5月4日10時(現地時間)からニューヨークで政府主催のシンポジウムが開催され、大澤孝司さんのお兄さん、昭一さんがスピーチされました。その内容をお知らせします。政府未認定拉致被害者のことについてさらに国際的認知を広げる機会になったものと思います。
--------------------------------------
皆さん、こんにちは。私は大澤昭一です。
今日は、私の大切な弟≪大澤孝司≫について、また、北朝鮮当局の組織的犯罪である拉致問題についてお話をする機会をいただき、感謝します。
私の弟≪孝司≫は、私と10歳違いです。彼は3人兄弟の末っ子でした。彼が突然姿を消したのは、42年前、1974年2月24日です。場所は、日本海に浮かぶ「佐渡島」の静かな田舎町でした。当時、彼は27歳でした。
彼は大学で農業土木を学び、その後、新潟県職員となり、農業政策の遂行を担っていました。1970年代の当時、日本の農業の課題は、農場を近代化し、生産性を向上させることでした。彼は、佐渡島に赴任を命じられ、そこで職場の仲間とともに、圃場の大規模な整備に汗を流していたのです。
彼が突然姿を消した2月24日は、まだ雪の降る寒い日曜日でした。休日を隣町で楽しんだ彼は、夕方、自分の住む町に帰ってきたそうです。彼は、宿舎の近くの食堂に寄り、夕食を食べました。いつも利用する朝鮮料理風の焼き肉を提供する小さな店です。
その後、近くの商店に立ち寄り、たばこを買っています。商店のおかみさんに「おやすみなさい」と挨拶してそこを出ました。1970年代の田舎町には街灯はまだありません。真っ暗です。おかみさんは、その暗闇の先に数人の不審な人物がいたといい、彼が出た直後に車が急発進するタイヤの不審な音を聞いたといいます。
そして、そのまま弟の姿は消えました。警察や職場の仲間で1000人規模の大掛かりな捜索を行いましたが、彼の足どりを見つけることはできませんでした。
もちろん、彼自身が自ら姿を消すような原因は何もありません。彼が大切にしていたカメラも部屋にそのまま残されていました。私たちは、まるでマジシャンのイリュージョンを見るような気持ちでした。
ところが14年前、驚くべき事実が判明します。北朝鮮が初めて日本人を拉致したことを公式に認め、被害者5人とその子どもたちを日本に返したのです。
皆さんは、その中に曽我ひとみさんという女性がいたことをご存じでしょうか。
彼女は、1978年、母親のミヨシさんと一緒に拉致され、北朝鮮でアメリカの人と結婚をしていたのですが、彼女の突然の帰国が私たちにとって衝撃だったのは、彼女の拉致された状況と、弟の失踪した状況とあまりにも似ていたからです。
ひとつは、彼女の失踪が、動機の見当たらないものであったこと。さらには、拉致は弟の失踪の4年後、弟が消えた佐渡島の町であったこと。
犯行の手口は、夜の闇の中、男たちの急襲。もちろん、彼女は日本の政府も把握していなかった拉致被害者です。すべて弟の状況と重なっていました。
その結果、県知事や警察は、弟の失踪について拉致の可能性をはじめて指摘するようになりました。私たち家族もまた、当時の諸状況から、北朝鮮による拉致と確信しています。
日本に帰国した拉致被害者、脅されて工作員に手を貸した人々、北朝鮮を亡命した≪工作員≫などの証言から、北朝鮮には当局による拉致組織が存在し、拉致を実行する多くの工作員がいること、拉致被害者は日本だけでなく、世界各国にまたがることが分かっています。
工作員は拉致犯罪のプロフェショナルです。彼らは密入国を繰り返し、指令にふさわしい人物を探し出し、緻密な計画と、大胆な手口で、小さな痕跡も残さず、被害者を北朝鮮に拉致しています。事実、曽我ひとみさんは北朝鮮の発表ではじめて拉致されていたことがわかりました。
皆さん、今なお独裁者が統治する北朝鮮では、密かに拉致され、招待所と呼ばれる檻の中で命の危険におびえながら、独裁者の野望のために囚われている多くの人がいることを知ってください。
日本では、「北朝鮮工作員によって拉致された疑いがある失踪者」を『特定失踪者』と呼んでいます。日本の警察は、800人以上について、捜査・調査を行っております。また日本弁護士連合会は独自の調査結果として、少なくとも78人は拉致の疑いが極めて濃厚であるとしています。弟はその中の一人です。
私たちは『特定失踪者』についても北朝鮮にその全容を明らかにさせるよう、日本の政府に求め続けています。
皆さんにお願いします。どうか独裁者に拉致された人たちを解放し、人間としての尊厳を取り戻し、自由の空気を吸わせてやるために、皆さんの力を貸してください。
弟は子供のころはいたずら好きな元気な少年でした。
彼の姿が見えなくなって既に42年、その間、高齢の父と母は、息子との再会を果たさないまま天国に召されました。それでも私の家族は、多くの支援者と一緒に、彼の帰国を待ち続けています。
重ねてお願いします。どうか皆さんの力で、北朝鮮の拉致の犯罪を暴いてください。被害者を一日もはやく独裁政治から解放してください。本日は、皆さまにこのお願いをするためにここに来ました。
ご清聴ありがとうございました。
▲現在「しおかぜ」の放送時間と周波数は以下の通りです
22:00〜23:00 5935kHz,5965kHz(300kW) 5985kHz(100kW)のいずれか
23:05〜23:35 5935kHz,7325kHz(300kW) 5985kHz(100kW)のいずれか
01:00〜02:00 5915kHz,6090kHz,6165kHz (300kW)のいずれか
■調査会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等
★5月21日(土)15:00 「拉致問題の風化を許さない! in Higashihiroshima(同会実行委員会主催)
●東広島芸術文化ホール(西条駅徒歩7分 082-426-5900)
●代表荒木が参加
●問合せ:塚本さん(090-1335-1035)
★7月24日(日)「みんなで考えよう 拉致と特定失踪者の問題」(真の平和と人権を考える市民の会主催)
●岡山市
●代表荒木が参加
----------
★荒木著『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展転社刊)
●定価1800円(税別)
●問合せ 展転社(03-5314-9470)
※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。
_________________________________________
特定失踪者問題調査会ニュース
---------------------------------------------------------
〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301
Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059
email:comjansite2003■chosa-kai.jp
※■を半角の@に置き換えて下さい。
調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp/
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCECjVKicFLLut5-qCvIna9A
発行責任 者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は
kumoha551■mac.com宛メールをお送り下さい)
※■を半角の@に置き換えて下さい。
●カンパのご協力をよろしくお願いします。
郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会
銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会
(銀行口座をご利用で領収書のご入用な場合はご連絡下さい)
______________________________________________________