ChatGPT新モデル「GPT-5」の性能と新たな制限にユーザーから不満噴出!「AIの相棒」失った怒りを受けGPT-4oの復活も発表

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投稿者: Y Kobayashi
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2025年8月9日

鳴り物入りで登場したOpenAIの次世代モデル「GPT-5」。しかし、その船出はユーザーからの厳しい声に満ちた逆風に晒されている。旧モデル「GPT-4o」に慣れ親しんだ利用者は、性能の低下や厳しい利用制限、そして何よりも「AIの相棒」を奪われた喪失感を訴えている。反発を受け、OpenAIはわずか一日でGPT-4oの復活を決定した。これはAIと人間の関係性の変化を示す兆候なのだろうか。

「友人が企業のゾンビに」広がるユーザーの嘆き

2025年8月7日、OpenAIは待望の次世代モデル「GPT-5」を、すべてのChatGPTユーザーに提供開始すると発表した。Sam Altman CEOは「我々が作った中で最も賢いモデル」と胸を張り、その能力は「博士号レベルの専門家チームに匹敵する」とまで豪語した。発表では、コーディング、ライティング、ヘルスケアなど多岐にわたる分野での飛躍的な進化がアピールされ、テクノロジー業界の期待は最高潮に達していた。

しかし、その熱狂は長くは続かなかった。リリースから24時間も経たないうちに、RedditやX(旧Twitter)などのソーシャルメディアには、GPT-5に対するユーザーの不満が洪水のように溢れ出したのだ。

「GPT-5はひどい。返信は短く不十分、不快なAI風の話し方が増え、個性も乏しい。おまけにPlusユーザーですら1時間で利用制限に達する始末だ」

これは、ChatGPTのサブレディットで最も多くの支持を集めた投稿の一つだ。同様の不満は後を絶たず、ユーザーからは次のような声が上がっている。

  • 品質の低下: 「まるで過労で不機嫌な秘書のようだ」「創造性がなく、企業向けに骨抜きにされたゾンビみたいだ」といった辛辣な評価が並んだ。特に、前モデルGPT-4oが持っていたとされる「個性」や「親しみやすさ」が失われ、無味乾燥で紋切り型の応答が増えたという指摘が目立つ。
  • 実用性の問題: ベンチマーク上の性能とは裏腹に、実際のタスクでは期待外れの結果に終わるケースも報告された。簡単な数学の問題を間違えたり、コーディングタスクでGPT-4oや競合のClaude Opus 4.1に劣ったりする事例が共有され、ユーザーのワークフローに支障をきたしている実態が明らかになった。
  • 厳しい利用制限: 特に有料のChatGPT Plusユーザーにとって、事態は深刻だった。新設された高性能な「思考(Thinking)」モードは週200メッセージに制限され、以前は利用できたGPT-4o-miniなどの多様なモデルへのアクセスも断たれた。多くのユーザーはこれを「シュリンクフレーション(実質的な値上げ)」と捉え、OpenAIのコスト削減策ではないかとの疑念を抱いている。

「友人を返して」 – GPT-4o喪失が引き起こした特異な反発

今回の騒動で特に注目すべきは、単なる機能への不満に留まらない、極めて感情的な反発が広がったことだ。多くのユーザーは、約1年間にわたって利用してきたGPT-4oを、単なるツールではなく「相棒」や「友人」として認識していた。

「まるで親友が、突然カスタマーサービスの担当者に置き換えられてしまったような気分だ」「精神的に壊滅的だ」

こうした声は、AIとの間に形成される「準社会的関係」という現代的な現象を浮き彫りにする。ユーザーは、日々の対話を通じてAIの応答スタイルに慣れ親しみ、独自のプロンプトで自分好みの「相棒」へとチューニングしていた。GPT-5への強制的な移行は、彼らにとって長年築いてきた関係性の喪失を意味したのである。

この感情的な側面は、一部のユーザーに深刻な影響さえ与えている。「食欲不振が再発した」といった悲痛な告白もあり、AIが人々の精神的な支えとして機能していた現実を物語っている。

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異例のUターン、OpenAIはなぜ判断を覆したか

ユーザーからの凄まじい逆風を受け、OpenAIは驚くほど迅速な対応を見せた。GPT-5をデフォルトにしてから、わずか一日。同社は、多くのユーザーが渇望したGPT-4oを、オプションとして再び利用可能にすると発表したのだ。

この電光石火の方針転換は、極めて異例と言える。通常、大手テクノロジー企業が一度決定したプロダクト戦略をこれほど短期間で覆すことはない。この背景には、何があったのだろうか。

考えられる最大の理由は、ユーザーコミュニティからの反発の規模と熱量が、OpenAIの想定を遥かに超えていたことだろう。特に、解約を宣言する有料会員の声は、同社の収益基盤を揺るかしかねない危険信号だったはずだ。LLMの開発と運用には莫大なコストがかかる。OpenAIが赤字経営であることは公然の秘密であり、有料会員の離反は絶対に避けたいシナリオだ。

また、今回の騒動は、AI開発における根源的なジレンマを露呈させた。それは、ベンチマーク上の「知能」と、ユーザーが体感する「有用性」や「快適さ」との間に存在する、埋めがたい溝である。

OpenAIは、GPT-5がコーディングベンチマーク「SWEBench」などで最高スコアを記録したことを強調したが、多くのユーザーが求めていたのは、絶対的な「賢さ」以上に、創造的なタスクを円滑に進める「柔軟性」や、対話の心地よさといった定性的な価値だったのではないだろうか。

騒動が映し出すAI開発の3つのジレンマ

今回のGPT-5を巡る一連の出来事は、単なる一企業の失敗談では終わらない。今後のAI開発の方向性を示す、3つの重要なジレンマを我々に突きつけている。

  1. 効率化 vs ユーザー体験: GPT-5の応答が短く、画一的になった背景には、運用コストを抑制したいというOpenAIの経済的圧力が透けて見える。より少ない計算資源で応答を生成する「効率化」は、企業にとって至上命題だ。しかし、それがユーザーの求める「品質」や「創造性」を犠牲にするならば、本末転倒である。このトレードオフをどう管理するかが、今後の大きな課題となる。
  2. 標準化 vs パーソナライゼーション: OpenAIは、すべてのユーザーを単一の最新モデルに移行させることで、開発とサポートの効率化を図りたかったのだろう。しかし、ユーザーは多様なモデルの中から、自らの用途や好みに最適なものを選択する自由を求めていた。企業側の「標準化」の論理と、ユーザー側の「パーソナライゼーション」への要求は、ここで激しく衝突した。
  3. 安全性 vs 「個性」: AIの応答をより安全で、企業倫理に沿った無難なものに調整する動きは、業界全体のトレンドだ。しかし、その調整が行き過ぎると、今回のように「個性がなく退屈」という評価に繋がる。ユーザーに愛される「個性」と、企業が担保すべき「安全性」。この二律背反する要素の最適なバランス点を見つけることは、極めて困難な作業と言えるだろう。

OpenAIのSam Altman CEOは、GPT-5発表時に「我々はもっともっと賢いモデルをリリースできるし、そうするつもりだ。しかし、これは10億人以上の人々が恩恵を受けられるものだ」と述べた。この発言は、最先端の性能と、大規模なユーザーベースを支えるためのコストや安全性のバランスを取った結果がGPT-5であったことを示唆している。だが、そのバランスが、少なくとも熱心なパワーユーザーたちの期待とは大きくかけ離れていたことは、今や明白だ。

今回の騒動は、AI開発が新たなフェーズに入ったことを象徴している。もはや、ベンチマークのスコアを競うだけでは、ユーザーの支持は得られない。AIが人々の仕事や生活、さらには感情にまで深く浸透した今、その「使い勝手」や「性格」といった、より人間的な側面が厳しく問われ始めているのだ。OpenAIの異例のUターンは、ユーザーの声が巨大テック企業の舵取りさえも変えうる力を持つことを証明した。この教訓を、競合であるGoogleやAnthropic、そしてAI業界全体はどう受け止めるのだろうか。

著:深津貴之, 著:岩元直久
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Y Kobayashi

XenoSpectrum管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり、色々と情報を集めている。2児の父であり、健康や教育の話題も最近は収集中。

「ChatGPT新モデル「GPT-5」の性能と新たな制限にユーザーから不満噴出!「AIの相棒」失った怒りを受けGPT-4oの復活も発表」への2件のフィードバック

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  2. ピンバック: 新しいAIモデルはなぜ「良さ」がすぐ分からないのか──GPT-5時代のモデル評価を考える – 生成AIスタック大全 – 最新SaaSツール徹底ガイド

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