グリム 作 矢崎 源九郎 訳 赤ずきん読み手:羽山 芽衣(2021年) |
むかしむかし、あるところにちっちゃな、かわいい女の子がおりました。その子は、ちょっと見ただけで、どんな人でもかわいくなってしまうような子でしたが、だれよりもいちばんかわいがっていたのは、この子のおばあさんでした。おばあさんは、この子の顔を見ると、なんでもやりたくなってしまって、いったいなにをやったらいいのか、わからなくなってしまうほどでした。
あるとき、おばあさんはこの子に、赤いビロードでかわいいずきんをこしらえてやりました。すると、それがまたこの子にとってもよくにあいましたので、それからは、もうほかのものはちっともかぶらなくなってしまいました。それで、この子は、みんなに「赤ずきんちゃん」「赤ずきんちゃん」とよばれるようになりました。
ある日、おかあさんが赤ずきんちゃんをよんで、いいました・・・