんが(笑)、

習慣化すれば 交流の基礎体力 が付いて
どんな人とでもラクにつき合えるようになり、
生きること自体がラクチンで楽しくなります。


私もまだまだ発展途上ゆえ、
NVCできていない時も モチロンしょっちゅうありますが、

とりあえず 今のところは、
ブログという公共の場にこんなことが書けちゃうくらいまで、
恐れを知らぬ心持ちになることができました(笑)


(表面的には、コワイものも、イヤなことも、まだまだあるけどね) 


●最後に、自分自身に、そして、
今これを読んで下さっているあなたに、以下のことを問いかけて、

超ロングダイアリーへのおつきあいに心から感謝しつつ、
今日の日記を閉じたいと思います♪


・あなたは自分自身のニーズを把握し、
 それを満たす行動をしていますか?

・自分のニーズを満たすことにつながる言葉や態度を、
 家族や、友達や、かかわりのある人々に表現していますか?






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NVCワークショップ (Gen Morita)
2012-01-31 05:35:07
みずほさん。お久しぶり。NVCの基本を懇切丁寧に説明してくれてありがとう。本当にその真髄をしっかり捉えているのに感動しました。NVCは私たちが外と内にいま最も”平和”をもたらすためにエネルギーを注いでいるスキルラーニングです。長い旅ですが、ワクワクする発見の連続です。ありがとう。
返信する
ありがとうございます!!! (はらっぱみづほ)
2012-01-31 20:08:31
玄さん、うれしいコメントに感涙です!

みんなで行った鴨川のレストランで
NVCのプチレッスンをしていただいたとき、
どーしても自分のジャッジが入ってしまって
事実の観察がなかなかできなかった自分を、
懐かしく思い出しました。

この文章を書けた自分が嬉しいです。
私もNVCのワクワク旅を、ぐんぐん続けていこうと思います。

またお目にかかれる日まで、どうぞお元気で…!
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