Google アナリティクス 4 は、Google AI を使用し、関連するインサイトを明らかにし、消費者の今後の行動予測から購入までの流れを分析し不明点を解明します。行動分析・コンバージョン モデリングとデータドリブン アトリビューションを組み合わせることで、キャンペーン パフォーマンスをより包括的に把握できます。これは、法的規制やプライバシーの状況が変化した場合でも、引き続き機能します。
今後数か月で、生成されたインサイト機能を導入する予定です。この機能は、データの変動要因を簡潔な言葉で説明しレポートを提供します。例えば、「購入」イベントが特定の日付に急増したとしましょう。Google の AI エンジンは、無数のディメンションと指標の組み合わせを処理し、このような急増がなぜ起こっているのかを積極的に解明し、説明してくれます。生成されたインサイトは、まるで同僚が重要なポイントをまとめてくれているかのように、自然で理解しやすい文章で提供されます。
Google アナリティクス 4 は、クロスチャネル キャンペーンのパフォーマンスに関する貴重なインサイトをお客様に提供する予定です。これらはビジネスでより実践的に活用できるようになります。今後数か月以内に Google アナリティクス 4 でベータ版としてクロスチャネル予算設定をリリースし、進行中のメディアをより簡単に最適化し支出を配分できるようにします。このアップデートには、収益などの目標設定に対して、チャネルごとのメディアの進捗状況と予測パフォーマンスを追跡できる「予測レポート」が含まれます。今後もこの機能を拡張していく予定ですので、今後の発表にご期待ください。
耐久性と継続性のある基盤構築
今日の進化する状況において、プライバシーを優先する未来を切り乗り切るために、耐久性のある計測戦略が重要です。今年後半に、サードパーティ Cookie がなくても引き続き視聴者にリーチし、効果的に計測できるよう、一部の Chrome プライバシー サンドボックス API のサポートの展開を開始する予定です。
また、法的規制やプライバシーの変更に対しての耐久性を維持するためにも、Google アナリティクス 4 の拡張コンバージョンは、クロスチャネル コンバージョン アトリビューションのより包括的な全体像を把握するのに役立ちます。ハッシュ化され同意されたファーストパーティ データを既存のコンバージョン タグと組み合わせることで、プライバシーに配慮した方法で他の Google データと照合され、キャンペーンの実際のパフォーマンスをより明確で包括的に把握できるようになります。次に、これらの拡張コンバージョンを簡単に Google 広告に直接送信することでワークフローを効率化し、Google AI を活用して広告のパフォーマンスを向上させます。
サイトやアプリ オーナー様にとって、継続的にユーザーの行動を把握することは、ユーザー エクスペリエンスを向上させるために不可欠です。
今回のアップデートにより導入される「キーイベント」は、これらのサイトやアプリ上の重要な行動分析を正確に測定することが可能になりました。
またコンバージョンは Google 広告のレポートと Google アナリティクス レポートで同様に表示されるようになります。この一貫性をもった測定により、マーケティング担当者が長年悩まされてきた Google 広告とアナリティクス間でのコンバージョン レポートの差異を解消することで、お客様のご要望にお応えすることができました。
分析の精度をサポートする機能向上に加え、直近では Google アナリティクス 4 での拡張コンバージョンについてもリリースしました。ハッシュ化され、同意を得たファーストパーティのユーザー提供データを、既存のコンバージョンタグに追加し、パフォーマンスをより正確に把握できるようになります。また、Google アナリティクス 4 から Google 広告に拡張コンバージョンを送信できるようになり、導入がこれまで以上に簡単になりました。
Google は先日の Google Marketing Live で、キャンペーンの ROI 向上に役立つ AI を活用した分析情報など、Google アナリティクス 4 の新しいサービス イノベーションを紹介しました。
こうした AI を活用したソリューションの一つが、部分的な貢献度をデータドリブン アトリビューションに基づいて Google アナリティクス 4 から Google 広告にインポートできる機能です。たとえば、ユーザーが購入前に 2 つの検索広告、YouTube 広告、ニュースレターをクリックした場合、最終タッチポイントに関係なく、広告の貢献度の一部が Google 広告にインポートされます。つまり、個々の広告の本当の価値に基づいて入札できるため、従来のラストクリック アトリビューションよりもパフォーマンスが向上します。
Google 広告で直接 Google アナリティクス 4 のオーディエンスの作成が可能に
今月から、予測オーディエンスを含む Googleアナリティクス 4 のオーディエンスを Google 広告で直接作成できるようになります。つまり、キャンペーン管理に使用しているツールでオーディエンスを作成できるため、オーディエンス作成を効率よく行うことができます。
Google 広告における Google アナリティクス 4 オーディエンス作成ツール
Google アナリティクス 4 の予測オーディエンスを使うと、パフォーマンスが向上します。例えば、オンライン小売を手がけるドイツの baur は最近、Google 広告キャンペーンで予測オーディエンスを使用しました。購入に至る可能性が高いユーザーで構成されたオーディエンスを使うことで、コンバージョン率を 87% 上昇させました。また同社は、こうしたユーザーの 70% には Google 広告で予測オーディエンスを使用することでリーチが可能になると試算しました。
広告業界は、進化するプライバシーとテクノロジーの状況の下で、測定に対する考え方を見直す必要に迫られています。行動モデリングやコンバージョン モデリングなどの AI を活用したソリューションを使えば、ユーザーのプライバシーを犠牲にすることなく、パフォーマンスを正確に把握することができます。Google は、今後、数か月のうちにウェブ向けプライバシー サンドボックスの API を導入する予定です。Android についても現在同様の統合を検討中です。ウェブ向けについては Protected Audience API
(旧称: FLEDGE)を使用してディスプレイリマーケティングとカスタム オーディエンスのユースケースに対応させ、測定用には Attribution Reporting API との統合を予定しています。
今回、新しい Google アナリティクスで、アプリとウェブサイトを同じものとして計測できるようになり、アプリを使ってユーザーがどんな行動をしているのか、どの程度の売上があるのかがウェブサイトと比較することが容易になりました。これによりアプリに対する投資をどうすべきかの議論を、社内の他部門も巻き込んでより進めやすくなると思っています。これまでも「アプリは大事だ」ということをなんとなく一般論では語ってはいましたが、定量化、ウェブサイトとの比較をやりきれなかった中で、新しい Google アナリティクスの導入活用は非常に大きな一歩です。」
Google アナリティクス 4 での管理画面。ウェブとアプリ(アプリに関しては iOS と Android それぞれの数字)を同一画面、同じ指標で比較できるようになった。
Google アナリティクス 4を活用する際に留意すべきポイントに関しても、小川様に以下のようにご紹介いただきました。
「イベント」単位に統一された計測への対応
「これまでの Google アナリティクスでは「ページビュー」のように独立して扱っていた指標も、Google アナリティクス 4では、ほぼすべて「イベント」単位で取り扱っています。詳細な分析に際して適宜フィルタをかける等の処理が必要となるため、より使用者が Google アナリティクスが取得しているデータの中身の詳細を理解している必要があるように思います。」
新たな分析体制づくり
「様々な新たな仕様、あるいは現状開発途上のため、以前のような使い方ができないこともある Google アナリティクス 4ですが、Looker studio や GCP (Google Cloud Platform) を活用することで幅が広がります。社内でデータを利活用するメンバーのレベルに合わせて、どのツールでどのようにデータに接してもらうかを設計することでよりデータが身近に感じられると考えています。場合によっては体制の見直しなどが必要な場合もありますが、企業側として新しい Google アナリティクスを最大限活用する環境をどのように作るか、社内の人材育成やパートナーのさらなる活用等を改めて深く考える機会と考えています。変化の絶え間ないデジタル活用において、確かな計測は全ての根幹になると考えています。ウェブサイト、アプリがどのような顧客接点になっているのか。Google アナリティクス 4に期待するところは非常に大きく、今後の機能の追加、アップデートを注視していきたいです。」