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小川 未明 作
読み手:幡山 睦実(2023年)
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鳥屋の前に立ったらば 赤い鳥がないていた。 私は姉さんを思い出す。 電車や汽車の通ってる 町に住んでる姉さんが ほんとに恋しい、なつかしい。 もう夕方か、日がかげる。 村の方からガタ馬車が らっぱを吹いて駆けてくる。 鳥屋の前に立ったらば 赤い鳥がないていた。 都の方をながめると、 黒い煙が上がってる。