2024-12-10

「い・き・し・ち・に」がうまく言えない側音化構音を笑う人たち

側音化構音という言葉をご存知だろうか。

この単語を聞いたことがなくとも、その現象体験したことある人は少ないと思う。

「い・き・し・ち・に」などのイ段がうまく発音できずに、口の横から空気漏れるような発音になってしまうことだ。

学生の頃、学年に何人かいなかっただろうか。もしくはあなた自身がそうではなかっただろうか。

本来日本語のイ段は口内を潰して前に空気を押し出すようにして発する。

日本語のイ段は口蓋化という現象も相まって、実は少々難しいのだ。

側音化構音になってしまう人々は、これを習得できずに舌の側面の破裂音を利用して、似たような音を出す。

子供残酷で、これを滑舌が悪いと言ってからかってしまうことが多い。

自分小学校時代に、イ段が苦手な女の子に「シーチキン」と言わせようとする男の子を横目で見ていた。

大人になった時、英語発音改善するために舌の動きについて勉強していた時、その女の子の思い出した。

そしてそれは「側音化構音」という名前があることが分かった。

最近YouTubeを見ていて「月曜から夜更かし」という、一般人面白おかしく取り上げる番組で、顔出しでインタビューに答えるイ段の発音が苦手な女の子の切り抜き動画を観た。

(いうまでもなく違法アップロードである)

番組はイ段の発音が上手にできないことを揶揄していた。はたから見ると彼女はとても明るく振る舞っており、一緒にいた彼女友達もうまく言えないことをゲラゲラと笑っていた。

当然YouTube動画につくコメント面白がるコメントばかりだった。

本人が苦しんでいるか、全く気にしていないのかはこちらには分からないが、自分には学生の時に見た「シーチキンイジメとさほど変わりがないように思えた。

自分はその動画コメント欄に、これには側音化構音という名前がついていること。幼少期に矯正されるべきことだが、大人になってからでも矯正可能なこと。望むなら専門家を頼ってほしい。などと書き込んだ。そして、驚いたことにたくさんのいいねがつき、体験談がコメントに返信される形で集まった。

ここにそのコメントを要約して引用する。

自分も同じだったが、子供の頃自分で気づいてなおした。

・小さい頃に親と特訓した。

高校生の時に気づいて1ヶ月でなおした。みんな諦めないで。

名前が知れて嬉しい。自分も同じで小中学校でよく馬鹿にされていた。ありがとうございます

・息子が同じ発音だったため、5歳の時に専門家を頼りトレーニングして2ヶ月で綺麗に発音できるようになった。

・「ことばの教室」に通っていた。

小学校に専門の先生がいてなおしてくれた。

などだ。自分滑舌の悪さに名前がついていることを知らなかった、ありがとう、というコメントが印象的だった。

やはり命名とは偉大で、名前が分かるだけで漠然とした問題が明確になり、情報を探すことで対策が練れる。

そして、「ことばの教室」という単語複数回出てきた。

自分も知らなかったので、簡単に調べた。

週に数時間自分の在籍する学校や近隣の学校に設置された「ことばの教室」に通い、各々の課題を克服するための場だそうだ。

側音化構音意外にも、吃音や話す聞くにまつわるさまざまな課題を克服したい子どもが通うようだ。

もしあなた学生発音に関することで悩んでいるなら「ことばの教室 + 地名」で検索してほしい。

もしあなた大人発音に関することで悩んでいるなら「言語聴覚士 + 地名」で検索してほしい。

もしあなた発音に関する悩みがないのなら、簡単に人の発音を笑わないでほしい。

自分本音で言うと、イ段がうまく言えないことなんてのは言葉が通じるのであれば、周りが揶揄しなければなんの問題にもならない、矯正する必要なんてないと思う。

しかし、学校仕事場では完全に誰の気にも留まらないと言うのは難しいのかも知れない。それならば、対策を望む人に正しい情報が伝わればいいと思う。

こういう(語弊を恐れずにいうと)些細な問題で、ゲラゲラ馬鹿にするのを見るのは好きではない。

優しい社会であってほしい。

  • おれもそれみた~ おれは普通に喋れるけど、旅先ではわざわざ側音化構音で喋っている 側音化構音は練習したらすぐにできるようになった こども以外に指摘されることはほとんどない ...

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