DO NOT PAY FOR JAILBREAK YOUR DEVICE!

最近、『NTTドコモのSIMカードでLTEを使えるようにする』『ソフトバンクやKDDIで月額を払わなくてもテザリングができるように』などのフレーズで『CommCenter* patch』や各種キャリアバンドルをインストールする代行業者があるようで、たいへん多くの「どのような関係性があるのか」「無償で提供しているように見せかけてカネを取るのか」「いくら儲かるのか」といった問い合わせを受けています。

これらの悪質な業者と我々は、いっさい関係がありません。Jailbreakは無償で提供されるべきものであり、これを商用利用すべきものでもありません。 [続きを読む »]


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2012年10月3日水曜日

世界初のデュアルW-CDMA端末『Coolpad W770』を試す

これまでiOSの強かったエントリ群が一挙にAndroidづいていますが、〝世界初のW-CDMA デュアルSIM端末〟である、中国・宇龙计算机通信科技(Yulong)の『Coolpad(酷派) W770』を紹介します(機材提供: Digital house モバイル トラちゃん、日本語がよい方はこちらへ別途ご相談を)。

アッ、そうだ。これはとても大事なことですが、この端末には総務省による特定無線設備としての技術基準適合証明は存在せず、みなし証明となるFCCやCE等の相互承認協定機関による基準認証も存在していません。

つまり、日本国内で無線電波を受発信すると電波法違反となる可能性があります(ので、メディアなどがわざわざ取り上げる可能性も低いですし、あくまでも個人の責任の範囲でやりましょう)。それでは、600人民元程度(2012年10月現在)の端末で見られる夢のお話です。

Coolpad W770は何がすごいのか

これまでのデュアルSIM端末は、片側スロットがW-CDMA(3G)・もう片方がGSM(2G)というものばかりでした。日本でも馴染みのあるブランドとして『Xperia』(ソニーモバイル)や『Galaxy』(Samsung)シリーズなどもデュアルSIM端末を提供していますが、これらも同様です。

デュアルSIM端末が重宝されるマーケットは主に中国(のような新興国)で、中国国内での一般的な運用方法が「(政府由来の古い電話会社で)エリアの広い中国移動のGSMを音声通話・SMSに」「(業界再編による新興企業で)通信速度の速いW-CDMAの中国聯通をパケット通信に」というものだというのが大きな理由として挙げられます(プリペイド方式が一般的なため、SIMを分けたほうが通信料を安く抑えることができる)。

もうひとつ大手キャリアとして中国電信がありますが、こちらはCDMA 2000です。また、中国移動も3Gサービスを提供していますが、これはTD-SCDMAと呼ばれる中国独自方式です。つまり、中国移動の2G・中国聯通の3Gが一般的な国際規格と共通です(中国聯通も2Gの通信方式は国際規格であるGSMです)。

この状況に打って出たのが、中国聯通の3Gブランド(※NTTドコモ『FOMA』のような)である『wo』です。『Coolpad W770』は中国で一般的な〝メーカー直売〟ではなく、〝3Gデュアル待ち受け対応〟を前面に押し出したキャリアブランド端末としてリリースされているのです。

2012年6月27日水曜日

〝The New iPhone〟のパーツ……? それならばnanoSIMを作ってみよう。

(W)8.8*(H)12.3*(D)0.67mmという大きさだけが先行していて、策定していたETSIは結局どのベンダーの案を採決したのかはイマイチ不明だった(日経によればApple案? ただしソースは日経)〝nanoSIM〟(4FF)と呼ばれる新しいSIMカードの規格があります。

どうもそれらしきスロットを含む、それっぽいパーツがどこからともなく筆者の手元に流れてきたので、SIMカードを切って検証してみましょう。

謎のパーツ群

その前に、ちょっとだけパーツ群を紹介しましょう。

それぞれのパーツはとても精度が出ていて、悪い中国人がちょっと〝オッ、これを作ればニホンジン簡単に騙されるアルよ!〟と言って作った感じではありません。──いや、iPhoneのカスタムパーツなどでは一見純正と見まごうようなパチモノがあるのも事実なのですが。

どこかGALAXY S IIIを彷彿とさせるブルーとシルバーといった感じの電着塗装ですが、塗装やメッキは剥げてきたときがみっともないからしない、というJobsの哲学はどこへ行ったのでしょうね(いやだからこそパチかもしれないんですかね)。

スロットも大変精度は高く、まあ、これなら確かにホンモノかも…… と思ってしまわないでもない出来です(ところで、最近は低品質のものしか出回っていませんが、iPhone 4初期のころは大変精度のよいニセスロットがありました)。

さて、気を取り直してSIMカットに移りましょう。

2012年3月20日火曜日

Dropboxへ23GBの無償ストレージを追加する (2年限定)

Dropbox』は、無料で5GBの容量が使用可能なクラウドストレージサービスです。過去にも様々なキャンペーンが行われ、この容量に数GBずつ追加するような施策がありました(※参考例)。

しかし、過去の施策はあくまでも〝数GB〟。さすがに有料プランの容量へ近づけるようなことはありませんでした。

そんな中、『xda-developers』のとあるフォーラムでDropbox関係者とみられる投稿者から配布されたAndroid端末向けのDropboxバイナリ(※すでに消えています)が、なぜか23GBもの追加容量を(2年間限定ながらも)付与してくれるらしいことが、海外ニュースサイトなどで話題となりました。実際に試してみましょう。

2012年3月12日月曜日

ibeats/urbeats by "Beats by Dr. Dre"

Beats by Dr. Dre』シリーズはBeats Electronics社の製品で、Dr. Dreによるチューニングが施され、Monster Cable Products社が製造するヘッドホンのブランドです。

全体としてはモニタヘッドホン志向の味付けでありながらも、ヒップホップ界の重鎮らしい迫力ある重低音を再現したチューニングで根強い人気があります。

特徴のある平たいケーブルを採用したインイヤー型ヘッドホン『Tour with ControlTalk』(MH BTS IE CT)などは、特によく街の中でも見かけることが多いのではないでしょうか。赤い平型ケーブルと〝b〟のロゴは遠くからでも大変目立ちます。

もう少し(外見的な)味付けのおとなしいシリーズとして『ibeats with ControlTalk』(MH IBTS IE CT)があり、こちらはケーブルが通常の丸形でありながらも重低音の強いモニタという方向性は変わらず、堅実なラインです。

このヘッドホンとスペック的には同一ながら付属品や有線式リモートコントロール〝ControlTalk〟部分の仕様が異なる(Android向けとなる)、〝Beats Audio〟などと呼ばれるHTC社『Sensation XE/XL』の付属ヘッドホンが多少安価に売られています(※参考)。

市場には偽物も出回っている(※参考: 日本国内正規代理店からの警告)ため、あまりにも安いものは出所が怪しいのですが、このHTC製携帯電話機に付属したものを入手したので、レビューします。

2012年3月7日水曜日

NTTドコモ『GALAXY NEXUS』SC-04D レビューとSIMロック解除

GoogleのAndroidリファレンス端末『Galaxy Nexus』のNTTドコモ版であるドコモNEXTシリーズ・Samsung製『GALAXY NEXUS SC-04D』の端末価格が2月中頃より下落を始め、2月25日までの月々サポート増額施策の終了によってとうとう機種変更でも強制オプションやコンテンツがほぼない一括購入で5,000円程度の店舗が出始めたため(※ドコモオンラインショップでも15,120円)、『P-06C』での契約だったドコモ回線(※miniUIMカードへ交換済)を機種変更しました。

ここのところの急激な端末価格下落は、さしずめXiに対応した〝GALAXY NEXUS LTE〟などの次機種の準備に入ったということでしょうか。

何にせよ、他キャリアでは長期利用ユーザーへの優遇施策が事実上ほとんど存在せず、MNPや新規契約ばかりが価格的に大きく優遇されるため、キャリアにとってはメリットが少ない機種変更に対してでも安価にハイエンド機種を提供しようとする、このようなドコモの姿勢は大変に好印象だと思います。

2012年2月26日日曜日

KDDI版iPhone 4Sにおける、他機種用SIMカード(R-UIMカード)の活用

KDDI版iPhone 4Sには、いわゆるレベル2ロック(L2ロック)がありません。キャリアロックのみ施されているため、KDDIの発行しているマイクロタイプのR-UIMカード(※CDMA 2000方式における〝SIMカード〟は『R-UIMカード』と呼称されます。以下同)であれば他機種や他のKDDI版iPhoneとカードを挿し替えて使い回すことが可能です。

auショップではiPhone 4Sを持ち込んでの新規契約や機種変更を認めていないようですので、ここで紹介する手法は、あくまでも「プールに水没させちゃったけど保証ないし全損だしヤフオクでアイホン落とすかぁ」などと言った、ある種の奇特な人が使用できる手段です。

2012年2月17日金曜日

Edy も内蔵したiPhoneを作ろう

あっという間に当サイト一の人気エントリとなった前回のSuica内蔵エントリに続いて、iPhoneへEdyを追加して内蔵してみました。

複数のFeliCaチップの可載性について

FeliCaチップ搭載のICカードは、異なる種類(属性)のカードを3枚まで重ねて使用することができる〝アンチコリジョン〟に対応していることがあります(※参考)。アンチコリジョン対応カード(たとえばSuica)と非対応カード(同Edy)が重なっている場合、それぞれのカードの発振時間が異なるためにリーダーがそれぞれを検出できることがあります。たとえば以下のような組み合わせ例があります(※必ずしもこの組み合わせで使用できるというわけではありません)。

エラーの起きない例
Suica+Edy+nanaco(QUICPay)
Suica+WAON+社員証(電子マネー非搭載)
エラーの起きる例
Suica+PASMO+Edy
PASMO+Edy+WAON

アンチコリジョンが働くことが期待される組み合わせでも、決済端末の仕様によってはエラーが起こったり、希望とは違う電子マネーから決済が行われてしまう場合もあります。ローソンなどはこの問題を防ぐため、利用可能な電子マネー一覧を客側タッチパネルで確認させる仕様になっています。

現実的には、表裏に2枚ずつ計4種類程度のFeliCaチップ内蔵が可能なのではないでしょうか。

2012年2月10日金曜日

SGP CASE Linear EX Color Series [Lime] for iPhone 4/4S

SPIGEN SGP(旧称SGP)のiPhoneケースは以前に『Neo Hybrid EX 2』シリーズを過去のエントリで紹介していますが、今回は『Neo Hybrid EX』シリーズとは違って全体が樹脂パーツで構成されたバンパースタイルの新製品『Linear EX』シリーズを購入したので軽くレビューします。

2012年2月7日火曜日

Suica内蔵のiPhoneを作ろう

筆者は初代iPhoneから数えて長年ずっとiPhoneをメインの電話機として使い続けていますが、iPhone以前の過去に一時期だけ使っていた日本の〝おサイフケータイ〟はとても便利なものだったと思っています。

日本の交通システムに言いたいことはいろいろありますが、FeliCaチップを利用した『Suica』や『PASMO』などの交通系電子マネーも大変便利だと思います。iPhoneでも使いたいですね。

「NFCが内蔵されればあるいは……!」などと偉い人たちが言っていたら、『Galaxy S II』のように日本向けにはNFCが搭載されなかったり『Galaxy Nexus』のように(そもそもFeliCa互換としては動作しない)遅いタイプのNFCが搭載されたりで散々でした。あのような悪夢は一刻も早く忘れましょう。我々には使いやすい電話機が必要です。iPhoneがふだん使う電子マネー搭載型携帯電話として動いてくれればそれでよいのです。

FeliCaチップ内蔵の非接触式ICカードからフレキシブルプリント基板(FPC; シート状の基板。以下、フレキシブル基板)を取り出して携帯電話に内蔵する試みは既に各所で行われていて、このエントリで取りあげるアプローチも目新しいものではありません。

ここで紹介する手順としては、Suicaの圧着部分を切り離し、表層シートを剥がし、溶剤に漬けてフレキシブル基板を取り出し、そのフレキシブル基板を元にiPhoneへ内蔵するための改造を行うというものです(※後日談として、Suicaに加えてEdyをiPhoneへ内蔵したエントリを公開しています)。

2012年1月26日木曜日

SoftBank SELECTION SB-KB02-CPKB/BT by IODATA

iPhone/iPad向けのBluetoothキーボードと言えば大変ニッチな市場ですが、フルサイズだったりスライド式だったりする製品は多くリリースされているにも関わらず〝小型〟で〝パンタグラフ式〟のキーボードというのが実はこの製品しかありません。ソフトバンクBBIODATAから供給を受けて販売するソフトバンクセレクションSB-KB02-CPKB/BT』を紹介します。

念のためお断りしておくと、〝ソフトバンクセレクション〟とはありますが、KDDIのiPhoneでも問題なく使えますのでご安心ください。

2011年12月24日土曜日

MacBook Air (Late 2010)が出火した

年の瀬迫るクリスマスイブ、皆様が充実したときをお過ごしの中、筆者のMacBook Air 11 (Late 2010)はLCDインバータ付近より出火しました。

あらかじめ書き添えておきますが、この問題は既にAppleより誠意ある対応をしていただいて解決済みの事項であり、問題を再燃させたいという趣旨のものではありません。

同様の事例はそれほど多いものとも考えられず、当該端末固有の事象であると思いますが、その後の対応の話に関してはインターネット上にもそれほど見当たないため、後の参考のための記録として公開します。

2011年11月12日土曜日

GMOインターネットのEMOBILE GP02が届いた

GMOくまポンの運営するクーポンサイト『くまポン』にて『50%OFF【2,120円】≪イー・モバイル42M PocketWiFiプランが2年間半額!初期費用完全無料!≫』というキャンペーンが展開されていました(※2011年11月中旬段階でまだ続いています。 → 終了して特典内容の変更された後継プランが出ています。Yahoo! リアルタイム検索での "gp02 一括" なども総額の参考にするとよいでしょう)。

筆者は『b-mobileSIM U300』を普段遣いしていて、以前のキャンペーンによって18ヶ月パッケージとなっていたため、この有効期限が2012年4月中旬まで残っています。

まだ半年近くこれが有効である以上はそれほど魅力的ではなかったのですが、周囲の「安いですよ!」「GP02いいですよ!」という声に負け、うっかりクーポンを購入してしまいました。

2011年10月5日水曜日

iPhone 4SとCDMA 2000について、今知っておいてほしいこと

おおかたの予想どおりのスペックで、『iPhone 4S』が発表されました。端末自体については、ある程度正確な情報に触れられる立場にあったため特に感慨はないのですが、ローレベルな携帯電話ネットワーク周りのハッカーとして、報道ではあまり詳しく掘り下げられなさそうな部分について触れておこうと思います。

iPhone 4Sのデザインについて

〝iPhone 4と比べてミドルフレームのデザインが変わった〟というのは厳密には正しくなく、ミドルフレームの絶縁体の位置に関しては既にVerizon版のiPhone 4で採用されていたデザインであり、これはCDMA 2000が規格としてクロスしたダイバシティアンテナを要求するために設計変更されたものです。

これによってiPhone 4のケースが使用できなくなるという説がありますが、いわゆるGSM版iPhone 4(W-CDMA版を含む)専用で〝タイトに〟設計されたケースはサイレントスイッチの位置が異なるために使用できなくなるというのが正しいです。米国などで設計されたケースであれば、この開口部が大きく設けられていて両対応になっていることが多いです。

CDMA 2000の仕様について

CDMA 2000には、規格上〝SIMカード〟という概念がありません。KDDIはauブランドの携帯電話に、SIMカードにとてもよく似た『R-UIMカード』を採用しており、またほぼ同一のCDMA 2000向け規格として『CSIMカード』というものが存在しますが(両者の大きな違いはGSMネットワークの対応可否)、これは(GSM/W-CDMAにおけるSIMカードの主な役割である)契約者情報の管理というよりも、コンテンツの権利検証・復号鍵としての意味合いが強い(つまり日本のTVにおけるB-CASカードに近い)ものです。

2011年8月30日火曜日

GOOAPPLE 3G リカバリモードとブートロゴ変更

GOOAPPLE 3Gでも、ADBから指定することでリカバリモードに入ることができます。

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SDKがインストールされており、ADBが正しく動く環境から以下のように実行します。


$ adb reboot recovery

※ブートローダにも入れるはずなのですが adb reboot bootloader を実行してもエクスクラメーションマークが表示されたり通常ブートしてしまうだけで、ブートローダ上での操作はできません。

2011年8月24日水曜日

GOOAPPLE 3G カメラ LEDフラッシュの改善

iPhone 4にもGOOAPPLE 3Gにも、カメラレンズの横には小さくLEDフラッシュが内蔵されています。LEDフラッシュ、余計なときに発光しなければ便利です。

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GOOAPPLE 3G リカバリモードとブートロゴ変更

iPhone 4はマクロ撮影も綺麗でオートホワイトバランスも優秀です。以下は、上側がフラッシュ発光なし/下側がフラッシュ発光ありの作例です。明るいところでフラッシュを強制発光させても破綻を起こしません。

GOOAPPLE 3Gを使って同条件で撮影したものが以下の作例です。なお、GOOAPPLE 3Gにはマクロもオートホワイトバランスもありません。

絞りもホワイトバランスもとても曖昧なので、このような構図でフラッシュを発光したときに中心部がハレーションを起こしてしまうのは仕方がないのですが、本体構造に問題があってレンズカバーにフラッシュの光が入り込んで反射してしまうため、全体的に白っぽい青被りを起こしています。この作例では、写真の上側に向かって全体的に青白く感光しているのがそれです。

これを改善しようというのが今回の記事の趣意です。

2011年8月17日水曜日

GOOAPPLE 3G (分解・改造編)

前編の『GOOAPPLE 3G レビュー編』に引き続き、分解と改造編をお届けします。

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筆者の手元に届いた端末は、全体的に〝中国だなー〟という感じで組み立てが汚かったので、分解して調整し直すことにしました。基剤やワックスなどの油ジワが残っているなどの状態は今の日本の工業製品では考えられませんが、GOOAPPLE 3Gに関してはそういう状態です(iPhone 4もここまで酷くはないものの出荷時点で揮発工程が終わっておらず、液晶が汚いなどと当初言われました)。

分解方法はいたって簡単です。iPhone 4と同じくドックコネクタ左右のネジ(海外版の初期型と同じプラスです)を外し、バックケースを上にスライドすると内部にアクセスすることができます。この端末の内部的な名称は〝845〟のようです。筆者のボードにはリビジョンらしき〝V.2.1〟という番号も併記されていました。

外見はそっくりですが内部的には設計がだいぶ異なります。メインボードを外すために必要なのは、ボード上と(iPhoneで言うところの)ラウドスピーカー上のプラスネジを合計8本外すことと、ボードの右上と左下のフラットケーブルを外すことです。

ラウドスピーカーの下にもメインボードへフラットケーブルが通っているので、そこに注意しながらラウドスピーカーのフレームごと持ち上げると、アンテナの境界線あたりからごそっと外れます。

2011年8月14日日曜日

GOOAPPLE 3G (レビュー編)

GOOAPPLE 3G』については、話題性がいくらあっても一般的に〝スポンサーの意向〟に触れてしまう内容なので、たぶんだれも深いことまで書かないと思います。誌面では間違いなく掲載拒否を食らうラインです。そういうわけで、ここで詳しく展開することにしました。

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記事を公開してから、いくつか質問を受けました。代表的なものに回答します。 (8/22追記)

どこまでがネタなのか? ネタではない証左は?
このエントリに関して、いわゆる〝ねつ造画像〟というものは作成していません。『GOOAPPLE 3G』は本当に中国国内で製造・出荷され、世界に販売されている〝商品〟です。これがネタなのであれば、その存在から含めてすべてがネタなのでしょう。ネタでないことについては、このエントリの後編にあたる〝分解・改造編〟を参照して判断していただきたいと思います(ネタのために積層基板を起こしたりApple純正部品を分解するほどのヒマは……)。
どこで買えるのか?
中国では『淘宝』(Taobao)にて販売されている様子がインターネット上からも確認できます。TaobaoとYahoo! Japanが提携して『Yahoo! チャイナモール』というサービスを展開していますので、そちらから購入できるケースもあるかもしれません。日本国内においても、通信販売を行う店舗や過去には秋葉原の店頭で販売されたことがあるようです。価格的には1500元前後が2011年8月現在における相場のようですので、日本円で2万円を切っていれば買いなのではないでしょうか。
Apple製品のコピー商品の存在についてどう思うか?
中国という市場はそういうものだと思います。過去には〝SK-168〟と呼ばれる、これもiPhone 4によく似たコピー商品が話題となりました(他にも無数に存在します)。また、少なくとも『GOOAPPLE 3G』については真正品のパーツを流用したり単純に(型取り)コピーしたわけではなく、図面解析による三次元CADとNC加工によって新たに型を起こしている痕跡が見られます(内部的には形状が違っており、ほぼ99%パーツの流用がありません)。中国の技術レベルがそれだけ向上しているということでもありますし、このような完全なコピーのリスクはApple製品だけにはとどまらないのではないでしょうか。
電気通信事業法(以下略)
乙。
電波法(以下略)
煽り乙。

GOOAPPLE 3Gに触れていて、とても懐かしい〝謎パー〟という単語を思い出しました。あれも当時は微妙な扱いの商品でした。

〝謎パー〟という言葉をご存じの世代はきっと少なくともアラサー世代で、TidalwaveやHP 200LX、OASYS Pocketなどといった端末を自由闊達にハックしていた人たちではないかと思います。

時は流れて〝謎パー〟的な端末は今や山寨機に置き換わり、日本の市場においてはAndroidがメーカーの自由気ままな改造によって非互換度合いがどんどん高まって、世界から取り残されたたくさんのガラドロイドを産み出しています。

謎パーを産み出した原動力は、主流である環境をなるべくコンパクトに、見た目よく外に持ち出したいという欲求だったと思います。当時はそれが、フルキーボードを持ち横80字*縦20行の表示が出来る程度のスクリーンを持つPCだったというだけの話です。

現代においてはPCが生活の中に占める重要度は下がり、手のひらに収まるサイズの携帯端末でも画面を必要とする作業の大半がまかなえるようになりました。

筆者にとって最後の謎パーは『mbook M1』で、この役割はほぼ『iPad 2』に移行されつつあります。sshやRDPでまかなえることが多くなり、外出先でフル機能のPCがある必要性というのがほとんどなくなってしまいました。

ユーザーが従来型の携帯電話(ほとんどはSymbian OSや組み込みLinuxによるもの)のひととおりの機能に飽きたところでiPhoneが発表され、みんながiPhoneのような端末を欲するようになりました。

そのプロプライエタリさや(キャリアにとっては)厳しい導入要件などからすべてのキャリアがiPhoneを発売するわけにもいかず、そこへオープンソース開発によるAndroid OSをベースにGoogleやキャリアのカスタマイズアプリケーションを導入したAndroid端末という形態がマッチして多数産み出され、今のように非互換性に日々泣かされる開発者や、著しく収益性の上がらないサービスを提供し続けなければならないコンテンツプロバイダの悲劇を引き起こしました。

ところで元来、Android OSは組み込み向けOSです。出荷にあたってUIを変えることもアプリケーションを追加することも、何の規制もありません。電話やタブレットである必要もありません。直接的なGUIを持たないNTT東日本/西日本の提供する『光ポータブル』などもAndroid端末の一種です。

同じNTTドコモから販売されているGalaxy S IIとMEDIAS WPを使っていても、「えっNだとここ押せば出来るのに!」「サムスンって外国でしょ? なんか違うんじゃないのー」という会話がまことしやかに喫茶店で交わされる時代となりました。これからもSymbianとμLinuxのような違いを提供し続けてくれることでしょう。

さて、世界を見渡せば〝iPhoneのデザインを模倣した〟としてSamsungがAppleに訴えられたり、iPhoneが長いライセンス条文の中で同意を得たとして収集していた端末の位置情報が、Androidでは同意を得ずに収集どころかGoogleのサーバーに送信までしていたなどと、きな臭い雰囲気は漂うもののAndroid端末はiPhoneの後追いをするように売れています。

いつか出るのだろうと思われていたiPhoneそっくりという風体の端末はこれまでにもいくつか(主に中国市場で)リリースされてきましたが、〝3Gに対応して外見(ハードウェア)も中身(ソフトウェア)もそっくり〟という史上最強(最低?)のコピー商品が、今回紹介する『GOOAPPLE 3G』(谷果3G手机)です。単なるコピー商品でなく、Android OSを〝正しい組み込みOS〟として利用している点も特筆すべきだと思います。

2011年5月29日日曜日

Motorola Wireless Keyboard

Motorolaが米国でXOOMやAtrix用にリリースしているフルサイズのBluetoothキーボード『Motorola Wireless Keyboard』は、日本国内では現在のところKDDIの扱う『XOOM Wi-Fi』のオプション品として入手することができません。

キーに印刷されたシルクはほぼAndroid専用といったもので、これが果たしてiPadでどのように動くのか興味があったので、米国へ渡航した友人にお願いして入手していただきました(Bestbuyで$80程度のようです)。

2010年9月11日土曜日

iPhone 4 で Self-cutted microSIM を使おう!

香港からiPhone 4 (32GB iOS 4.0.2)が届きました。手数料込7万円ジャストでとってもおやすいおもちゃですが、このブログの記事は基本的に〝翻訳を介しても全世界で3人くらいにしか役に立たない記事であること〟が第一のコンセプトなので、どこででも見られそうなつまらないレビューは省きます。

iPhone 4

※ "self-cutted" は勝手に作った造語で、セルフカット以上の意味合いはありません。

iPhone 4におけるSIMカードの〝相性〟について

さて、日本国内で公式に入手できるmicroSIMは、ソフトバンクのiPad/iPhone 4向けmicroSIM(白/黒タイプ)か日本通信のb-microSIM/talking microSIM、ちょっと頑張ってもNTTドコモのFOMAユビキタスモジュール向けのmicroSIMしかありません(※microSIMを使用するFOMAユビキタスモジュールが発表されたのは2010年5月ごろで2010年6月のiPhone 4の発表より早く、一部報道などで言われている〝NTTドコモが日本通信に便宜を図って特別にmicroSIMを用意した〟というのは正しくありません)。

iPhone 4 with docomo self-cutted microSIM

筆者がメインで使用する予定の(すでにカット済みだった)ソフトバンク プリモバイルのUSIMカードはこのiPhone 4で認識できた(※iOS 4.0.2以降かつJailbreak環境でないため、キャリアバンドルの情報が合致せず音声通話以外のネットワークは使用できない)のですが、(ソフトバンク2Gサービス終了に伴って)あとから入手したプリモバイルSIMをmicroSIMサイズにカットしても認識できませんでした。

これは、以前にもセルフカットを推奨する記事を書いてしまった以上、当ブログとして大変由々しき事態です。他にもNTTドコモの複数のFOMAカードや海外事業者のSIMなどをカットしていくうち、以下の推論が立てられました。

2010年8月7日土曜日

iOS 4化されたiPhone 3G/3GSでソフトバンク『プリモバイル』SIMを使う

iOS 4からキャリアバンドルの扱いが変更され、CommCenterが〝署名が必要〟と見なしているキャリアでバンドルに正当な署名が見つからない場合、そのキャリアバンドルを拒否するようになりました。これに伴ってソフトバンクモバイルのUSIMカードでは、署名のあるなしに関わらずAPN情報を含むmobileconfigのインストールも正しく終了しなくなりました(APN情報が使用されない)。

最初からキャリアと紐付いたソフトバンクモバイル版のiPhoneだけ制限してくれればいいのですが、困ったことにこの制限はHNI (=Home Network Identity; MCC+MNC, IMSIの先頭5桁)が〝44020〟であるUSIMカード全体に適用されてしまうので、SIMフリー版のiPhoneでも影響を受けてしまいます。

つまり、iOS 4のiPhoneでは、ソフトバンク『プリモバイル』(白SIM)や通常契約(赤/銀SIM)を利用しようとすると音声通話しか使えないことになります。本来であれば3Gデータ回線を利用しないSMSは通るはずなのですが、ソフトバンクモバイルのキャリアバンドルにはMMS利用に関するフラグが立っているためか、SMSも正常に送達できません。

追記
当記事の記載内容については、当サイトのリポジトリより、CommCenter(Classic)に対するパッチは『CommCenterClassic patch for iOS 5』(※iOS 4.3.3またはiOS 5.0以降対応)を、ソフトバンクモバイル『プリモバイル』に対するキャリアバンドルは『SoftBank JP bundle(p)』を、『新着MMS受信』アプリに対するパッチは『smilehelp patch(p)』をそれぞれ利用すると、より円滑に作業を進めることが可能になると思います。

すでにiOSをJailbreakしていれば、iOS 4.x向けにCommCenterの署名検証ルーチンを回避するパッチが出ていますので、パッチを適用すればダミーの署名を付けたキャリアバンドルを使用させることが出来るようになります。パッチを適用すればAPNが変更できるため、MMSが利用可能になります(通常契約SIMでは3Gデータ通信も利用可能となります)。

以下では、このパッチを使用してソフトバンクモバイル『プリモバイル』のUSIMカードでMMSを送受信するための手順を紹介します。

本稿の目的としては、ソフトバンクモバイルから販売されたiPhone 3G/3GS向けのトピックではなく、あくまでもSIMフリーとして販売された(海外向けの)iPhoneをソフトバンクモバイルのプリペイドSIMで使用する場合の対応策を示すものです。

手順などはおそらくiPhone 4でも同様ですが、筆者はiPhone 4を所持していないので正確には分かりません(発売後の香港がゴタゴタしているのでいつ入手できるのかも分かりません)。