村山 籌子 作 かくれんぼ読み手:西川 美映子(2022年) |
ある日、小ぐまさんとあひるさんが、かくれんぼをして遊びました。
ジヤンケンをして小ぐまさんが負けました。小ぐまさんは、あひるさんがむかふのお部屋に行つてゐる間に、机の下にもぐり込みました。
机の下にかくれた小ぐまさんは、あひるさんの来るのをどんなに待つたことでせう。一時間はたつぷりじつとしてゐました。それだのに、あひるさんは、まだ、さがしに来ないのです。
小ぐまさんは、まつくらな、せまい所でしやがんでゐるものですから、足や手が痛くなつて来ました。小ぐまさんは、腹が立つて、腹が立つてたまらなくなりました。そして、かくれんぼなんぞ止しちまへ、と思つて、机の下から這ひ出ようとしましたが、あひるさんに見付かると、せつかく、今まで辛抱したのが、・・・