セ・リーグがついに27年シーズンから指名打者(DH)制度を導入する。

4日のセ・リーグ理事会で全会一致で正式決定した。1975年(昭50)にパ・リーグが先んじて採用して以来、投手も打席に立つ9人野球の伝統を守り続けてきたが、国内の高校、大学野球が相次いでDH制導入を発表する中、制度の統一と国際化の流れを受けて方針転換。プロ野球界の大きな節目を迎えることになった。

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◆解説 DH制導入の議論が始まってから約10年。かたくなに「9人野球」を守り続けてきた広島、阪神が首を縦に振ったことで、セ・リーグ全体が大きくかじを切った。

これまでDH制導入を巡る議論は幾度となく繰り返されてきた。阪神は、岡田彰布前監督が23年1月の監督会議でDH制に反対の姿勢を示したように、リーグの伝統や戦術に重きを置いてきた。岡田前監督は「DH制は監督が楽すぎる。継投の中で打順をいじったり打順をシャッフルしたり。ピッチャーが回ってくるとか回ってこないとか、そういうのが野球の醍醐味(だいごみ)」と話していた。

広島はアマ球界への影響を懸念していた。その広島の鈴木清明球団本部長が、「高校野球まで踏み切った段階では、我々も決断すべきと考えた」と会見で語ったのは象徴的だった。最も保守的だった高校野球がDH制を採用した事実が、逆に広島の背中を押した。

アマ球界や国際大会との整合性を考えたとき、その姿勢は次第に現実から乖離(かいり)していった。「9人野球」という伝統に区切りをつけ、培ってきたセ・リーグならではの野球の妙味がどう進化するのか楽しみだ。【NPB担当・鳥谷越直子】

セ・リーグ27年からDH制導入、理事会で正式決定 制度統一と国際化の流れ受け方針転換