私的胡蝶の夢 #3
昨日夜遅く、庭に出てみると、月がちょうど真上にありました。
満月・・・青く冷たい色の月は、雲が流れているせいか、びゅんびゅん飛んでいるように見えました。
今、「神楽坂史記の世界」で連載中の「満月伝説」にぴったりの月でしたよ。
晴れて気持ちの良い今日、朝からショッピングと美容院。
その合間に、ある人に電話。
実は、私が冬の国に行ったのは、彼女の一家の夢を見たのが原因。
気になっていたのですが、私自身が落ち込んでしまい、とても話せなかったの。
その夢とは――
彼女の夫がいなくなって、探したら、ある古い家にいると分かって・・・
その家を訪ねると、彼女の夫が大勢の人に囲まれて座っている。
その人たちはぼろぼろの服を着た餓鬼のような人たちで、家は廃屋のようにぼろぼろ。
その人たちに縋られて、彼女の夫は悲しそう私を見上げていました。
何気ない長話のついでに、さりげなくそのことを話すと、
彼女の声が変わりました。
「その夢見たの、いつ?」
「木曜の明け方」
「・・・それって、正夢かもしれない」
彼女の夫は、知人の世話で、ある家を見に行ったのだそうです。
それが木曜日の昼・・・
「前から引っ越したいと思っていて、家を探していたの。
中古住宅だけどいいかと思っていたのよ。でも辞める」
この前、兄が夢の中で「助けてくれ」と言うのを見て、しばらくして、脳梗塞で倒れたことがあって・・・そのことを知っている彼女は、私の夢を馬鹿にしませんでした。
さらに酷いことに、その夢には続きがありました。
私は山の中腹の道路を車で走っている。
右側は山の裾野で、小さな町がある。
左側は小高い山の頂上。
走っているうちに、ぐらぐらと山が動いたような気がして、車を降りる。
ざわざわと山の木が動いているので、良く見ると、目の前の山が立ち木ごと道路と反対側の斜面に崩れ落ちて行くのが見える。
驚いて車に戻ろうとすると、崩れた山肌から鉄砲水のように水が噴出し、道路が水浸しになっていく…
去年、私はある小説を書いて、ある文学賞に応募しました。
それは、大雨で山が崩れ、ひとつの村が洪水にあい、消滅するというもの。
家に泥水が流れ込み、やがて、家を押し流す。
今年、似たような光景を、テレビ画面で見て、うんざりしました。
災害や人の不幸の夢はもうたくさん。
もっと、楽しい夢は見られないものかしら。
ああ、そう言えば、キムタクに花束を貰って、どきどきして、嬉しくて幸せだった夢があったわ。
・・・でも、あれ、正夢にならなかった。
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