南太平洋の島国ナウル、国名を「ナオエロ」に変更へ 植民地時代の過去と決別
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【5月13日 AFP】南太平洋の島国ナウルは12日、国名を現在の「ナウル共和国」からナウル語呼称の「ナオエロ共和国」に変更する憲法改正の是非を問う国民投票を実施すると発表した。ナウルという国名は、「外国語」が現地の言語をゆがめた植民地時代の遺物とされる。
デービッド・アデアン大統領は12日夜の声明で、「わが国の伝統、言語、そしてアイデンティティーをより忠実に反映する」のが目的だと説明した。
ナウルで話されている言語は「ナウル語(ドレリン・ナオエロ、Dorerin Naoero)」で、国民約1万人の大多数が話す。
政府は経緯について、「外国人がナオエロと正しく発音できなかったため、便宜的にナウルという名称に変更された」とし、「国民の意思」に基づく名称変更ではなかったと説明。
「今回の名称変更は、航空機や船舶の名称から、国連などの国際機関や地域機関における公式表記、公文書、国家象徴に至るまで国内全体に反映される」としている。
国名変更には憲法改正が必要となるため、政府はその是非を問う国民投票を実施しなければならない。
ナウルは1888年にドイツ領となった。
第1次世界大戦中の1914年にオーストラリアに占領され、戦後の1920年、英国・オーストラリア・ニュージーランドの3国を施政国として国際連盟の委任統治領となった。
第2次世界大戦中の1942年に日本に占領され、戦後の1947年、再び英国・オーストラリア・ニュージーランドの3国を施政国として国連の信託統治領となった。
1968年1月31日に独立した。
ナウルの面積は約21平方キロ。バチカン、モナコに次ぎ世界で3番目の面積の小さい独立国だ。
世界銀行の最近の評価によると、ナウルは気候変動に対して特に脆弱(ぜいじゃく)で、高い失業率と健康問題を抱えている。
ナウルはかつて、肥料の主要原料となる高純度のリン鉱石が豊富に埋蔵されていたため、一人当たりの所得で世界有数の富裕国だった。
だが、リン鉱石は既に枯渇した上、採掘による環境破壊で国土の80%が居住不可能になっているとされる。(c)AFP