スマホアプリの開発・提供において押さえておくべき3つのツボ
6月6日に開催された宣伝会議主催インターネットフォーラム2012に参加してきました。そこでの講演で実際のスマホアプリを提供して経験値として得たスマホアプリの開発・提供における3つのツボについてのお話しがあり、非常に面白く参考になったのでご紹介します。
講演のあらまし
- 講演タイトル
アプリ活用成功事例から学ぶ、アプリを成功させる秘訣
~「ストッパ」のコミュニケーション戦略とアプリの親和性~ -
- 講演内容
ストッパのコミュニケーション戦略と戦略に基づいた具体的なアクションについて、スマホアプリ(ストッパ@トイレ)の位置づけ(目的)と具体的展開内容を紹介。ストッパ@トイレの企画・開発経緯、ストッパ@トイレの成果と評価から、メディアとしてのスマホアプリの可能性や活用する上でのポイントと課題をお話しいただきました。
- 講演者プロフィール
ライオン株式会社 ヘルス&ホームケア事業本部 薬品事業部 ブランドマネジャー 南 曉 氏
1985年にライオン株式会社入社。2010年より、薬品事業部にて、グロンサン、ストッパ、バルサン等のブランドマネージャーを務めていらっしゃいます。
アプリ「ストッパ@トイレ」の企画事例
ストッパがアプリを活用した背景
- スマートフォンユーザー層とストッパのユーザー層が一致
日本のスマートフォンのユーザー層
スマートフォンユーザーの50%が関東地域在住で、70%が男性
実際のストッパのユーザー層
ストッパのユーザーの45%が東京都在住で、70%が男性
(理由)スマートフォンユーザーに男性が多いのはよいとして、ストッパのユーザー層に男性が多いのは、仕事勤めなどで精神的プレッシャーを受けやすい環境に傾向として多くいるのが男性だからだろう、とのこと。
- スマートフォンのメディアとしての先進性をブランディングに活用
ストッパのライバル、正露丸。日露戦争に活用された伝統がある薬。
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正露丸のようなトップブランドに伝統で真っ向勝負できない。
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そこでストッパは先進的なイメージ作りを目指すことに。
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そしてスマートフォンのメディアとしての先進性を利用。
- ストッパの購入者に役立つアプリを模索
「突発性、ストレス性の下痢で朝の通勤電車でトイレに行きたくなった。途中下車してトイレに駆け込みたいけど、どこにトイレにあるのか分からない。」
・・・というストッパの購入者に役立つ、GPSを活用した駅トイレ情報を配信するアプリ「@トイレ」の制作に行き着いた。
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また、トイレ情報は、災害時に有用ではないかと考えていた。
こうしてストッパ@トイレは誕生!!!
スマホアプリの開発・提供における3つのツボ
自らユーザーを呼ぶ込むような自立したアプリに必要な3つのツボ。
- Download “アプリの成功とアプリのダウンロード数は表裏一体”
ダウンロードされるアプリになるには「直観性×奥行き」が大切である。直観的な操作性、ユーザーを惹きつけるコンテンツクリエリティブ性の高さ、ユーザーオペレーションが面倒くさくない、コメント入力に抵抗がない、飽きない仕掛けがあるなどの奥行きが大切。
さらに、初期ダウンロード数は、その後のアプリの行方を決める勝負どころ。1週間で1万ダウンロードを獲得しないと、その後ダウンロード数の伸びは見込めない。
一般的に、アプリ市場におけるアプリダウンロード数の比率は、
・10万ダウンロード達成したアプリは、市場の5%
・5万ダウンロード達成したアプリは、市場の7%
といわれる。そのなかで「@トイレ」はダウンロードランキングに入る10万ダウンロード達成!!
- Power “アプリそのものにパワーが必要”
アプリに「新規性」「社会性」「エンタメ性」のすべてをもたせること
そうすることで、ニュース性が高くなり、プレスに話題として取り上げてもらいやすくなる。
アプリの戦略的な位置づけを明確にすること
アプリを核とした新しい統合型マーケティングコミュニケーションが必要。プロモーション目的のアプリなのか?CSR目的のアプリなのか?あるいは、エンタメ性が高いコンテンツを配信することでユーザーを集める広告配信モデルのアプリなのか?いずれにしても、アプリの戦略的位置づけがブレてはダメ!
- Time “アプリのファーストローンチ、そしてバージョンアップの時期を予めプランしておく”
(もしかすると「Time」ではなく別のキーワードだったかもしれません。もし違っていましたらご指摘ください。)
アプリのファーストローンチ段階から次に配信するコンテンツを考える
2010年6月のファーストローンチのターゲットは精神的なストレスでストッパを活用する社会人男性。
2011年1月のセカンドローンチは、大学受験をひかえる学生をターゲットにしたストッパカレッジをリリース
また、大学受験シーズンに、大学受験をひかえる学生をターゲットにしたストッパカレッジをリリースすることで、アプリに「社会性」(Power)をもたせ、ニュースとしての話題性を喚起した。
独自の方法でアプリの広告効果を算定!
アプリの広告効果については業界標準の指標があるわけではない。同社の他の広告の広告価値を参考に独自にアプリの広告効果を算出。次のような指標を持ち込むことでアプリ提供の効果を定量化し、社内で正当性の説明ができ、次のアプリ開発につなげることができるようになる。
ユーザーのアプリ利用の1セッションが他の広告では200円の広告価値に相当すると仮定。
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10万ダウンロードで1ダウンロードあたり10セッションとするとトータルで100万セッションに。
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すると100万セッション×200円で2億円の広告効果と算出できる。
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アプリ開発費がトータルで2500万円だとする。
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2500万円の原価に対して2億円の広告効果という計算になるので原価ベースの費用対効果は8倍と算出される。
アプリ成功のためのおまけのツボ
アプリ提供は開発もさることながら、企画もすごく重要なんだなと思いました。
アプリ開発にはインフラの準備をしたり、APIや管理画面の開発をしたり、サーバサイドシステムの初期投資や運用に多大な費用と期間が掛かります。
appiaries(アピアリーズ)はサーバサイドシステムに必要な要素をプラットフォーム化しAPIとして提供するため、初期投資や運用の費用や期間を大幅に削減できます。そこで削減された費用や時間を企画の費用や時間に充てる。そんなアプリ企画者の活動もappiariesは支援します。
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