
- AI関連コストが急増し、利用者が爆発的に増加するなか、OpenAIはChatGPTの「無制限(使い放題)」プランを廃止する可能性がある、と同社責任者が語った。
- 彼は「料金体系が大きく変わらない世界などあり得ない」と述べた。
- AIシステムがより多くの計算能力を必要とするようになるにつれ、一部のテック企業は自社の課金モデルの見直しを迫られている。
ChatGPTの現在の課金モデルは、長くは続かない可能性がある。
OpenAIのChatGPT責任者ニック・ターリー(Nick Turley)氏は、同社のAI製品の料金体系を変更する方針であることを明かし、最終的に「使い放題」のサブスクリプション(定額制)がなくなる可能性を示唆した。
「テクノロジーがこれほど急速に変化しているときに、料金体系が大きく変わらない世界などありえない」
ターリー氏は3月15日、ポッドキャスト番組「Bg2 Pod」で、有望テック企業への投資で知られるアルティメーター(Altimeter)のパートナー、アプールヴ・アグラワル(Apoorv Agrawal)氏に対し、そう語った。
ターリー氏によると、同社の大規模言語モデル(LLM)は当初、1カ月後には終了する予定の「一時的なデモ」として公開されたものだという。しかし、それが瞬く間に拡散し、ユーザーから熱狂的な支持を受けたことで、同社はすぐにこれが本格的な製品として展開できることに気づいた、と彼は明かした。
サブスクリプションを取り入れたのは、殺到する需要を管理するためだったという。
ChatGPTは現在、利用制限つきの無料版に加え、利用上限を緩和した月額20ドル(3180円、1ドル=159円)の「Plus」、高速でしかもプロンプトを無制限で利用できる月額200ドル(3万1800円)の「Pro」といった有料プランも提供している。
「成り行きでサブスクリプションになった」とターリー氏は振り返り、このモデルが、処理能力の限界という制約を解決するための「偶然」の産物だったと説明した。

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AIが既存の課金モデルを破壊している
AIの性能が急速に向上し、より多くの計算能力を必要とするようになっていることで、従来のサブスクリプションモデルは岐路に立たされている。
「いまの時代に使い放題プランを提供することは、電気を使い放題にするようなものかもしれない」とターリー氏は言う。「それはまったく合理的じゃない」。
この変化は、OpenAIのCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏が先週語った見解とも一致する。アルトマン氏は、AI需要が急増するなか「AIは電気のように、使った分だけ課金する従量制で販売されるようになる可能性がある」と発言していた。大手テック企業は今年、急増するAI需要に応えるため、AIコンピューティングに数千億ドル規模の投資を行う見通しだ。
そうした状況を受け、OpenAIはAIへのアクセス拡大を維持しつつ、利用量に応じた料金体系をどのように構築すべきかを模索している。
ターリー氏は「私たちの最大の目標は、アクセスの拡大だ」と強調。サブスクリプション料金を支払えないユーザーにリーチする手段として、今年2月に始まった広告の試験的導入などを挙げた。
「当然のことだが、料金プランをどう進化させていくかについては極めて慎重に検討したい」とターリー氏は述べ、こう続けた。「私たちが成し遂げた技術的ブレークスルーの規模と深さ、そしてそれに続く製品のブレイクスルーを考えれば、もし料金体系が変わらないのだとしたら、そのほうが驚きだ」。
マイクロソフトなど他社も見直し中
このOpenAIの動きは、業界全体に広がる料金体系見直しの流れを反映している。
2025年11月に公開されたポッドキャスト番組「Dwarkesh Podcast」のあるエピソードで、マイクロソフト(Microsoft)のCEO、サティア・ナデラ(Satya Nadella)氏は、AIが同僚のような存在として機能するようになったことで、ユーザー単位ではなく「エージェント単位」で課金する方法を社内で検討していると語っていた。
一方、アンスロピック(Anthropic)、グーグル(Google)といったクラウドやAIモデルのプロバイダーは、法人向けサービスの多くで、トークン単位の従量課金制(ユーザーが入力したテキスト量とAIが回答したテキスト量の合計に応じた課金)を採用している。
さらに、ITコンサルティング大手グローバント(Globant)のような、AI関連サービスやコンサルティングを提供する企業でさえ、収益を労働時間ではなく実際の利用量と連動させるため、トークンのまとめ買いパックや、毎月一定のトークンを割り当てたサブスクリプション「AI Pods」といった新たなプランを試験的に導入している。













