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ハンス・クリスチャン・アンデルセン  菊池 寛

醜い家鴨の子

読み手:つかさ(2021年)

醜い家鴨の子

著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/菊池 寛 訳 読み手:つかさ 時間:36分44秒

 それは田舎の夏のいいお天気の日の事でした。もう黄金色になった小麦や、まだ青い燕麦や、牧場に積み上げられた乾草堆など、みんなきれいな眺めに見える日でした。こうのとりは長い赤い脚で歩きまわりながら、母親から教わった妙な言葉でお喋りをしていました。
 麦畑と牧場とは大きな森に囲まれ、その真ん中が深い水溜りになっています。全く、こういう田舎を散歩するのは愉快な事でした。
 その中でも殊に日当りのいい場所に、川近く、気持のいい古い百姓家が立っていました・・・

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