TellApart 導入事例
2014 年
小売業は、取引件数が多いもののマージンが少ないという過酷な業界です。なかでも、e コマースは特に競争が激しくなっています。この業界で傑出するには、業務上の判断をすばやく適切に行えることが必要になります。このような理由から、競争優位性を求めるオンライン小売業者は、業務を支援する TellApart のようなテクノロジープラットフォームに注目しています。
Amazon は、技術面の多様な課題に対処できる唯一のプラットフォームです。会社設立当初、エンジニアリングチームは少人数でしたが、そのような課題を非常に短時間で解決できました」
Mark Ayzenshtat
TellApart 最高技術責任者
課題
TellApart の総合マーケティングツール (顧客データプラットフォーム、予測的顧客分析、次世代ディスプレイ広告リターゲティングアプリケーション) は、オンライン小売業者が最良の顧客や見込み客を特定する (つまり「tell apart」の意味) のに役立ちます。小売業者は、この絞り込まれたデータを使用して、パーソナライズしたマーケティングメッセージを最良の見込み客に送信します。これは、最終的な業績の大幅な向上につながります。
データウェアハウス、予測分析、カスタマイズドマーケティングはこれまで、それぞれ独立したソリューションとして提供されていましたが、TellApart はこのすべてをクラウドベースプラットフォームの中で一つにまとめました。これを実現したのは同社が初めてであると自負しています。同社はまた、今までにない革新的なビジネスモデルをオンライン小売業の世界に取り入れました。それは、買い物客が TellApart のディスプレイ広告をクリックして小売業者のサイトにアクセスし、実際に買い物をしたときにのみ、小売業者が TellApart に料金を支払うというものです。
アマゾン ウェブ サービスが選ばれた理由
2009 年に設立され、本社を米国カリフォルニア州バーリンゲームに置く TellApart は、アマゾン ウェブ サービス (AWS) を創業時から活用しています。初期のプロトタイプモデルの頃から、1 秒間に処理するクエリ (QPS) は数万件、エンドユーザー数は数億人という規模の現在に至るまで、TellApart のテクノロジースタックの主要部分すべてが AWS を通して運用されています。それどころか、同社のプロセスは一切、物理サーバー上では実行されていません。
共同創業者兼 CTO の Mark Ayzenshtat 氏はこう語っています。「Amazon は、技術面の多様な課題に対処できる唯一のプラットフォームです。会社設立当初、エンジニアリングチームは少人数でしたが、そのような課題を非常に短時間で解決できました」。 その課題とは、次のようなものでした。
- 大量かつ多様なタイプのリクエストに対して、レイテンシーを最小限に抑えて応答する
- 小売業者の大量の商品画像を、レイテンシーを抑えて配信する
- すべてのリクエストをログに記録し、確実に保管し、後で分析するときにセントラルリポジトリから取り出せるようにする
- ジョブの複雑なバッチワークフローを、一日何度も実行してデータを集計する
- 突然のトラフィック増加にも対応できるようにスケールアップする (ショッピング取引量が増大する日や、TellApart のサービスを利用する小売業者が新たにオンラインに参入したとき)
このような技術面での課題を解決することは、同社にとって常に最重要であり、導入した Amazon 製品は同社の成功を後押しするものとなっています。TellApart の業務は広範にわたることから、同社の AWS ソリューションは、次のようにさまざまな AWS 製品で構成されることになりました。
- Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、蓄積したサーバーの未加工データを保管する
- Amazon SimpleDB は、大量のユーザープロパティレコードと小売業者の商品レコードを保管する
- Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) は、ログを保管し、HBase クラスターのストレージとなる
- Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスは、4 つのアベイラビリティーゾーンで使用し、広告インプレッション、リアルタイム入札リクエスト、ユーザーのサイト想起アクションを処理する
- Amazon EC2 インスタンスの別クラスター: ユーザーデータの集計など、データのバッチ処理を実行する
- Elastic Load Balancing (ELB) は、リクエストを TellApart のフロントエンドサーバーインスタンス間に分散させる
- Amazon CloudWatch と Auto Scaling はサーバーインスタンスをモニターし、可用性を維持する
- Amazon CloudFront は、商品画像と JavaScript コードを管理する
- Amazon Simple Query Service (Amazon SQS) は、TellApart 独自の社内データをリージョン間でレプリケートする
利点
これらの AWS 製品は、TellApart の業務運営にぴったりと調和し、同社の目標すべての達成に貢献しています。共同創業者兼 CEO の Josh McFarland 氏は、体験をこのように語っています。「TellApart の設立当初から、本番用インフラストラクチャを AWS 上で運用しています。実は、リアルタイム入札エンジンを AWS の上に構築するのは不可能だと大勢の人に言われました。しかし私たちは、それが間違いであることを証明しました。今日では、1 秒間に数万件ものリアルタイム入札リクエストを処理しており、1 件当たりの時間は 120 ミリ秒未満です」
否定的な意見を退けた今、TellApart (と同社の顧客) は、こうした成果に満足しています。CTO の Mark Ayzenshtat 氏はこう説明します。「AWS を導入した結果、効率に優れ、弾力的に拡張可能で、レイテンシーが低く、冗長性のあるインフラストラクチャを構築できました。AWS は当社のキーパートナーです。AWS のおかげで、最も高速で拡張性の高いテクノロジーによるディスプレイ広告リターゲティングを、当社のクライアントである小売業者に提供できるようになりました」
TellApart について
なかでも、e コマースは特に競争が激しくなっています。この業界で傑出するには、業務上の判断をすばやく適切に行えることが必要になります。このような理由から、競争優位性を求めるオンライン小売業者は、業務を支援する TellApart のようなテクノロジープラットフォームに注目しています。
AWS の利点
- 1 秒あたり数万件のリアルタイム入札リクエストに対応
- 120 ミリ秒の応答速度を維持
- 効率、スケーラビリティ、冗長性を獲得
使用されている AWS のサービス
Amazon S3
Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。
Elastic Load Balancing
Elastic Load Balancing は、アプリケーションへのトラフィックを複数のターゲット (Amazon EC2 インスタンス、コンテナ、IP アドレス、Lambda 関数など) に自動的に分散します。
Amazon SimpleDB
Amazon SimpleDB は、可用性と柔軟性に優れ、データベース管理の負担を軽減する、NoSQL データストアです。
Amazon CloudWatch
Amazon CloudWatch は、DevOps エンジニア、開発者、サイト信頼性エンジニア (SRE)、および IT マネージャーのために構築されたモニタリング/オブザーバビリティサービスです。
Amazon EBS
Amazon Elastic Block Store (EBS) は、Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) と共に使用するために設計された、スループットとトランザクションの両方が集中するどんな規模のワークロードにも対応できる、使いやすい高性能なブロックストレージサービスです。
Amazon CloudFront
Amazon CloudFront は、データ、動画、アプリケーション、および API をすべて開発者にとって使いやすい環境で、低レイテンシーの高速転送により世界中の視聴者に安全に配信する高速コンテンツ配信ネットワーク (CDN) サービスです。
開始方法
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