小川 未明 作 『小さな草と太陽』序読み手:加藤 供子(2023年) |
詩や、空想や、幻想を、冷笑する人々は、自分等の精神が、物質的文明に中毒したことに気付かない人達です。人間は、一度は光輝な世界を有していたことがあったのを憫れむべくも自ら知らない不明な輩です。
芸術は、ほんとうに現実に立脚するものです。童話は、芸術中の芸術であります。虚無の自然と生死する人生とを関連する不思議な鍵です。芸術の中でも、童話は小説などと異って、直ちに、現実の生命に飛び込む魔術を有しています。
童話は、全く、純真創造の世界であります・・・