統合失調症の話題になると、どうも最初から統合失調症という病名だったかのように歴史修正する人ばかりで嫌になるんだよな。
統合失調症という名前になってからも差別され蔑視されているけれど、昔はその比じゃないくらいに酷かったんだよ。
患者やその親族の受診拒否の理由の一つとして、病名による心理的な忌避感情は大きい。
https://www.jspn.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=58
今回の呼称変更は、全国精神障害者家族連合会が日本精神神経学会にその変更を要望したのが契機となった。1993年のことで、「精神が分裂する病気」というのはあまりに人格否定的であって本人にも告げにくい、変えて欲しいという主旨であった。同学会は1995年に小委員会でこの問題を取り上げ、翌年に「Schizophreniaの訳語の歴史」1)をまとめた。そのなかで、schizophreniaを訳出する時に「その訳語が当事者にとって社会的な不利をもたらさない」を原則に加えることや、「病」ではなく「症状群」であることを指摘した。その後、「精神分裂病」という病名自体が当事者の社会参加を阻んでいる可能性に注目し、その侵襲性と病名変更の必要性について調査を始めた。学会員、評議員と当事者へのアンケート調査、総会におけるシンポジウム(札幌、1996;宜野湾、1998)やワークショップ(仙台、2000)を行うとともに、仙台総会の会長講演「精神分裂病はどこまでわかったか」2)では近年の精神医学の進歩に基づいて「精神分裂病」概念を見直して、発症脆弱性でこの病気を規定する医学概念を医療に応用することは回復者の余生に深刻な不利益を生じるので危険であり、医療には臨床症状群で規定した疾病概念を使用すべきことを提唱した。こうした経緯を経て委員会では呼称変更に関する中間報告を1999年に作成し、それを理事会に報告した。2000年に発足した新理事会ではこの問題を重視し、呼称変更のための特別委員会と拡大特別委員会を設置した。その後、家族会アンケート、一般市民からの意見募集、公聴会などを行い、新しい呼称候補を3つに絞った。2001年7月よりこの呼称候補3つに関するアンケートを実施し、同委員会は2002年1月の理事会に「統合失調症」への呼称変更を提案し、理事会が承認し、6月の評議員会でこれを議決し、同年8月の総会で正式に決定した。