オスカー・ワイルド 作 結城 浩 訳 わがままな大男読み手:藤崎 巧子(2022年) |
子どもたちは毎日、午後になって学校から帰ってくると、大男の庭に行って遊ぶのが常でした。
そこは、柔らかい緑の草が生えた、広くて素敵な庭でした。草むらのあちこちには、星に似た美しい花が立っておりました。その庭には十二本の桃の木があり、春になると薄桃色と真珠色の繊細な花があふれるように咲き、秋には豊かな果実が実ります。鳥たちは木々の上でたいそう甘い歌声を響かせるので、子どもたちは遊ぶのをやめて聞きいるのでした。「ここで遊ぶのはなんて楽しいんだろう!」と、くちぐちに声をあげました。
ある日、大男が帰ってきました・・・
・この作品は青空文庫に提供されています。
Copyright (C) 2000 Hiroshi Yuki (結城 浩)
◇翻訳者:結城 浩
・プロジェクト杉田玄白正式参加作品。
・この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています