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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

エライ著者もいれば、エラクナイ著者もいる。

同業者である書籍編集者esさんが、刺激的な見出しの記事を書いていたのでご紹介。

やっぱり著者は「エライ」のか

まあ、記事をリンクしただけでは芸がないので、拙い私見を記しておきましょう。
結論から先に言えば、エライ著者もいれば、エラクナイ著者もいます

ここでまず、僕にとっての「エライ」著者の条件を確認します。
それはすなわち、「いい原稿」をものすことができるという一点だけです。
(もちろん、この条件は僕が考えるもので、以下もはなはだ個人的な見解です)

「いい原稿」がかける著者はエライです。
だから、その人のためになら、僕はできうるかぎりのことをやろうと思いますし、会社にも協力を求めます。

しかし、「いい原稿」が書けないのに、態度が異様にデカかったり、無理難題を吹っかけてくる著者を、僕はエライとは思いません。
それは、ただのエラソーな著者です。

もちろん、編集者という職掌柄、著者をサポートしていくのは僕の使命ですし、少し前の記事でもその努力を続けたいとは言いました
でも、その前提として、著者には「いい原稿」を書いてもらいたいのです。

誤解しないでほしいのですが、「いい原稿」を書いてもらうためにも、編集者はいろいろな面でサポートしています。
でも、それらのサポートはあくまでサポート。
原稿を実際に書くのは(あるいは口述するのは)、著者にしかできません。

そして、その時点で「いい原稿」を書く能力(あるいは経験、また各種状況)が不足している著者は、こちらが期待しているぶんの仕事ができていないのですから、「エライ」著者とは認めがたいのです。
そんな方がエラソーにふるまわれたときは、僕は口では「先生、先生」と言いますが、心の底で軽蔑しています。

まあ、ここに書いたのは、かなり偏った意見だと思うので、そういう受け取り方をしていただければ幸いです。

でも、一つだけ言いたいのは、著者だからエライのではなく、いい仕事をする著者だからエライと考えたほうが、編集者の精神衛生上よいのかもしれないということ。

esさま、少しは参考になりましたでしょうか。
by aru-henshusha | 2005-05-12 22:59 | 本・出版