子ども受け入れる医師絶滅した…韓国「分娩室たらい回し」繰り返される理由
最近出産が迫った妊婦が分娩する病院に行けず妊婦と胎児の安全が脅かされる事例が繰り返されている。高齢妊婦と多胎児出産など高リスク分娩が増加する傾向であるだけにこれに伴う対策が至急だとの指摘が出ている。 ◇高リスク妊婦増えるのに…受け入れ医師は不足 韓国保健福祉部と消防庁などによると、忠清北道清州(チュンチョンブクド・チョンジュ)で1日に妊婦が早産の症状を見せたが救急分娩する病院が見つからずヘリコプターで釜山(プサン)まで搬送されたが胎児は死亡した。2月には大邱(テグ)で早産の症状を見せた双子を身ごもった妊婦が搬送先の病院が見つからないまま4時間ほどたらい回しにされた末に京畿道盆唐(キョンギド・プンダン)に運ばれたが、子ども1人が死亡し、もう1人は脳に損傷が残った。妊婦を受け入れられなかった地域病院は専門医の不在などを理由にしたという。 高リスク妊婦の増加は高リスク分娩を増やす主要因と指摘される。国家データ処によると、韓国の平均出産年齢は2015年の32.2歳から2025年には33.8歳に高まった。35歳以上の高齢妊婦の割合は同じ期間に23.9%から37.3%に13.4ポイント増えた。これに伴い、妊娠37週未満の早産率も毎年増加し2024年には10.2%を記録した。妊婦の高齢化に合わせ試験管手術が拡大し多胎児出生の割合は5.7%を占めるなど高リスク分娩は増加する傾向だ。 問題はこのような需要に対応する産科・新生児専門医が不足していることだ。大韓産婦人科学会によると、産科専門医は2004年の259人から2023年には103人と半分以下に減った。専門医の予備人材である産婦人科専攻医は昨年11月基準345人で、補充率は41%にとどまった。このうち76.5%の264人はソウルと京畿道地域に集まっている。 大学病院で高リスク妊婦と胎児の診療の責任を負う産科(母体胎児医学)教授の状況はさらに深刻だ。大韓産婦人科学会が2024年9月に高リスク妊婦診療が行われる全国の大学病院65カ所の産科専門医111人を対象に実施したアンケート調査によると、高リスク妊婦の診療を主に担当する医師が1人だけの所は23.1%の15カ所となった。済州(チェジュ)では最初から担当医師がいなかった。 産後出血など妊婦の夜間・救急診療に向けた当直産科医師がいないと答えた病院は85%の55カ所に達した。今回の事故と関連し同地域の母子医療センターである忠北大学病院も産科専門医が1人だけで夜間と休日の対応が難しかったという。 産科だけでなく新生児を担当する医師も十分でない。大韓小児青少年科学会によると、新生児重症患者室(NICU)で高リスク新生児を専従治療する専門医は2020~2025年の5年間で74人が輩出されるのにとどまった。小児青少年科専攻医志願率は2024年基準で2.4%にすぎない。 これら学会は事実上忌避される科に転落した産科・小児青少年科の労働力難解消に向け「破格な診療報酬改善と適切な補償、医療訴訟での保護など多角的な対策準備が急がれる」という立場だ。 保健福祉部は来月から妊婦・新生児を転院たり移送する病院の医療人材と装備などの資源をリアルタイムで把握し、迅速な病院選定を可能にする情報システムを運営する計画だ。 これと関連し、金民錫(キム・ミンソク)首相は4日にSNSを通じ「産科・小児科専門医不足で国民が体験する不安と不便を考えれば苦しく残念な心情。人材の偏りがなく地域医療が共生できる韓国式母子専門病院モデルを作っていきたい」と明らかにした。
