グリム 作 矢崎 源九郎 訳 ならずもの読み手:水野 久美子(2020年) |
オンドリがメンドリにいいました。
「もうクルミがうれる時期になったよ。どうだい、いっしょに山へいって、思いきり食べてこようじゃないか。まごまごしていると、リスのやつにみんなもっていかれちまうからね。」
「けっこうね。」
と、メンドリがこたえました。
「いきましょうよ。ふたりでたのしんできましょうね。」
そこで、ふたりはいっしょに山へでかけました。とてもいいお天気でしたので、ふたりは夕がたまで山にいました。
ところがですよ、ふたりがあんまり腹いっぱい食べすぎたせいか、それとも、高慢ちきになってしまったためか、そのへんのところはよくわかりませんけど、とにかく、ふたりとも歩いてかえるのがいやになってしまったのです・・・