- 2015-05-22
Illustrator には「選択/共通」という優れた機能があります。
選択 → 共通
これは、現在選択している1つのオブジェクトと共通する、ドキュメント上のオブジェクトを検索し、一気に選択してくれる機能です。グループ化された子オブジェクトも選択対象になります。また、オブジェクトやレイヤーがロックされていたり、非表示になっている場合は無視されます。同種のオブジェクトを一気に選択したいときにとても役立ちます。
大ざっぱに説明すると、
- アピアランス
選択したオブジェクトとアピアランスが同じオブジェクトをすべて選択します。
- アピアランス属性
選択したアピアランス属性(アピアランスパネル内の角丸効果やドロップシャドウ効果など)と同じアピアランス属性が適用されたオブジェクトをすべて選択します。
- 描画モード
選択したオブジェクトと描画モード(乗算やオーバーレイなど)が同じオブジェクトをすべて選択します。
- 塗りと線
選択したオブジェクトと塗りのカラーと線のカラーや幅が同じオブジェクトをすべて選択します。
- カラー (塗り)
選択したオブジェクトと塗りのカラーが同じオブジェクトをすべて選択します。
- 不透明度
選択したオブジェクトと不透明度が同じオブジェクトをすべて選択します。
- カラー (線)
選択したオブジェクトと線のカラーが同じオブジェクトをすべて選択します。
- 線幅
選択したオブジェクトと線幅が同じオブジェクトをすべて選択します。
- グラフィックスタイル
選択したオブジェクトとグラフィックスタイルが同じオブジェクトをすべて選択します。
- シェイプ
選択したオブジェクトが[シェイプ]の場合、シェイプをすべて選択します。
- シンボルインスタンス
選択したオブジェクトとシンボルインスタンスが同じオブジェクトをすべて選択します。
- 一連のリンクブロック
選択したエリアテキストにリンクされているリンクブロックをすべて選択します。
といった感じです。
ただし、アピアランスに複数の塗りや線、効果などを適用していると思うようの動作しないことがあります。例えば、赤い塗りのオブジェクトを選択した状態でカラー (塗り)を実行したとします。このとき、ドキュメント上に塗りが2つ適用されているオブジェクト(赤い塗りと青い塗り)があった場合、この塗りが2つ適用されたオブジェクトが選択されたりされなかったりします。これは塗りが2つ適用されたオブジェクトを編集したときに、赤い塗りと青い塗りのどちらを「最後にアクティブにしていたか」で変わってくるためです。
この辺はややこしいので、挙動を調べて把握しておくと良いと思います。
上記のように一癖ある機能ですが、挙動を把握してしまえば作業効率がグーンとアップします。
でもこれだけじゃ物足りない
デフォルトで提供されている「選択/共通」の機能だけだと物足りないので、三階ラボではオリジナルの選択系スクリプトを常用しています。
また、デフォルトで提供されている「選択/共通」は選択した1つのオブジェクトでしか実行できませんが、オリジナル選択スクリプトはオブジェクトを複数選択していても実行できます。選択した複数のオブジェクトにマッチするものをまとめて一気に選択してくれるのです。
共通テキスト選択スクリプト
- 共通テキスト選択(フォントフェイス)
選択しているテキストと同じフォントフェイスのテキストをすべて選択します。
- 共通テキスト選択(フォントサイズ)
選択しているテキストと同じフォントサイズのテキストをすべて選択します。
- 共通テキスト選択(フォントフェイス&サイズ)
選択しているテキストと同じフォントフェイス&フォントサイズのテキストをすべて選択します。
- 共通テキスト選択(行送り)
選択しているテキストと同じ行送りのテキストをすべて選択します。
共通オブジェクト選択スクリプト
- 共通オブジェクト選択(X座標)
選択しているオブジェクトと同じX座標にあるオブジェクトをすべて選択します。
- 共通オブジェクト選択(Y座標)
選択しているオブジェクトと同じY座標にあるオブジェクトをすべて選択します。
- 共通オブジェクト選択(サイズ)
選択しているオブジェクトと同じサイズのオブジェクトをすべて選択します。
- 共通オブジェクト選択(横幅)
選択しているオブジェクトと同じ横幅のオブジェクトをすべて選択します。
- 共通オブジェクト選択(高さ)
選択しているオブジェクトと同じ高さのオブジェクトをすべて選択します。
地味に高機能な共通オブジェクト選択スクリプト
- 共通オブジェクト(種類&グループ構成)
選択しているオブジェクトと同じ種類(パス、複合パス、テキスト、シンボル等)のオブジェクトを選択します。 もし選択しているオブジェクトがグループの場合、グループ内のオブジェクト構成が同じグループを全て選択します。
これらスクリプトを上手に使いこなせば、Shiftキーを押しながらコチコチとクリックして追加選択する手間を省くことができると思います。