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原 民喜 作
読み手:よしもと ひろこ(2022年)
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史朗は今度一年生になりました。まだ学校へ行く道が憶えられないので、女中が連れて行きます。女中は史朗の妹を背に負って行くのでした。妹は美しい毬を持っています。その毬は姉が東京から土産に買って来たものでした。毬には桃の花の咲いた山の絵が描いてあります。 さて、ある日、先生が「今日はこれから山へのぼりましょう」と申しました。皆はそれでワイ/\と喜びながら、学校の門を出ました・・・