20日に、韓国の慰安婦被害者がまた一人亡くなったと訃報がでていた。
ハン・オクスンさん(한옥선さん)、享年90歳。
オーマイニュース 2009.01.20 10:47『
위안부 피해 한옥선 할머니 소천하셨습니다 (慰安婦被害者ハン・オクスンさん、他界)』によると、2年間入院生活を送っていたハン・オクスンさんは、20日の明け方になくなったそうだ。
1919年年忠南(チュンナム)鳥致院(チョチウォン)生まれのハンさんは、1938年、19歳の時に、就職詐欺で連行され、中国吉林省、太原、오수이징(訳不明)などの地で、苦痛に満ちた慰安婦生活を味わうことになった。韓国挺身隊問題対策協議会によると、韓国政府に登録された被害者被害者234人中、現在生存されているのはわずか93人にすぎないという。
ハン・オクスンさんは、あまりメディアに出ずにひっそり生活されていた方のようで生前の様子があまり解らなかったのだが、
2007年10月付の挺身隊対策協主幹便り80号では挺身対策協の地域担当らしいイ・ウンジョン氏が仁川(インチョン)にお住まいのハン・オクスンさんを訪問したところ、仲良しらしい対策協の幹事さんが来ないのを待つ風情だったり、
2008年11月付の挺身隊対策協主幹便り136号ではイ・ウンジョン氏が既に入院中のハンさんをお見舞いに行った様子が写真付きでレポートされていた。
ご冥福をお祈りします。
20日付のASIA TODAYでは
『
일본군 위안부 경제대국 일본, 인권 선진국 갈 길 멀어』、、、意味としては「日本軍慰安婦、経済大国の日本が人権先進国になるには道は遠い」ってとこらしい、ハンさんの訃報を伝えつつ、これまでの経緯をまとめた、実に耳の痛いタイトルの社説を上げていた。ハンさんの他界を伝える部分はかぶるので省略させていただいて、自動翻訳をかけて読むと、
被害者らは平均年齢が80歳代後半に達する高齢であり、毎年亡くなる方が急激に増加している。2006年に6人、2007年に13人だった死亡者は、2008年には15人になった。挺身隊対策協関係者は、ハルモニ達は、健康とされている方であっても日常生活に不便を感じておられる方は多いと語る。
被害者らは不自由な体をおして、1992年1月8日からはじめた日本大使館前の抗議集会を、天候・気候にかかわらず17年間続けている。ハルモニ達は、冷たい天気より、同じ境遇にあった被害者が亡くなる時の方が寒さを感じるという。
被害者らは、日本政府に、犯罪行為があったことを認め謝罪し、法的賠償を早急にするよう促している。しかし、日本政府は動かない。1991年にキム・ハクスンさんの証言を通じ明るみに出た、第二次世界大戦当時に20万人にのぼると言われるアジア女性に日本軍の性奴隷となるよう強制した犯罪を、日本は無視している。
水曜集会が849回に達する間も、日本大使館は門を閉ざしたまま、対話を拒絶し続けている。
国際社会では、1993年のウィーンの国連世界人権大会の決議文で「日本軍慰安婦」問題が言及されて以来、日本がおかした蛮行に対し糾弾と賠償要求が続いている。1996年、国際労働機構(ILO)専門家委員会は、「日本軍慰安婦」問題は性的奴隷に相当し、ILO 29号協約を違反した事例なので、日本政府は被害者に謝罪と賠償をするべきと勧告した。国連人権委員会(HRC)でも同年、真相究明と謝罪、法的責任の受け入れなどの内容が含まれた報告書が採択された。2007年には、アメリカ下院をはじめ、オランダ、カナダ、ヨーロッパ連合で「慰安婦」関連決議案が採択された。
国連人権理事会は昨年10月にも、「日本がまだ慰安婦問題に対する責任を認めない事に対し憂慮を表明する」として「日本は法的責任を負うべきであり、被害者らが受け容れることができる形で謝罪して被害者らの尊厳を回復しなければならない」と促した。また、人権理事会は、特に「日本は、一般市民や、特に若い世代にこの問題を教育し、これを否認したり被害者らの名誉をきづつけようとする試みに対し反論し無ければならない」と附言した。
しかし、日本は慰安婦問題のILO総会への議題上程自体を遮断するなど、被害者や国際社会の声を徹底して握りつぶしている。日本人の拉致被害者問題を理由に、国際的な場では、対北朝鮮人権決議案を主導して、人権国家として振る舞いながら、自身の誤りに対しては目と耳を分けているわけだ。
一方、「慰安婦」問題解決のためには、韓国政府がより積極的に出なければならないという指摘もなされている。(後略)
この社説に関連する情報として、前半部分については、オーマイニュース 2009.01.20 16:22付で『
위안부 할머니 3명이나 입원했습니다 (慰安婦被害者が3人、相次いで入院)』という報道が出ており、統営(トンヨン)巨済(コジェ)地域にお住まいの、キム・ジョンエさん(89歳)、イ・トゥスンさん(88歳)、イ・キソン(87歳)が昨年末から療養病院に入院されたそうで、お加減はよくないらしい。
また、後半部分に関連する情報としては、このような報道も出ている。
聯合ニュース 2009.01.18 11:25:26『
위안부 日배상청구권 사후 양도 추진 (「慰安婦」日本への賠償請求権、死後譲り渡し法推進)』
ASIA TODAY 2009-01-20 16:17『
일본군 위안부 피해자 지원법 발의 김영선 의원(한) ..시간 흐르기만 기다려선 안돼 (日本軍慰安婦被害者支援法発議 キム・ヨンソン議員..時間が流れるのを待っていてはいけない)』
これら報道をあわせてまとめると、
国会政務委員長であるハンナラ党キム・ヨンソン議員が、18日に「日帝下日本軍慰安婦被害者に対する生活安定支援および記念事業などに関する法律」の改正案として、被害者の死後、損害賠償請求権を家族あるいは民間団体に譲渡できるように改正した法律案を発議した。
キム議員は「日本政府は、高齢である『慰安婦』被害者が死亡すれば公式謝罪と賠償要求問題が自然消滅すると期待し、時間稼ぎをしている状況だ」と指摘し、「そこで、『慰安婦』被害者らが生前に補償を受けることができなくても、持続的に損害賠償要求ができる制度が切実に必要だ」としながら「『日本軍慰安婦』問題は我々が先進国となる過程で、必ず解決しなければならない問題」「感情的な対応を乗り越え、韓国政府も、多方面に渡る持続的対応を模索すべき」と促した。
(強調は引用者) キム議員が「慰安婦」問題に関心をもった契機は、2006年に党代表最高委員を引き受けた際に被害女性らと会う機会があって、困難な事情を聞いていたそうだ。そして、その時に約束した内容を今回、発議したのだという。
当ブログにおいては、2008/10/30に『
朝鮮半島からの「慰安婦」問題に関する動き、取りこぼしていた二件 』として保存して置いた情報の続報となるようだ。
『
일본군 위안부 경제대국 일본, 인권 선진국 갈 길 멀어』、、、意味としては「日本軍慰安婦、経済大国の日本が人権先進国になるには道は遠い」ってとこらしい、ハンさんの訃報を伝えつつ、これまでの経緯をまとめた、実に耳の痛いタイトルの社説を上げていた。ハンさんの他界を伝える部分はかぶるので省略させていただいて、自動翻訳をかけて読むと、
被害者らは平均年齢が80歳代後半に達する高齢であり、毎年亡くなる方が急激に増加している。2006年に6人、2007年に13人だった死亡者は、2008年には15人になった。挺身隊対策協関係者は、ハルモニ達は、健康とされている方であっても日常生活に不便を感じておられる方は多いと語る。
被害者らは不自由な体をおして、1992年1月8日からはじめた日本大使館前の抗議集会を、天候・気候にかかわらず17年間続けている。ハルモニ達は、冷たい天気より、同じ境遇にあった被害者が亡くなる時の方が寒さを感じるという。
被害者らは、日本政府に、犯罪行為があったことを認め謝罪し、法的賠償を早急にするよう促している。しかし、日本政府は動かない。1991年にキム・ハクスンさんの証言を通じ明るみに出た、第二次世界大戦当時に20万人にのぼると言われるアジア女性に日本軍の性奴隷となるよう強制した犯罪を、日本は無視している。
水曜集会が849回に達する間も、日本大使館は門を閉ざしたまま、対話を拒絶し続けている。
国際社会では、1993年のウィーンの国連世界人権大会の決議文で「日本軍慰安婦」問題が言及されて以来、日本がおかした蛮行に対し糾弾と賠償要求が続いている。1996年、国際労働機構(ILO)専門家委員会は、「日本軍慰安婦」問題は性的奴隷に相当し、ILO 29号協約を違反した事例なので、日本政府は被害者に謝罪と賠償をするべきと勧告した。国連人権委員会(HRC)でも同年、真相究明と謝罪、法的責任の受け入れなどの内容が含まれた報告書が採択された。2007年には、アメリカ下院をはじめ、オランダ、カナダ、ヨーロッパ連合で「慰安婦」関連決議案が採択された。
国連人権理事会は昨年10月にも、「日本がまだ慰安婦問題に対する責任を認めない事に対し憂慮を表明する」として「日本は法的責任を負うべきであり、被害者らが受け容れることができる形で謝罪して被害者らの尊厳を回復しなければならない」と促した。また、人権理事会は、特に「日本は、一般市民や、特に若い世代にこの問題を教育し、これを否認したり被害者らの名誉をきづつけようとする試みに対し反論し無ければならない」と附言した。
しかし、日本は慰安婦問題のILO総会への議題上程自体を遮断するなど、被害者や国際社会の声を徹底して握りつぶしている。日本人の拉致被害者問題を理由に、国際的な場では、対北朝鮮人権決議案を主導して、人権国家として振る舞いながら、自身の誤りに対しては目と耳を分けているわけだ。
一方、「慰安婦」問題解決のためには、韓国政府がより積極的に出なければならないという指摘もなされている。(後略)
この社説に関連する情報として、前半部分については、オーマイニュース 2009.01.20 16:22付で『
위안부 할머니 3명이나 입원했습니다 (慰安婦被害者が3人、相次いで入院)』という報道が出ており、統営(トンヨン)巨済(コジェ)地域にお住まいの、キム・ジョンエさん(89歳)、イ・トゥスンさん(88歳)、イ・キソン(87歳)が昨年末から療養病院に入院されたそうで、お加減はよくないらしい。
また、後半部分に関連する情報としては、このような報道も出ている。
聯合ニュース 2009.01.18 11:25:26『
위안부 日배상청구권 사후 양도 추진 (「慰安婦」日本への賠償請求権、死後譲り渡し法推進)』
ASIA TODAY 2009-01-20 16:17『
일본군 위안부 피해자 지원법 발의 김영선 의원(한) ..시간 흐르기만 기다려선 안돼 (日本軍慰安婦被害者支援法発議 キム・ヨンソン議員..時間が流れるのを待っていてはいけない)』
これら報道をあわせてまとめると、
国会政務委員長であるハンナラ党キム・ヨンソン議員が、18日に「日帝下日本軍慰安婦被害者に対する生活安定支援および記念事業などに関する法律」の改正案として、被害者の死後、損害賠償請求権を家族あるいは民間団体に譲渡できるように改正した法律案を発議した。
キム議員は「日本政府は、高齢である『慰安婦』被害者が死亡すれば公式謝罪と賠償要求問題が自然消滅すると期待し、時間稼ぎをしている状況だ」と指摘し、「そこで、『慰安婦』被害者らが生前に補償を受けることができなくても、持続的に損害賠償要求ができる制度が切実に必要だ」としながら「『日本軍慰安婦』問題は我々が先進国となる過程で、必ず解決しなければならない問題」「感情的な対応を乗り越え、韓国政府も、多方面に渡る持続的対応を模索すべき」と促した。
(強調は引用者) キム議員が「慰安婦」問題に関心をもった契機は、2006年に党代表最高委員を引き受けた際に被害女性らと会う機会があって、困難な事情を聞いていたそうだ。そして、その時に約束した内容を今回、発議したのだという。
当ブログにおいては、2008/10/30に『
朝鮮半島からの「慰安婦」問題に関する動き、取りこぼしていた二件 』として保存して置いた情報の続報となるようだ。
No. 5607
私には二人の娘がいます。そのうちの一人は、三年半前、交通事故に遭い、今も身動きひとつできず寝たきりのままで、私たちとの意思の疎通さえほとんど叶わないという状態にあります。でも私たち夫婦は、条件が許す限り彼女のそばにいてやることができ、自分たちにできる限りの介護をしてやることができます。
でも、二人の娘の生まれた時間と場所によっては、ハン・オクスンさんと同じような生涯を過ごさなければならなかったかもしれません。事故にあったのはとても不運だったけれど、どれほど私の娘たちは、オクスンさんに較べれば恵まれた条件下にあったことかと、あらためてそう思わずにはいられません。
でもこんな私の感慨も、より深い他人の不幸を下敷きにして、自分たちを慰めているだけなのかもしれません。もう一度じっくりと反省の意味を込めて考えさせていただきます。
碧猫さんを初めとして、真摯にこの問題に取り組んでいらっしゃる方たちの行動を見聞きするにつけ、いつも頭を垂れざるを得ません。
No. 5608
>argonさん
…お嬢様のお話は、言葉が出ず、瞑目するばかりです。
>生まれた時間と場所によっては
<
私自身もそうであったかもしれません。生まれた時間が現にあるのと同じでも場所によっては、屋根を突き破って降ってくる白燐をあびていたかもしれません。
今、こうしていられるのは、ほんのわずかな偶然が重なってのことなのでしょう。
過分な評価を頂いてしまったようですが、現場で立ち向かってらっしゃる方には頭を垂れるばかりです。
せめて、できれば、現場で動いてらっしゃる方達が、そうしてらっしゃる事を見ている者がいると、被害に遭われた方達のために自分の手の回る範囲で何かしたいと考えている者がいることをお伝えできればと思ってます。関心を持ち始めて、ようやく気付いたに過ぎないのでお恥ずかしい限りですが、大手メディアを通じて日本に伝わる情報はあまりにも少ないようですね。
…なお、「慰安婦」被害者と直接会ってらっしゃる方のインタビュー記事など拝見すると、むしろ元気を頂いていると書いてらっしゃる方が比較的目に付くようには思えます。
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