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卒業式に国歌ってそもそもミスマッチじゃないでしょうか?

1/14に東京地裁で根津さんと河原井さんの訴え「君が代不起立停職処分取消訴訟」の最終弁論が、1/19には東京地裁で君が代不起立の元教員の再雇用拒否の判決が、それぞれありました。
http://www.news.janjan.jp/living/0901/0901155443/1.php
http://www.labornetjp.org/news/2009/1232464151801staff01

1/19の君が代不起立再雇用拒否の判決は、不起立の元教員の再雇用拒否は違法とし、都に約210万円の賠償命令を出しましたが、
「事情を一切顧みず、起立しなかったことを過大視した判断は、
合理性を著しく欠き、再雇用への期待を大きく損なった。
しかし、他方で校長の「職務命令」については、
「教職員への特定の思想の強制や禁止には当たらず、
思想・信条の自由を保障した憲法を侵害するとはいえない」

つまり、君が代を歌えと言う職務命令は間違っていないけど、それに反したからといって再雇用しないというのはやり過ぎでしょう、と言っています。
処分が重すぎるのがいけないというだけで、肝心の思想良心の侵害はないとの判断ですから、訴訟では半分勝利というより、東京都にアドバンテージがある感じです。

今回は、君が代強制は思想信条の自由の侵害か、以前の話として、そもそも「なぜ卒業式で国歌?」という素朴な疑問に立ち返ってみることにしました。

セレモニーで歌を歌うときには、シチュエーションというものがあります。そのセレモニーと歌には何らかの合理的な関連があるものです。たとえば結婚式では「乾杯」とか「CAN YOU CELEBRATE?」とかが歌われますね。

国別対抗のスポーツ試合ではそれぞれのチームの国の国歌が歌われます。
これはまあ、わかります。どうしても国対国の戦いという図式になりますから、国を意識する歌(=国歌)は、このシチュエーションには合ってると思います。
それでももちろん歌うのを強制なんかされません。ただ、プログラムの項目に国歌斉唱が入ってる、というだけで、歌いたくない観客はそのままにしてたってとがめられないし、トイレに行ってたって構いません。
フランスのジダンは、マルセイエーズの歌詞が暴力的でイヤ、と言って歌わないそうです(マルセイエーズを歌わない自由http://www.asyura2.com/07/senkyo42/msg/976.html 参照)
もちろん私も君が代は歌いません。

一方、卒業式はどんなセレモニーかというと、学舎からの巣立ちです。
そしたらそれに合う歌と言えば校歌の他には、仰げば尊し・・じゃなくて最近はビリーブとか旅立ちの歌なんかですね。もう感動で涙うるうるモノです。
懐かしい校舎、友達や先生、学校生活との別れ、胸に迫る思い出、そして新しい旅立ち・・・

そこで、です。
なんでこのシチュエーションで「国の歌」なんでしょう?変じゃありませんか?なんでここで「国を意識する」必要があるのでしょう?
卒業というセレモニーでは「母校」を意識することはあっても、「国」なんて意識するシチュエーションじゃない。関係ないじゃないですか。

いつの間にか君が代は卒業式につきものと思いこまされてますが、よくよく考えてみれば全く場違いな歌ですよね?
で、場違いでミスマッチな歌なのに、卒業式に君が代は欠かせないセットという大前提がいつの間にか既成事実でできあがっちゃってる。場違いな歌を監視員までつけて歌わせなきゃならないなんて変すぎませんか?
判決はそこまで踏み込んでるでしょうか?

よく言われる「とにかく規則で決まってるんだから歌うべきだ」「滞りない式次第のために歌えという命令に従うべき」というのは、何故歌うのかの説明に全くなってません。

なんで卒業式で愛国心なんでしょう?
卒業式に愛国心なんて場違いで関係ないモノを持ち出すセンスがどうかしてます。
結婚式で愛国心とか国歌斉唱が場違いなのと同じです。

国歌はもともと卒業式のようなセレモニーに無理に取り入れるような性質の代物ではないんじゃないか。国歌斉唱で愛国心育てるだのと、そんなにいかめしく肩に力入れまくる性質のものじゃないんじゃないか、という根本的な疑問を私は感じるのです。
そこで諸外国の例を見てみました。
文科省HP
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/11/09/990906i.htm
国旗掲揚、国歌斉唱に関する諸外国の判例・事例
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama-col1200.html

上のリンク先を見ていただければわかりますが、やはり行事で歌うことがほとんど無いし、強制もされてません。
そしてやはり、国歌や国旗はそもそもやっきになって歌わせようとか尊敬の対象にせねばとか、特別の意味づけを持たせようとする存在として扱われていないのです。
国歌や国旗は ただ、そこに存在してきた、というだけのものでそれ以上でも以下でもない。
愛情や誇りの対象であっても良いけど決してそれを強いる存在ではない、と思うのです。
特別の意味づけをし、行事で歌うことを強制する日本は特異で異常です。

スポーツの試合の時には君が代斉唱を問題にしないくせに、という反論をよく聞きますが、それは強制されてないからです。
逆に言えば、卒業式で君が代斉唱するなら、どうしてスポーツの試合の時みたいに緩く考えられないのか、ゆるくで良いじゃないか、何故卒業式の時だけ目をつり上げるのか、とも言える はずです。

国歌なんていつでもどこでも歌いたい人間は歌えばいいし、NO!といいたい人間は言えばいい。それが当たり前。大晦日に第九や蛍の光を歌いたい人は歌えばいいのと同じことです。
国歌って、そんなゆるい存在なんじゃないでしょうか。

全体主義国家以外は。


※2017/10/21追記

文科省のサイトが削除されました



なのでこちらのリンクを貼っておきます

●ekesete1のブログ

文科省サイトから消えた資料「諸外国における国旗,国歌の取扱い」
http://blog.livedoor.jp/ekesete1/archives/44217594.html

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もちろん、普通の人間は貧困を望まない。しかし、1%の我々が冨を独占するのは常に簡単なことだ。とても単純だ。99%から今よりもっと搾取して貧しい者をより貧しくするだけでよい。それ以外何もする必要がない。そうすれば、貧しい者は自分より更に立場の弱い者を叩いてわずかな満足を得て、互いに足を引っ張り合うのに夢中になり、我々に怒りを向けることはない。 この方法はどの国でも、ではなく、特に日本において有効だ by豚に支持されている肉屋

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