上村 松園 作 友人読み手:水野 礼子(2020年) |
私にはこれという友人がなく、つきあいらしい交際もしたことがない。
昔から独りぼっちといった感じである。
女の人で当時絵を進んでやるという人もほとんどと申してよいくらい少なく、たまたまあったところで自分よりも歳下の女性と話し合う気もおこらず、また男の方だと、画学校や絵画の集会などではとにかくとして、親しく交際するということは思いも寄らなかったものである。だから絵の方でもまあ、独りぼっちの独り研究といった形であった・・・