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note.com/chuck_abril17
15年ほど前だった。都内の、とあるお店の隅っこで、わたしは一人の友人と出会った。 彼女はわたしと同じ高校生で、なのにすべてがわたしとは違っていた。髪がふわふわ長くて、アイロンでしっかり手入れされていた。胸が大きくて、垂れ目が愛くるしくて、素敵なガールフレンドがいた。 その日、彼女は、わたしに彼女のガールフレンドを紹介した。 彼女さんはショートカットで、背が高くて男前で、滅多に笑わない年上の人だった。たしか専門学校生だったように思う。やっぱりボーイッシュな人がモテるのかなぁ。女っぽくも男っぽくもなりきれない自分が恨めしかった。そして、彼女たちの関係が眩しかった。 「はるちんも、かわいいからすぐに彼女できるよー」 当時LGBTという言葉は、ほとんどないに等しい状態だった。私たちが出会ったお店は、女性同士が出会うことを目的として開かれた場所だった。地下の、薄暗く、高校生にも酒類を提供することを厭
福山雅治という存在がずっとわからない。10代の頃はファンクラブにも入っていた。毎年アリーナツアーには参加したし、WOWOWで放送されている年越しライブで10回以上は年を越した。ライフステージが変わって多忙になり、以前のように一挙手一投足すべてをチェックできているわけではないが、今でも気にかかる存在だ。楽曲や出演作に限らず、吹石一恵との結婚から、今回のフジテレビでの「不適切な会食」への出席とその後の対応まで、彼の言動に解釈の不一致はない。でも、いや、だからこそ彼のことがわからない。 家庭環境が悪く一人っ子でふさぎこみがちで内向的だった私に、「社交」を教えてくれたのは福山雅治のオールナイトニッポン サタデースペシャル「魂のラジオ」だった。この番組は、福山雅治のひとり語りではなく、アナウンサーの荘口彰久さんがパートナーとして存在し、軽妙なやりとりを見せる。もちろん昨今取りざたされているどぎつい「
わたしは宗教二世だった。とある「新宗教」の。 「新宗教」と聞いて、あなたはどのようなものを思い浮かべるだろうか。やはり今話題の統一協会だろうか。それとも創価学会、あるいはエホバの証人だろうか。 生長の家・幸福の科学・真光教・天理教・実践倫理宏正会……。さまざまな「新宗教」をあなたは思い浮かべるかもしれない。でも、あなたの推測が当たることはおそらく一生、ない。 この国には、メディアで取り沙汰されるよりも、もしかしたら政治家や宗教学者が把握しているよりも、はるかに多くの「新宗教」がある。土着の、場合によっては各家庭独自(!)の、知られざる「新宗教」が、この社会には無数にある。 わたしの母が帰依していた新宗教は、Wikipediaの「新宗教」の一覧にすら載っていない。わたしが二世として関わった新宗教は、そのような誰の目にもとまらぬささやかな信仰である。 とはいえ、その信仰はきっちりと過酷なものだ
2020年8月18日にリリースされたロリエの「kosei-ful」プロジェクトが炎上しつつあります。 「kosei-ful」プロジェクトとは花王のサイトを見る限り、「生理を"個性"ととらえれば、私たちはもっと生きやすくなる」をキャッチコピーに清野菜名さん出演の特別動画が作成され、花王社員72名に対して行われた30問の質問を基に消費者も生理にまつわる質問に答えると「個性的な生理」を「宝石」のビジュアルに変換してくれる、というキャンペーン広告です。 結論から言うと…なんつーデリカシーのない、ターゲットの神経を逆撫でするような広告なんだ、という印象を持ちました。わたしたちはこういう広告にいつまでがっかりさせられ続ければいいんでしょう? たしかに「特別動画」を見れば「生理の症状は人それぞれで女性同士ですら理解にしにくい部分がある。」「生理のときは仕事を休みたいが、できない。」「生理休暇の制度があっ
2018年8月2日(木) わたしが11歳の頃、女の子なんだからそんなに勉強させなくていいよ派の父と女の子でもこれからは勉強して手に職つけなければダメでしょ派の母の間で一悶着あった。 この言い争いは圧倒的家庭内政治力を誇る母の勝利で決着し、わたしは中学受験用の塾に通って都内の中高一貫校に合格した。(母は、「勉強したらクーラーのある学校に通えるよ。」と言ってわたしを懐柔した。今振り返ると正確には「わたしたちが金を払うからクーラーのある学校に通え。」なのだが、こういうところが母の巧みなところだ。当時、学区内の公立中学校にはクーラーがなかった。) 6年後にはかつての父の第一志望だった大学がわたしの母校となったし、その後も、比較的勉強する人生を歩んでいる。あんなことを言っていた父も、今ではわたしの進路を積極的に応援してくれている。 時は流れてあの言い争いから早15年。残念ながら、いまだに女性が女性で
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