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今年の「#文学」
iirei.hatenablog.com
労働者の視点では環境保護はできない 水俣病の闘争史において、被害漁民らをもっとも圧迫したのは、チッソ経営陣でもなく、厚生省でもなく、チッソ労働者だった。それはもちろん「生活が懸かっていた」からだ。現在でも、経営陣と労働組合の労使交渉の最大の眼目は「賃上げ」であり、環境保護ではない。 この点、大いに環境汚染が進む中国のような共産主義の国でも、資本主義の国でもあまり変わりはないように思える。掛けがえのない環境、環境問題を解決できるのはこれまでの社会の枠組ではないことは明らかだ。だが、私は社会科学については疎い。資本主義がこの問題に対して、どれほどのことが出来るか、よくは解っていないのが現状だ。 まあ、私はともかく、グレタ・ツゥーンベリさん(環境運動家:スウェーデン出身)という若い女性は、どのようなソリューションを考えているのだろう。「大人は、お金のことしか考えていない」という主張は強烈ではある
廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)と日本民衆の精神的付和雷同性 この廃仏毀釈という言葉を広辞苑6版から引いてくると はいぶつ‐きしゃく【廃仏毀釈・排仏棄釈】 (「毀釈」は、釈迦の教えをすてる意)明治初年の仏教排撃運動。1868年(慶応4)の神仏分離令などの神道国教化政策の下で、神道家などを中心に各地で寺院・仏像・仏具・仏典の破壊や僧侶の還俗強制などがおきた。 もとはと言えば、大陸の進んだ文化の象徴である仏教を導入するに当たり、「本地垂迹説:ほんちすいじゃくせつ」という理論を生み出し、仏教の神々が日本でその姿を現したのである、と日本古来の神々と一対一対応を必要とするほど仏教を好んでいたわけです。その流れの単純な帰結として「神仏習合」という仏教と神道が結びついた宗教施設が日本中に存在していたのです。 ここに、明治新政府は、「神道を振興させるため、仏教と切り離す」というだけの方針だったようですが、民衆
月にまつわる話題:こんなにも解らない存在 西欧音楽には、月にまつわる音楽の曲が多いです。ベートーベンの「月光ソナタ」とかドビュッシーの「月の光」はどちらも名曲ですが、この両者の音階は、前者がハ短調、後者がハ長調。長・短の違いはありますが、同じ音階であることに驚かされます。月のことを表現するのに、同じタイプの音階が使われるという驚き。それは月が作曲家に要求するものなのでしょうか?月を表現するのに相応しい音階? 月には、優美な側面と恐怖の側面があると思います。以下挙げるのは私の過去ログです。 iirei.hatenablog.com :月と精神の危機〜♪ドッペルゲンゲルと♪月に憑かれたピエロ ドッペルゲンゲル(もう一人の私:オレが見た、月に照らされた青白い男は、去った恋人の旧宅で、腕をよじり苦しむオレ自身だった!;シューベルト、歌曲集「白鳥の歌」の13曲目。) https://youtu.be
詩経:世界最古の詩集のひとつ~イーリアスと並ぶ古さ @おおばこ、とれとれ おおばこ、とれとれ ちょいと、それ、とった おおばこ、とれとれ ちょいと、それ、あった おおばこ、とれとれ ちょいと、実を拾え おおばこ、とれとれ ちょいと、実をむしれ おおばこ、とれとれ つまどって入れよ おおばこ、とれとれ 裾(すそ)はさんで入れよ (46P-47P) ・・・これは古代中国の世界最古の詩集の一つ、『詩経』に収録された詩です。ここで「おおばこ」とは、日本でもよく見られる・食用・薬用になる野草で、踏み固められた道に好んで生えるので「車前草」とも呼ばれます。この詩、なにやら現代詩みたいですが、これは紀元前770年ころには成立したものと見られます。(孔子が編纂したとの説もありますが、違うようです。紀元前500年頃活躍した孔子とは、年代がまったく違いますね。)抒情詩集ですね。同じころにはホメロスの『イーリア
ハーブ:セージ(薬用サルビア)~薬と毒の二面性 私は、はてなブログ開始当時、ハーブのセージについて取り上げたことがありますが https://iirei.hatenablog.com/entry/20051227 その中で、セージの薬効について、以下のように記述しました。 薬草としての効用は、過労、神経衰弱、強壮、収れん、利尿、解熱、血糖値低下などがある。(モーリス・メッセゲ:フランスのハーブ医療研究家) セージ(自宅:2021.09.19) 聞いた話によると、ヨーロッパ人がセージを中国に持ち込んだ際、中国人はセージの薬効の高さを理解し、セージ1と高級中国茶3を、喜んで交換したとのことです。 ただ、セージには毒成分であるツジョン(ツヨン)が含まれ、中毒になる可能性もあるので、お茶として服用する際は、「2週間飲んだら、2週間飲まない」という用法が必要です。思えば、ランボーやヴェルレーヌなどの
ヴァレリーの詩とポトラッチ:現代の未開文化(カッコイイ!) ポトラッチ2(2/2) 失われた酒 ポール・ヴァレリー いつだったか、私は大海に (どんな空の下だったかは覚えていない) 少々の高貴な酒を投げた。 まるで「虚無への供物」のように。・・・ おお、酒よ、誰がお前を捨てようか? 神の意志に従ったのか? 心の寂しさからなのか 血に飢えて、酒を投げたのか? 少々バラの香りがしたあと 海はまた透明になり 静けさを取り戻した・・・ 酒は投げた、波が酔った!・・・ 私は見た、苦い大気の中 この上なく深いものの姿を・・・・ これは、私自身による訳です。この詩は、かつて読んだ詩のなかで、「最高位」に位置する作品でもあります。海に高価な酒を投げ入れるという行為、無意味でしょうが、ヴァレリーは、その酒で「酔う海」に出会ったわけなのです。「海」はもちろん「虚無」、それへの「お供え物=供物」は、有効
『ネイティブアメリカンの美味しい生活』:彼らの食生活の大元は? ポトラッチその1(1/2) 図書館で、たまたま手にした本。他の本を探していて見つからず(貸し出しされていたのですが)、隣あたりにこの本を見ました。インディアン=ネイティブアメリカンについては、どうしても白人による迫害の歴史が思いだされ、現在の彼らの食生活には思いを馳せたことがありませんでしたので、これは面白そう!!と、一も二もなく借りてきました。 本のフルネームは『心と体がよろこぶ!ネイティブアメリカンの美味しい食生活』。 著者は塩浦信太郎さん(画家):PHP(本体1400円・2009年初版です。) 民俗や国民の生活様式や宗教観を研究する学問としては民俗学や文化人類学などがありますが、この本については、私の読んだところ、学問的な装飾はあまり成されていないように感じました。これらの学問的な視点とはちょっと違うものかな、と思います
二項対立と男女:2進法で世界は作られる PCでMP3などの音楽を聴くとき、スクリーンセイバーのように表示されるイメージに、「視覚エフェクト(Z)→アルケミー→ランダム」というものがあります。この表示の様式では、必ず画面のどこかに2つの極が現れます。もちろん、そうでない画像もありますが、どこかから2つの極が現れるのです。そして、その2極は、干渉しあいながら延々と(曲が続く限りは)画面上を疾走するのです。 この「2」という数字はなんなのでしょうか?・・・数秘学的には「男性・女性」の両極な存在同士の「睦みあい、あるいは闘争」を意味したようです。男女の間には「愛」と「憎」、相反する感情が出ては消え、消えは出て、という繰り返しが見られるのですね。このような状況を「二項対立」と呼ぶようです。 この二項対立に終止符を打つのは、男女の相互行為で生まれた子供でしょうね。「川」の字は、「父、子、母」という意味
主婦たちに解って欲しくて書いた文章:水質分析の話 私は学生時代、水を専門としていて、水の問題の解決の重要なファクターとして、生活の場で水に接する主婦たちに語りかけることが大事だと思っていました。とくに@@生協と、水道水に含まれる「発がん物質:トリハロメタン」の月別濃度の調査を卒業論文として行ったこともあり、蛇口から彼女らとの付き合いが生まれました。そして月一回のデータおよび「読み物」としての水談義を、試験水と交換する形で、@@生協の担当者に渡したのですね。 調査自体は2年行い、初年度に千葉県&東京都、2年目に神奈川県&東京都と実施しました。当時トリハロメタンは騒がれていて、初年度の研究成果は、毎日新聞の全国版1面で報じられました。もっとも卒業して研究生として行った継続調査につき、その読み物に共感してくれた主婦がいて、研究終了時に@@生協神奈川本部でお話しをする機会を設けてくださいました。講
「占い」は信じるな!(佐藤六龍):日本の占いはインチキ! この本『「占い」は信じるな!』の著者は、超常現象に否定的な科学者ではなく、占いの世界に長くいる、占いを生業とする人物です。たぶん、Dr.コパとか細木数子とかをよく知っている一般の人には馴染みのない占い師ですが、もっと踏み込んで占いを学んだ人には有名な方です。私の場合、「奇門遁甲:きもんとんこう」という方位術をかじり、神田の古本屋街にある、占い書専門店の原書房で、かなり高価な奇門遁甲の学習書を買ったことがありますが、その著者の一人が佐藤六龍さんだったのです。 佐藤さんの場合、「中国五術」という中国の占い体系を正確に継承していて、日本における中国起源の占いの、日本での立ち上げ方を熟知しているので、どの占いがどこでオリジナルと違っているのか、解ってしまう、というわけです。(中国五術:「命、卜、相、医、山」で、占いは「命、卜、相」の三つです
知を楽しむから「ニセ学生」:単位にならなくても聴講する むかし、今東光(こん・とうこう1896-1977)という男がいました。職業は、小説家・僧侶・政治家(自民党、参議院議員)。多才な人です。かの瀬戸内寂聴(俗名:瀬戸内晴美)を出家させた張本人でもあります。 私が今氏を知ったのは、週刊プレイボーイの連載エッセイ「極道辻説法」でした。若いころからヤンチャな今氏、いろいろ破天荒なことを行うので、面白く読んだのですが、いくつか書いておられたエピソードで、かれの文学的経歴に関するお話しが特に印象に残っています。今さんは、ノーベル文学賞受賞者:川端康成さんの親友で、川端さんは東京帝国大学文学部の学生であり、当然東京帝国大学文学部の授業を受けて、単位になるのですが、今氏は、「東京帝国大学の学生ではありません」でした。(コトバンクによると、関西学園中等部中退)当然、いくら真面目に講義を聴いても、単位には
ワンパンマン:(趣味でやっている)驚異の脱力系ヒーロー ここに恐るべき男がいます。卵のようにつるつるなスキンヘッド。むかしのヒーロー:月光仮面のようにマント。ヒーロー協会という団体に加入するまでは、次々に登場する怪人たちを、「たった一発のパンチで粉砕し」、人類を何度も消滅の危機から救ってきました(加入後も)。それでOne punch man:ワン・パンチ・マン(略してワンパンマン)。ただ、ヒーロー協会の役員はひとを見る目がなく、ニックネームが「ハゲマント」といういささかアブナイ人物のように聞こえるものです。(小学生の女の子に、マントを広げて局部を見せびらかす変態のおっさんのように。) このマンガ(原作はネット上の作品:ONEによる、これにプロの漫画家:村田雄介が絵を付け、「となりのヤングジャンプ」に連載され、アニメ化もされました。)私は今年になって職場の友人に存在を教えてもらいました。最初
「雪国はつらいよ条例」から発想を転換した旧・中里村 新潟県魚沼郡・中里村は、地域を活性化するため、「雪国はつらつ条例」というものを制定しましたが、ある教科書出版会社が、これを読み間違え、「雪国はつらいよ条例」として教科書に載せてしまいました。・・・なるほど、雪国の人にとって降雪は辛いものです。その先入観をもって、誤記したのですね。 フーテンの寅(男はつらいよ) 当の中里村、もちろんカンカンでしたが、そこは粘り強い雪国の人たち、これを逆手にとって、「@@はつらいよ常例(条例)」というものを広く全国一般の人たちを対象に公募しました。それは3部門からなり、「雪国はつらいよ常例」「農山村はつらいよ常例」「都会はつらいよ常例」、優秀者には賞品を贈呈しました。かれこれ18年前、2003年(平成15年)のことでした。 これは面白いということで、私も応募しました。以下の通りです。 ・・・・・・・・・・・・
足かけ3年かけてレホールを栽培し、ローストビーフを作る 2019年8月に、東京の紀ノ国屋から、レホールの根を通販で購入しました。これはこの植物を栽培するため。根があれば、植物全体が再生されます。ハーブでもあり、ホースラディッシュとも呼び、日本の本ワサビの代用品として、多く消費されます。本ワサビは、現在貴重品であり、出回っているのはほぼ100%、レホールです。冗談のようにも見えますが、ホントのことです。それほど風味が本ワサビに似ていて、しかも安価で大量に収穫できるのですから、置き換わってしまうのも、仕方のないことかも知れません。本ワサビもレホールも、アブラナ科です。 まずは、太目の蝋燭のような根を鉢植えしました。 (2019.08.25) 9月下旬には地植えにし、元気に育っています。 (2019.10.08) 冬になると、地上部は枯れます。冬を越し、秋には一際大きくなります。 (2020.0
あるプラン:私が山暮らしを決行した時の行動指針 以下に掲載するのは、私が山暮らしをする時の計画書として、グループKの執行部に提出した文書(プラン)です。 B町での生活プラン 1986年10月30日 森下礼 基本的に「Fの家」の管理人、「Bの森」の案内人となる。もちろん、生活者として、自分のために住む。 @二階の屋根裏部屋を改造して、居住スペース、アトリエ、スタジオ、(図書館)にする。ここは少々散らかっても、良しとする。(その方が、創作意欲が湧く)1Fは、僕がいてもいなくても、従来の通り使える。 @塾をひらく。「以楽塾」・・・・「こんにゃく」の「にゃく」から仁楽→以楽とした。(注:ちょっと苦しい)ただ、勉強を教えるだけでなく、こちらも教わる。地元とのコミュニケーションを大切にしたい。だから、こちらが講師になるだけでなく、東京からの人、地元の人が、講師、あるいは聞き手になれる。(基本的には
西條八十の詩~天才詩人:ランボーとの比較~色彩感覚 西條八十(さいじょう・やそ)と言えば、群馬県立太田高校の関係者で知らない者はたぶんいないでしょう。太田高校の校歌は、この詩人の歌詞によるもので、「♪止まざる流れ、高き山・・・」と歌い上げるもので、利根川、赤城山、浅間山を歌詞に織り込み、独特な味わいのある校歌です。私も太田高校のOB、この曲はよく覚えています。(一説には「止まざる」は「山猿」を意味していて、田舎の高校をバカにしているのではないか、という都市伝説もあります。) さて、西條八十の第一詩集『砂金』を友人に借りて読んでみました。もっとも感じられるのは、それら韻文詩の「色彩感覚」が特徴的であると言うことです。例を挙げましょう。 鸚鵡(おうむ) 碧き夜なりき、 鸚鵡の籠を逃れしは 朱の紐ながく暗の底を曳き 七人の皇子とらへ得ず。 碧き夜なりき、 鳶色の林のうへに月さしのぼる、 七人の皇
土木系だが測量の授業を取らなかった私:それからどうした? 私が専門とした東京大学工学部都市工学科・衛生コース(現:環境科学コース)は、本来土木工学科(現:都市基盤工学科)の一分野だったので、測量の授業は、必須ではなくても、履修は推奨されていました。 ところが、私の場合、自主講座を主催していた宇井純さん(当時衛生コース助手)の影響で、「こんな環境破壊の手助けになるような学問、絶対取るもんか」、と思い、実際履修しませんでした。 そのころは、専門が決まるまでたいそう勉強したフランス語も捨ててしまいました。でも、今考えると、測量にせよ、語学にせよ、自分が考えていたことと違う一面も持つのでしょうから、あれこれ選ばずに取っているほうが将来、活動の範囲を広げることになるのでしょう。宇井純さんの場合、フルブライト留学(日本人のかなり優秀な研究者が、アメリカに招かれ、研究することを保証する制度)をした彼、英
ASUSのPCの電源コードがまた壊れ、10日間くらい本式のブログがエントリーできません。読んで下さる方、少々お待ちを。 詩一つ。 少年に少女。 青年には❓ーーーーー青女❓ (2021.4.23)
モーツァルトとベートーベンの徹底比較:神童VS楽聖 この2人の作曲家は、ヨーロッパ音楽の最高峰に位する人たちであり、それでも持ち味は正反対とも言えるほど違うので、どんなものだか考えてみました。 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトは1756-1791。子供のころから「神童」と呼ばれ、35歳で死ぬまでそう呼び続けられた天才です。ルートビッヒ・ファン・ベートーベンは1770-1827。モーツァルトによって大成された古典派音楽を発展させ、ロマン派音楽の興隆に道をつけました。57歳で没します。晩年は難聴に苦しみ、その中で「交響曲第9」を作曲し、その苦難とその克服を成し遂げたことを称え、「楽聖」とも称されます。案外この2人、思っていたほど親子ほどには歳は離れておらず、むしろ歳の離れた兄弟である年恰好です。 論より証拠、この2人の特徴対比の一覧表を作ったので、ご一読下さい。 この表で大体言い尽くし
歴史を動かした病人たち:病跡学(パトグラフィー)の迷宮 私は今『歴史の主役はみな病人』(九次米義敬:くめじ・よしたか/主婦の友インフォス情報社/2013)を読んでいます。この本は、各界の歴史に影響を与えた人物たちを病理的視点から見直してみるという視点で書かれています。この際、病跡学(パトグラフィー)の開陳が見られます。そもそも病跡学について、引用してみますと、 (日本大百科全書(ニッポニカ)の解説) 病跡学 びょうせきがく 精神病理学の応用領域の学問で、病誌、パトグラフィーpathographyともいう。ドイツの精神医学者メビウスP. J. M bius(1853―1907)によって初めて使われた用語である。ドイツの精神病理学者ヤスパースは、「著名な人間の生活記録であり、精神病理学的に興味のある精神生活を調べ、精神的異常性が人間の創造性に対していかなる意義を有するかを明らかにするもの」と定
キルケゴールとムンクの共通点:生存することへの畏怖 キルケゴール【Sren Kierkegaard】 デンマークの思想家。合理主義的なヘーゲル的弁証法に反対し、人生の最深の意味を世界と神、現実と理想、信と知との絶対的対立のうちに見、個的実存を重視、後の実存哲学と弁証法神学とに大きな影響を与えた。著「あれか、これか」「不安の概念」「死に至る病」など。キェルケゴール。(1813~1855) 広辞苑第六版より引用 ニーチェ【Friedrich Wilhelm Nietzsche】 ドイツの哲学者。キリスト教倫理思想を弱者の奴隷道徳とし、強者の主人道徳を説き、この道徳の人を「超人」と称し、これを生の根源にある力への意志の権化と見た。またプラトン的形而上学を幻の背後世界を語るものとして否定し、神の死を宣告してニヒリズムの到来を告げた。その影響は実存主義やポスト構造主義にも及ぶ。著「悲劇の誕生」「ツァ
『誰も知らない世界のことわざ』:興味深い絵本+口上 こんなことわざがあります:「あなたのレバーをいただきます。」・・・いつか拙ブログで取り上げた青春小説『君の膵臓をたべたい』によく似た表現。これはFARSI(ペルシャ語)のことわざで、一種の愛情表現なのだとか。深い愛情を表現し、家族や近しい友人同士で」交わされます。「あなたのためなら、なんでもする」「心から愛している」「食べてしまいたいくらい、あなたが好き」といった用例を持ちます。 iirei.hatenablog.com :『君の膵臓をたべたい』:自己完結型だった「僕」が変身するまで このエピソードを書き記している本こそ、このブログの表題の『誰も知らない世界のことわざ』です。著者はエラ・フランシス・サンダースというライター&イラストレーターの女性です。この人は世界各地のことわざを調べ、文・イラストを一人で担当し、素晴らしい絵本を書いたので
大数学者アーベル(ノルウェイの誇り):人類史上不滅の業績 ここに、スゴイ数学者がいる。ノルウェイの首都:オスロに彼の銅像が建ち、肖像画はノルウェイの最高額紙幣(500クローネ)の顔にもなった・・・この男の名は、ニールス・ヘンリック・アーベル。(田口トモロヲ風に、「プロジェクトX」←古くてすいません。) (注:調べてみると、ノルウェイ・クローネは1000クローネまでありますが、この紙幣はあまり流通しておらず、実質500クローネが最高額紙幣です。) アーベル(wiki) 彼、アーベル(1802-1829)の業績について、アーベル(wiki)より(抄)、 1818年に、数学教師ベルント・ミハエル・ホルンボエ(英語版)に出会ってから、数学に興味を抱くようになった。友人達とヨーロッパ中を回って長く遊学し、オーガスト・レオポルト・クレレ(英語版)と知遇を得て、クレレの雑誌に多数の研究論文を掲載した。ヤ
イワシあれこれ:この用途の広い「高級魚」 イワシほどたくさん獲れて、食用・肥料用として多岐の用途に渡る魚はそうそうありません。「タタミイワシ」は、その珍しさも相俟って、高級食材なのですから。イワシの概略はwikipediaより、 日本で「イワシ」といえば、ニシン科のマイワシとウルメイワシ、カタクチイワシ科のカタクチイワシ計3種を指し、世界的な話題ではこれらの近縁種を指す。ただし、他にも名前に「イワシ」とついた魚は数多い。古くは女房言葉で「むらさき」とも呼ばれる。 (中略) 海水魚で、沿岸性の回遊魚である。遊泳能力が高く、群れで行動する。 全長は成魚で10cm–30cmほどである プランクトン食で、微小な歯がある。 体は細長く、断面は円筒形ないしやや側扁(縦長)。背が青く、腹が白い。赤身の青魚である。鱗が剥がれやすい。 (中略) 「イワシ」の語源については各説ある。陸に揚げるとすぐに弱って腐
衛生工学を舐めるな!:素人受けする水質浄化グッズ 私は、衛生工学の専門家です。特に、水という分野については人後に落ちない研究をやって来ました。水関係の諸技術にも大いに取り組みました。ここに、あるブログで、ある種の水浄化技術が取り上げられました。どれどれ、どんな物か見てみると、なんだか火山礫から、「微生物を元気にする成分が流れだすので、これによって微生物が元気になり、水質浄化が期待でき、地球さんに恩返しができる」のだそうです。・・・素人の考えることは、これだから怖いです。こんなチャチなグッズで、水質浄化できるのなら、水処理技術は要りませんし、ひいては衛生工学など、必要ありません。その衛生工学ですが、以下のように説明されます。 公衆の健康の保護と増進を目的にして、工学の諸原理を環境の汚染防止と生活環境の保全に応用する学問分野。人々の生命と健康を脅かす原因が文明や社会の発展に伴って変化するので、
『キッチン』(吉本ばなな)を読んで:女性と食生活 この小説は、30年前くらいの発刊時から注目された作品です。著者の吉本ばななさんは、有名な評論家・哲学者の吉本隆明さんの娘で、父の名声とも合わせ、「やはり鷹の子は鷹だ」と称賛されていました。私個人は隆明さんの『共同幻想論』を読んでみて、まったく解らず本を放り投げた口で、その娘のばななさんを読んでも理解できまい、と思っていて、敬遠していました。ところが、ブログ友の女性ブロガーさんが熱心に「読んでみて」、と薦めるので、図書館で借りて読んでみた次第です。 とくに難解なところはない平易な文体です。好感が持てました。で、表題の『キッチン』の続編として『満月』という作品もあったので、併せて読んでみました。ここが味噌で、両作品を読むことによって、吉本ばななさんの文才がよく解った気がします。 『キッチン』の場合、主人公の女性(「みかげ」)、恋人(?)雄一、恋
人と絶対に絶縁できる文例2題+「かわいい」について 人間関係のミニマリズムシリーズ(2/2) これまで私は、なかなかに得難い友人に対し、しばしば「縁切り状」とも言える文章を送ってきました。読者としては「不快だ」とかの異論はあるかもしれませんが、ここに2例を公開します。「縁切り状」を受け取った人は例外なく私の前から姿を消しました。成功率100%です。 その1 ある友人に宛てた文面 拝啓 S様 残念なことを書かねばなりませんが、私の中では、貴方との友人関係は既に終わっています。 昨年の年賀状で貴方は旅行へのお誘いが無神経だったと仰っておられましたが、それより前、私が3通の手紙(など)を送ったとき、貴方はそのうち1通にも返事を返しませんでした。 友人関係というものは、こういったやりとりの誠実さに支えられることで維持されると私は思いますが、貴方はそれを怠りました。 以後 私たちは全く無関係
ポリリジン、これって危なくね?~アミノ酸から作ると言っても。 ポリリジンという化学物質、私は最近知ったのですが、アミノ酸のリジンを重合させて作る、防腐剤、抗菌剤です。そのあらましはwikiから(抄)。 ポリリジン(ε-ポリ-L-リジン、EPL)は、必須アミノ酸の一つL-リジンの低分子天然ホモポリマーで、細菌による発酵によって生産される。ε-ポリ-L-リジンは、食品の天然の防腐剤として使用される。 ε-ポリリジンはカチオン性ポリマーに属する。ε-ポリリジンは親水性アミノ基を含み、水中では正に帯電する。 研究によれば、ε-ポリリジンは細菌の細胞表面に静電的に吸着されたのち細菌の外膜を剥離させる。これは結果的に細胞質の異常な分布をひきおこし、細菌の細胞に障害を与える。 自然発酵によるポリリジンの生産は、唯一ストレプトマイセス属の細菌の菌株にのみみられる。Streptmyces albulus が
現代の法家思想(韓非の発想):スマホによる例外なき支配 2020年5月9日の東京新聞の紙面で、以下のような記事が掲載されていました。 殺人、逃走24年男 コロナで観念 【上海=白山泉】 二十四年前に中国甘粛省で人を殺害し、全国各地を逃げ続けていた男(四十八)が今月に入って浙江省杭州市の警察署に自首した。携帯電話を持っていなかったことから、政府が新型コロナの予防対策として導入を進める「健康QRコード」を提示できず、ホテルや小売店などを利用できなくなった。 この男は、身分証も携帯電話も持たず、日雇い労働をして手にした現金を使って生活していたそうです。ところが杭州市に移動したのが運の尽き、ここには「健康QRコード」を実用化した「アリババ」の本社があり、コードがなければ手も足も出ない、宿泊、買い物、労働をするのにもコードがなければなにも出来ない状況に追いやられ、「もはやこれまで」と観念して自首した
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