あんまりではないでしょうか。普天間基地問題に続き、沖縄は鳩山政権から往復ビンタされたようなものです。
川端文科相 策定過程は「適正」 検定意見、自公政権下と変わらず2009年11月19日
【東京】川端達夫文部科学相は18日午前の衆院文部科学委員会で、高校歴史教科書の沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述で日本軍が「強制した」との文言を削除・修正させた2007年の教科書検定意見について「日本軍の関与がなかったという意見ではない」とし、問題がないとの認識を示した。その上で、検定意見が撤回されていない現況を含め「適正に経過していると認識している」と述べ、検定意見と検定意見の策定過程が適正に行われたとの見解を示した。瑞慶覧長敏氏(民主)への答弁。
政権交代後、民主政権がこの問題への明確な見解を示したのは初めてだが、自公政権下の文科省の見解と変わっていない。
検定意見が付された理由について、川端氏は「誤解を招く可能性が一部あるのではないかというのが検定審議過程の有識者の判断として意見書として出された。それに基づき、訂正申請を含め最終的に承認された」と説明した。
同省の高井美穂政務官は「(検定意見は)そのまま生きており有効だ」とした上で、「日本軍の責任や関与を否定する趣旨ではない。軍の命令の有無について断定的な記述を避けるのが適当と判断した」と強調した。(引用ここまで)
教科書検定問題 歴史ゆがめる制度の改善を2009年11月20日
鳩山政権が、またも県民の期待を裏切った。今度は懸案の高校歴史教科書の検定問題だ。
18日の衆院文部科学委員会で、川端達夫文部科学相は「日本軍の関与がなかったという意見ではない」と述べ、検定意見に問題はないとの見解を示した。
軍関与が削除されたまま検定問題を封印する。鳩山政権の歴史認識を問う重大な問題だ。
沖縄戦体験者らの証言も含め、必要ならば現地調査も実施し、軍関与を削除させた検定意見の不当性を徹底的に検証すべきだ。
そもそも自公政権下で鳩山由紀夫首相(当時民主党幹事長)は「日本軍による強制、誘導、関与なしに起こりえなかった」との見解を示していた。
それが政権の座に就くや検定問題自体が存在しないとの見解に転じる。政権交代に検定意見の撤回を期待した多くの県民は、大いにがっかりしたことであろう。
2007年の高校歴史教科書検定問題では、沖縄戦での「集団自決(強制集団死)」の記述をめぐり日本軍が「強制した」との文言を削除・修正させた。
軍関与を否定し沖縄戦の実相をゆがめる行為として県内外に大きな波紋を広げた。県内では検定意見の撤回を求め07年に「9・29県民大会」も開催された。
集団自決をめぐる教科書検定問題では、1980年前半に強制集団死を「集団自決」の形で記述を求めた検定意見に対し、元東京教育大学教授の家永三郎さんが「集団自決も日本軍による犠牲であり、記述することで住民の自発的な行為と誤解される」として「違憲・違法」と訴えた。
結果として家永さんの違憲・違法の主張は認められなかったが、集団自決について裁判所は日本軍の関与を認めた。以降、日本史教科書では「日本軍による集団自決」の記述が定着してきた。
だが、なぜ国は軍の強制を否定するような新たな研究成果や学説がないにもかかわらず、07年の検定では集団自決への「軍の関与」に関する表現の削除を求めたのか。
教科書検定という形で、政治的思惑から国に都合の悪い歴史の改ざんが繰り返されていないか。
この際、鳩山政権は歴史の真実を徹底検証し、特定の思惑による歴史改ざんを許さない教科書発行制度の確立を目指してほしい。
政権発足後100日間はハネムーン期間だと言いますが、まるで結構詐欺、ハネムーン中に離婚の危機か!?
せっかく政権交代したというのに、また一から振り出しに戻らされてしまいました。
川端さんは民主党政権になってすぐに
教科書検定についてはお茶を濁していましたのである程度予想はしていましたが・・。
以前民主党が示していた「(集団強制死は)日本軍による強制、誘導、関与なしに起こりえなかった」との見解からすれば、記述を削除させた検定は間違いという結論以外ないはずです。何故検定結果が妥当だったと追認できるのでしょう。再び自民党のような言いぐさを聞くことになろうとは。
この教科書検定は、あの「作る会」の母体とも言える日本会議に所属する人物を検定委員に加えた上、沖縄戦についての専門家は一人もいない状態で何の議論も行われないままシャンシャンで記述削除が決定したことがわかっています。安倍元総理をはじめとする歴史修正主義者達による歴史を歪曲しようという結論ありきの検定審議会でした。まったくとんだ「有識者」です。
そしてこの検定結果にお墨付きを与えるべく大江岩波訴訟が起こされました。二審とも原告は完膚無きまでに敗訴していますが、それでもまだ川端さんは検定を見直す必要はないと仰います。
昨年9/29には軍命削除の教科書検定の撤回を求める県民大会が開かれ、11万人もの人々が集まりました。この大会には当時の民主党代表代行の管直人氏が出席、「集団自決」の検定やり直しを政府に要求し、超党派で国会決議案を提出したいと言っていたはずです。
それがどうでしょう、この変節は。
この県民大会で、読谷高校の生徒が次のようにスピーチしました。
この記述を無くそうとしている人達は、沖縄戦を体験したおじいおばあが嘘をついていると言いたいのだろうか。わたしたちはおじいおばあから戦争の話を聞いたり戦地を巡ったりして沖縄戦について学んできた。「チビチリガマ」にいた人達や、肉親を失った人達の証言を否定できるのか。
私は将来高校の日本史の教師になりたい。このまま検定意見が通れば、私は事実ではないことを教えなければならない。教科書のたった一文、たった一言かもしれないが、その中には失われた命と二度と戦争を繰り返してはいけないという県民の思いがある。
嘘を真実と言わないで欲しい。
あの醜い戦争を美化しないで欲しい。
たとえ醜くても真実を知りたい、学びたい、そして伝えたい。
川端さん、これにどう答えますか?いつか来た道をまた通れと言いますか?
なお、政府には、強制集団死の検定撤回だけでなく、検定制度そのものの見直しを強く求めたいです。
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