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2024-12-13

フランツ・リストピアノ名曲重要曲7選(後期)

 anond:20241212222723の続きである

 ヴァイマール宮廷楽長を辞任したリストは、ラテボル公に招聘され、公の弟グスタフ・ホーエンローエを通じてローマ教皇庁と接点を持つことになり、宗教音楽に取り組む意欲を持つことになる。「巡礼の年」や「詩的で宗教的な調べ」のように、前期・中期から既にリストには宗教的な要素が強い作品があったが、これ以降そのような作品さらに増えていく。一方、子どもたちが相次いで亡くなったことで大きな精神的打撃を受け、1860年には遺書まで書いている(マリーとの関係はまだ悪かったようで、マリーのことは遺書にない)。カロリーヌは夫との婚姻強制されたものであり無効であるとする枢機卿会議の決定を一旦勝ち取ることに成功するが、その後、婚姻有効であると述べる証人が新たに現れ風向きが変わってしまう。というのも、ラテボル公の実子とカロリーヌの娘が結婚することになっていたのだが、カロリーヌ結婚無効だったとするとカロリーヌの娘は私生児ということになり、大変都合が悪いわけで、グスタフが手を回して妨害させたようであるリストも後に状況を悟ったらしい)。愛する人と結ばれることに再び失敗し、重ねて精神的なショックを受けた。それでも、グスタフを初めとするローマパトロン見出しローマに腰を落ち着け宗教音楽に熱心に取り組むことになる。ところが、1869年に度重なるヴァイマールから要請宮廷楽団指導役として復帰し、さら70年代からピアノ教師としての活動も非常に活発になり(ローマでも週1ではやっていたらしい)、以降リスト曰く「三分割された生活vie trifurquée」、春はブダペストなどで音楽教師コンサート、夏はヴァイマール宮廷楽団の指揮、冬はローマ作曲ピアノのレッスンというスター時代に負けず劣らずの忙しい生活死ぬ日まで送ることになった。晩年リストのレッスンの記録をとっていた弟子アウグスト・ゲレリヒの日記翻訳あり)を見るとリスト生活ぶりが良く分かる。

1. 巡礼の年 第三年 S.163(1883年出版

 晩年リスト代表である出版も最晩年。頻繁な不協和音の利用、レチタティーヴォ風の単純な旋律、独りごちるようなモノローグが目立ち、華麗な作風からの一変を感じることができるだろう。全7曲あり、第1・4・7は明るめで、宗教的な救いを示している。前期・中期作品でいうと、「孤独の中の神の祝福」」に近い作風である。それに挟まれた2・3・5・6は、「葬送――1849年10月」などと同じで、死を嘆くエレジーで、とても暗い。

 この曲集の中で最も有名なのは第4番の「エステ荘の噴水」だろう。文字通りリストが住んでいたティヴォリエステ荘の噴水を活写したものだ(その様子はググってくれ)。晩年作品の中では例外的に明るく、輝かしい作風で、しか印象主義の先取りになっている画期的作品だ(ラヴェルの「水の戯れ」やドビュッシーの「水の反映」と比べると良い)。第2・3曲「エステ荘の糸杉にI・II」は大変暗い曲なのだが、続けて聴くと本当に救われる思いになる。絶望からの救済は、リスト本人が強く望んでいたことだ。

 第三年だけの録音というのはあまり聴かないような気がする(エステ荘の噴水の録音はたくさんあるが)。第一年なども含めた全曲録音は前期の項目で書いたが、ベルマンとロルティが良いだろう。特に美しいロルティが好き。

2. 二つの伝説」(1865/66年出版

 1863年リストは僧籍を取得し、聖職者となっている(ずいぶんな生臭坊主生活死ぬまで続くが、リストことなので仕方がない)。丁度その頃に作曲されたらしい。ローマ引っ越しリスト教皇ピウス9世が訪ねてきた時に(下級聖職者のくせにローマ教皇に足を運ばせる男なのである)、第1曲「小鳥説教するアッシジの聖フランチェスコ」を演奏したらしい。フランチェスコ小鳥説教する様子を描く絵だったか詩だったかモチーフにした曲で、小鳥たちのさえずりを模倣したトリルがかわいらしい。明るく、聴きやす作風である

 第2曲の「波をわたるパオラの聖フランチェスコ」は、嵐の中の船出を拒絶されたフランチェスコアッシジの人とは別人)が自らのマントを船にしてメッシーナ海峡を渡ったとかい伝説モチーフにしている。波を模倣したうねるような力強いアルペッジョが印象的。出だしこそ暗いが、明るく、輝かしく、充実した展開を迎える。

 両曲とも1865年リスト自身ブダペストにおける久しぶりの公開のコンサートで初演された。サン=サーンスがいたく気に入って、オルガン編曲を作っている。

 ニコライ・デミジェンコHyperion/Helios)のCDソナタスケルツォマーチと一緒になって入っていて、よく聴く

3. BACH主題による幻想曲フーガ1870年出版

 元々はヴァイマール時代オルガン曲として作った曲だが、この時期にピアノ編曲された。BACH主題といっても、バッハの曲が引用されているのではなく、ドイツ音階BACH(シ♭・ラ・ド・シ)をモチーフにした勢いのある曲。暗い曲だが、豪壮無比な超絶技巧披露する曲であり、重苦しい感じはない。

 面白い曲なのに良い録音が中々ない。昔韓国のクン・ウー・パイクの録音を聞いた気がするが記憶に残っていない。アムラン(Hyperionソナタなどとカップリング)が良いと思う。若手だとリーズ・ド・ラ・サール(naive)の演奏は非常に録音も良く、技術的にも良い感じである(naiveは廃盤になるのが早く、入手が難しいのが困りものだが、配信あり)。(追記ハワード全集演奏も彼のヴィルトゥオーゾっぷりを味わえるものだったと思う。しかしアムランやラ・サールと比べると分が悪いか

4. クリスマスツリー S.186(1882年出版

 長女ブランディーの子ダニエラ(死んだ息子と同じ名前)のために作った曲(父は「自由帝政時代首相エミールオリヴィエ。なお産褥熱でブランディーヌは死んだ)。当時のクリスマス・キャロル編曲だが、リストオリジナルの曲も入っている。第1曲(編曲)がとても良い曲なのだが、リストお得意の左手高速オクターヴ連続があり、子どもに辛いのでは(しかもご丁寧に軽くleggieroという指示がついていてピアニストは悶絶する)。第11曲の「ハンガリー風」はおそらくリスト、第12曲の「ポーランド風」はカロリーヌを暗示しているのだと思われるが、後者は明らかにショパンマズルカ的な作風。やっぱりショパンのこと大好きなんすね~

 実はハワード全集しかいたことがない(しみじみとした良い演奏だと思います)。

5. 暗い雲 S.199(死後旧全集に収録/1881年作曲);不吉な星 S.208(死後旧全集に収録/1881年作曲);調性のないバガテルS.216a(1956年出版1885年作曲

 反則だが、リストの無調音楽代表格を一挙紹介。リストの無調音楽は、機能和声崩壊しているという意味では無調だが(その意味ではワーグナーの「トリスタン和音」も同様)、シェーンベルクの十二音技法のような意味で無調というわけではない(ドイツというよりフランスの無調音楽の先取りっぽい)。行くあてが未定まらないまま、タイトル通り曖昧な響きに終始する暗い雲、西洋音楽で不吉とされる音の組み合わせをこれでもかと盛り込んだ不吉な星は、これでも生前に既に演奏されてはいたのだが、調性のないバガテルは「無調」と銘打った音楽史上初めて(ではなかったとしても極初期)の作品で、発見されたのも20世紀後半になってからである1956年出版というのは誤記ではない)。ただ、元々メフィストワルツ第4番として作られていたので、舞曲の要素があってそこまで聞きにくい曲ではない。リスト精神状態もあって暗い感じだが、とにかくリスト前衛音楽家っぷりがよくわかる曲である

 いずれも録音はそこそこあるが、代表的な盤はあまり思いつかない。不吉な星はポリーニの録音したソナタCDカップリングされているので聴いたことがある人もいるだろう。暗い雲も入っていたと思う。調性のないバガテルはまあまあ取り上げられているが、昔カツァリスが日本で大ブレイクしていた頃に出したメフィストワルツ全集(Teldec)に入っている。

6. 悲しみのゴンドラ1886年出版

 初稿(21世紀に新発見され出版)、第2稿(悲しみのゴンドラI)、第3稿(悲しみのゴンドラII)がある。よく演奏されるのは第3稿(II)で、ヴァイオリンチェロのための編曲もある。

 ヴェネツィア所在だったワーグナー訪問した1882年作曲された。完成した曲をワーグナーに紹介する手紙を送り出した直後、ワーグナーが亡くなり、リストはこの曲を虫の知らせだったと感じたらしい。「巡礼の年」のヴェネツィアナポリと対比すると良い作品

 不安を煽るような曲だが、それほど聞きにくい曲ではない。色々なCDカップリングされているが、個人的にはブニアティシヴィリSONYソナタCD)が好きなのでよく聴く

 なお、ワーグナーの死を悼む作品リストは作っている(R. W. ――ヴェネツィア S.201とリヒャルト・ワーグナーの墓に S.135)。前者は不安を煽る曲だが(ポリーニCDに入っている)、後者敬虔な追悼音楽で、「パルジファル」の動機が使われている。ピアノより弦楽四重奏盤を聴くと良いだろう。

7. 村の居酒屋での踊り――メフィストワルツ第1番(1862年出版

 前期の曲と思いきや、実は後期の作曲作曲開始も50年代末のはず)である。やはり最後は明るく華やかな(そして生臭坊主な)リストで締めたい。着想自体は1836年に書かれたレーナウの叙事詩ファウスト」で、ファウストを連れて村の居酒屋にやってきたメフィストフェレスが、ファウストを誘惑するためにヴァイオリンを弾き出し、みんなノリノリになって踊り出し、魔法の音にあてられてファウスト女の子と一緒に森の中に消えていくというしょーもない内容である。技巧的な見せ場も多いのだが、ヴァイオリン調弦模倣した五度の音程を重ねるところ(地味に安定させるのが難しい)、中間部の重音トリル(ピアニスト泣かせ)と幅広い跳躍、終盤の怒濤の追い込み(メフィストフェレスがファウスト堕落成功してめっちゃ喜んでノリノリで弾いている様子なんだろう)が主なところである

 有名曲なので演奏はたくさんある。今ならブニアティシヴィリSONY)が良いと思う。ソナタも悲しみのゴンドラも入っているのでお買い得自由奔放にやっちゃってるが、そのくらいの方がこの曲に合っている。映像もある(https://www.youtube.com/watch?v=n1tM9YSLYdc)。なお、評判の良いエコノム(Suoni e Colori)とルガンスキーデビュー盤(Victor)は廃盤で聴いたことがない。早く再版しろ激怒

 いかがだったろうか。リストのいずれも強烈な個性を持つ曲、もし良かったら楽しんでほしい。YouTubeに乗っている曲だけでも良い。音楽の楽しみが増えれば幸いだ。

 (※その後超絶技巧七選も作ってみました。超絶技巧すぎてかえって推薦音源が少なくなったかも→anond:20241213224533

追記

 前期のブコメに「愛の夢落選した」というのがあった。申し訳ない。3つの演奏会用練習曲をその手の曲の代表例として入れたので。あと「コンソレーション」も同様に落選させた。同じような性格の曲集なのでどれを突っ込むか迷ったのだが、結局「ため息」のある3つの演奏会用練習曲にした。文字通りため息が出るような優美な「ため息」以上に愛の夢優美で、明るく感動的な曲なのだが、実は元となっている歌曲歌詞を見ると結構説教くさくて引くというのはここだけの話

 「エステ荘の糸杉に」が好きというブコメを頂戴した。リストエレジーはどれも本当にもの悲しく、個人的にはちょっと辛い感もあるのだが、気持ちは大変よく分かる。

2024-11-20

anond:20241120001926

## ブロック1

対決順に紹介した方がいいので

2024-11-19

兵庫県知事選へのお気持ちへのお気持ち

いわゆる『バカパワハラ容認してSNSに騙されている』立場人間です。


斉藤氏を100点満点とは思っていないし、結局のところ多くの人にとって消去法での選択だったと思う。

実際、稲村氏に39%票が集まったこから当選兵庫県民の総意ではないことは当然わかっている。

でも45%に対して、馬鹿だの騙されているだの色々言われるとイラときたね。

アメリカでもトランプ支持者は低学歴バカ〜みたいな話を見て、「そりゃリベラル支持されませんわ!」と思ってたところに馬鹿にされる当事者になってしまった感。

思想信条自由だけど、それとは異なる人に対して馬鹿にするような発言をしたらどう思われるかはいい加減分かったほうがいいよ。

じゃなきゃリベラルはいつまでも勝てないよ。



相互フォロワー(兵庫県民ではない)さんが、『正気じゃない民が多い兵庫県』の行く末を心配してくれていたけど安心してほしい。

兵庫県大丈夫です。

あなた趣味仲間という面では良き友人だけど、政治的主張もっと声をあげていくべきという考えには賛同できないです。

だって私は『正気じゃない』人間なのできっと相容れないと思うし、私の意見には耳を傾けて貰えそうにないから。




以下余談だけど、回ってきた増田で見た「立花氏の働きが大きく斉藤陣営プラスとなった」は真逆感想を持っている。今までの奇行っぷりが知れ渡っている状態で、立花が支持し始めたというのはマイナスイメージがでかかった。「俺に投票するな!」と言うものの、そもそも支持者数は大したことないのでネガティブイメージが付く方がやばいなと思っていた。

ただ、稲村陣営しばき隊が加わって風向きが変わった。

化け物同士が潰しあって、しばき隊が勝ったって感じ。(ヤバさが)

2024-11-18

結局顔

斎藤が石破の顔だったらこんなことにはなってなかったと思う」という書き込みを見て、確かに……と思ってしまった

石破さんには悪いけど

斎藤が石破さんの顔で、自殺したという職員がまつりさんみたいな若くて可愛い女性で遺族が顔出し許可して抗議していたら風向きは違ったか

上祐ギャルズとか市橋ガールズとか、ああいう「かわいそうな男を私が/俺が守ってあげたい!」欲が斎藤に向いてしまったんだろうな

anond:20241118120334

 概ね増田意見に相違はない気がする。

 その上で何点か諦観を込めて補足したい。

 ここでは増田の言う局長不倫に対して立花反論できていないという指摘は、若干ズレている気がするが結論は間違っていないと思う。

 具体的には、そもそもこの百条委員会において最初パソコンの中身を示させようとしていたとされるのは斎藤知事側だったはずで、結果として不倫が原因で自死を選んだとすれば、その流れはどちらかと言えば不倫百条委員会で示させようとしたことそれ自体で、その流れはパワハラが原因であるというよりは、パワハラの内容を告発しようとした結果その不倫の内容を明らかにさせられそうになったことが理由である、という流れになるような気がする。

 とはいえ、じゃあ不倫に対して各インフルエンサーが何も言えなかったのはなぜかと言えばそんなの簡単で、ある意味現代価値観から言えば不倫と今回の問題は『関連がない』と非常に訓練された目で見てしまうからだろうね。増田が言う通り、他の有権者から見れば十分に着目するべき視点だったにもかかわらず、それについて調べるということが『関連がなく』『問題本質から逸れていて』『価値観として言及するべきでない』という価値判断から、触れることができなかった。価値観的にはそこを突けるのは一種バグ技というか、リベラルが負け続けているのもだいたいこのあたりの脆弱性理由だと思う。

 まぁ今回の場合リベラルがどう、とかいう話は若干ズレちゃってて(実際不信任決議は全員からされてるし、普通に古巣自民維新とかからも責められてる訳で)、本質マスコミ問題だよね。

 左派リベラルとか、既得権益かいろいろな呼ばれ方をして結局対抗馬が錯綜していた中で、誰が間違いなく愚かな味方だったのかと言えばまずはマスコミだったろうと思う。

 公益通報にかかる部分とか(これも厳密には責めきれない要素があるということは3月ごろから言われていたが)については、後援していた維新側の橋下氏さえ否定継続している。

 にも関わらず、明らかに根拠不足な、少なくとも不信任決議に至るレベルとまで言えるかは疑義の残るパワハラなどの、いわば耳目を集めやす話題に逃げて、ワイワイと騒ぎ倒した。

 これはもう、ずっと前から言われ続けてきた問題点だったんだけど、今回はそれに相対することが出来るまでに育っていたソーシャルメディアがあり、そしてそれに相対してしまうまでに弱っていた既存メディアがあった。

 この騒ぎと力関係が、立花氏がナラティブを見出す絶好の土壌に成り果てた訳で。

 んで、増田も認めている(と判断させていただくが)『B.そんな斎藤知事が気に食わない勢力県庁内外におり、問題のK局長斎藤知事の悪い情報を収拾し、怪文書メディアに発信した。 』という点は、ナラティブとして見た場合かなり重要度が高い要素で、実際中田敦彦氏の動画なんかは結構再生されてる様子だし。また、ここを着目して陰謀論であるという主張をする人たちもやはりいるし、この言及理由に色々と起きてるよね。

 これなんか、もうXとか大騒ぎで、立花氏を心から応援しているポストが溢れかえってる。結構ナラティブとして、クーデターだったっていう組み立てって筋を通すためにめちゃくちゃ重要だったと思うんだ。

 でも、それを招いたのはマスコミの愚かさだからなぁ。マスコミ意図的にやったとは思ってないし思うべきでもないというか、ハンロンの剃刀というか。

 ある程度リテラシーがある場合、その愚かさの中からある程度の情報を取捨選択しつつ判断を下すわけだけど、それなら別にソーシャルメディアからそれを行ったことも十分考えられるだろう、という話は全くその通り。結局のところエコーチェンバーというか。

 一概に立花氏を悪魔化したり、兵庫県民を愚民であると言ったり、それこそ『民主主義の敗北』だなんて喧伝するのは、本当にそちらのほうが愚かだよね。

 まぁ、これからどれくらい立花氏が躍進するかどうかはちゃんと見ておかないといけないんじゃないかとは思うけど、でももし本当にこのBすら事実だったらどうしようかな、って感じちゃうくらいには、世の中の風向きが変わってしまったなとは思うよ。

 あああと、多分もう地方自治体公益通報制度はそうそ機能しねえだろうなって諦観もあるか。

anond:20241118135619

また、結果論として今回の選挙に至る兵庫県議会対応問題であったように思う

百条委員会での決断が出ない前に不信任決議を出してしまった

その結果、陰謀論が付け入る土壌が出来てしまった

県民やけどその通りやと思う

「なぜあんな酷い知事を辞めさせないのか」の民意県議会が屈した

そして民意が今度は「なぜそんなに知事一方的に責めるのか」と叫びだした

選挙は終わったがこれから百条委の追及は続く

知事にとって不利益情報が出てきたときにまた風向きは大きく変わる気がする

しかもそう遠くない未来

兵庫県知事選挙で、またも透明化される民意について

まず最初に、兵庫県知事選の結果を見て欲しい。

齋藤元彦 1,113,911 (45.2%)

稲村和美 976,637 (39.6%)

( NHK選挙報道より https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241117/k10014640801000.html )

どちらが勝ってもきっとそうなるだろうなと思ったので、強く強く強調しておきたいのだが、兵庫県民がパワハラを良しとしたわけではないし、県民県庁職員の命を軽んじているわけではない。

逆に言えば、もしも稲村和美が選ばれていたとしても、パワハラが許されない県民性だ、と言うこともできなかった。

これは右派左派わず、まず念頭において欲しい。ブコメをする際にも一瞬だけ書き込む手を止めて考えて欲しい。

97万人もの人間投票したうちの39.6%の人間意思無視した発言になってないか

兵庫県で起きていたこと(前半戦)

自分の身の周りで起きていたことを記しておこうと思う。

当初は、いわゆる通常の選挙様相を呈していた。

組織票無党派とは言え党派性での応援対立候補

いわゆる、従来の選挙として、前半は以下のような感じだった。

自民党大敗記憶に新しいが、小選挙区自民党の内紛が起きていたところが概ね負けていたことを思い出すと、清水貴之立候補表明あたりで少し不穏さを感じていたと思う。

ただ、良くも悪くもテレビ新聞マスメディアでは、齋藤が再出馬するとは、という論調であった。

そもそもで言えば、県議会が(維新も含めて)全会一致で県知事不信任決議をする、というのが異例だった。

民意と言えば聞こえは良いが、マスメディア報道を受けて支持母体から圧力が日々増しており、かかる火の粉を振り払った結果、というところだろう。

兵庫県で起きていたこと(後半戦)

立花孝志を中心とした、従来にない選挙戦の様相を呈してきた。

事ここに至って、齋藤元彦が県知事失職以前に取っていた言動が、功を奏していた。

齋藤元彦は、「公益通報に該当するとは思っていない」や「瑕疵はない」と述べており、発言一貫性があった。(端的に言えば過ちを認めて謝罪していない)

告発文書が7つの項目からなっているのであれば、本来マスメディアは、それぞれについて裏を取り、特に知事選挙や政治資金パーティーでの違法行為を追求すべきであった。

失職に至る経緯である告発文書報道が、主に理解やす視聴率を稼ぎやすパワハラとおねだりに集中していた点が、事態悪化させていた。

ハッキリとここで書いてしまえば、齋藤元彦の選挙戦略は至極全うである

街頭演説では、おおむね、前知事井戸敏三県政の無駄遣いの批判自身の県政でのお金の使い方(高校への投資企業との連携)の話、未来ある子供たちへの投資の重視などが語られている。

そもそもの前回の知事選挙でも、トップダウン式の井戸県政を嫌ったと評されるが、基本的には自民党分裂選挙であり、自民党の内紛と勢いのある維新への合流が生んだ結果と言うこともできる。

まり、現職なのでそもそも地盤はしっかりとあり、井戸敏三県政から路線変更を行って財政再建を行っていて、元々市町村とは折り合いが悪い、という点までは織り込み済みの状況である

マスメディア側に誤算があったとすれば、「パワハラぐらいみんなやってるだろ」とか「あの程度のおねだりは役得じゃないの」という市民の声がカメラの前で拾えるはずがない、という至極当然の目線を忘れていたからだと言える。

トップダウン井戸県政を嫌ったはずの齋藤県政で、強引とも言える市町への予算縮減などをもっとフォーカスして解説すべきだったと思う。

ハッキリ言えば、共産党以下は泡まつ候補である

逆に言えば、稲村と清水との分裂選挙と言える状況で、稲村和美陣営には手抜かりがあったと言われても仕方がない。

一本化を図ろうとした市町の連帯を示す文書は、明らかに遅かったし、清水貴之への根回しも済んでいるようには見えなかった。

兵庫県でおきていたこと(マスメディア

マスメディアによる齋藤元彦おろし成功している。通常こうした場合、再出馬や再選はあまり現実感が無い。

そのため、マスメディア側のいわゆる醜聞を集める準備期間がほぼなかった点がある。

また、全国的にも良く知られているが、関西圏維新に対しては通常親和的報道が行われる。

齋藤元彦は、前回の兵庫県知事時代に、自民党日本維新の会共闘して県政を行っていた。

マスメディアとして、及び腰になっていたのではないかという点は、指摘できると思う。

また、醜聞、いわゆるゴシップとして視聴率を稼ぎやすネタが、齋藤元彦を利するものであった点も報道が少ない理由の一つと言える。

(もしも前知事時代女性関係醜聞があれば、こぞって報道されていたであろうことは想像に難くない)

兵庫県以外でおきていたこと(SNS

デマ醜聞荒らしであり、聞くに堪えず、見るに堪えない。

しかし、コメント欄などを見ると、メディアに騙されていた、齋藤元彦を応援しますという声は少なからずあり、影響が無かったとは言えない。

また、街頭演説に限って観てみるとわかるが、明らかにトレーニングを受けた演説慣れした者と、あまり演説しなれていない者とハッキリわかれる。是非聞き比べて欲しい。

兵庫県知事選挙でおきていたこと(対立候補、対齋藤元彦陣営

いわば本音と建て前の、建前の部分で、各自失策している。

出直し選挙民意を問うでべきであるという逃げを打った県議会マスメディアは、再出馬されてしまった場合に、取りうる手段が無い。

現に、今回民意を反映して(少なくとも当選する程度の民意は得ている)知事に返り咲いた為、県議会は筋論としては協力せざるを得ない。

また、あまり話題になっていないが、辞任と失職では県知事任期に差があり、失職後に出直し選挙当選しているので、任期リセットされており、ここから4年の任期となる。

今後、兵庫県で起きること

恐らく、齋藤元彦兵庫県知事の元、今後も市町とは揉めながら県政を行っていくと思われる。

文書問題調査特別委員会通称百条委員会)については、粛々と聞き取り調査が進めらると思うが、おそらく公益通報には該当しない、パワーハラスメントに該当する行為はあった、給与自主返納あたりで手打ちになると思う。

これはあくまでも一般論だが、刺すべきタイミングで的確に刺せないと、政治ではうまくことが運ぶことは無い。

兵庫県警が公益通報として受け取らざるを得ない内容、厚生労働省調査せざるを得ない内容、法務省調査せざるを得ない内容として、それぞれピンポイント匿名通報し、マスメディアにも流した場合、結果は違ったように思う。

五百籏頭氏が傑物であったことに異論は無く、執務中の急性大動脈解離については痛ましいとしか言いようがなく、それがストレスを起因としたものであったかもしれないが、それを知事問題とするには飛躍が過ぎる。

繰り返しになるが、稲村和美へと票を投じた97万人がいたことを忘れてはいけない。ほぼ、齋藤元彦では無い人物というワンイシューで集まった票がこれほどの規模だったことを忘れずに話をして欲しいと思う。

雑感

立花孝志の選挙戦略が当たったのではないかという話があったが、そもそもで言うと県議会が推す候補が一本化できていない(稲村と清水に分かれていた)点に問題があった。

単純な算数だが、対立候補が稲村和美(と共産党)だけだった場合当選していたのは稲村和美であった。

また、簡単に辞職を迫りすぎていた点にも問題があった。

県知事任期は4年であり、第53代兵庫県知事齋藤元彦は、2021年8月1日付に県知事になったので、ほうっておいても2025年7月末には任期を迎えた。

文書問題調査特別委員会が設置されたのであれば、この調査結果を待ってから辞職を迫るのが筋であった。

マスメディアの大変良くない点だと常々思っているが、加熱した報道で辞職を迫るのはいい加減どうにかならないか。それは報道では無く扇動である。また辞職は罪を償う手段ではない。

齋藤元彦が、井戸敏三県政を嫌っていることは外部からもうかがい知ることが出来るし、法律上はどうあれいわゆるパワハラ日常的に行っていたであろうことも百条委アンケート結果からは伺い知ることが出来る。

ただ、それを告発する為にとった手法公益通報に該当するのか、内容が真実だったとして法律上の罪に問われるものなのかは、また別の問題である

そういう、法律上はどうあれ報道され一部でも事実があり実害が出たのであれば責任を取って辞めるべきだという、マスコミを利用した政治手法が、うまくいかなくなった結果だと考えている。

(贔屓目に見ても怪文書しか言いようのないあの告発文書でここまでの騒動になるのだから、実情はさらに酷いのだろうと思うが、それは司法飛ばし私刑を行って良い理由にはならない)

蛇足

風向きで辞任を迫ったり、風向きでついたり離れたりしていると、触れるメディアから情報で同様に風向きが変わるのは当たり前だろう。

返す返すも、百条委の結果を待って、結論が出てから辞任を迫っていれば違っていたように思う。

パワハラ認定がなされたあとの再選と、パワハラ疑いの再選は大きな隔たりがある。

パワーハラスメントは、録音録画を行えば証明できるような単純なものでは無い。うっかりパワハラではないとされた時に、職も信用も失う危険行為なのだ

そして、パワハラを行う人間は、誰がやったかからないような不特定多数がいるような場所パワハラをしない。通常、パワハラは録音データ漏れしまえば即特定されるのだ。

そして、日本マスメディアには信用が無い。暴露は得意だが保護は不得意だ。

そうすると、パワハラ日常的に行われるのに、職を失いたくないから何の証拠も出てこないという状況が容易に起こりうる。

立花孝志の選挙戦略は、その点をピンポイントで突いたものだ。

従来のマスコミゴシップと同様の効果を、ほぼ単独で行えた点にこそ、大きな価値が出てしまった。

ただ、逆に言えば、事実に基づき、政策判断してほしいというような選挙戦略には、付け入る隙は無い。

やはり、そろそろマスメディア私刑として機能し、首長を叩き辞任させようとする傾向は慎むべきなのだと思う。

辞任以外の落としどころを作らない限り、また同様のメディアスクラムが起きた時に、立花孝志はおそらく違う手法で望んだ結果を得るだろうと思う。

実際の所、流れた情報の何が本当で、何がデマなのかは誰にも判断できず、なにが正しいのか理解できている人はほぼいないと思われます

とにもかくにも、立花氏の戦略が、今の時代を的確に捉えており、柔軟に対応できたことが大きいと思われます

従来の選挙戦略では到底太刀打ちができない、新しい選挙のやり方が生まれてきたなという感想です。

私にも見えてない部分が多くありますので、他の方の分析も知りたいです。

https://anond.hatelabo.jp/20241118092831

兵庫知事選、鼻をつまんで投票せざるを得なかった

当初、出直し選は寝てるつもりだった。維新もどうかと思うし、かといって中央政党相乗り組もどうかと思う。それならどっちでもいいから寝とこうと思っていた。

風向きが変わったのは先週のラストサンデー周りだ。斎藤が稲村を猛追しているという。

そして問題なのは、その斎藤の周りに組織的選挙妨害集団跋扈しているという事実だ。

よりによって、100年ぶりに復活したワイマール時代悪夢、院外団・ナチス突撃隊のような暴力を信奉しそれを隠さぬ連中が選挙に介入するというその一点だけは断じて許すことが出来ない。

俺は模範的選挙民でもないが、自由選挙の大切さを思う心と、民主主義に対する信頼は辛うじて持っている。しかるに、選挙においてボトムラインは明らかに民主主義防衛という一転に絞らざるを得ない。こんなボトムラインを設定せざるを得ない状況を憂慮しなければならないが、しかしそれは別の問題だ。

ならば、ナチと同様の劣化突撃隊選挙に投入した勢力をこそ市民義務として蹴落とすべきだ。

思えばナチチューリンゲン州を足掛かりに全国へと覇を広げていった。まったくそ制度が違ったとしても、地方自治独裁の一歩になりかねない。

我が兵庫をどうしてその二の舞とさせようか。

斎藤も同罪かもしれない。しか斎藤側は明確に組織だった暴力集団の投入には至らなかった。N国の所業は明白に選挙蔑ろにしているが、あくま自由選挙(≒現行法)の枠内での行動に留まると評価できる。一方で突撃隊を養い、それを使用することのするの罪は遥かにそれを凌駕する。

ここはパワハラ自殺、おねだりetcetc.すべて鼻をつまんでナチスの再興を防がなければならない。

から俺は斎藤に入れた。諸君外野から好きに言え

2024-11-12

なぜ斎藤元彦は兵庫県民に支持されるのか

兵庫県民です。

兵庫県知事選情勢、稲村氏わずかにリード 斎藤氏が猛追

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA092EM0Z01C24A1000000/

これを見て、

「なぜ斎藤氏が猛追できるんだ。意味が分からない。」

との声が多かったので、解説します。

前提知識として、関西テレビ報道の仕方は

維新政治家は「庶民のための正義政治家」で、

それ以外の政治家は「既得権益代表者の悪の政治家

というスタンスです。

維新に逆風が吹いた今回の衆議院選挙大阪では全勝でした。

斎藤知事も、維新の力で当選したので、マスコミは非常に持ち上げていました。

地元テレビサンテレビ地元新聞神戸新聞

非常に好意的で、斎藤ヨイショを繰り返していました。

時系列を見ていきます

3月局長

パワハラやおねだり、補助金キックバックなどを記載して報道機関に送付

斎藤知事

嘘八百」「公務員失格」などと発言

この時はまだマスコミ斎藤知事に非常に同情的で、

「頭のおかしい部下に怪文書をまかれて困惑している知事

という報じ方だった

4月

告発文に記載されているコーヒーメーカ受領事実と分かり、

風向きが変わる。

この頃からマスコミ

告発事実かどうかの確認必要」というスタンスを取り始める

7月局長自殺。音声データを残す。

斎藤知事ワインをおねだりしている録音が公開され、

斎藤知事ワイン受領を認める。

百条委員会開催。

地元マスコミだけでなく、全国ニュースにも取り上げられる。

質問にまともに答えない、明らかに覚えていないわけがないことについて「記憶に無い」を繰り返す、

態度が注目を浴びる。

告発文の内容に事実が含まれていることが明らかになっても、

公益通報の在り方について全く自分の非を認めない態度にも批判が集まった。

全国ニュース維新に都合の悪いことも報道するので、

斎藤知事に対する批判が大きくなった。(全国ニュース関西でも見られます

※「斎藤知事の悪行は全てマスコミ職員捏造」という方は、

なぜ、斎藤知事百条委員会で「事実無根です」ではなく、「記憶に無い」と言ったのでしょうか?

百条委員会は虚偽の答弁を言うと罰せられるので実際にあったことに対して明確に否定できず、

記憶に無い」というしかなかった、以外に合理的説明がありますか?

そのころ、斎藤氏のSNS更新ほとんど無くなる。

コメント欄は閉鎖されていたが、批判引用が多くなされていた。

台風10号が来たとき、久々に更新

https://x.com/motohikosaitoh/status/1829456725453447596?s=46

8/30

台風10号31日午後から9月1日にかけて最接近する見込みです。

皆様には十分な備えをお願いします。

海岸や増水した河川用水路など

危険場所には絶対に近づかないようお願いします。

何でもないような天災への注意喚起罵倒する人が後を絶たなかった。

「そんなことより質問に答えろよ」

「いまさら仕事をしているふりか?」

そんな引用ばかりだった。

9月

道義的責任が何か分からない」発言

この発言でこれまで斎藤氏に同情的だった人にも一気に見放された。

会議員全員が敵に回る。

9/19 不信任案が全会位置で可決。

https://x.com/motohikosaitoh/status/1836957860695265497?s=46

9/20

昨日不信任決議が可決されました。

県政が今の状況になっていること、

県民の皆様にご心配やご不安を抱かせてしまっていること、

まずは、心からお詫びします。

大きな、重い判断になります

しっかりと考え、決めます

見苦しいからさっさと辞めろとの声が多数。

この時まだ、斎藤知事に同情の声は一切無かった。

9/21~23

三連休斎藤知事テレビに出続け、ひたすら自分アピールを繰り返す。

https://x.com/motohikosaitoh/status/1837668997355262364?s=46

9/22

先日からインタビューの機会を頂いています

まだまだ、言葉表現が足りないところもあるかと思います

それでも、できるだけ自分の思いや考えを、

自分言葉で丁寧に伝えていきたい。

ふざけるな。テレビに出て自分宣伝か?

それよりも自殺した局長に対する思いとか不信任をされたことへの反省とかないのか

等の声多数。

実際に説明共感した声はほとんどなかった。

https://x.com/motohikosaitoh/status/1838447534391595416?s=46

9/24

石川県大雨被害への対応について、今朝、改めて防災担当者協議しました。

引き続き、現地の状況確認を続けつつ、

今後、国や現地から輪島市珠洲市などへの物資職員派遣支援要請があれば、迅速に対応します。

このポスト前後して、彼を絶賛する書き込み毎日何百と書かれるようになる。

何か新しい事実が判明したわけでもなく、状況が変わったわけでもないのに、

急に根拠も書かずに彼を称賛・励まし・賛美する書き込みが書かれていた。

誰かの号令で行われていることが明らかだった。

追記

どう明らかなのかわからないと言われたので追記

自然発生的に応援があるなら、不信任前にもそれなりの応援があるはず。

一日で、何の前触れもなく何百もの応援書き込みが同時に書かれだしたので、組織的に行われていると思いました。

https://x.com/motohikosaitoh/status/1839264142412362074?s=46

9/26

本日、失職を選択し、

出直すことを決めました。

県政の現状、私の責任です。

改めて、心からお詫びします。

でも、やはり改革を止めたくない。

組織もなく、自分一人からの挑戦になります。厳しい道のりですが、しっかり歩んでいきたいです。

満を辞したこ書き込み

ここからリプライ可能になっている。

応援リプライ殺到する。

明らかに応援リプライが押し寄せる」ことを

完了させてからリプライ解放だった。

それから、Xでお勧め投稿に「マスコミは嘘ばかり。斎藤知事ははめられた被害者」

との投稿が多数

YouTubeおすすめ動画に「県会議員と職員グルになってかわいそうな斎藤知事を陥れた」斎藤応援動画が、

tiktokショート動画斎藤上げ、対立候補への中傷動画が多数上がるようになる。

yahooコメント欄も、斎藤知事ははめられた被害者、

議員職員は全員グル斎藤排除した巨悪、という書き込み一色になる。

斎藤スタッフが総力で動画作成し、

Xで斎藤上げ投稿を繰り返し、

yahooコメント欄斎藤応援する書き込みを多数して、

その投稿書き込みを信じた人が多くまた書き込む、というサイクルが完成されたものと思われる。

適当にググってコメント欄を見て、みんなが推してそうな人が一番正しそうだからその人に投票する」

という選挙民が多数を占めると思われるので、その層には、極めて有効戦略と言える。

百条委員会のことを覚えている人には全く効果がないが、

そんな人は少数派だろう、と斎藤サイドは読んだのだろう。

●その他

斎藤知事が支持されるその他の理由

・圧倒的な知名度がある

たいていの場合知事選挙の二期目は現職が勝つ。

知名度が段違いなので。

斎藤氏の場合毎日テレビに出続けたので、ある意味総理大臣よりももっと有名人である

「その他の候補者のことは知らないけど、斎藤さんは知っているか斎藤さんに入れよう」

と考えた選挙民はかなりの数に上ると思われる。

連日斎藤氏の演説をすごい数の人が見に来ていることが話題になっているが、

有名人なので見に行きたい」人が大多数だと思われる。

自分奥さんも「元彦が来るなら見に行きたい」と言ってた。

職場でも支持するわけではないけど来るなら見たい人が多数派らしい。

麻原正晃が演説に来たら見に行く人はいっぱいいるでしょ。それと一緒。

・顔がいいか

斎藤さんはかっこいい、稲村さんは生理的に受け付けない」

との声(とくに女性)は大きい。

この層もかなりの数に思われる。

新聞を読んで自分情報を集めたり、斎藤アゲアゲ動画を見て

「ん?なんか変だぞ?調べてみるか」

と調べてみる人間は少数派だと思われる。

まとめると、

ネット戦略の巧みさ(都知事で躍進した石丸氏と同じ。あれを持って「東京都民しか知らない地元事情」と言われても困るでしょ

知名度が圧倒的にあるから

・顔がいいか

地元マスコミ応援

以上が、斎藤元彦が支持される理由

泉房穂明石市長比較する声があるが、

あっちは実際に泉の子育て支援政策市民に人気だから支持されているので、

少し様相が違う。

泉房穂斎藤元彦の違い

https://anond.hatelabo.jp/20241107005939

追記

punkgame 政策等の実績等そういう話が出てくるかなと思ったら全く出てこなくて草。

そんなもの無いよ。本当に一切ないよ。

泉市長はパワハラをしたけど、それと泉市長になってから明石市の変わりようと天秤にかけて、泉市長は再選された。

斎藤氏は県下の市長ほとんど、県選出の国会議員から無能だと指摘されていて、特にネット陰謀論以外から政策評価されたことはないよ。

よかったらこっちも読んで。

2024年の兵庫県知事選挙について

https://anond.hatelabo.jp/20241105114514

2024-11-10

anond:20241110094944

イジメ被害者を守って自己顕示欲を満たしたいだけの奴ら」

は十二分に変な人々だと思うんですが、それでも風向きが変わって斎藤に入れる人がいるのだから全く訳分からないですよね・・・

2024-11-09

anond:20241109164242

ネトウヨ界隈って女見下しもするけど、基本的擁護一択じゃん

それの音頭取る奴が急にこんな事始めたらあの界隈の風向き変わったなと外から見たら思うよね普通

上野千鶴子リベラル村には影響力あるから立憲共産党支持層と似てると思うよ

百田尚樹自民党じゃないけど、ネトウヨ界隈が過激化するなら自民党支持者のネトウヨ風向き変わってるでしょ

2024-10-28

かんそー

-解散選挙当選増減真増減
258247191-56-67
-3224-8-
-9814850-
414438-6-3
-108-2-
-7282123
-396-
-110-
-132-
-033-
112212-10-

公明は大崩れ。

維新風向きの悪さを教育受け入れでやや回復

立-国は無党派受け皿になった。国民は比例でだいぶ風ぶくれしている(比例取りこぼし+2を真増減に加えてあるのは手心である

左右極の受け皿はカルト政党が吸った。ここいらが天井と信じたいが・・・

共産は固定客がいつも通り。

どうするんだこの宙吊りを・・・

政局次第では台湾から南西諸島の失陥があり得る

2024-10-25

国民民主党が大幅に勢力伸ばしそうな雰囲気だけど

ワイ増田政治的立ち位置穏健保守と自認。

岸田政権支持、自民党総裁さんでは林氏、加藤氏、上川氏あたり推し、決選投票では消極的な石破支持。

ここ数年の選挙では、支持政党より候補者優先で投票してて、自民、立憲、維新候補に入れたことがある。

さて。表題について。増田2020年コロナ禍で暇を持て余して国会中継見てる時に「批判一辺倒ではなくて、なんかまともなこと言ってる野党がいるな」という感じで国民民主党認知し、2021年衆院選2022年参院選の比例では国民民主党投票している。自分が支持できるなと感じた部分はこんな感じである

◼︎外交安全保障等の、自民党の路線からあえて変える必要のない部分は同様のポリシー(ロシア中国に接近するより、アメリカ台湾と友好的な関係継続する方が良いでしょ?)で

◼︎現役世代優先という、自民党の路線に不満を感じていた部分では違いを出して

◼︎従来の野党下品だなと感じていた、ヤジや揶揄が少なく、「現時点では」クリーンイメージもある

いよいよ本題。今回の衆院選の情勢報道を見る限りだと、国民民主党が事前予想を大きく超えるレベルで躍進しそうということで、支持者の身としては喜ばしいと思いきや、今後の党勢考えると不安な要素が多い。

まずは新規議員になりそうな人たちの質。前回の参院選から継続して活動し、経歴も良く、SNSで見る限りボランティアで参加した一般人評価も良い候補もいれば、問題発言を繰り返し、SNSを定期的に炎上させているヤバい候補、怪しいビジネスをやってた過去のありそうな候補と玉石混合な雰囲気である。事前予想より少し風向きが良いくらいなら実力のある候補けが政界入りし、資質に欠けそうな候補は受からない可能性が高い。だが、解散前の7議席20議席を超える勝利となると…ヤバい候補も混ざるリスクが上がるだろう。そういう事態になると当選後に不祥事失言やらかしらするんじゃないか不安が募る。

次に党首の玉木氏の人望というか人を見る目が無さそうな部分。直近だけでもベテラン議員前原氏に離反されたり、旧民主党時代から選挙当選を続けてた有力議員首長転出が相次いだりと、人材流出が相次いでいる。まあ、ベテラン議員から見れば政治家をやれそうな残り年数と党勢を見ての決断とも言えるかもだけど。

ただ、この数年間の党の動きを見る限り、人を見る目が怪しそうなのは確かなんよな。直近で都知事選に出てた石丸氏と対談して、石丸氏について批判的な発言をした衆院選候補鳩山氏をSNS上で叱責してたり、2022年参院選では自分の党の候補医師三浦瑠麗氏が論争になった際に三浦氏の肩を持ったり。あとは少し前の東京15区補選で訳ありそうな候補を選んで後からトラブルになったり。直近の尊厳死問題での炎上しかり、どうも取り巻き政策立案のブレーンに(穏健保守立ち位置増田から見れば)筋の悪そうな人たちが混ざってて、親しく付き合ってるんじゃないか懸念するのだ。

こんな感じで懸念事項もあげたけど、最初に書いたように、

◼︎自民党と変えなくて良い部分は変えずに

◼︎現役層を重視する方針

◼︎「今のところは」まだ相対的に汚れていない

野党は貴重なので、今回の衆院選自分選挙区は候補人物本意で、比例は国民民主党に入れるんだろなと思っている。

2024-10-22

犭藍@反ミーム(Explained)@azur_noir 午後7:18 · 2024年10月21日

https://x.com/azur_noir/status/1848307982297350175

文化庁の「AI著作権パブコメには2.5万通の意見を送ったし、クリエイター代表として国会議員も送ってるですよ。

でも何も動かないの。2年間ずっと推進一辺倒で、被害者言葉に耳を傾けてすらくれないの。

鐘の音@kanenooto7248 午後0:23 · 2024年4月17日

https://x.com/kanenooto7248/status/1780436857094132195

推進一辺倒だった議員風向きを変えたのはパブコメであることは間違いなく、2万5000なんて、通常インフルエンサーが呼びかけても普通まらからな。

会木@tatatataniguthi 午前1:59 · 2024年3月20日

https://x.com/tatatataniguthi/status/1770133062070022392

国がAI規制するみたいですね EUAI規制法を可決したことや、生成AIによる被害問題になってきたので、推進一辺倒ではいられなくなったのでしょう 法律施行までには遠いですが、出口が見えてきました

被害者仕草をしたい反AIと、G7以前からの動向すらも反AIの成果として最大限利用したい反AIとの相性悪そう

2024-10-16

ボルテスって少し前のネットだとコンバトラー劣化品みたいな扱いだった

(コンバトラーに比べてロボがダサいかめっちゃ言われてた)

フィリピン実写化や全話無料公開で本編見た人が増えて風向きが変わったなと感じる

2024-10-14

昔のネット東宮sage秋篠宮ageだったはずなのに

今じゃ完全に東宮(現・天皇家age秋篠宮sageだよなぁ。

昔のネットは完全に東宮sageで、雅子所作が汚いとか、愛子発達障害とか散々な言われようだった。

今や秋篠宮の方が何をしても批判され、今度は悠仁発達障害とか言われていて笑ってしまう。

結婚騒動を境に風向きが変わった感あるけど、あれに関しては秋篠宮被害者なのにな。

からすると、子供も作らず、鬱病皇后を抱えている天皇家の方がよっぽどダメダメだけどな。

天皇存在すること、将来に渡り天皇を存続させることが仕事なのに、子作りを放棄されちゃ意味がない。

まあ、怠惰で子作りをしてこなかったわけではなく、鬱病から仕方ないっちゃ仕方ないんだけど、果たして鬱病皇后皇后として相応しいのか?というのは正直に言って思う。

だって鬱病になったからの顔がずーーーーーーーーーっと作り笑顔なんだもん。

病期になる前の映像を見ると、今と顔・表情が全然違う。

今は笑顔は作っているけれど、感情がこもってない。無理やり筋肉運動させて笑顔のように見える表情を作っているだけ。

はっきり言って、こんな人が国民統合象徴として君臨しておくのは相応しくない。

これに「笑顔ますます素敵になられました!!!」とか好意的な反応してるバカを見ると笑っちゃう普段人とのコミュニケーションしてない無職なんか??

鬱病が治ればいいけど、皇室に入ったこ自体が原因で何十年と治ってないんだから、もう離婚して臣籍降下しない限り治らないでしょ。

作り笑顔皇后に、お妃様がいるのに単独公務をこなす天皇を見てるといたたまれないよ。特に海外公務とかさ。

東宮が子作り放棄して、女の愛子しかまれなくて、仕方なく一念発起して男子を産み当てたのが秋篠宮なんだから日本秋篠宮感謝してもしきれないでしょ。

最も、たった1人の男子に2千年の皇室の命運が託されているのは博打が過ぎるけど。

秋篠宮が一念発起せず、後継者不在となり、日本お家芸で重大な決断(女系女子容認)ができずに解決が図られないまま、そのまま廃れてしまった方が良かったのかもしれない。

2024-10-12

anond:20241012022534

あんたの観測範囲に入ってないだけだ  

  

女性メス堕ちして or 強制的にさせられて性的消費される」エロなら

世界的に「Sissy」っちゅうジャンルガンガン消費されてる

redditサブレディットも多い  

  

あっちは実写エロちんちん合成したり、ちんちん見えない角度の実写エロgif

女性メス堕ち煽り文句のっけた画像でシコってたんだ 最近当人らの自撮りが多いけど

二次元文化が弱いからね

feminization caption porn とか sissification gif porn とかで出てくるよ  

  

tumblrとimagefapが生息地だったけどtumblrエロ禁止になって壊滅→bdsmlrに閉じこもっちゃった

imagefapは仕組み古いっぽいし  

  

それまでシーハーカモン言ってる綺麗なシーメール女優はいたんだけど

Natalie MarsSasha de Sadeの "Sissyポルノ分かってる" 2人が登場してから風向きが変わった  

  

あっちの歴史的に元々女王主体femdomのサブジャンルで、そのサブスクほとんどだった

Tia Tizzianniってサイトが "女王抜き"女装女性ポルノパイオニアだったけど

監督自身シーメールになってから男優が消えちゃって、manyvidsに移行するあたりで2人が登場

ほんでtwitterpornhubでプロアマの壁消えてジャンル拡大  

  

でも俺が好きだったのは遡ると2000年代からずーっとblogspotでヌード+女性SS書いてた外人でさ

"昔イジメてた奴に巨乳売春婦にされちゃった・・・そいつ命令同窓会でみんなに打ち明けなきゃ・・・"

みたいな想像余地を残す作品だったんだけど、そういうワビサビ今もう無いんだよね  

  

どのsissyコンテンツ見てもシーメールgifがズッコンバッコン

2024-10-09

悲報】ノーディベートでは駄目と気が付いたトランス

https://note.com/big_lizardswife/n/n695f70fc59c9

最近欧米諸国風向きが変わって来た。欧米各地でTRAにとっては不都合な「反トランス」の法律が次々に通り始めたのである子供の性転換治療禁止する法律が主だが、その他にも女性自認男性女性刑務所強姦被害者救済センターへの出入り規制女子スポーツ参加禁止や、生得女子専用のトイレ更衣室の設置の強制法律が程度の差こそあれ、欧米各地で通るようになったのである

TRAの中には今までのような問答無用のノーディーべート作戦効果がないだけでなくLGBTQ+界隈にかえって良くない感情を持つ人を増やしているのではないか考える人が出て来た。

水を差すようで悪いが、今更そんなことを言っても遅い。我々ジェンダー批判か(ジェンダークリティカルから言わせてもらえば、何の議論もせずに自分らの主張が絶対正義だという顔をされて権力暴力を使って我々を散々弾圧して来たTRAによる説教など今更聞く気はない。彼らの最終的目標がなんであるかはっきりわかってしまった今となっては、彼らによる教育を受けるなどまっぴらごめんである

時すでにお寿司

2024-09-24

少子化対策結婚を促進するということは、そういう風向きが無かったら結婚しなかっただろう人も結婚するようになるってことで、周りがサポートしないとどうしようもないケースも多いだろうな

でも周りがイラついたりせず、社会的必要コストだと割り切って手伝ったりしないといけない

そういうのも含めて社会が引き受けられるかってことだわね

2024-09-14

グッドウィル社はなぜ潰されたか 3/3

part1 https://anond.hatelabo.jp/20240914181511

part2 https://anond.hatelabo.jp/20240914181619

 

また労災事故倒産

2007年三井倉庫GWバイト労災事故が発生。だがこのバイト三井倉庫派遣されたのではなくて、東和リース派遣されたものだった。しか三井倉庫東和リースとは契約していなかった。横浜港湾会社、笹田組に依頼していたのだ。つまり三井→笹田組→東和リースGW社と三重派遣状態だった。笹田組は名前から察しが付くように沖仲仕の組だったところが法人成りして事業を変化させてきた会社だ。つまり港湾業務派遣したことになる。しか禁止されている二重、三重派遣。その上での労災事故

そもそも東和リース港湾かどうかなど考えなしに派遣を行っており、こういう事になるのは時間問題だった。

港湾の近くの倉庫港湾業務にあたるか?という時点でも行政の胸先三寸であるのに、港湾業経由で派遣してたら言い逃れ出来まい。

 

そんな訳で、2008年には営業免許を取り消されて倒産した。直接の処分理由は同労災事故港湾どころか船に入って仕事しているのがバレ、それに割増し手当を払っていたので故意が明白となって社員逮捕された為だが、きっかけは上記労災である

 

2007年にはGW子会社コムスン行政処分もあって、折口氏は米国に逃げてしまった。潮の流れが己の逮捕に向かっていると察しての事だろう。

 

コンプライアンスに舵を切れず

創業当初のGW社は違法状態であった。だが時代が味方をして規制緩和合法状態となった。それで莫大な融資を受けて業績を急拡大した。

コンプラを守るのが利益にならなかった訳だ。

一方、00年代中ほどからワーキングプア生産装置としての派遣業の拡大が社会的問題になってきた。戦後労働行政労働保護規制のコア業態に関しては派遣自由化をさせなかったのにそれを甘く見ていた。このコア二業種については社会保険労災保険について勉強すると必ず出てくる。

この二業種の一つ土建への派遣労災事故があり、コンプラ意識せざるを得なくなり失業する常駐労働者の就職斡旋まで行った。コンプラ利益になる局面が来たのだ。

だがそれに至らず、もう一つの規制業種の港湾での派遣事故が起こり、社員逮捕にも至り倒産した。コンプラ利益になる局面なのに東和リースヤバい事をしていると炙りだし切れなかった訳だ。

 

でも東和リースがやってる事自体は買収以前から社員派遣されたバイトも知っていた。それが違法性が高いという事が判らなかったのだ。

一方、本社ではコンプラ大事だという意識にはなったが、契約先のどこに問題があるかを掴めなかった。

 

それは何故か?

まず、買収した会社の客だったからだ。己で開拓した客じゃないので客先が実際にどういう事をしているかという事をチェック出来ていない。

次に元から違法操業で、違法操業会社を買収した。コンプラ意識がある社員が適切に配置されていない。

更にバイト支店長に昇格させた。「やる気」と「のし上がり」だけを鼓舞して社員教育が出来ていないからいきなりコンプラ大事になっても、事業内容から東和ヤバい」と報告したり契約解除を進言したりする者が居ない。

土建NGが出たか港湾もアウト、という事を社員説明して理解させていない。それには戦後労働行政の基礎を教えなきゃならないし、それ以前に行政裁量の広さなどを教養として教えておくべきであった。

行政裁量で黙視はOKじゃなくて胸先三寸という事の理解が足りなかった。政府規制緩和を進めている最中なら認められているように見えるが、一旦逆ハン切り始めたら甘い見立ては全て裏切られる

全員の顔を見る支店長会議をして意思疎通が出来ていると思っていた。そんなやり方じゃなくて脳から神経を伝って指先が動くような社内ネットワークを築く必要があった。何しろ東和リースの事を知っている者は沢山居たのにそれがヤバい認識する者が誰もいないというのは異常な組織だ。こんな誤解をしてしまうくらいなら全員会議なんてすべきではない。トップが満足して社員も一体感を感じるだけの堕落を生ぜしめたと言っても過言ではない。

 

いずれにしても、東和リース問題を炙り出せれば倒産回避できたのに、買収した会社開拓した客で、実際はどの会社のどの場所派遣されてるかが派遣された人間に全部聞かないと判らない、途中に港湾業が入っていても契約書にも作業伝票にもどこにも出て来ないという難問であった。

それなのに会社組織の作り方に失敗し、違法操業から出発しているのでコンプラとか言っても念仏としてしか機能せず難問は解けなかったのだ。

 

カカチャンネルなどの人気シリーズ【しくじり企業】では、GW倒産法令遵守に興味がない経営のせい、と結論付けている。

https://youtu.be/QviiLg8rQ48?si=DxamXjc0OxUuDPwg

勧善懲悪的だが、上記を読んだらこれが間違いだと判るかと思う。何故って、他の会社も全て違法操業だったのだ。その中でGWけが急成長して倒産に至ったのだ。会社が大きくなったらやるべき事をやっていなかったのだな。

更に途中でコンプラ意識しないと潰れるという意識上層部には生まれたのに、それを下まで周知出来なかった為に倒産したのである。そんな教育をしておらず、そんな事を知る人間を適切に配置していなかった。

 

また、コンプラと言っても闇雲な全域での遵法が必要という訳じゃなくて、戦後労働行政のコア業務二種を知り、そこを重点的に守れば他は行政指導などで済んだのに、ポイントを外していた。

 

この土建港湾特別扱いの事は、労災社会保険の事を勉強すると出てくる常識的な事で、労働者の権利労働法に強い弁護士とかよりも、会社総務部などに近い知識だ。だから会社」に成り切れてなかったんじゃないか、ということも出来る。

 

で、最後兵庫県知事に戻ると「知事炎上GW倒産港湾利権の闇」なんかじゃない。その構造過去帳入りしている。しか労働行政前例主義沖仲仕保護派遣禁止立場をとり続けていて、時代と時の政府にちやほやされた考えの甘い問題企業がそのシマシノギやってるのを目で追い、風向きが変わった辺りでぶっぱなしたのだ。

こういうアメリカがレンドリース法復活させたみたいな伝家の宝刀抜くのは結構あるので仕事している人は気を付けるべきだ。

グッドウィル社はなぜ潰されたか 2/3

part1はこちら https://anond.hatelabo.jp/20240914181511

 

GW社は元は雨後の筍の一つに過ぎなかった

GWを興した折口雅博ジュリアナ東京ベルファーレを興した有名人物。防大卒で、任官拒否して日商岩井就職、同社在籍中にイギリスディスコジュリアナライセンス経営元の出資を受けて芝浦ジュリアナ東京開店し、社会現象ともなった。次いで六本木ベルファーレオープンするが、共同出資者のAVEXクーデターを起こされ社長を解任されてしまう。

AVEXは元はダンス系の輸入レコード卸で、ディスコレコードというのは六本木坂下のウイナーズレコード六本木WAVEくらいしかわず、スモール商売だったが、英国ダンス音楽メジャー化してきて市場が大きくなって来ていた。そこでAVEX自社レーベルを作り、更にダンスユニットタレントを売り出すなど商売を大きくしている最中であった。日商岩井退職して同社とのスジが切れた折口カリスマの下で商売するつもりはなくなっていた。

 

解任された折口独立し、小さな人材派遣業を始める。

労働基準法では人材派遣は基本禁止である。だが1985年派遣法が施行されると事務職のうち技能職、ガイド、受付係など一部の職種のみが解禁され、終身メンバーシップ組織に属さな自由な働き方と持て囃された。

だがその一方で、建築現場工場引越し事務所移転物流など、許されていない業務への違法派遣が増えて行った。これらは業務請負の形を取っていた。偽装請負と呼ばれる。

そもそも禁止業務への派遣からブルーオーシャンであるノウハウ蓄積も資本も資材も必要なく、口八丁だけで営業可能だ。

最初GW社もこれら取るに足らない違法零細偽装請負の一つでしかなかった。

だがGW社が違うのは、折口氏が経営者であった事だ。経済誌によくインタビューが載った名物経営者の新ビジネス、という事で、リクルートなどが度々インタビュー掲載した。

折口氏のもう一つの特長が、日商岩井時代に築いた銀行とのコネ、信用である1997年介護保険スタートを受けて、介護事業者のコムスンを買収。ただの偽装請負会社に買収資金を出してくれる銀行はない。折口氏のコネカリスマがあってのものであろう。

 

GW急成長

1999年派遣法が改正され基本自由化、ネガティブリスト方式になる。禁止業務港湾建設、警備、医療製造製造は後の2004年自由化。このうち警備は警察監督事業で、やはりヤクザ企業舎弟排除歴史立法趣旨がある。

 

偽装請負だった業務一般派遣業として運営できるわけで、ここでGW社は急激に事業を拡大している。

その方法はやはり事業買収で、既存偽装請負事業者を買収しまくり、従業員設備事務所賃貸物件ごと吸収している。

次に2000年オープンした六本木ヒルズの1フロア契約(賃料1000万円/月)。

都市圏事務所を借りまくり支店を次々オープン

CMを打ちまくり携帯電話だけで短期バイトが出来る「モバイト」として労働者を大量募集した。

 

支店オープンしまくったらその店長が大量に必要だ。その店長は、買収した業者バイト正社員希望の者を募ってあてがった。オープンしたては営業してないか仕事も無いしバイトも来ない。

仕事は買収した業者既存支店から回して貰う事にして、バイトも増えて仕事が回るようにるまでは店長ワンオペとした。朝6時から22時くらいの勤務となるのでずっと泊まり込みとなるが、ブラック企業ではそれ以上の会社も多いし正社員をエサにしたらそれくらいの激務で音を上げる者は居なかった。

 

この事業資金銀行から借りていて、その金額は400億だという。

90年代から銀行中小零細や個人経営商店取引しなくなっていて、それらの法人客には子会社ノンバンクを紹介していた。夜間金庫も撤去最近、小銭の両替料を取る様になったのも同じ理由で、小さい会社は客ではないのだ。客として有用に考えていれば両替商売必要からコスト銀行が持ちにする。偽装請負だった日雇い短期バイト派遣事業に400億とはべらぼうな話で、零細経営者だったら頭にくる話である

これも折口しかあり得ない融資であろう。

 

例えば買収された業者の一つには「ラインナップ」社がある。ここは都内城西城北地区事業をしていた。基本、偽装請負なのでイベントの設営、引越し事務所移転内装など色々な業種へバイト派遣するのだが、勤務歴が長いフリーターが多いので半職人化して、作業内容説明したら放ったらかしで養生などの準備から始めて、他の業者との作業のカチ合いを調整、作業完遂、片付けまで出来たり、内装では工具を持参して図面を見て指示通りに工事をしたりと、請負業務に近い事が出来る。

ここの買収額は10億であった。工具や台車養生材など資材込みの値段だが、元が偽装請負結構いい加減な会社10億出すのが適当か、そもそも値段がつく業態なのか、という気がする。

この会社社長は今でいうFIREして悠々とした生活をしていたそうである

 

こういう業者は他にも多く、客先には「モバイトじゃない方です」と案内していた。モバイト急募されたノンスキルバイトなのでいちいち説明必要だが、そうじゃない半職人で指示と監督が最低限の方です、との意だ。

 

店長会議六本木ヒルズ

バイトから昇格させた支店長を含め、買収でGW社員となった支店長の意識age意思疎通の為に月に一度六本木ヒルズ本社に少なくとも関東支店長を全て集め、店長会議を行っていた。人数が多いので実際は経営方針の訓告目標訓告が中心であった。

これで顔を会わせて意思疎通が出来ていた…と思っていた事が後の悲劇を生む。

 

労災事故

急成長していたが、元が偽装請負違法業務でありその構造や客先などはそのままだった。派遣自由化されて業態一般派遣業にした為に融資を受けたのだが、禁止業務だった建築港湾への派遣はそのまま行われていた。しか建築はその数が非常に多い。

 

また労働契約日雇いとしてその日で労使関係清算されるのだが、その場合労災事故が起きた時の休業補償をどうするかというのは決めていなかった。事故が起きない事を前提にして経営していたのだ。

そこに2005か2006年頃に、建築現場事故が起きる。製品からロングスパンとかピアットとか呼ばれる現場エレベータが墜落し、載せていた貨物の下敷きになって派遣バイトが死亡した。

現場エレベータラック(平歯車)にモーターで駆動されるピニオンギアが噛んで登っていくという簡単な仕組みで、暴走時の安全装置がない。組むのもエレベータ会社職工ではなくて鳶職がやる。これに大量に貨物を載せて荷揚げしている時に落下し死亡に至った。

 

禁止業態である土建派遣して事故に至ったのでGW本社は立入検査を受け、一部営業禁止処分が下された。

一般的に派遣会社は客先からの引き抜きを警戒し、「毎日来てるから打ちで直接働かない?」といった事を言われたら直ぐに会社に伝えろと労働者に厳しく言うものである

だがこの時のGW社は、土建客先常駐のようなバイトをその派遣先の会社社員として直接雇用出来るように尽力している。

土建業への派遣はもう出来ないのでそのバイトは他の仕事に移るか辞めるかなのだが、だったら派遣先で雇ってもらえないかと話を付けて無償職業斡旋していたのだ。

この辺から風向きが向かい風になって、世間良しを意識せざるを得なくなったようだ。

この時点で全土建現場への派遣廃止ヘルメット安全帯装備が必要現場は全て断り、常駐のようなバイトが居たら上記のように就職斡旋をした。

 

遵法を意識するようになったのだが、見落としによってこの先に決定的なミスをするのだった。

 

東和リース

東和リース社はその名の通り、リース会社であった。ローラーコンベアなどの物流用、荷役用機械リースしていたが、一番需要が多いのはフォークリフトである倉庫業必須だ。

ところで、フォークというのは操作するのに免許必要だ。フォークオペの免許持ちを常に確保しておくのは結構難しい。

そこで、同社はオペレータ込みのリースをしていた。これはちょっとグレーな派遣だが、これをやっているリース業というのは多い。

 

偽装請負一般化すると、同社は妙な事を始めるようになった。

フォークオペが必要会社では流動的な需要に対する人も必要なことが多い。季節により貨物数が増減して必要仕分け人の数も増減する。海コンが到着する日にはバン出し(コンテナからバラで出してパレットに積む事)の人数も必要だが、コンテナが来ない日には要らない。

そこで、それらの人間調達しますよ、という営業をするようになった。最初は自社でバイト募集していたのかもしれない。だがそのうちに他の派遣会社派遣を取るようになった。つまり二重派遣である

当初、同社の仕事を取ったのは先例に出したラインナップ社だったと思われる。客はそのまま受け継いだのでGW社に変わってもそのまま二重派遣は続いていた。

作業終了後、作業伝票をきって貰うが、実派遣先の会社東和リースから派遣と思っている。その伝票で二重派遣がバレるといけないので、伝票の社名(GW社)の部分をハサミで切っておくという姑息な事をしていた。

 

 

part3→https://anond.hatelabo.jp/20240914181822

2024-09-09

anond:20240908213614

何はともあれ、生成AIなんて近寄らないのが一番だと思うけどね。

マイクロソフトが金儲けにいそしんでる分野なんて、必ず失敗するのがオチ

海外ではどうだか知らないが、国内賢明ITエンジニアは生成AIなんて一切使わない。

(とはいえAppleが今年中にAIで何か動きを見せるなら、また風向きは変わるかもしれんが)

そういえば海外iPhoneの普及率は20%そこら、だっけ。そのかわり高いゲーミングPCを買いたがる。

日本では8割がiPhoneなのに。

iPhoneの普及率とITレベルの高さには、結構はっきりした相関関係があるようだ。

2024-08-29

https://anond.hatelabo.jp/20240829132621

村上隆日本現代美術世界に通じないとかTwitterでイキってた頃に田中功起ヴェネチア・ビエンナーレ特別賞取って、

別にオタクアートとかの文脈じゃなくても日本現代美術世界に通じてるじゃん、てなったあたりから風向きが変わって

展覧会スタッフへの指示書きがパワハラ剥き出しだったり、アニメ制作に失敗したり、会社倒産しそうって言い出したあたりで地に落ちて、

お土産屋とのコラボとかはじめて経営も大変なんだなという目線になり

最近また何か目立ち始めたけど、もう過去の人だなあという印象。

結局、村上が主張する富裕層向けのアート世界っていうのが、いつまで経っても日本からはそんなに影響力があるものとして見えてこない。

KAWSとかアーシャムとかそういうファッションブランドコラボするような人たちの作品を指しているのかな?と思うけど、

日頃美術館に通って現代美術を見てる人には突然そんな展覧会をやられても文脈理解できなくて価値がわからない。

そういう種類のアートもNFTとかで調子に乗った挙句最近バブルが弾けて落ち目になったと聞く。

今、村上隆コラボブランド物を身につけてるお金持ちっているのだろうか。

結局彼がなりたかったような現代アーティストとしても失敗してしまったんじゃないだろうか。

自分ブランド価値をなんとか持ち直そうと今必死なんじゃないか

そういう意味では同情的な気持ちにもなる。

飼い猫の断脚をした話

タイトルを見た段階で「ゾッ」とした人は多いと思う。すみません

しかしながら、わたし文言を打ち込んで、改めて「ゾッ」とした。

この「ゾッ」という感覚にどうしようもなく支配され、打ちのめされていた時期を、わたしは忘れることができない。

「ゾッ」とした感覚を忘れることはできないが、今、わたし精神的に健康に、明るく過ごせている。

今、わたし精神的に健康で、明るく過ごすことができているのは九分九厘、飼い猫が元気に過ごしてくれているおかげである

そう、飼い猫は現在、とても健康的に過ごしているのだ。

「飼い猫の断脚」から約四か月が経過し、現在の猫の様子も加味して、ようやく「飼い猫の断脚」に対する重圧が軽くなってきた。

そこで、「飼い猫の断脚」についてのあれこれ(事の顛末、断脚前後の猫の様子、それに伴う人間情動の変化、現在の猫の様子など)を、ここに記しておく。

このような活動は、とてもじゃないが精神的な負荷が軽くなければできない。現在とても健康的に暮らしている飼い猫に感謝しながら、この日記を書きたいと思う。

今年十五歳になる飼い猫を、仮に「じじ」と呼ぶことにしよう。

じじは約三年前、様々な理由から実家で面倒を見る人間がいなくなった猫だった。そこで、引き取り手として名乗りを上げたのがわたしの家庭だった。

同居している家族や先住猫は、じじとは殆ど面識がなかった。だが、幸いにも我が家の住人とじじは打ち解けるのが早かった。

じじは我が家にやってきてすぐ、他の猫に交わってリビング中央に横たわり、堂々と眠るようになった。その眠っている横を通りすがるとき、じじの頭をひと撫ですると、尻尾をぱたん、と床に打ち付けて返事をする。

人間に対しての愛想は良い。人間とのコミュニケーションを恐れず、友好的に人間に接する紳士的な態度は客人から気に入られることも多かった。

じじは十歳を過ぎたおじいちゃん、且つニューフェイスにして、瞬く間に我が家アイドルとなった。

だが昨年、十年以上病気知らずのじじに変化が訪れた。

ある日、わたしがじじの歩く後姿を眺めているとき、気がついた。左後脚の関節が、コブができたように腫れ上がっていたのである

町の動物病院へ連れて行ったところ、「うちでは原因を究明できません」と断言され、腫瘍科のある医療センター紹介状を書いてもらった。

医療センター受診した結果、病名はすぐに明らかになった。

じじの体を蝕んでいる病は、悪性リンパ腫だった。所謂リンパ腺のガンである。この病気罹患して一年以上生存するケースは稀らしく、脚の関節に腫瘍ができるケースは更に稀だという。

獣医療の中でもケースが稀ということは、適切な対処がまだ正確に確立されていないということだ。

脚の関節にできている腫瘍は関節を取り囲むようにして癒着しているため、腫瘍のみを切除することは難しいという。

対処としては薬物療法か、放射線治療か、断脚か。前者二つの治療法を実行したとしても、副作用は重い。

いずれにせよ、肥大化した腫瘍を完全に消滅させる見込みはなく、そのままではいずれ歩けなくなることは明らかである。断脚を行うなら早めに。

というのが、主治医見解だった。

※かなり要約したが、主治医徹頭徹尾、いずれかの治療法を強く勧めるようなことは言わなかった。どの治療法にもメリットデメリットがあることをわたしたちにきちんと説明した上で、飼い主がどの治療法を選択するか、丁寧に寄り添い、真摯に向き合ってくれた。

つらい時期だった。

こういった、重い決断が目先に迫った場合に採りがちな「様子見」という選択が、このときばかりはできなかった。

猫の脚を切るか、重い副作用がある治療を猫に受けさせるか、病に蝕まれるままに猫の命が尽きるのを待つか。

いずれも、人間エゴイズムによる選択であることには変わりない。

結局、タイトルにも記した通りの選択をした。断脚を選んだのだ。

主治医から猫ちゃんは三本脚になっても元気な場合が多いです。じじちゃん場合年齢の割に元気ですし、手術を乗り越えれば生存する確率は高いと思います」と告げられたのも、救いの光のように感じられたからだ。

「残りの命を少しでも健康に、楽しく生きてくれるなら」という祈りのような、賭けのような思いで、断脚手術を決断した。

断脚手術を経て、変わり果てたじじが我が家へ戻ってきた。

以前からやせ細っていたじじが、脚が無くなって更に軽くなった3kgの体重を、三本脚で支えながらよぼよぼと歩いている。

便意尿意を催すと真っ直ぐ猫用トイレに行く。とても賢い。だが、ぎこちなく動かすしかない一本の後脚をトイレの中に入れられず、トイレの外で何度も粗相をした。

泣かずには、落ち込まずにはおれなかった。ああ、自分選択を誤ったのかもしれないと、粗相の後片付けをする度に思った。

もちろん、家族も泣いていた。一緒に泣いて、悲しんだ。じじの脚を、自分たちの意志ひとつ無くしてしまたことを、心の底から後悔した。

人間エゴイズムで、愛する猫を不幸にしてしまたかもしれないという現実に「ゾッ」として、それがどうしようもなく全身にこびりついたまま、しばらく剥がれなかった。

ところが、手術から一か月ほど経つと風向きが変わってきた。

じじが、二階にある寝室まで階段を駆け上がってきたのだ。しかも、ジャンプしてベッドの上に乗ってきた。

ニャン!と啼いてベッドに乗り、喉から轟音を鳴らして甘えてきたとき、感動でわたしの体は震えた。

更に、喜ばしいことは日に日に増えていった。

これまで使っていたトイレを、より広く、段差が小さいものに変えたところ、トイレが使いやすくなったらしく粗相の回数が激減した。

痩せたじじの体重を増やすために朝晩猫缶を与えるようになったのだが、味を占めたのか昼夜問わず催促し、三本脚でチョコチョコ人間の後ろを着いて回るようになった。

そして、まんまと体重も増えた。手術前よりもふくふくとしたボディラインになり、猫缶をモリモリ食べる姿が様になってきている。

また今現在、幸いなことに転移なども見つかっていない。

じじが個体として凄かったのか、そもそも猫が凄いのか分からないが、ともあれ、途轍もない適応能力に感心しきりだ。

三本脚にする選択を採り、今までよりも不便な生活にしてしまった後悔や、「断脚」という野蛮な言葉が齎す「ゾッ」という感覚はまだ存在する。

だが、じじは健康に生き延びてくれた。

猫缶をモリモリ食べ、うんちもおしっこ毎日ジャンジャンして、家中を駆け回り、ごはんを催促してニャンニャン大声を出し、寝る前は寝室まで甘えにきて喉をゴロゴロ鳴らす。

じじは十五年間生き延びて、現在でも毎日毎日、元気で健康的な姿を人間に見せてくれている。

その姿は美しく、勇敢で、立派だ。そんな猫の姿を見られていることに、わたしは心から感動している。

今はただ、こんなに嬉しいことはないと、切に思う。

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