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2024-12-13

フランツ・リストピアノ名曲重要曲7選(後期)

 anond:20241212222723の続きである

 ヴァイマール宮廷楽長を辞任したリストは、ラテボル公に招聘され、公の弟グスタフ・ホーエンローエを通じてローマ教皇庁と接点を持つことになり、宗教音楽に取り組む意欲を持つことになる。「巡礼の年」や「詩的で宗教的な調べ」のように、前期・中期から既にリストには宗教的な要素が強い作品があったが、これ以降そのような作品さらに増えていく。一方、子どもたちが相次いで亡くなったことで大きな精神的打撃を受け、1860年には遺書まで書いている(マリーとの関係はまだ悪かったようで、マリーのことは遺書にない)。カロリーヌは夫との婚姻強制されたものであり無効であるとする枢機卿会議の決定を一旦勝ち取ることに成功するが、その後、婚姻有効であると述べる証人が新たに現れ風向きが変わってしまう。というのも、ラテボル公の実子とカロリーヌの娘が結婚することになっていたのだが、カロリーヌ結婚無効だったとするとカロリーヌの娘は私生児ということになり、大変都合が悪いわけで、グスタフが手を回して妨害させたようであるリストも後に状況を悟ったらしい)。愛する人と結ばれることに再び失敗し、重ねて精神的なショックを受けた。それでも、グスタフを初めとするローマパトロン見出しローマに腰を落ち着け宗教音楽に熱心に取り組むことになる。ところが、1869年に度重なるヴァイマールから要請宮廷楽団指導役として復帰し、さら70年代からピアノ教師としての活動も非常に活発になり(ローマでも週1ではやっていたらしい)、以降リスト曰く「三分割された生活vie trifurquée」、春はブダペストなどで音楽教師コンサート、夏はヴァイマール宮廷楽団の指揮、冬はローマ作曲ピアノのレッスンというスター時代に負けず劣らずの忙しい生活死ぬ日まで送ることになった。晩年リストのレッスンの記録をとっていた弟子アウグスト・ゲレリヒの日記翻訳あり)を見るとリスト生活ぶりが良く分かる。

1. 巡礼の年 第三年 S.163(1883年出版

 晩年リスト代表である出版も最晩年。頻繁な不協和音の利用、レチタティーヴォ風の単純な旋律、独りごちるようなモノローグが目立ち、華麗な作風からの一変を感じることができるだろう。全7曲あり、第1・4・7は明るめで、宗教的な救いを示している。前期・中期作品でいうと、「孤独の中の神の祝福」」に近い作風である。それに挟まれた2・3・5・6は、「葬送――1849年10月」などと同じで、死を嘆くエレジーで、とても暗い。

 この曲集の中で最も有名なのは第4番の「エステ荘の噴水」だろう。文字通りリストが住んでいたティヴォリエステ荘の噴水を活写したものだ(その様子はググってくれ)。晩年作品の中では例外的に明るく、輝かしい作風で、しか印象主義の先取りになっている画期的作品だ(ラヴェルの「水の戯れ」やドビュッシーの「水の反映」と比べると良い)。第2・3曲「エステ荘の糸杉にI・II」は大変暗い曲なのだが、続けて聴くと本当に救われる思いになる。絶望からの救済は、リスト本人が強く望んでいたことだ。

 第三年だけの録音というのはあまり聴かないような気がする(エステ荘の噴水の録音はたくさんあるが)。第一年なども含めた全曲録音は前期の項目で書いたが、ベルマンとロルティが良いだろう。特に美しいロルティが好き。

2. 二つの伝説」(1865/66年出版

 1863年リストは僧籍を取得し、聖職者となっている(ずいぶんな生臭坊主生活死ぬまで続くが、リストことなので仕方がない)。丁度その頃に作曲されたらしい。ローマ引っ越しリスト教皇ピウス9世が訪ねてきた時に(下級聖職者のくせにローマ教皇に足を運ばせる男なのである)、第1曲「小鳥説教するアッシジの聖フランチェスコ」を演奏したらしい。フランチェスコ小鳥説教する様子を描く絵だったか詩だったかモチーフにした曲で、小鳥たちのさえずりを模倣したトリルがかわいらしい。明るく、聴きやす作風である

 第2曲の「波をわたるパオラの聖フランチェスコ」は、嵐の中の船出を拒絶されたフランチェスコアッシジの人とは別人)が自らのマントを船にしてメッシーナ海峡を渡ったとかい伝説モチーフにしている。波を模倣したうねるような力強いアルペッジョが印象的。出だしこそ暗いが、明るく、輝かしく、充実した展開を迎える。

 両曲とも1865年リスト自身ブダペストにおける久しぶりの公開のコンサートで初演された。サン=サーンスがいたく気に入って、オルガン編曲を作っている。

 ニコライ・デミジェンコHyperion/Helios)のCDソナタスケルツォマーチと一緒になって入っていて、よく聴く

3. BACH主題による幻想曲フーガ1870年出版

 元々はヴァイマール時代オルガン曲として作った曲だが、この時期にピアノ編曲された。BACH主題といっても、バッハの曲が引用されているのではなく、ドイツ音階BACH(シ♭・ラ・ド・シ)をモチーフにした勢いのある曲。暗い曲だが、豪壮無比な超絶技巧披露する曲であり、重苦しい感じはない。

 面白い曲なのに良い録音が中々ない。昔韓国のクン・ウー・パイクの録音を聞いた気がするが記憶に残っていない。アムラン(Hyperionソナタなどとカップリング)が良いと思う。若手だとリーズ・ド・ラ・サール(naive)の演奏は非常に録音も良く、技術的にも良い感じである(naiveは廃盤になるのが早く、入手が難しいのが困りものだが、配信あり)。(追記ハワード全集演奏も彼のヴィルトゥオーゾっぷりを味わえるものだったと思う。しかしアムランやラ・サールと比べると分が悪いか

4. クリスマスツリー S.186(1882年出版

 長女ブランディーの子ダニエラ(死んだ息子と同じ名前)のために作った曲(父は「自由帝政時代首相エミールオリヴィエ。なお産褥熱でブランディーヌは死んだ)。当時のクリスマス・キャロル編曲だが、リストオリジナルの曲も入っている。第1曲(編曲)がとても良い曲なのだが、リストお得意の左手高速オクターヴ連続があり、子どもに辛いのでは(しかもご丁寧に軽くleggieroという指示がついていてピアニストは悶絶する)。第11曲の「ハンガリー風」はおそらくリスト、第12曲の「ポーランド風」はカロリーヌを暗示しているのだと思われるが、後者は明らかにショパンマズルカ的な作風。やっぱりショパンのこと大好きなんすね~

 実はハワード全集しかいたことがない(しみじみとした良い演奏だと思います)。

5. 暗い雲 S.199(死後旧全集に収録/1881年作曲);不吉な星 S.208(死後旧全集に収録/1881年作曲);調性のないバガテルS.216a(1956年出版1885年作曲

 反則だが、リストの無調音楽代表格を一挙紹介。リストの無調音楽は、機能和声崩壊しているという意味では無調だが(その意味ではワーグナーの「トリスタン和音」も同様)、シェーンベルクの十二音技法のような意味で無調というわけではない(ドイツというよりフランスの無調音楽の先取りっぽい)。行くあてが未定まらないまま、タイトル通り曖昧な響きに終始する暗い雲、西洋音楽で不吉とされる音の組み合わせをこれでもかと盛り込んだ不吉な星は、これでも生前に既に演奏されてはいたのだが、調性のないバガテルは「無調」と銘打った音楽史上初めて(ではなかったとしても極初期)の作品で、発見されたのも20世紀後半になってからである1956年出版というのは誤記ではない)。ただ、元々メフィストワルツ第4番として作られていたので、舞曲の要素があってそこまで聞きにくい曲ではない。リスト精神状態もあって暗い感じだが、とにかくリスト前衛音楽家っぷりがよくわかる曲である

 いずれも録音はそこそこあるが、代表的な盤はあまり思いつかない。不吉な星はポリーニの録音したソナタCDカップリングされているので聴いたことがある人もいるだろう。暗い雲も入っていたと思う。調性のないバガテルはまあまあ取り上げられているが、昔カツァリスが日本で大ブレイクしていた頃に出したメフィストワルツ全集(Teldec)に入っている。

6. 悲しみのゴンドラ1886年出版

 初稿(21世紀に新発見され出版)、第2稿(悲しみのゴンドラI)、第3稿(悲しみのゴンドラII)がある。よく演奏されるのは第3稿(II)で、ヴァイオリンチェロのための編曲もある。

 ヴェネツィア所在だったワーグナー訪問した1882年作曲された。完成した曲をワーグナーに紹介する手紙を送り出した直後、ワーグナーが亡くなり、リストはこの曲を虫の知らせだったと感じたらしい。「巡礼の年」のヴェネツィアナポリと対比すると良い作品

 不安を煽るような曲だが、それほど聞きにくい曲ではない。色々なCDカップリングされているが、個人的にはブニアティシヴィリSONYソナタCD)が好きなのでよく聴く

 なお、ワーグナーの死を悼む作品リストは作っている(R. W. ――ヴェネツィア S.201とリヒャルト・ワーグナーの墓に S.135)。前者は不安を煽る曲だが(ポリーニCDに入っている)、後者敬虔な追悼音楽で、「パルジファル」の動機が使われている。ピアノより弦楽四重奏盤を聴くと良いだろう。

7. 村の居酒屋での踊り――メフィストワルツ第1番(1862年出版

 前期の曲と思いきや、実は後期の作曲作曲開始も50年代末のはず)である。やはり最後は明るく華やかな(そして生臭坊主な)リストで締めたい。着想自体は1836年に書かれたレーナウの叙事詩ファウスト」で、ファウストを連れて村の居酒屋にやってきたメフィストフェレスが、ファウストを誘惑するためにヴァイオリンを弾き出し、みんなノリノリになって踊り出し、魔法の音にあてられてファウスト女の子と一緒に森の中に消えていくというしょーもない内容である。技巧的な見せ場も多いのだが、ヴァイオリン調弦模倣した五度の音程を重ねるところ(地味に安定させるのが難しい)、中間部の重音トリル(ピアニスト泣かせ)と幅広い跳躍、終盤の怒濤の追い込み(メフィストフェレスがファウスト堕落成功してめっちゃ喜んでノリノリで弾いている様子なんだろう)が主なところである

 有名曲なので演奏はたくさんある。今ならブニアティシヴィリSONY)が良いと思う。ソナタも悲しみのゴンドラも入っているのでお買い得自由奔放にやっちゃってるが、そのくらいの方がこの曲に合っている。映像もある(https://www.youtube.com/watch?v=n1tM9YSLYdc)。なお、評判の良いエコノム(Suoni e Colori)とルガンスキーデビュー盤(Victor)は廃盤で聴いたことがない。早く再版しろ激怒

 いかがだったろうか。リストのいずれも強烈な個性を持つ曲、もし良かったら楽しんでほしい。YouTubeに乗っている曲だけでも良い。音楽の楽しみが増えれば幸いだ。

 (※その後超絶技巧七選も作ってみました。超絶技巧すぎてかえって推薦音源が少なくなったかも→anond:20241213224533

追記

 前期のブコメに「愛の夢落選した」というのがあった。申し訳ない。3つの演奏会用練習曲をその手の曲の代表例として入れたので。あと「コンソレーション」も同様に落選させた。同じような性格の曲集なのでどれを突っ込むか迷ったのだが、結局「ため息」のある3つの演奏会用練習曲にした。文字通りため息が出るような優美な「ため息」以上に愛の夢優美で、明るく感動的な曲なのだが、実は元となっている歌曲歌詞を見ると結構説教くさくて引くというのはここだけの話

 「エステ荘の糸杉に」が好きというブコメを頂戴した。リストエレジーはどれも本当にもの悲しく、個人的にはちょっと辛い感もあるのだが、気持ちは大変よく分かる。

2024-08-27

anond:20240219203829

2次受けSIerだけど弊社はないよ

入社した当時の20年前はフットサル大会だの、社員旅行だのあったけど、参加者数が年を追うごとに減っていって消滅した

社長趣味文化鑑賞って名目弦楽四重奏コンサートとか歌舞伎とかを社員貸切で見られたのだけは楽しかったな

2024-01-19

1/18 都響 定期演奏会 ジョン・アダムズ自作自演サントリーホール感想

衝撃的な事件である

作曲家にして指揮者ジョン・アダムズ東京都交響楽団を率いてサントリーホール自作自演をする、しか指揮者として日本デビューと聞いてびっくりしたそこのあなた!実は今日演奏会だったんですよ!ヤバ!

なんと19日もやります場所東京文化会館!びっくりしたあなた!まだ間に合います!19日は有給取るしかない!

==以下感想==

一曲目:I still dance(日本初演)

全体的にモコモコした感じ。かなりテクニカルな曲で完成度は高いのだけど、ホールの響きとはあまりマッチしなかったように思う。この完成度なら19日もいい演奏になると思う。

二曲目:absolutly Jest

エス弦楽四重奏団を招いた弦楽四重奏管弦楽協奏曲。初演から冒頭部分が書き直されたようで、作曲家アダムズの苦悩がプログラムノートに書いてある。

クソ真面目に冗談やってる感じの演奏だったんだけど、これは都響必死だったのかそういう方向性冗談音楽なのか日本人に冗談は分からない的な演奏なのかは

からなかった。てかエスメうますぎて草

アンコールベートーヴェン弦楽四重奏曲第13番第2楽章めっちゃ聴きやすくて草。現代的な解釈演奏するとベートーヴェンでもさっぱりするもんだ。

(私はいつもはロマン派あんま好きくないです)

==休憩20分==

三曲目:ハルモニーレーレ

間違いなくマスターピース。もう聞けよいいから。これ40年前の曲なんだぜ?めっちゃ今を生きてる音楽じゃん。かっけえよアダムズ。自分で書いた曲を自分で指揮して最高の演奏会作っちゃうのマジやべえよ。もう持ってけ。全部持ってけ。19日も持ってけ。

こんな感じでした。クソ真面目な感想書くと思った!?残念でした!いーんだよこういうので!

拍手鳴り止まなくて演奏会終了が15分押してるからな!最高!二次会やろう!

==残念だったこと==

音楽は不満ないんですけど、楽章あいだで拍手した前の席の何人かの人にちょっとピキって来ちゃったんです~^^

楽章楽章の間で拍手しないでくださ~い^^

あと楽章楽章の間は咳をしてもいい時間ではありません^^

お前ら咳し過ぎ^^

みんな咳してるから俺も咳しとこ~みたいなノリで咳すんな^^

その咳しなくても曲の途中で咳しないか安心して黙ろうぜ^^b

2023-12-18

anond:20231216182609

通りすがりクラシック音楽ファンです。思いつくままにいくつか。

(1) 書いてある嗜好を素直に解釈すると、ブコメにもあるとおり、モーツァルト室内楽協奏曲を片っ端から聴くのがよさそうです。

例えば

弦楽四重奏 第14〜19番の「ハイドン・セット」、特に副題のつく第14番「春」、第17番「狩り」、第19番「不協和音」(最初しか不協和音じゃないので安心してください

クラリネット五重奏

オーボエ四重奏

ホルン協奏曲 第1番

フルート四重奏 第1番

バイオリン協奏曲 第3〜5番

クラリネット五重奏以外は爽やか楽しい系の選曲を心がけました。まあモーツァルト長調音楽ってそんな感じですよね。私はバイオリンを弾きますが、陰キャなので、憂いを知らないかのような音楽にたまに臆してしまます

(2) 同様に編成が大きくなりすぎず、明るい…という方向性で思いつくのはハイドンです。

ハイドン長調もまた、底なしネアカで私には眩しい音楽たちです。

例えば

弦楽四重奏 第67番「ひばり」、77番「皇帝」、78番「日の出」(皇帝ドイツ国歌で有名ですね)

チェロ協奏曲 第1番

(3) 時代的にはバロック古典派、ただしお好みにはベートーヴェン以降は入らなさそう…?なように思いましたがいかがでしょうか。省略しましたがヴィヴァルディなんかもキラキラしていてハマるかもしれません。

とはいえベートーヴェン以降の作曲家達も室内楽名曲は沢山あるので余裕が出てきたらぜひ。

完全に「好きなものを訊かれて早口で消化しきれない量を勧めるオタク」そのものですね、ごめんなさい。

自覚はあるがこんな機会滅多にないので…たくさん書いてしまいました…

ちなみに、名盤については完全に個人の好みになるので私から言えることはありません。というか、片っ端から聴き比べてあーだこーだ言うのが楽しいんだと思います。多分。

増田氏がよき音楽出会ますように。

2023-02-18

音楽の編成について

クラシックジャズに興味がないという人も少なくはないでしょう。かなり初歩的な内容になりますが、編成について少しだけでも知れば解像度が上がるかもしれません。音楽調和芸術ですが、個々の音に分解して耳を傾けてみるのも楽しいのではないかと思います

オーケストラ

バッハベートーヴェンなど、いわゆるクラシック音楽などの編成。映画音楽もこれが多いですね。弦、金管木管打楽器が編成の基本。

弦は小さい方からバイオリンヴィオラチェロコントラバス

金管トランペットトロンボーンホルンチューバ

木管フルートオーボエクラリネットファゴット

打楽器は……まあ、色々です。スネアティンパニシロフォン(木琴1)、マリンバ(木琴2)、グロッケン(鉄琴1)、ビブラフォン(鉄琴2)、…etc

ここぞという時に使う持ち替えの楽器というものもありますフルートの人がピッコロトランペットの人がピッコロトランペットオーボエの人がイングリッシュホルン、他にも色々。

小さい楽器ほど高い音が鳴り主旋律担当し、大きくなるほど低い音になりリズム隊担当になります中間楽器はそれぞれの橋渡しと言った所でしょう。

弦楽器和音も出せますが、基本的オーケストラで使う楽器は単音しか出せません。調和音楽たる所以でしょう。

楽曲によってはハープピアノ、その他おもしろ楽器打楽器による担当が多い気がする)が入ったりもします。サックスは基本入らないのですが、新しめの曲だと使われる事もあります

楽器ごとに1st、2st、3rd(、4th…)と担当が分かれます部活などでは、基本上の学年(か実力者)ほど若い数字パート担当ソロは基本1st、曲により2ndが担当

数字若いほど高い音を担当し、パート全体で和音構成します。

ソロパートなど目立てる箇所もありますが、個は埋もれがちかもしれませんね。指揮者に束ねられ、各々が細かく決められた役割のもと調和を目指す編成なのでしょう。

余談ですが、指揮者ってただ棒を振り回しているだけではなくて、コンサート本番に向けて楽団練習を仕上げる監督役割も大きいんですよ。

室内楽

クラシック」で一括りにされがちですが、オーケストラ以外にも少人数の編成がありますオーケストラ大衆向けの音楽だとしたら、室内楽音楽貴族のものだった頃の編成と言えるでしょう。音楽家に演奏させたり、自分らで演奏したり。バッハモーツァルトが得意とする所ですね。

二人ならデュオ、三人ならトリオ、四人ならカルテット、五人ならクインテット……

ゆうがたクインテットクインテットはこれですね。

弦楽三重奏ピアノ四重奏金管五重奏……

編成は色々です。

弦楽四重奏パッヘルベルカノンなんかは極めて有名ですね。エヴァの旧劇場版エンディングで流れた時、感動しました。木管五重奏では、なぜか金管ホルンが入ったりもます

少人数で個が立つ編成の分、ジャズにも近い側面があるかもしれませんね。

ジャズ

現代ポップスロックの原点である、偉大なブラックミュージック

ルーツについては色々言われているようです。その一つに、スコット・ジョプリン代表されるラグタイムというピアノの曲のジャンルがあります。彼の"The Entertainer"は誰しも一度は聴いたことがあるでしょう。"Bethena"もベンジャミンバトン重要テーマ曲になっていました。

彼の曲を「クラシック」ではなく「ラグタイム」と言えると、ちょっとかっこいいかもしれませんね。

さて、ジャズの編成について。

トリオカルテットなど、少人数でのセッションビッグバンドに大別されます

ドラムスウッドベースオーケストラで使うコントラバスと同じものです。弓は使わずピッチカートだけで弾く場合が多いですね)、エレキベースなどのリズム楽器トランペットトロンボーンアルトサックステナーサックスなどのメロディー楽器。あるいはボーカルも。ピアノエレキギターは万能です。

それぞれから一つずつ以上選ぶのが基本です。ベーシックな編成としては、ドラムスベースピアノ/管楽器/ボーカルトリオでしょうか。

しかジャズ自由音楽です。リズム隊ベースドラムにもよくソロが与えられますし、何ならメロディを丸ごと担当する事だってあります

変わり種でフルートバスクラリネットという楽器なんかも使われたりします。

大きなクラリネットサックスみたいなウツボカズラがついててかっこいいんですよこの楽器ジャズの奏者ではエリック・ドルフィーが有名です。

色々な編成を聴いてジャズという音楽の懐の深さを感じるのもまた一興でしょう。

そして、ビッグバンドについて。ビッグバンドといえばグレン・ミラーyoutubeで色々聴けると思います。どれか一つくらいは耳に覚えがあるでしょう。『茶色の小瓶』や『アメリカンパトロール』なんかが特に有名ですね。

編成としては、ブラスバンドに近いかもしれません。金管トランペットトロンボーン木管クラリネットバリトンアルトサックスリズム隊ピアノベースドラムスオーケストラ同様に、1st、2ndが割り振られます

少人数でのセッションライブ感に対して、比較的まとまりのあるサウンドと言いましょうか。予定調和的ではあるかもしれませんが、足並み揃った音の厚みや迫力はまた魅力的なものです。

偏見ですが、中高の吹奏楽部員上がりはビッグバンドオーケストラに入りがちな気がします。

ジャズの魅力の一つに、キンキンと鳴り響く金管ハイトーンがあります。メイナードファーガソンや、エリック宮城なんかが有名どころでしょうか。「すごい!かっこいいなあ…」となるものですが、こればっかりは実際に自分楽器をやってみないと凄さが中々分からないものでしょう。

余談ですが、ビッグバンドトランペットは2ndがソロを吹く事も少なくありません。1stもハイノートで疲れているんでしょうかね。

ジャズにはフュージョンというジャンルもあり、T-SQUAREウェザー・リポートなどが代表的でしょうか。今はあまり流行りではありませんでしたが、EWIリリコンという電子管楽器が使われていました。ジャズスノッブで肩肘張った音楽ジャンルに思われるかもしれませんが、案外ミーハーな所もあるかもしれませんよ。

吹奏楽

日本部活ではこれ。たまに間違えられますが、「ブラスバンド」はサックス+金管楽器(+パーカッション)の編成なので、実は異なるものです。サックス金管楽器なんじゃないか?と思われるかもしれませんが、楽器の素材ではなく音の出し方による分類のため、木管楽器になります

ブラスバンドにはスーザフォンコルネット(ほぼトランペットです)、バリトンアルトホルンなどマイナー楽器が使われたりもます

さて、本題の吹奏楽

基本的にはオーケストラから弦楽器が丸ごと抜け落ち、管楽器ユーフォニアムサックスが入ります。「吹奏」楽たる所以ですね。

管弦楽曲吹奏楽編曲では、弦楽器が担っていた主旋律クラリネットが代わりに担当している印象がありますしかし、弦と管ではやはり表現が異なります特にピッチカートという弦を弾く演奏法は、管楽器いくらスタッカートを強調した所で別なものです。にもかかわらず、指揮者に「ピッチカートっぽく弾いて」なんて無茶振りをされる光景はままあるような気がします。

中高生部活弦楽器を扱うのが難しい(幼い頃からやっていないと人前で演奏するレベルになるのは難しいという風潮?傾向?があります)という事情のもと、部活では管弦楽ではなく吹奏楽が多く採用されているのではないかと思います

しかし、吹奏楽独自の編成を活かした曲があまり書かれておらず、オーケストラジャズポップス吹奏楽編曲が多く演奏されがちな気がします。それって別に吹奏楽編成でやる必要なくない?となってしまうので、吹奏楽らしさを活かした快活で明るいサウンドにしようとの苦心が見られますが、どうにもダサい方に転んでしまう印象を受けます

悪口のようになってしまいましたが、吹奏楽にも独自の良さはあるはずです。コンクールでもよく使われる曲を作っている樽屋雅徳という方は、吹奏楽編成のための曲を書いているので、興味があればぜひ。

2021-03-16

エヴァンゲリオン新劇場版の謎

シンジくんがチェロやってる設定が消滅したのなんで?

ピアノもQではじめて弾いたみたいなこといってたよな?

パイロット4人で弦楽四重奏やるような仲じゃなくなったとかそういうこと?

それは寂しいな。

2021-01-24

コロナ音楽

彼に会ったのは、人手が足りないからと友人に駆り出された室内楽イベントだった。

私は普段アマチュアオーケストラの片隅でビオラを弾いているが、コロナ禍でオーケストラ練習は軒並み中止に追い込まれている。

N響による検証では、管楽器でも一定距離以上の飛沫が飛ばないことは分かったが、練習会場が閉鎖されがちなのでどちらにせよ練習できない。)

そんな中、友人が所属するオーケストラでは、弦楽四重奏五重奏の数曲を演奏する催しをするという。

予定曲に対して参加希望者が微妙に足りないということで、私にお声がかかった。昨年9月頃の話だ。

初回練習日に会場につくと、私と一緒の組で演奏するメンバーを友人が紹介してくれた。

チェロ奏者は、理系研究職に就いているという彼であった。

巷のステレオタイプ研究職のイメージよろしく眼鏡をかけており、外見にあまり気を遣っていないようだった。

リハーサルが進むごとに、心の機微をよく理解し、優しいことが分かった。そして音は自然で伸びやか。タイプだ。

ただ、こちらも三十余年を生きており、人並みの自制心は持っている。

数回のリハーサルを経て、本番を迎えた。

ベートーヴェン激情のなかを私たちは進む。

目を合わせる。息を一緒に吸い、一緒に音を出す。彼が問いかける。私は答える。音楽が少し走り出す。私たちは目くばせをして合わせる。

音楽の根幹が「空間を共有し、呼吸を合わせる」ことにあると再確認する。

コロナ禍で半年以上コミュニケーション自体が激減していたところ、彼との無言の会話は劇薬だった。

本番が終わった後、ご飯に行けるはずもなく、話しながら一緒に帰った。遅くなりがちなところ上手くいってよかったです。でも最後ちょっとばらけちゃいましたね。

話している最中、目を逸らさずに見てくるので動揺した。反則なのでやめないか。瞬間、私は演奏中の光景を思い出して赤面する。

そんなこんなで私はあっさりノックアウトされた。

それから特に用事もないまま時間けが過ぎていく。コロナ前ならご飯に誘ったんだろうがこのご時世だ。

音楽に関しても練習ゼロ生活に元通り。

友人に探りを入れたが、二年ほど前に「今は仕事正念場なので恋愛とか結婚とかは考えられない」と言っているのを聞いたという。

かく言う私も、このまま仕事がうまくいけば、半年後に今の居住地を離れる。こんな宙ぶらりんな状態でどうこうするのは申し訳ない。

第一必死仕事をしている人に「私のためにあなた時間をください」と伝える勇気は今の自分にはない。

研究職が今が正念場なのも本当で、考えれば考えるほど、今はそっとするべきという結論になる。私の勝手邪魔をしてしまうのも悪いしな。

友人の団体には、演奏会の助っ人枠にいつでも呼んでくれと伝えてはあるものの、冬に続き、夏の演奏会も無くなる公算が高そうだ。

というわけで、残念だけど、どうしようもない。

9月のあの一日は白昼夢だったのではないかとすら思える。

とりあえず、はよコロナ収まってくれ。

2017-07-24

ベートーヴェン弦楽四重奏は、BGMとして頭を使わなくっていいって村上春樹が言ってたけど。

いや、全くそ感想理解出来なかった。

2017-07-21

オススメ、クラッシック音楽を教えてー。

なんか、無性にクラッシックを聴いてみたくなったぁ−。

...なんかこう、ホテルモーニングに流れてきそうな音楽が聴きたい。

  

ベートヴェンの弦楽四重奏は、なんか、ピンとこなかったんだよね。...。

やっぱり、ようつべ無料からかな?聞いてて、疲れちゃう

オススメあれば、教えてー。

2016-08-14

むかし、バッハシャコンヌ楽譜をみつけて、弾いてみたことがある。

まりに難しくてなんじゃこりゃってなったんだけど、一つ目の重音が出たら、もうそれだけでバッハで、自分の弾いているバイオリンからバッハの音が鳴ったのを感じてとても興奮した。

これは魔法だと思った。すげーと思った記憶がある。

ファミレスでめし食ってたら弦楽四重奏BGMが鳴ってて、そんなことを思い出した。

最近あんまりそういう感動がないような気がする。

2011-07-26

http://anond.hatelabo.jp/20110726182058

君の考えにケチ付ける前に前提の共有をしておきたい。

音楽ジャンルなんてそりゃいっぱいあるのに

なんで大抵部活っていうと吹奏楽絡みばっかなのか疑問に思わないか

何が「吹奏楽絡み」なのか意味が分からないし、意味が分からいから疑問にも思いようがない。もう少し詳細に。

まず気に入らない点は色物なのに本物ぶってる点

吹奏楽スポーツで言ったらいわば

ビーチサッカービーチバレーキックベースやらタッチフットと考えて欲しい

本家ものはあるけど何らかの事情で簡略化した形態

この本物ぶるというのもやはり意味が分からない。どういう現象を「色物が本物ぶる」のか詳細が欲しい。

そもそも音楽ジャンルスポーツ比喩することは適切だろうか?

たとえばその比喩が適切であるならば、「フルートオーケストラ」や「弦楽四重奏のための協奏曲(ただし弦抜きオケ)」や「クラリネット四重奏」と「クラリネット五重奏」の違いなどが明確に他のスポーツなどに対応されなければならないはずだ。

簡略化、という主張をするならば、当然弦楽四重奏オーケストラから簡略化されたものと見做されねばならないし、ピアノサックスによるソナタもそれに準じなければならないだろう。まさかクラリネット四重奏が四管編成オーケストラの簡略化だ、なんてアホなことは言わないだろうが。

オーケストラより手軽に曲を完成させる(未経験者可)」「部活(教育の場)の思想にマッチさせる」

っていう辺りの思惑と言っていい。

教育的配慮はあろうが、前者は意味がやはり不明。そんな思惑は聞いたことも体験したこともないが。具体的に誰が明言したの?

簡略化した挙句ジャズとかポップス等、多方面からつまみ食いした結果((中高生ハートキャッチするためでしょう。おそらく))

完全になんか不思議ジャンルと化している。どの観点から見ても中途半端

全国的に子供に率先してやらせる音楽ジャンルがこういうものってどう思う?

つまみ食いつまみ食いについての具体例を呈示して欲しい。

19世紀後半からオーケストラジャズつまみ食いはそれこそ作曲家から演奏家まで当たり前のようにしてたわけだけど、そういう事情は無視?

でもそこが日本の中心って全体の底が知れると思わない?

そこまで書いてWASBEとかは無視するんだもんね。

個性<集団」に相当偏ってる。

要は「中高生が協力し合って作った感動」を魅せると高得点取れる。

やはり意味が分からない。

私は地区~県レベル中学と県~支部レベルの高校の吹奏楽部に在籍していた人間だけども、そんな基準は聞いたことないなあ。

普門館に上がるとそういうのが加味されるわけ?

地区大会とか県大会の団体は感動が魅せられていないわけでもないでしょ?

そう思ってるなら、よほどひねくれた考えなんだなあ、と思わざるをえない。

「徹底的に個を排除」「演出は過剰に」という方向に走る

結果出来上がるのは北朝鮮マスゲームみたいな雰囲気の物

音楽ってこういうものだっけ?って感じになってくる。

二行目はわからなくもないけど一行目と三行目は別に問題ないよね。

というか吹奏楽って編成事態が中音が分厚くて低音が薄くて個性の薄れた管楽器集団じゃない。

もちろんこれは構造上の特徴だから、それを活かすも殺すも作曲家次第なんだけどさ。

まあ北朝鮮マスゲームみたいだから音楽じゃないっていうのも読んでてアホだなーって思うけど、まあそれはいいよ本筋じゃないし。

根本的に音楽の発展なんか気にしてないから当たり前なんだけどね

音楽の発展がどういうものかを説明してみてよ。

転向は可能とはい

ビーチバレーバレーボルが違うように

フットサルサッカーが違うように

吹奏楽オーケストラは別。吹奏楽ジャズも別。

前のとこは省略したけどさ、吹奏楽部あがりのプロ管楽器奏者ってザラにいるのよ、わかる?

で、吹奏楽部上がりでプロ作曲家ってのもザラにいるのよ。

で、ジャンルの問題として君は吹奏楽オーケストラジャズの違いも説明できなそうだし(ここでオーケストラジャズを比べないあたりがとても恣意的だよね)

で、そもそもスポーツとの比喩が適切であるかどうかも不明瞭だからここの引き合いも同じく不明瞭。

日本クラシックを本当にやるなら東京藝術大学を目指すんだろうけど

そういう高校生吹奏楽やってる暇はないらしい。そのくらい別物

これはひどい

日本クラシックを本当にやるなら東京藝術大学を目指すんだろう」と「そういう高校生吹奏楽やってる暇はないらしい。」がどういう理路でつながったのだろう?

米軍情報ですか?

あと、君勘違いしてるけど今音楽が熱いのは藝大じゃなくて東音ね。あなたつの人よ?データ古くない?

日本吹奏楽音楽ひとつのあり方とも捉えられるけど

他の物に触れずに歪んだジャンル人材が割かれてると思うと悲しい

杞憂から不安がらなくていいよ、めんどくさくなって前提無視してケチつけまくったけど

ああ、あとちゃんとトラバ返してね。少なくとも上の指摘に適切に返せないようじゃ話にならない。

というかそもそも日本事情しか触れてない時点で色々お察しください案件ではあるけれども。

2010-05-10

正直なところ、クラシック音楽を聴いている連中の感覚は、俺の理解の及ぶところにはないんだろう、と感じている。

私自身もクラシックをよく聴くが、印象派新古典主義以降じゃないと説教臭くて嫌悪してしまう。

もちろんいいものもある。ベートーヴェン弦楽四重奏ピアノソナタグレゴリオ聖歌は好きだ。

でもモーツァルトバッハダメ。もう「生理的に嫌い」というのはこういう事を言うんだ、というレヴェル。

しかもそういうの聴いてる人って「お前にはこの音楽の素晴らしさが、価値がわからないというのか。耳が腐っている」臭を放っていて、とっつきにくい。

そしてそういう人は大抵現代音楽を蔑む。「客が入らないオナニー」というわけだ。

私は悲しい。

2009-01-05

イカスミのように真っ黒い液体が自分の中でうろうろしている。

昔所属していた学生オケでトップ争いがあったとき

陰口が渦巻いてる状況に耐えられなくなって誰にも何も言わずオケを辞めた。

それでも、オケで弾くのが楽しい時もあったじゃないかと思って

他のアマオケに入ったけれど

「他人の邪魔にならないよう弾かなきゃ」という意識が先行して

一人で勝手に緊張を感じてフェードアウト

学生オケ時代の知人が立ち上げるオケに立ち上げから関わったら

またオケを好きになれるかもしれないと思ってすごくいろいろ頑張ったけど

他の運営メンバーにうまく仕事振れなくて、フリーライダーを作ってしまい

でも誰にも自分のしんどさを伝えられなくて一人でいろいろ抱え込んで、

第一回演奏会終わった直後に高熱出して寝込んだ。そのオケも辞めた。

楽器を弾くのが全然楽しくなくなったので

バイオリンを試してみたいという友人のところに貸した。

楽器ケース見るのも嫌だった。

どんなに練習しても超えられない壁があって、

自分の体なのに言うこと聞いてくれなくて、もう嫌だと思った。

上手くなりたいのにどうしたらいいのかわかんなくなった。

好きだったはずのものを嫌いになっちゃうのってものすごく悲しい。

学生オケ内の政治力はその人の楽器の腕とニアリーイコールだから

あの時、周りを黙らせるくらい楽器が上手かったら

少しは状況が変わっていたのかなとも思うけれど

そういう訳でもないんだよな。

言いたいことがある時はその場で言わないとだめなんだよな。

去年の秋、システマチック基礎練を教えてくれる先生と出会って

今は少しずつ基礎の練習からもう一度さらってる。

長いこと蓄積してきた体の癖はそう簡単に抜けてくれないけど

構えを変えたら明らかに響きが変わった。

浅田真央自分ジャンプの悪い癖を3週間で修正したってTVでやってたけど

それができるのは本当に本当にすごいことだと思う。

あと、たまたま今の学科内で弦楽四重奏のできるメンツが揃ったので

時々四重奏を合わせてる。

まだまだ上手く弾けないところもあるけれど、気の合う4人で弾くのは楽しい

オーケストラみたいな大規模な組織でなんかするのは向いてなかったみたい。

ほんと学生オケコンマス決めの時は怖かった。

何人かと雑談してて、コンマス候補の子が席を外した瞬間、悪口の大炸裂。

もう( ゜Д゜)ポカーンとしてなにも言えなかった。

さっきまでニコニコ楽しげに雑談してたのに。

あと、自分楽器の腕に対してこだわりすぎてたことに最近気づいた。

音質は悪くないんだけど、基礎がないから音程アーティキュレーションがめちゃくちゃ。

生き急ぐこともないんだよな。

解決すべき課題がきちんと見えてきただけ数年前より格段にラクにはなってる。

今年は楽しく楽器の弾ける年にしたいなあ。

2008-03-13

無限弦楽四重奏

 

エッシャーバッハが好きだった』

そんな事実からBGM自然弦楽四重奏に決まった。

これは、PSPPS3用の新作ゲーム無限回廊」の音楽が生まれるまでのエピソードである。

人生は自分自身から見れば一回きりだ。

しかしそれらの人生を傍から眺めてみよう。

すると、生まれ来て、そして死に行くそのさまは、

まさに無限に繰り返される回廊ではないか。

再び自分に視点を戻すと、人生にはさまざまなアクシデントがある。

気がつけば目に見えない人生ターニングポイントを通り過ぎていたり、

地獄に落ちたと思ったらそこは元の天国だったり、

突然のジャンプでまったく別の世界に身をおくことになっていたりする。

ありもしない、理想の自分自身の影を目指して歩き続けながら・・・

そして最後は誰もが同じ死という生のゴールにたどり着いていく。

いくら廻りを見渡しても、私たちが自分自身である限りは

自分の前や後に、同じ回廊をさまよった人生があったのか

それともなかったのかを、わたしたちは知る由もない。

その高尚な孤独のくりかえしの存在に、

私は人生を繰り返すたびに気づかされている。

まるでこの無限の弦楽の重なりのように。

http://www.noisycroak.co.jp/diary/

「あるあるあるー。」

という異世界に迷い込んでしまった方は、

OLE Coordinate System というありえない徘徊行動を

行うソフトウェアの楽曲について調べてみて欲しい。

そこにはいつか見た来客が待ち受けているはずだ。

 
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