実際のところ、かなり多くのビジネスマンが机の上の整理について頭を悩ませているのではないかと思います。「整理術」のたぐいの書籍が次から次へと登場するのはその証拠。しかし率直にいって、それらはほとんどがおもしろくありません。なぜなら、たいていが真面目に整理術を説いているから。
その点、『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』(リズ・ダベンポート著、平石律子訳)は異質かもしれません。なぜなら、強い口調で説いていても、それはどこかコミカルだから。例えば、以下のような感じです。
- 「覚えてはいないが、どこかにメモしてある」というやり方から抜け出さなければ、ストレスはたまるばかりだ。(15ページ)
- 仕事を中断させる事柄のうち、本当に対応する価値のあるものはわずか十五パーセントしかない。(19ページ)
- わたしたちは放っておくと、ファイルや引き出しや本棚の中身を一切捨てようとしない。(22ページ)
- 必要なときに見つからないようなものなど、ないのも同然。(27ページ)
ここまでズバズバと断定されると、逆に心地いいくらいではありませんか。ですからきっと、本書を読めば「整理する」ということについての価値観に変化がもたらされると思います。なかでもおすすめなのが、「デスクトップをコックピットにする」という項目。ここで説明されているのは、「効果的な環境を整える」ための術です。
1.オフィス内の配置(55ページより)
オフィスワーカーにとってもっとも効率のいい環境には、次の4つが必要だそうです。
- 3メートル×3メートル以上の広さがあること
- 閉めきれるドアがあること
- 鳴らないように切っておける電話があること
- 最低2.7メートル以上の、空いたデスクスペースがあること(つまり、コンピュータも電話もランプも、何も置かれていないデスクスペース)
また、いちばん効率的なデスクの配置はU字型だそうです。そうすれば、1時間以上かかる「仕事」と、絶え間なく入ってくるが素早くすむ「割り込み作業」を両立できるからなのだとか。
2.デスクに空きスペースをつくる(58ページより)
税務書類を書くとき、大きな仕事を自宅でするとき、キッチンに直行し、テーブルに載っているものを全部片づけたうえで、自分の仕事を広げるのでは(と、著者はかなり強引に同意を求めます)。つまり、仕事をするのには可能な限り平らなスペースが必要で、不要なものをちらかしておくゆとりはないということです。
3.集中できる環境をつくる(59ページより)
集中してやれば1時間で済む仕事も、中断されることで平均4時間もかかってしまうそうです。中断されると、生産性が一気に落ちるわけですね。そこで、
- 電話をだれか他の人への転送モードにしておくか、コール音のボリュームをゼロにし、留守番電話に切り替えておく。
- 会議室や使われていない部屋、または自宅など、もっと静かなところへ移動して仕事をする。
- オフィスでヘッドフォンをつけてもかまわないなら、集中力を上げるためのサウンド・テープやCDなどが売られているので、試してみよう。周囲の雑音を遮断してくれるので、私のようにすぐ気が散る人間にはとても有効だ。
(60ページより)
真面目なようでもあり、冗談のようでもある本書。しかし、解釈次第でいくらでもプラスに転じることができそうだということは事実です。楽しみながらできるところを実践していくためには、とても有効な書籍だと思います。
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(印南敦史)






















