彩賀の徒然なるままに…

徒然なるままに,種々様々な事を記す控帳(TB&Comenntは表紙1番目の記事をご参照を。)

【地獄少女三鼎】悔之玖 「はぐれ稲荷」

2008-11-30 13:50:40 | ã‚¢ãƒ‹ãƒ¡ãƒ¼ã‚·ãƒ§ãƒ³
今週の『地獄少女 三鼎』第9話「はぐれ稲荷」の感想記事です。

今回のエピソードは,依頼人がターゲットに別に怨みの感情を抱いているわけでもなく,別の人間によって”怨まれている”(ラストで,それが「ただ,ウザかった」からという理由での”怨みの様なもの”だったことが判明する)人物に代行して行ったというものですが,結果として依頼人の状況が悪くなることを暗示させる形で終わったという,少々変わったところがあるエピソードでした。

依頼人が,少々特殊な能力を使うことができるのも,エピソードが終わって振り返ってみると「ただ偶然が重なっただけ」なのですが,依頼人にとっては何時しか偶然が必然に変わってしまった上,「(理由は不明だが)今まで見向きもされなかった自分が頼りにされていることが嬉しい」一念から突っ走った挙句,取り返しのつかない状態を迎えたと言えます。

依頼人の気持ちは十分に判るのですが,彼女にとっての不幸は「自分を頼ってくる人物が皆,善意の人ばかりだ」と信じて疑わなかったことでしょうね。

実際,依頼人が地獄落しを依頼する羽目になったのは,彼女に人を呪い殺させる様に仕向けた人物の,ある意味気まぐれな,人を子馬鹿にする態度を持っていた態度のせい―ともいえますが,最終的に「人を呪いために,地獄通信にアクセスした」のは依頼人が自分で選択した「自分の責任」であって,その為に人を責めることはできないのではないかと思います。

結果として,前述したように依頼人には別の「人を呪い殺す」依頼を受けざるを得なくなり,自身の能力で人を呪い殺したわけではない依頼人に取っては,「お稲荷さんの能力=実は偶然に頼った危ういもので,人を呪い殺すことができない」ことが,地獄通信という「奥の手」を早々に使ってしまった為に自身が窮地に陥った―のでしょう。

今シーズンの『地獄少女』は,依頼人が地獄落しを依頼して事態が解決になったというよりは,実はそれ以上に深刻な状態になったエピソードを主に描こうとするスタッフの皆様の意向ではないのかと思っておりましたが,そう考えると,第2シーズン『地獄少女 二籠』の”悪魔少年”のエピソード群とは違った意味で「人の愚かさ」を描こうとしているのではないのか―と思わずにはいられません。

ただ,(性格面での)グロさやストーリー上での暗さだけではひきつけられることがないものが,『地獄少女』には描かれているので,見ている側(当方も含む)にとっては,無間地獄の特等観客席にただ黙って見ているだけしかできないのですね…。


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