じゃがめブログ

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新社会人に贈る、最初の半年間で習慣化した方がいい基礎的なこと

新社会人に贈るシリーズ。今回は、仕事をする上で習慣化しておいた方が良い基礎的なことについてです。

まず基礎的なことを習慣化しよう

世の中で飛ぶようにライフハック本が売れていますよね。じゃあ世の中の社会人がみんなワーク・ライフ・バランスに優れた生活をしていて仕事を楽しんでいるかというと、そうでもない。それは何故か?それは、習慣化するまでに至っていないからです。なぜ習慣化しないかというと、基礎を持ってないことに関する技術だからです。基礎を知らずに幾ら応用を読んでも習得・習慣化できるものではありません*1。

ここから書くことは、基礎的なことです。基礎的で、とっても簡単なことです。ただ、簡単だからといって重要ではないと言うことにはなりません。
簡単が故に習得しやすく、習慣化にまで持ち込みやすい。そういったものを集めてみたつもりです。基礎を習慣化して、応用の利く社会人能力を身につけましょう。

挨拶と笑顔

とにかく挨拶をしっかりしましょう。
いきなり精神論かよ、と思われるかも知れませんが、挨拶超大事です。はっきりいって、挨拶がちゃんとできる人とやらない人は、上司や顧客(特に年配)からの見え方が違います。また、笑顔も大事です。

仕事というのは、突き詰めると人と人との関わりの間に生まれることがほとんどです。コミュニケーションが大事なのです。が、コミュニケーションを考えるにはまだ少し早いので、まずは相手からよく思われるように「しっかりとした挨拶」と「いい笑顔」ができるようになりましょう。

報告・連絡・相談の技術

いわゆる『報連相』です。社会人になったらまずこれを叩き込まれます。
報連相のポイントは2点。

トラブルほど速く伝える

トラブル情報が自らのミスが原因だった場合、度合いが大きいほど上司に伝えるのは怖いものです。上司にゴッツい怒られるかも?と思うでしょう。ですが、意外と怒られたりしないものです。叱られはするけど、怒られない。優秀な上司ほど怒りません。それは何故か。

部下がミスをした場合、上司は速やかにそれをフォローして回復しなければなりません。それが上司の仕事です。その際、ミス発覚が早ければ早いほど柔軟に対応できるのですが、末期状態で報告を受けても上司は途方にくれてしまいます。これは上司にとっても組織にとっても損なのです。優秀な人ほどそれを理解しているので、ミスの報告に対して怒ることは有りません*2。

経過を断続的に伝える

トラブルが起こった後などは、対応の経過を伝えましょう。その際にはどのように対応して・どうなって・現状どうかの3点を報告します。これが無いと、上司からは「え?今どうなってんの?仕事してんの?」って思われます。
報告のタイミングに付いてはケースバイケースなので難しいところですが、上司から状況を訪ねられたらアウト、報告が遅れている状態です*3。なるべく先手を打って報告をしてやりましょう。

私の常套手段は「○○時まで対応してみて、また現状報告します」などとあらかじめ報告予告をしておくというものです。そうしたら上司はそれまで別の仕事に集中できますから。

自分見積もり

見積もりというと規模の大きなものを想像するかも知れませんが、まず最初に取り組むものはとても小さいものからです。
例えば大きな屋敷や車を作るとしても、魔法でも無ければいきなり一発で作ることはできません。パーツ一つ一つを丁寧に作り、的確に組み合わせることで完成するものです。見積もりも全く同じ考え方です。大きな仕事を小さい作業に分割し、小さい作業に掛かる時間をなるべく正確に予測し、それを集めることで大きな仕事の見積ができるのです。

習慣化すべきことはただ1つ。作業前に作業時間を予測し、作業後にどれくらい掛かったかの実時間と突き合わせてズレを調整する。これだけです。この繰り返し。

人間は得手不得手というものがあります。プレゼンテーションが得意な人、資料を作るのが得意な人、パソコン作業が苦手な人、調べ物が苦手な人。色々あります。なので、一概に「この作業にはコレくらい掛かります」というのはできません。大事なのは、自分が何を得手不得手としていて、それにはどれくらいの時間が掛かるかを、なるべく正確に把握することです。

まず自分だったらどれくらいで可能か、という「自分見積もり」ができるようになりましょう。「自分見積もり」が出来ない人は、とにかくやってはみたけど最終的に間に合わない!どうしよう!とテンパる率が高いです。
「自分見積もり」が出来るようになったら、本格的に「見積もり」の勉強を始めれば良いのです。

図を描く

この場合の図が描けると言うのは、直線をまっすぐ引けるとか萌え萌えな絵が描けるとか漫画の背景の書き込みが凄いとかまあそういうことではまったくありません。

人間の頭の中には、情報は整理された状態で入っていません。色んなものがゴチャゴチャになって詰め込まれています。悩んでいるときや考えがまとまらないときなどは、情報が脳内と随所に散らばっているため整理が付いていないのです。では、整理するためにはどうするか。簡単な話で、図に書くのです。

図を描く方法はどんなものでも構いません。○と→だけで表現しても構いません。とにかく「悩んだら図を描いてみる」ことです。図化してみるとこんがらがっている部分や問題のある部分が見えてきたり、実は悩むようなことでもなかったな、などと解るわけです。また、他人にイメージを伝えやすくなります。

具体的な方法としてマインドマップやらなんやらありますが、最初はそんなの全く必要ありません。逆にツールに囚われすぎて自分の思うアウトプットができなくなることがあります*4。そうなるくらいなら使わない方がマシです。

質問の技術

聴くまでもなく検索で解ることなんかは聴く必要はありませんが「誰かしか知らない業務情報」などはとっとと聴きましょう。考えるだけ無駄です。また、5分考えて解らないことは知ってそうな人*5に聴きましょう。5分考えて解らないことは1時間考えても解りません。考えることも大事ではありますが、時間との兼ね合いです。

他人に質問をするときには3点ほどまとめてからにしましょう。

なぜそうなったか
どうなれば質問者的にOKか
試みた方法・考えた内容

上記を説明する際、前述の図を描くのもポイントですね。たまに口頭で長々と質問してくる人が居ますが、聞かれてる方としては「最初の方の内容全部忘れたわ!」ってなりますから。状況を説明する簡単な図を書いた上で質問に行く習慣が付けば完璧です。

忙しい*6人に質問するときは、

質問内容を簡潔にする
Yes/Noないしは選択肢から選んで返答できるような質問にする
やりとりに掛かる時間をだいたい予測する

というようにして、「ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど、○○分ほどお時間よろしいですか?」と聴きます*7。今忙しいからと言われたら、相手の性格にあわせて「じゃあ時間が空いたら教えてください」とか「いつならお願いできますか?」と確認。質問したい内容は一旦放置*8します。その上で定期的にリマインドを掛ければOKです。

メモの技術

まずは、やるべき事や言われたことをメモする習慣を付けましょう。上記の図を描く習慣と合わせて、ちょっと大きめのスケッチブックなんかを持ち歩くのも良いですね*9。

メモを取るときのポイントは2つ。

解るまで確認する

「こういうことで合っていますか?」としつこいくらい確認しましょう。相手もあなたが新人だからすぐに理解できないことは解るはずです。むしろ、よく解ってない人に作業依頼して全く違うものを作られても困るので、優秀な人ほど認識合わせは念入りにしようとします。
みんなちょっと聴いただけなのにわかってるっぽいし恥ずかしい!とか思う必要はありません。みんなよく解らずに頷いたりしてるだけです。そしてよく解らないまま残業地獄に舞落ちていくだけです。

5W1Hを意識する

メモというのは後々の自分へのメッセージですから、後から読んで思い出すいようになってる必要があります。そのために残しておかないといけないのが5W1Hです。そのうち、最低でも「いつまでに」「誰に」「何を」「どうする」の4点は書き残すようにしましょう。特に「どうする」は重要です。絶対に残しましょう。

具体的に言うと、「○○について」「○○資料」といった体言止で終わるようなメモは、後から読んで意味不明です。「○○資料を作成する」「○○資料を△△さんにメールする」というように、行動を表す言葉で閉めるようにメモりましょう。

成果を残す

なにか作業をしたら必ず「成果」を残しましょう。「作業をする⇒成果が残る」という図式を頭に叩き込んでおくことです。
調査作業など、調べていることに関して結局答えが見つからないまま時間が過ぎることはあると思います。その場合でも「○○を調べた」という記録を残しておきます。
これは業務保全というだけではなく、他の人が同じことで悩まないようにするためでもあります。

仕事は蓄積作業であることが殆どです。「調べて解らなかった」のであればその事実も残すべきことです。

まとめ

以上、新社会人が半年間で習慣化すべきことです。
どれも簡単で、やること自体は簡単です。これをまず半年くらいでコツをつかんで習慣化しましょう。こういった基礎的なことができるようになって始めて、応用的なことができるようになります。

だいたい、どんなことでも1,000時間あれば習得できるといいます。このエントリーに書いてあるようなことなら200時間も意識しながら仕事すれば習慣化できると思います。普通のサラリーマンが1日8時間拘束されるとして、半年で960時間あります。この仕事時間を活かせば、無理なく習慣化することは可能だと思います。

ま、焦る必要はありませんけど。一番大事なのは、基礎的なことを時間を掛けてでもしっかり習慣化すること、です。一見たくさんあるように見えて大変そうですが、一個ずつこなせば大したことは有りません。時間が掛かってもいいので着実に、です。

ひとつひとつの技術についてはざっとしか説明していませんので、人によっては不満足かも?そのうちひとつずつ細かく掘り下げていきたいと思います。


関連エントリー:
新社会人に贈る、仕事の基本 - 仕事の進め方
新社会人に贈る、『うつ』にならないための心得十箇条

まとめエントリーを書きました。
ここに書ききらなかったことを足して、新社会人の人に贈りたいことを詰め込みました。
新社会人に贈る、言葉のパッケージ

忙しい人に質問する際のケースを追記しました。既にエントリーが長文になってるのに追加というのも、という気がしますが。

*1:ただ読んだだけで習得できるなら「はじめの一歩」を読めばボクサーになれるし「キャプテン翼」を読めばサッカー選手になれるし「ジョジョの奇妙な冒険」を読めば波紋使いになれます。

*2:叱られることはあるとは思いますが、それはまあ反省して次に活かしてください。無闇に怒る上司に当たった場合、こいつ小物だな〜って思っていれば良いです。

*3:上司によってはセッカチな人もいますし無頓着な人もいますので、どういうタイミングがベストかは状況次第かと思います

*4:いわゆる道具に使われてる状態。

*5:あらかじめ詳しそうな人をゲットしておきましょう。

*6:だいたいの場合、忙しそうにしているだけ。

*7:あらかじめ、相手を拘束する時間を決めて提示しておくことで、相手の予定調整を楽にするため。

*8:質問内容がクリティカルパスに入っている場合は焦りを生むかも知れませんが、そんなことはそうそう無い気がします。

*9:私のお気に入りはRHODIAのメモなのですが、これが高い!書きやすくて切り取りやすいんで便利なんですけどね……