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小泉 八雲 作 田部 隆次 訳
読み手:福井 慎二(2021年)
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昔、尾州遠山の里に若い農夫とその妻が住んでいた。家は山の間の淋しい場所にあった。 ある夜妻は夢を見た。その夢に数年前になくなった舅が来て『明日自分は非常に危険な目に遇うから、できるなら助けてくれ』と云った。朝になってこの事を夫に話した。二人とも、死んだ人が何か用があるのだろうとは思ったが、その夢の言葉は何の意味か分らなかった。 朝飯の後、夫は畠へ行ったが妻は機織のために家に残った・・・