盛岡から北に行くには2通りのルートがあることは八幡平市のエントリで書いた。青森方面に行くのにどちらを通るべきかは過去にいろいろなことがあって、鉄道は東寄りのルートを通って八戸回り、高速道路は西寄りのルートを通って弘前回りのルートを主に通っている。今回国道4号は盛岡から少し北に行ったところで鉄道(東北線)寄りのルートを通るのだけど、つまりこれは高速道路経由では微妙に不便な場所があるということでもある。
その最たる場所が岩手町。県名と郡名と町名に全て岩手が入るということを売りにしている町である。鉄オタにはこの名前よりも東北新幹線乗降客数ワーストを誇る"いわて沼宮内駅"の方でおなじみかもしれない。まあこの町の観光資源の8割はこの駅近辺にある。駅から20分ほど北に歩いた4号沿い、石神の丘美術館がまあ観光中心部。一言で言えば箱根彫刻の森の類似施設(開館当初は密接な関係もあった)なのだが、現在は独自路線を歩んでいて花畑等も多いので特に初夏が見どころ。あと真下を新幹線が通るところが個人的にはお勧め。ここは道の駅に併設されていて(道の駅を後から作った)、来る人は道の駅に停めることになるけれど、有料入場がもったいないと思う向きは入口を反対側に登ったところにある彫刻公園にも石彫の彫刻が山程飾ってあるので無料のそちらを見ることも出来る。というか両方見るべきかと。
4号を北上するとき沼宮内に行く前のところに川原新田ドライブインという施設がある。斜向かいのパチンコ屋に関連の深い施設ではあるのだけど、ここが古き良きドライブインの雰囲気を残しているので食事をしたければここに寄るのもいい。さらに沼宮内を越えて北上すると北上川の源流にたどり着く。ここは少し前に川の駅として整備されたので車を停めやすい。源流だし国道4号からは少し外れるけれどそこまで山奥ではなく行きやすい。
岩手町の名物はキャベツとホルモン鍋なんだが、キャベツはともかく、ホルモン鍋は肉屋が持ち帰りの肉として売っているばかりでここで食べるのは難しい。調べたら定食として提供している店が1軒見つかったが、自分も現地で食べたことはない。
岩手町の沼宮内の北の端から国道281号を入ると葛巻町にたどり着く。これが久慈市へのルートで安全だがお勧めしない、と説明した葛巻経由ルートだ。推す観光地はあまりない(いちおう平庭高原という観光地はあるが関東近辺から比べると施設は何もないに等しい)。ただ、くずまきワインは赤ワインの中に山ブドウを原料にしたものがあって、これは少し珍しいかもしれない(白とロゼは山ブドウから作ってないし、赤ワインの中にも山ブドウの混合だったりブドウが原料のものも多い)。
さらに北上すると一戸町に入る。南から入って一番最初に着くのは奥中山で、ここは盛岡市民にとって最も近いミニストップがある場所だったのだが閉店して随分経つ。少し先に行くと奥中山高原駅があり、この辺が奥中山地区の中心であり、カフェもいくつか存在する。観光の中心はここから西に登った奥中山高原スキー場で、もちろん歩くには遠いが車なら10分かからない。春から秋にも釣り堀と温泉が楽しめる。さらにここからもう少し奥に行くと"いわて子供の森"という児童施設があって県内の子連れには大好評の場所なのだが、たぶん観光で県外から来た人が楽しい場所ではない。
奥中山は峠の山頂にあるような場所で、ここから北上するとずっと下り坂である。途中に"雅"というドライブインがあり、ここの評判も非常にいい。自分も2度ほど利用したことがある。さらに下ると無人駅小繋駅があって、ここは映画"待合室"のモデルになった駅であり今でもそのきっかけとなったノートは置かれているらしい。さらに下ると小鳥谷駅。ここは映画"星屑の町"のロケ地だが、この近辺の見どころはここよりもその手前を曲がったところにある藤島のフジ。大きな藤棚で、花の見頃はだいたい5月。この時期には車でけっこう混雑するが、せいぜい岩手なりの混雑なのでそこまで心配しなくていい。その少し北には世界遺産を構成する御所野遺跡がある。たぶん皆が歴史で習ったのとは違う形の竪穴住居が屋外に展示してある他、奥の方には博物館もある。ここは是非ガイドツアーに参加して欲しい。春から秋なら土日祝およそ1時間毎に1度、無料で参加可能(それ以外の季節、時間帯は要予約+有料)。ここから一戸の市街地まではすぐそこ。そして市街地の北の端で国道4号は八戸自動車道と交差し、一戸ICがある。
旧浄法寺町へ一戸から行くにはさらに北の鳥越近辺から県道に入るのが一般道ルートだが、八戸自動車道経由で行くほうが絶対に楽である。ここには東北で最も古い寺である天台寺があり、浄法寺の観光資源の半分はここの住職だった瀬戸内寂聴絡みである。残りの半分が漆器・浄法寺塗で、これらの多くが天台寺に向かう道路沿いにある(瀬戸内寂聴絡みは少し離れたところの温浴施設と、浄法寺の役場の2階にもある)。
一戸から二戸市には2つのルートがあり、1つは素直に4号を北上する方法、もう1つは末の松山トンネルを通過する方法で、個人的には後者のルートが好きなのだが4号を北上したほうが格段にわかりやすい。このルートのせいで二戸は地の果てにありそうな印象を持つが、むしろこの近辺で最も大きいのが二戸市であり、平成の大合併の時には浄法寺を合併して二戸市として存続している。ただ、二戸駅で降りた人は二戸の何もなさに気がつくと思う。正直、二戸駅は二戸の市街地から2kmほど離れている。
二戸の観光地として最初にあがるのは馬仙峡である。市街地の南端にある夫婦岩を望む渓谷的な場所で、この夫婦岩のそばには二戸市を望む展望台があるが川沿いの公園から見たほうが断然いい。さらに言えばこの公園は桜の名所でもある。この公園のそば、と言いつつあんまり隣でないところに南部せんべいの小松製菓の工場があり、蕎麦屋とチョコレート工場、お土産店が併設されていて二戸の新たな観光地になっている。まあ個人的にはここのそばにあるドライブイン的な食堂、レストパーク馬渕川のほうが先に訪ねたほうがいい気もしているけれど。この南部せんべい店だけでなく二戸にはいくつか代表的な企業がまだまだ頑張っていて、それらはだいたい市内中心部にある。まずは南部美人。酒造会社で、コロナ渦の時には酒から消毒用アルコールを作って提供したことでも話題になった。ここは酒蔵見学に一味加えていて、要予約だが酒造りのコスプレ込みで記念写真のラベル込みのコースを提供している。もう1つはあべはん。たぶん聞いたことがないと思うが鶏肉の生産をグループで行っていて、やっぱり直営店が市内にある。もちろん鶏製品を買ってもいいのだが、ここで買うべきなのは実はお菓子チーズピッコロだ。二戸市民自慢の銘菓だったのだが今年始めに作っていた洋菓子店が閉業してなくなったのをこの会社が引き継いだのだ。
ソウルフード的なものはまだある。盛岡の福田パンと似た立ち位置のパンとして丹市パンというのが存在し、福田パンが盛岡の高校時代の思い出商品となっているようにこちらのパンは二戸の学生の思い出商品となっている。パンの風味は若干異なるが切り開いた間に種々のクリームを挟む形式で、個人的にはカレーが一番お勧めなのだがないときもしばしばある。たぶん一番の問題はここが学生の多く集う店ということで、駐車場が狭いので車で来るときは注意が必要。本当ならもっとソウルフードな店が二戸にはあった。どちらも"きんじ"という名前で、1つは市街地にあったラーメン店、もう1つは駅前にあった蕎麦屋だが、どちらも既に閉業している。ただ新しい店もしっかりあって、最近駅前から市街地に移転したフランス料理のボヌールとそれより前から市街地にあったイタリア料理のフルハウスはどちらもおすすめ。
市街地を北に外れてもう少し北に行くと金田一温泉がある。いくつもの宿があるなか最も有名なのは座敷わらしがいるという噂の緑風荘だと思う。以前は予約がないと泊まれなかった(そして予約が取れなかった)座敷わらしの間こと槐の間は、現在は共用スペースになっていて宿泊者は誰でも深夜に入ることが可能になっている。まあ、これは好きな人は、といった感じで。昼間だけだがここは日帰り入浴もやっている、というか金田一温泉は日帰り入浴受け付けている宿がけっこうある。
一戸ICから1つ先のICが九戸ICであり、九戸村の入口の1つである。ここの話は久慈への経路について書いた時に少しだけ書いた。葛巻町、(旧)山形村、軽米町に向かう結節点となる村である。ここの一番の見どころは、二戸の見どころとも言える折爪岳。車で頂上まで登ることが出来て、ここからの眺めが抜群。以前はここまで登ればAFNを聞くことも出来た。さらに7月にはヒメボタルの鑑賞会(要予約・有料)も開かれる。
九戸ICからさらに1つ先が軽米IC。軽米町の入口の1つである。ここの観光資源と言えば以前はフォリストパークという花畑だった(過去形で書いているが今でもしっかり営業している)。最近ここが注目されているのは、マンガハイキュー!!の背景にこの町の市街地の建物が多数採用されていることにある。このこともあって軽米町は軽米高校の文化祭の日(今年は10/18)に合わせて町民体育館を荷物置き場兼コスプレ着替え場所兼バレーボール体験場として解放するくらいのことになっている(なおシューズは持参・ただしバレー技術を磨く必要はないとのこと)。
って何がある? 今度行くことになったけどおすすめを知りたい。 嗜好的なとこで言うと地理、歴史、サブカル的なの好き。魚介グルメやデートスポット的なのにはあまり興味ない。 三...
2年前に青森のおすすめを色々教えてもらった増田です https://anond.hatelabo.jp/20231118174822 前回集まった情報が最高すぎたのでまたおすすめ教えて欲しい。今度は岩手、2泊でうち1泊は盛岡を...
2泊ということは丸1日あるのは1日間だけ。 ということであれば、盛岡は初日と最終日のみにする。盛岡はなんとか半日x2でも回れるけれども、それ以外の場所は往復で丸一日かかること...
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どうやれば文中で太字にできるの?
横だが<b>ボールド</b>でボールドになるよ
ネットでボールドにしなくても頭はボールドなのにね
どういうこと?
詳しい人、ありがとう
いえいえ
学〇員ぽい文章の感じだね 中〇人が翻訳ソフトで書いた感じもある
なんで学芸員と中国人を伏せる必要があるの?
元記事に加えて、文化系におすすめのお店 ●BOOKNERD インディペンデント系書店のはしり。 クレイグ・モド氏の『kissa by kissa』や盛岡出身の歌人、くどうれいんさんの書籍を発行したりも...
目立った産業もなく静かに終わっていく街、もりおか。 観光客が来てくれるのはありがたい。 ありがたいけど、白龍も福田パンも休日には長蛇の列で地元民には縁遠い店になってしまっ...
マイルチャンピオンシップ南部杯で盛岡行くので助かる
一晩経って読み返したら追記しないとなあ、あそこも書くの忘れてたなあ、ということが山ほどあったので岩手の他の場所のこと書く前に追記・補足しておく。 あと、「地元の人が行く...
別段元増田がどうこうって話じゃなくて 2泊3日で札幌、小樽、函館観光したいってのでもキツイのに 襟裳岬とか言われると勝手にやれって思うよね 青森の不老不死温泉とか岩手の遠...
さて、盛岡以外の岩手。 とりあえず花巻周辺から。花巻は宮沢賢治の故郷であり、花巻東高校があることからこれ絡みのスポットもそれなりにある。また周辺の町を合併しているのでそ...
花巻・北上の次はどこにしようか、やっぱり一関と平泉かな。 正直、この地域は「岩手観光」には含まれないことが多い。岩手県ではあるのだけど、仙台に近いので仙台観光のついでで...
ちょっと待った!!! 上げていただいたのはローカル民視点が強すぎる。渋すぎる。年齢層高めむけ。 ライト旅行者なら(レンタカー前提で) 1日目 一ノ関駅 → 厳美渓 → 中...
次は久慈近辺を紹介することにする。花巻(北上)、一関(平泉)と来て、内陸を埋めるなら奥州いくべきなんだろうけどね。 盛岡から久慈に行くにはどう行くかがまず問題。バスだと直行...
長い
次は岩泉について。 たぶん岩泉が一番面白いのは秋、それもこれから1ヶ月くらいのあたり。これは、岩泉が松茸の産地ということにある。夕食付きの宿はどちらも1泊2食1万円くらいの...
さて宮古。 宮古は合併の結果、岩手で一番大きな自治体になっている。全国的にもトップ10に入ったり(市)入らなかったり(市町村)という大きさらしい。合併前のところまで含めて「宮古...
岩手沿岸部を北から紹介していって、順番から言えば次が大槌と釜石なんだけど、そろそろこの辺から気が重くなるのよね。 もっと北のほうから311(東日本大震災)の被災地は存在してい...
で、遠野。 盛岡や花巻あたりから沿岸南部(釜石、大船渡、陸前高田)に行くのに、ほぼ必ず通過するのが遠野である。東日本大震災の時にはボランティアのベースキャンプ的な場所とし...
一旦大迫と紫波を紹介することにする。お前大船渡や陸前高田を紹介することから逃げてるだろうと言われればぐうの音も出ない。言い訳すれば大迫の存在をすっかり忘れていたので指...
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住田町の種山ヶ原から国道397号をちょっと西に行くと奥州市に入る。まあ奥州市観光にこのルートを取る人はたぶんほとんどいない。通る人がいたとしても帰り道だ。奥州市は水沢市、...
北があと2,3エントリ書くくらい残っているが、先に西和賀について紹介しておく。 岩手はいちおう全域が豪雪地帯に指定されているけれど、それほど雪は降らない。まあこれは"隣県と比...
岩手県内陸北部を2つに分けるとすれば、国道4号周辺と国道282号周辺となるだろう。国道282号沿いが八幡平市である。 名前の通り、ここの一番の見どころは八幡平である。八幡平そのも...
盛岡市から始まって、岩手県内全体を項目を分けて説明してきたが、これまでに説明していない自治体が2つある。滝沢市と矢巾町だ。どちらも盛岡市に隣接していて、むしろ盛岡から郊...
久慈。あまちゃんで知られる北部沿岸の町。行事が楽しいところで、 闘牛とか、巨大な創作山車がでる秋祭りがいいのだけれども、秋祭りはちょうど先週終わってしまった。 地理・歴史...
盛岡のテーマソング 松任谷由実「緑の町に舞い降りて」 https://m.youtube.com/watch?v=GT3O6ASmeXI
トラバ、ブクマともどもいろんな情報が集まってなかなか。 東日本大震災に対して特にトラウマとか感じていなければやはり宮古や大船渡の防潮堤を見て欲しい気も。 とんでもない巨...
陸前高田の「奇跡の一本松」 周辺の高田松原津波復興祈念公園一帯もおすすめ 津波で流された後がむちゃくちゃ広い公園になってて、ところどころ震災遺構が残っている
メジャーどころではあるけど アスピーテライン途中の松尾鉱山跡 何もない山の中にいきなり廃墟群が現れるインパクトはすごい
時間が許すなら本州最東端 最北端の大間に行ってるんだから四方端制覇目指そうぜ
三陸鉄道がブコメで挙げられているけど、東北新幹線・北上駅から西側へ向かう北上線の車窓もいいと思う、特にこれからの季節。 和賀仙人から和賀川沿いの渓谷沿いを走るんだけど、...
材木町よ市 よかったよー。 土曜日だけだけど。 https://www.zaimokucho-yoichi.com/
びっくりドンキーの本店
森林破壊して取り付けた太陽光パネル
今年は終わったけど民俗芸能好きには、北上のみちのく芸能まつりをぜひ見てほしいな。
岩手1県で四国4県合計の面積と大体同じ これ県民豆知識な
小岩井農場おすすめ。ひろーいところにぽつぽつと動物がいる(はず。最近言ってないから調べてくれ)農場っていうよりめっちゃ広い公園って感じののどかなところだよ。
https://anond.hatelabo.jp/20250923083751 岩手の挙がってたけど、岩手行かないんだよな
東京
漫画図書館(ただし予約して蔵書も読めるようにしておいた方がいい)
ちなみに、蝦夷である阿弖流為の本拠地は実は盛岡近辺ではなく水沢や平泉あたりである。
ちなみに、蝦夷である阿弖流為の本拠地は実は盛岡近辺ではなく水沢や平泉あたりである。
「新郷村キリストの墓」って言わせようとしてない?
忘れてたなそれ。ありがとう。 ただあんまり人の業の深さ感じない気がして食指動かないんだよなー。近くに何かあったら行くかも
好みからすると十和田湖は合わなそうだな。 三沢基地はどうよ。
奥入瀬
弘前城、白神山地とかは? 酸ヶ湯温泉も青森
本八戸の街並み・奥入瀬渓流・十和田湖・乙女の像・焼山・発荷峠展望台。 秋田県との県境にある小坂高山。 弘前城・五所川原・太宰治記念館。 八甲田山・酸ヶ湯温泉。
下北半島の風間浦村下風呂温泉郷はアンコウとイカと井上靖の小説の舞台になったことで有名なのだが、トラバでもブコメでもまだ挙げられてないことを見るに、俺が思うほどには知ら...
青森市のシュトラウスという喫茶店。ザッハトルテがおいしい。
蔦温泉 吉田拓郎の最大ヒット曲「旅の宿」のモチーフになった温泉旅館
八戸酒造。酒蔵の見学ツアーと試飲ができる。
当方、美術好き。 三内丸山遺跡・青森県立美術館・弘前美術館・十和田市現代美術館は行って、それぞれ文化が違っていて良かった。青森県立は奈良美智もあるけど、シャガールが良か...
津軽地方なら深浦の大イチョウ、弘前公園(イチョウの絨毯)、五所川原市なら立ちねぶたの館・そして近隣にある「みわやのあげたい」。 真ん中のあたりなら電波の入らない・電気も...
既出ですけど恐山境内の温泉は至高ですよね。下北行くなら以下もご検討いただければ幸甚です。 ・冬の下風呂温泉。荒れる津軽海峡を臨む熱い湯と美味い海鮮。 なお、大間からの函...