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竹久 夢二

クリスマスの贈物

読み手:渡邊 明美(2016年)

クリスマスの贈物

著者:竹久 夢二 読み手:渡邊 明美 時間:8分26秒

「ねえ、かあさん」
 みっちゃんは、お三時のとき、二つ目の木の葉パンを半分頬ばりながら、母様にいいました。
「ねえ、かあさん」
「なあに、みっちゃん」
「あのね、かあさん。もうじきに、クリスマスでしょ」
「ええ、もうじきね」
「どれだけ?」
「みっちゃんの年ほど、おねんねしたら」
「みっちゃんの年ほど?」
「そうですよ」
「じゃあ、かあさん、一つ二つ三つ……」とみっちゃんは、自分の年の数ほど、テーブルの上に手をあげて、指を折りながら、勘定をはじめました。
「ひとつ、ふたあつ、みっつ、そいから、ね、かあさん。いつつ、ね、むっつ。ほら、むっつねたらなの? ね、かあさん」
「そうですよ。むっつねたら、クリスマスなのよ」
 ・・・

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