村山 籌子 作 にはとり は みんな しあわせ読み手:堀口 直子(2021年) |
あるところに、にはとりのたまごが 八つありました。みなさん ごぞんじの やうに、そのなかには、ひよつこが はいつてゐます。
ところが、そのなかの 一わの ひよつこが そとにでたくなつて、なかから、からを、コツツン、コツツン、コツツンと つついて、ちひさなあなを あけました。
それから、そのあなに ちひさい くちばしを つつこんで、ガリ、ガリ、ガリ、ガリと ひつかきまわしましたので、からは メリ、メリ! と われて、ひよつこの きいろい
あたまが みえました。メリ、メリ、メリ、メリ!! からが、まんなかから 二つにわれて、ひよつこが とんででました。すると、むかふのはうで、
「コケツコツコ コケツコツコ コケツコツコ こつちへおいで、はやくおいで」とおかあさんの めんどりがいひました・・・