fantasia*diapsida

ニュース観て驚いたんだが、鼻行類の新種が記載されたらしいですね。
ただし、今回のは生体が見つかったわけではなく、
Einar Pettersson-Skämtkvistにより採集された、
大量のホルマリン固定標本の中からの再分類とのこと。

　ただ論文としては、いまひとつ説得力がないと感じました…。
　すでに「ニセトビハナアルキモドキダマシ」なんて揶揄も出回っているようです(^^;)

脊索動物門 Chordata
 è„Šæ¤Žå‹•ç‰©äºœé–€ Vertebrata
  四足動物(四肢動物) Tetrapoda
   単弓類 Sinapsida
       哺乳類 Mammalia
　　　　鼻行目 Rhinogradentia
　　　　　単鼻亜目 Monorrhina
　　　　　　古鼻類 Archirhiniformes
　　　　　　　　 Pseudohopsorrhinidae　(ニセトビハナアルキ科…って訳でいいか？)
　　　　　　　　　 Pseudohopsorrhinus aprilfolis.。

　　　Alan Smithee,  Uties Nomad,  Jack O'lier,  Wu Ming,
　　　"No easy answers in evolution of nasobema: convergence of sclerorhinos."
　　　Mature 2011, 752(6018), p.1256-1274　

CTスキャンなどによって解剖学的特徴を調べた結果、
これまでトビハナアルキ科(Hopsorrhinidae)とまとめて考えられていたものの中で、
鼻前頭関節(Articulatio nasofrontalis)と鼻膝関節(Articulatio deutonasalis)などに
明らかに異なる特徴を持ったグループが少なくとも2種類存在するようです。

このうち今回再発見されたPseudohopsorrhinus aprilfolisは、
その歯式や様々な特徴がムカシハナアルキ(Archirhinnos)などと非常によく共通しており、
今回の論文では古鼻類(Archirhiniformes)に分類し直されました。
これに基づけば、トビハナアルキの属する硬鼻類(Sclerorhina)のような、
発達した関節を持った鼻の硬骨は、ハナアルキの中で2回独立に獲得されたことになります。

　　topに使わせていただいた画像は、open accessになっている分のFig.1Bを引用。
　　P. aprilfolisの生後間もない胎児のCT画像で、
　　まだ各部の骨格の骨化が進んでいないことが見て取れます。


ただ、ままに議論されるように、
解剖学的特徴のみを用いて建てられた系統樹を基準にして形態の進化を述べることは、
しばしば循環論に陥っているように捉えられがちであり、
今回の場合も形質の重みづけの仕方によっては、
硬鼻類の中から二次的に古鼻類に収斂するものが現れたと考えられなくもありません。
(そもそも「本当にこれは新しい分類群として位置づけられるのか？」といった疑問も、私は払拭できません…)
こういうときに分子系統の裏付けがあると、どーも安心するものだけれど…(笑)
このような古いホルマリン固定のサンプルから、DNAを取ってくるのは難しいかもしれませんね。
ただ、ここで嘆く必要がないことに、今日はApril foolです。

　　　ps. その後様々な意見を聞きましたが、
　　　　　 皆一致しているのは「今回の説は少々許容できないな」ということ…。
　　　　　 鼻行類研究もまだまだ難しいところですね。


以前の記事も参考に
　　→ ãƒ»Rhinogradentia： é¼»è¡Œé¡žã«ã¤ã„て

まぁ、今回も以前の記事も4月1日の話なんですけどねー。(－ω－)


　　　

 ãƒ»specimens：　我が家の収蔵標本。
 ãƒ»vertebrata：01・02　脊椎動物。

　・hobby japan 84：　ホビージャパン 1984年4月号。
　・dinosaur expo 2009：01 - 05  『恐竜2009　砂漠の奇跡』
　・mosa：　モササウルス展@岸和田。
　・mithorn：　色々。

The huge earthquake and tsunami are still threatening a lot of people in North-East Japan.
We are now praying and help for them to take back normal life; studying, kidding laughing....an incredible number of wonderful thigs.