本を読んでも映画を見ても、上の空の人は多いだろう。俺もそのひとりで、東日本大地震の被災者の現状、メルトダウンの危機に、絶望や怒りが去来して心が鎮まる気配はない。
福島原発事故直後、菅首相は原子炉廃炉を前提にしたアメリカの協力申し出を拒否したとメディアが伝えた。<原発=国策>を貫く姿勢を内外に示したかったのだろうが、昨日(18日)になってようやく廃炉の動きが具体化する。エネルギー確保に血眼の中国でさえ原発建設を白紙に戻すなど、各国で見直しの声が上がっている。報道が事実なら、菅氏を〝亡国の宰相〟と呼ぶしかない。
ネット時代の今、海外メディアの報道、広河隆一氏らの現地リポート、原子力資料情報室の状況説明にたやすく触れることができる。真実に近づいた者は、枝野官房長官の会見が偽りだらけの〝大本営発表〟であることに気付いている。
♪これを黙認すれば、おまえの子供たちが耐えなければならない。これを許容すれば、子供たちの世代が同じ目に遭わなくてはならない……(「輝ける世代のために」から)
スペイン市民戦争にインスパイアされたマニック・ストリート・プリーチャーズの名曲を口ずさみながら、当稿を書いている。日本にとって〝これ〟とは即ち<棄民>だ。南方戦線を飢餓状態で彷徨った兵士、関東軍に見殺しにされた満蒙開拓民、広島と長崎の被爆者、水俣病患者……。現在の<棄民>は救援物資が届かない福島第一原発周辺の住民であり、いずれ放射能汚染に苦しむ可能性が高い人たちだ。
枝野氏や御用学者は、放射能の被害について「直ちに人体への影響はない」と婉曲的に語っている。裏を返せば「長いスパンでは危険」ということだ。映画「ヒバクシャ」では、チェルノブイリから漏れた放射能と特定地域(北海道、東北、北陸)における乳がん患者の死亡数、中国の核実験と日本国内の乳幼児死亡率の相関関係が提示されていた。
地震大国日本における原発に警鐘を鳴らし続けてきた広瀬隆氏の最新刊「原子炉時限爆弾~大地震におびえる日本列島」(昨年8月)は、くしくも今回の事故の予言の書となった。他の反原発論者同様、マスメディアからパージされてきた広瀬氏だが、17日には「ニュースの深層」に出演し、鋭い舌鋒で葉千栄キャスター(東海大教授)をたじたじとさせていた。
「広瀬隆/広河隆一 福島原発で何が起きているか?」(23日)に参加するので、番組で広瀬氏が指摘した初動と手順の誤り、地震や被曝についての分析とデータは、報告会と併せて詳しく記したい。
広瀬氏は毎日新聞に、<東電は「電力が不足する」と危機感をあおって「もっと原発を造らなければならない」という方向に持っていき、原発の必要性を市民の頭に刷り込みたいのだろう>とコメントを寄せている。真夏のピーク時でも火力と水力で十分賄えると番組でも語っていた。
日本人は大本営発表にあまりに弱すぎる。枝野氏を称賛する声が上がっていると知り、暗澹たる気分になった。放射能による健康被害が顕在化した時――そうならないことを切に祈っているが――枝野氏はいかなる汚名を着せられるのだろうか。
福島原発事故直後、菅首相は原子炉廃炉を前提にしたアメリカの協力申し出を拒否したとメディアが伝えた。<原発=国策>を貫く姿勢を内外に示したかったのだろうが、昨日(18日)になってようやく廃炉の動きが具体化する。エネルギー確保に血眼の中国でさえ原発建設を白紙に戻すなど、各国で見直しの声が上がっている。報道が事実なら、菅氏を〝亡国の宰相〟と呼ぶしかない。
ネット時代の今、海外メディアの報道、広河隆一氏らの現地リポート、原子力資料情報室の状況説明にたやすく触れることができる。真実に近づいた者は、枝野官房長官の会見が偽りだらけの〝大本営発表〟であることに気付いている。
♪これを黙認すれば、おまえの子供たちが耐えなければならない。これを許容すれば、子供たちの世代が同じ目に遭わなくてはならない……(「輝ける世代のために」から)
スペイン市民戦争にインスパイアされたマニック・ストリート・プリーチャーズの名曲を口ずさみながら、当稿を書いている。日本にとって〝これ〟とは即ち<棄民>だ。南方戦線を飢餓状態で彷徨った兵士、関東軍に見殺しにされた満蒙開拓民、広島と長崎の被爆者、水俣病患者……。現在の<棄民>は救援物資が届かない福島第一原発周辺の住民であり、いずれ放射能汚染に苦しむ可能性が高い人たちだ。
枝野氏や御用学者は、放射能の被害について「直ちに人体への影響はない」と婉曲的に語っている。裏を返せば「長いスパンでは危険」ということだ。映画「ヒバクシャ」では、チェルノブイリから漏れた放射能と特定地域(北海道、東北、北陸)における乳がん患者の死亡数、中国の核実験と日本国内の乳幼児死亡率の相関関係が提示されていた。
地震大国日本における原発に警鐘を鳴らし続けてきた広瀬隆氏の最新刊「原子炉時限爆弾~大地震におびえる日本列島」(昨年8月)は、くしくも今回の事故の予言の書となった。他の反原発論者同様、マスメディアからパージされてきた広瀬氏だが、17日には「ニュースの深層」に出演し、鋭い舌鋒で葉千栄キャスター(東海大教授)をたじたじとさせていた。
「広瀬隆/広河隆一 福島原発で何が起きているか?」(23日)に参加するので、番組で広瀬氏が指摘した初動と手順の誤り、地震や被曝についての分析とデータは、報告会と併せて詳しく記したい。
広瀬氏は毎日新聞に、<東電は「電力が不足する」と危機感をあおって「もっと原発を造らなければならない」という方向に持っていき、原発の必要性を市民の頭に刷り込みたいのだろう>とコメントを寄せている。真夏のピーク時でも火力と水力で十分賄えると番組でも語っていた。
日本人は大本営発表にあまりに弱すぎる。枝野氏を称賛する声が上がっていると知り、暗澹たる気分になった。放射能による健康被害が顕在化した時――そうならないことを切に祈っているが――枝野氏はいかなる汚名を着せられるのだろうか。
ACジャパン(電力会社の傀儡)が、日本は強いとかおかしなCMを流してますが、哀しいことにこの国の本質は戦前と何も変わっていなかったみたいですね。経験されて身に染み方の声を聞かせていただいて感謝しています。