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2024-11-29

[]藤子・F・不二雄手塚治虫の『うまさ』の違い

藤子・F・不二雄は何が凄いってまず短編が凄い。鋭いアイデアと綺麗な起承転結

さらにすごいのは、その構成力で映画一本分のストーリーも作れること。

大長編ドラえもんのような単行本シリーズコンスタントに続けられる漫画家はそうそういない。

 

しかし、そんな藤子・F・不二雄にも苦手なものがあるな、と『エスパー魔美』を読んでいて思った。

エスパー魔美』は藤子・F・不二雄には珍しい、普通ヤングアダルト向け少年漫画構成をしている。

まり基本的短編エピソード連続でありながら、それでいてちゃん時間軸が繋がっていて、以前に登場したキャラクターが別の役割で再登場したりする。

これが、あんまり面白くない。最初に設定した役どころからキャラクターの発展があまりなく、結局同じような話を繰り返すだけになりがちだ。

 

思うに藤子・F・不二雄は、起承転結最初から見据えた設定、構成を練るのはうまいが、「ライブ感」で描いたものにあとから肉付けして、別の形に再料理するのはあまり得意ではないのだろう。

この点で好対照なのが手塚治虫で、手塚は二時間映画のような手頃な長さの長編構成するのは絶望的に下手である

しかしながら連載漫画定番であるストーリーをその場その場で膨らませながらキャラクターを発展させて行くことにかけては現代少年漫画の祖としてたぐいまれなる力を持っている。

両者ともに長編漫画の名手といわれながら、その得意分野は微妙に違うものだなと思った次第。

2024-05-26

[]ゴールデンカムイに見る長期連載漫画の受容の変遷

あんまり多く語られてないが、初期のゴールデンカムイは明らかに山賊ダイアリー」とかのジビエブームの流れに乗っていた。

公式切り抜きがネットミームになったり、そういうところから徐々に認知度が上がっていった作品だ。

今では評価が固まり過ぎて「多様性が」とか「歴史評価が」とか、批評的にお利口な語り口でばかりその魅力が語られるが、実際に初期から連載とその人気拡大を追っていると、ゴールデンカムイにはそれだけでない多様なフックと、それをタイミングよく引っ掛けるそれこそ漁師神業がふんだんに見られた。

ゴールデンカムイの受容(需要)の変遷をまとめることによって、長期連載漫画が当たるためにどれだけ多くの仕掛とチャンスを要するのか、改めて考えてみたい。

 

【連載開始】最初は古臭い冒険譚。世間の関心は薄い?(1〜2巻)

 2014年8月、連載始まる。 増田はこの頃はまだ読んでいない。

 

 1話ははっきり言って、刺さる人には刺さるのかも知れないが、古臭い冒険もの空気しか感じられない。

 「露助」と差別語を使う戦争帰りの主人公囚人を殺して皮を剥ぐ猟奇趣味。まだ頭身の高い美少女アシリパ

 一部のネクラには受けても、一般には忌避される湿っぽいダークさが作品を包む。

 キャラクターも、薄汚い囚人たちに、死をも恐れぬ兵隊、そのトップの怪人中尉と、マイナーさは否めない。

 

 しかし、連載数話目から、この漫画にはちょっとだけ流行の要素が入ってくる。「ジビエである

 当時は「山賊ダイアリー(2011〜2016)などの猟師ものが密かにブームを迎えていた。

 あるいは、同時期(2011〜2019)のメジャー作品として荒川弘の「銀の匙」など、「命をいただく」をテーマにした漫画も人気を博していた。

 ゴールデンカムイはこの流れに乗って、「冒険をしながら猟師生活を見せる」というストーリー構成で注目を集めていくことになる。

 

ミーム化する】アザラシ猟とオソマミーム(2巻〜)

 ニコニコ静画タイムスタンプによると、ゴールデンカムイ公式切り抜き漫画「アシ(リ)パごはん第一回が掲載されたのは、2015年1月となっている。

 初回は「リス」。可愛らしいリスの皮を剥き、ミンチにしていく様子がコミカルに描かれるシーンを作中から数ページ切り抜いて公開した公式の切り抜き漫画である

 これが、受けた。

 チタタプ、オソマルイベなど、アイヌ語食べ物名前が広く知られるようになり、アシリパアザラシをしとめるシーンなど、コミカルカットネットミームにもなる。

 しかしこの頃もまだ、一般受けする漫画とは言い難かっただろう。なにせ「山賊ダイアリー」のような、「命をいただく」テーマ自体が重すぎる、マイナーメジャーのものだ。キャラクターも男臭い変態だらけで「ホモソ受け」という感じは強く、牛山も女を武器にする卑劣漢だった。(このマンガがすごい! 2016 オトコ編 2位、マンガ大賞 2016 大賞)

 増田自身、この頃作品を知り、アシリパごはん面白く読んでいたが、金塊探しというメインストリーにはまったく興味が持てず、長いこと本編は読まずじまいだった。

 

【大確変腐女子トメ心を掴んだ尾形と鯉登(10巻〜)

 10巻頃まではこの漫画はこういった男向けの要素だけで進んでいく。変態的な囚人覚悟を決めた簡単死ぬ兵隊、「命を食らう」生活感。

 しかし、ここにきて大確変要素が加わる。プリンス鯉登、心に闇を抱えた尾形などの、圧倒的に乙女受けなキャラクターエピソードが増えたのだ。

 彼らのシーンを見た瞬間に、増田は「あッ、これはジョジョみたいに腐女子アンテナにひっかかるゾ」と確信した。

 今となっては当たりも当たり。SNSで「ゴールデンカムイ」を検索すれば9割女性向け同人イラストという現状への変動がこの瞬間に確定したのである

 そして本作はこの勢いを掴んだまままさに滝を遡る鯉のごとく大作へと変貌を遂げていく。

 

【最盛期】網走監獄編、腐女子掴み、文化的描写評価が重なり、人気拡大、アニメ化、そして大英博物館の顔に。(14巻〜)

 シリーズ前半のクライマックスとも言える網走監獄編を見事なテンションで描ききった本作は、アニメ化(2018)、手塚治虫文化賞 マンガ大賞(2018)、大英博物館特別展においてキービジュアルを飾る(2019)など、大躍進を遂げる。

 アニメシリーズは海外配信も好評で、海外にもファン層を広げる。

 大英博物館の展示では、「女性を表している点。(中略)アイヌという少数民族文化を描いている点」など「ダイバーシテイの理念体現する作品になっている」を評価されキービジュアルに選ばれたとされる。

 「多様性」や「文化歴史描写」に優れた名作という評価は、この段階で確立された。

 

ホモり過ぎ】迷走の樺太編。しか腐女子は掴み続ける。

 網走監獄編で大きな波をひとつ越えたあと、人によっては中だるみと言われる樺太編に入る。

 すでに確立された名声を揺るがすような劣化も見られないが、特に新しい要素が受けたわけでもないので話題は少なくなる。

 このあたりで増えた要素と言えば谷垣を中心に多用される「ホモギャグである

 増田の受け止め方としては、「文化的な名作」扱いに対する作者の反発と言うか、何かヤケクソなものを感じる。

 宇佐美の「◯◯探偵」に至っては常軌を逸しているというか、ここだけをもってして「文化的作品」として他人に勧めることは出来ないだろうと思う。

 しかしこれもある意味時代は掴んでいるのかも知れない。一部のラディカルフミニストを中心に、この過剰な下ネタが「セクハラミラーリング」として全面肯定される現象も見られた。ほとんどの人には、ホモソーシャルの笑いの延長にしか見えないと思うが。

 

大団円】終わりよければすべて良し。炎上した内容も修正して晴れて「名作」に。

 清濁合わせのみ毀誉褒貶を越え、本作は2022年に連載終了を迎える。

 作品としては大団円だったものの「文化的」という名声を得すぎた故の重箱の隅をつつくような批判最終回のいくつかの描写につけられた。

 単行本化に際してそのうちのいくつかは修正され、うるさ方もそれで納得したのか、今では「文化的」で「多様性」を表現した、歴史に残るすばらしい名作という評価がほぼ揺るぎないものになったように思われる。

 しかしその8年にも渡る連載期間を省みれば、このようにさまざまなフックと変化で客を掴み、興味を維持し続けてきた結果のことなのであって、ただ「綺麗な作品」(と思う人もまあいないとは思うが)を描いたか評価されたというような単純な話ではないのだということは覚えておきたい。

 

感想感想

 トラバブコメもだけど、「自分趣味にあった部分」だけが評価対象じゃないと許せないって思考回路のやつ、キツいわ。

 「血なまぐさい男受けだけじゃ同人受けや海外受けまで広がらなかったよね」ってことが書いてあるのわからん? 日本語わからん

 根本的にこの文章で書いてあることが何かということが理解できてないと思うので、自分機能的非識字だと認識した方が良いよ。

 

 クライマックス付近無料公開で認知を広げたのは書いといても良かったなとは自分でも思った。

 

 増田に「資料がない」とか言っちゃうアホがいるの笑う。

 なんでそんな本気で書いたもんを増田投稿しなきゃいけないんだよ。

 いい加減自分が賢いつもりでアホ丸出しのこと言ってる自覚持てよ批評家気取りの低学歴ブクマカ

2024-04-21

[]ちはやふる[感想]少女漫画の本気のルッキズムに戦慄する。跡地

 

 ブコメとか言って上から目線要求してるやつなんなん?

 増田をなんだと思ってんだよお前らは。

 これはただの長文が許容される雑談スレなんだよ。

 一時間もせず流れてほとんど誰にもみられない記事なんかにそんな手間かけるか知恵遅れ。

 

 何が主語がでかいだお前は脳みそがちいせえんだよ想像力のないモンカスクレーマー。

 金もわずなんで俺がお前の要求聞かなきゃなんねえんだバカブクマかすしねくそじゃっぷ

 

 

 糞なコメントとは何か

 https://anond.hatelabo.jp/20240422085845

 

 

2022-10-25

[]ハンター単行本

連載再開前に発売してほしいわ。

再開前の状況とか覚えてないから、コミック発売までよくわからないままで連載読まないといけない。

[]はじめの一歩の作者

他のベテラン漫画デビュー時の話をしていて、昔の漫画編集者は怖かったですねと言われたら、俺は怖くなかった、いざとなればぶん殴るつもりだったみたいなことを言ってた。

本人は一歩よりじゃなくて、鷹村よりなんやな。

2022-10-05

[]

俺は増田で度々訴えてきたけど、「生徒会にも穴はある」が生まれたのは、「女は乳首も描いちゃ駄目だけど、男なら少年でも性の対象にしてよし」というフェミ左翼ダブスタ講談社が真に受けた結果なんですよ。

2021-04-09

[]菌と鉄

進撃の巨人完結が話題別マガだが、はてなーが好きそうなSF新連載のこれ↓一ヶ月もブックマーク0なのはなぜ。

https://pocket.shonenmagazine.com/episode/3269632237276098910

URLブックマークされたりしてるのかな。

2019-05-06

[]リトさんの後継者は出ないの?

リトさんなら・・・リトさんならもっと・・・

2019-03-24

[]「女同士なら浮気にならないと思います」がパワーワードすぎる

出典は、ねこうめ先生きらら4コマこはる日和。(3巻)」だが、いろいろと闇が深いパワーワードだと思う。そう思った理由が次の3点だ。

この3点について、じっくりと解説してみよう。

1. 教え子の母親女教師関係

教え子の母親女教師関係と聞いただけで闇が深いと感じるわけだが、問題キャラクターを紹介してみよう。

エミールが攻めで千紗が受け。どちらになっても十分闇が深いわけだが、エミールの方が攻めになれば、なおさら背徳感が増す。

そういえば、きらら本誌は「今度のきららは、きわどくて、せつない。」フェアをやっていた。そのうち、スロウスタートの十倉栄依子と榎並清瀬、すなわち女子生徒と女教師関係が「きわどい」と表現されているが、エミール千紗関係は間違いなく「きわどい」を通り超えている。

2. そもそも百合が当然のようにある

こはる日和。はわりと女の子同士で付き合うのが自然な世界観」と作者本人は発言している。そんな世界観で、このセリフはないだろうと思ってしまう。

ひょっとしたら、女の子同士で付き合うのが当然でも、現実日本と同じように同性婚合法化されているわけではないのだろう。それなら仕方がない。

ただし、エミール、テメーはダメだ。デンマーク同性婚合法化している国だ。バイセクシュアル異性愛から同性愛に走って、そのまま結婚することもあり得るのだ。

3. その後の展開が大変なことになっている

エミールが「女同士なら浮気にならないと思います」と言って千紗に攻め込んだわけだが、その後の展開が大変なことになっている。

(念の為、できるだけ文字を塗りつぶした、内容が気になる人はAltキーとAキーを押そう。)

顔が赤くなった千紗はヤケになってお酒を飲んでしまうわけだが、気が付かないうちに寝落ちしてしまった。

目を覚ます千紗は服を着ていなかった。そして、LINEっぽいメッセージに、エミールから娘のニナとアーニャが通っている学校制服を着てダブルピースをしている千紗写真が「昨日はごちそうさまです」(意味深)というメッセージと共に送られていた。

千紗エミールお酒を飲んだ後の記憶が残っていないわけだが、何をしたかは分かっているようだ。

もともと、千紗は淑やかで大人しい性格だが、お酒が入ると性格が変わる。

その後の展開として、単行本3巻の巻頭描き下ろしカラーエミール千紗クリスマス(意味深)が描かれているが、どうなるかはご察し下さい。

正直、この回は「こはる日和。」が「捏造トラップ」に片足突っ込んでいるような気がした。エミール千紗の話が雑誌に連載されていた頃は、ちょうど捏造トラップアニメ放送されていた。

最後に:「こはる日和。」とは

「女同士なら浮気にならないと思います」が闇の深いパワーワードだと話した。

しかし、「こはる日和。」自体女子高生のゆるふわ日常を描いた健全4コマであるストーリーを読むというより、かわいい女の子たちがキャッキャウフフしているところを読者が覗くという感じの漫画である。つまり、究極のCGDCTだ。アニメ化したら難民アニメとして化けると思っている。

アキバBlog こはる日和」と検索したら作品雰囲気が分かると思う。google:アキバBlog こはる日和

下に感想リンクを貼っておく。

ちなみに、この4コマ姉妹百合もある。少しだけ、妹の愛が重く感じる。さすがに妹が「おねえちゃんと同じ産道も通ってないくせに」とは言わない。

追記

id:srgy さん: 指摘箇所修正しました。

2018-01-20

[]斉木楠雄のΨ難で見たい展開

照橋さんと斉木兄がタッグを組んで、楠雄におっふと言わせようとする流れ

ただしそのためにはテレパシー透視を防がなきゃいけないか

照橋さんに超能力ばれしてないとできない

2015-10-18

[][]http://anond.hatelabo.jp/20151017231411

アフタヌーンの短期連載系だと「弾丸ティアドロップ」(稲見独楽)は好きだったな。全2巻。

古本屋の主人——は世を忍ぶ姿の殺し屋のお姉さんにほれちゃった高校生男の子が、お姉さんを守るためにふたりで逃げ出す話。荒唐無稽な設定なんだけど一応非現実要素(魔法とか)は入ってなくて、主人公の頑張りでどんどん物語ドライブされるのが気持ちよかった。おそらく最初から2巻の予定で作られてて、密度が高くてテンポがいい。

http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063107050

って絶版かよ! つらいなー。

あと申し訳ないがこの表紙あんまりセンスよくない。気になった人は試し読みまでしてみてほしい。

ついでに思い出したのでもうひとつ

これはまたかよの部類かも知らんが「はるかリフレイン」(伊藤伸平)。全1巻。

高校生主人公はるか彼氏であり幼馴染みでもある啓太交通事故で亡くしてしまう。ところが葬式の日に見かけた不思議黒猫の力で、はるかは気がつくと事故当日の目覚めた時刻に戻っていた。ここから自分がうまく立ち回れば啓太は死なずにすむかもしれない、とはるかが延々と試行錯誤する話。いわゆるループものなのだけど展開そのものにある種の人生観がこもっていて、それがはるかにある変化をもたらしていく。最後のひとこまのモノローグがその変化と対応していて印象深い。ベネッセの「高1challenge」という雑誌に連載されていたらしい。

http://www.mangaz.com/book/detail/3531

こっちはとっくに絶版マンガ図書館Zに入ってた。これはこれでつらい。

2015-01-22

[]「ダンジョン飯」読んだ

ファンタジーRPGベース漫画だけど、アフリカ原住民が棒切れ一本で

ライオンを追い払うような話を思い出した。

人間の知恵ってこういうものだよなー

2011-08-16

[][]http://anond.hatelabo.jp/20110816122637

バクマントリコぬら孫・べるぜ・黒子・めだかいぬまるだしあたり?

バクマントリコは超頑張ってるけど新人じゃねーよ!

べるぜは元増田最初に書いてて「べるぜ以外に」って話だし。


後に残るのはぬらり、黒子、めだかいぬまるだし、

…うーん、いぬまるだしは代えのない存在価値や安泰さを認めるが

他は「がんばってる」かなあ…

 
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