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照れくさそうに笑みを浮かべ、沢田裕江(64)は1冊の論文を手に取った。「これは本当にすごいんよ」... 照れくさそうに笑みを浮かべ、沢田裕江(64)は1冊の論文を手に取った。「これは本当にすごいんよ」。一枚一枚ページをめくり、懐かしむ。東京で設計事務所を営む加賀谷哲朗(32)が、大学院生だった2002年にまとめたものだ。論文には、裕江が半生をかけて家族や住人と歴史を築いてきた「沢田マンション」の様子が記されている。 ■鶏や井戸水…農村集落 高知市の国道沿いにそびえる白い外装の地上5階、地下1階建て鉄筋コンクリート造り。リフトが木材を5階の製材所へ運び、車がスロープを通ってマンションを駆け上がる。屋上には農場が広がり、高さ15メートルほどの巨大なクレーンも。全て沢田夫妻の手作りだ。製材、建築一筋で生き、03年に75歳で他界した夫の嘉農(かのう)と多くの家を建てた。 中学1年の時、裕江は嘉農が建てたアパートに母と妹と3人で暮らしていた。ある日、生活苦で母が妹を連れて家出。「母が悩んで決めたこと」
2011/06/14 リンク