見出し画像

『英語のハノン フレーズ編』をコンプリートした英語コーチの僕が伝えたい!英語のハノンの学習法とフレーズ編との正しい向き合い方

2024年8月から始めた『英語のハノン フレーズ編』ついにというか、やっと全20Unitを終えることができました。

本書で使用する音源は全部で180収録されていますので、一日一ドリルを進めて早ければ半年、遅くとも1年くらいで終わるだろう…と目論んでいたフレーズ編でしたが気づけば1年以上かかってしまっていました。

その理由は後述しますが…、本記事では以下の目次にある事柄について、41歳からの学び直し英語で

英語学習歴10年・英語コーチ歴5年、英検®︎一級/TOEIC®︎935点

の僕が感じたことを縷々述べていきたいと思っています。

10,000語を超える長い記事ですので、できればお時間のある時に、じっくりとお読みいただけると幸いです。


なお、この記事の公開にあたって、有料記事であるこちらのマガジン内の全記事を期間限定で無料で公開させていただいております。

『英語のハノン』を使って英語力を伸ばしていきたい!と願うみなさん、本記事と併せてご参考になさってください。

1.英音法と英語のハノン

英語のハノンを進めていく上で大切なのが、そして多くの先生方があまり語らない大切な要素が「英音法」に関することです。

僕は英語コーチとして、「正しい英語発音に関する知識がある程度ない方は英語のハノンをやってはいけない!」とすら思っています。効果が半減するどころか、「ポーズ内に収まりさえすればなんでもオッケー!」な姿勢では発音やイントネーションに妙な癖がついてしまい、逆に聞き取ってもらいにくい英語になってしまう恐れがあるからです。

すべての英語発音とまではいかなくても、最低限度としてリンキングやフラッピングなどの「音声変化」についてはマスターしてから望むのが吉です。「英語のハノン 初級」ドリルの導入前にある「英音法」のチャプターを完コピしてから望んでも、決して遅くはないでしょう。

英語発音や英音法の独学はお勧めしませんが(理由は後述)、独習されるなら必ず音源を使って練習している自分の音をセットで聞き直してコピーするようにしましょう。自分ではできていると思っていても、実は全然英語の音声変化を再現できていない、ケースは英語コーチをやっていると日常茶飯事です。

英語初・中級者の方に至っては、完全に違う音で発音してしまっているにもかかわらず、ご自身で録音された音源を客観的に聞いてもなお、ネイティブの発音とご自身のジャパングリッシュとの違いに耳が全く至らない…というケースが散見されます。

音を聞き、真似ている自分の英語発音を聞く、というのは発音練習において必須です。ご自身の声を録音して聞くのはある種の苦行であるというのはよく存じ上げていますが、僕もそのようにして自分の発音を磨いてきましたし、英語ができるようになった人というのは多かれ少なかれこの学習をやっています。

自分の現実から目を(耳を)背けず向き合いましょう。

2.難易度的には「初級編」と「中級編」のちょうど中間

『英語のハノンフレーズ編』の難易度についてです。

まず本書に収録されている「ドリル」ですが、お手本が話す「スピード」は初級編と同じくらいです。比較的回しやすいスピードと言えるはずです。

ただし前述の通り、英音法はしっかりとネイティブのそれを踏襲しており比較的容赦ありません。『英語のハノン中級』ほどの容赦のなさではありませんが、それでもリンキングやリダクションは当たり前に出現します。

お手本の話すスピードは並でも、英音法に関する知識がなく、実際にリンキングを口にすることもできない人にとっては「早い」と感じられるはずです。これも「初級」と同じ。

では何が「フレーズ編」を「初級」と分け隔てているかと言いますと「文法事項」「ドリルの一文の長さ」と「各Unit冒頭のDialog」です。

a.文法事項

『英語のハノン初級』では、第1文型〜第5文型のプラクティスに始まって、wh疑問文→受動態→現在完了→不定詞と、非常に美しい「中学文法のトレース」ともいうべき順序でUnitが並んでいます。

ここに過去形や助動詞の使い方といった横糸が加わり、各ドリルを非常に多彩で学習効果の高い、美しいものにしています。

当然ですがこれらは審美的な美しさを追求しているのではなく、まさに「英語が話せるようになるための脳の使い方」を体に染み込ませるための、極めて合理的かつ実用的な編成です(この質実剛健性を持って「美しい」といっても差し支えないと思いますが)。

ところが「フレーズ編」は、冒頭の「はじめに」に記されている通り、よく使われる英語表現をチャンクで覚えて表現できるようになろう!という意図で編集されています。つまり文法事項の理解の前にまず口に馴染ませてしまう、これがフレーズ編の意図するところ(のはず)です。

これは賛否両論・好き嫌いが分かれるところだと思います。先にきっちりと文法事項を固めてから口語表現を身につけていきたい方はまず「初級/中級」あたりを終わらせてから「フレーズ編」に取り組むと理解が深まります。

逆に「英語は習うより慣れろ!」的な方は「フレーズ編」から先に始めてみるのもいいでしょう。文法学習があまり好きではないという方もこちらに入ると思いますけど、文法が嫌いな方は「単語の並びでなんとなく意味を推測する」みたいな我流の変な英語の癖がついているケースが多いので、せめて「初級」は終わらせてからフレーズ編に進むのがおすすめです。

英語コーチとしても、その方が長い目で見た時の伸び方は早いと思います。

b.ドリルの一文の長さ

「初級編」では、最初のうちはあまり複雑な文章は出てきません。というか復文すら出てきません。

復文は「中級」以降に出現する文法事項です。しかしながら「フレーズ編」ではこれが結構出現します。

複文のパターンプラクティスを難しいものにするのは「リテンションの効きにくさ」です。英文が長くなるせいで、文章を一時的に短期記憶に保持しておくことが初級のドリルに比べて難しい。これが「フレーズ編」が「初級」に比べてやや難易度が高くなる理由の一つです。

英語上級者、英検1級/TOEIC®︎900点以上の方はある程度この「リテンション」が効く人たちなので「フレーズ編」には特別な難しさを感じることはないかもしれません。

c.各Unit冒頭のDialog

さて問題は、この「フレーズ編」で新しく導入された各Unit冒頭のDialogたちです。

これをどのように扱うかについては、学習者のレベルや英語を使う目的に応じた取り組み方があると思っています。その辺りはこの後の 3.「Dialog」攻略法で取り上げてみたいと思います。

3.「Dialog」攻略法

さて、非常にコントロバーシャルなのが本書の大きな特徴の一つである「Dialog」です。

「英語のハノン 」のパターンプラクティスにすっかり慣れてしまった人にとって、この「Dialog」の存在は非常に違和感があるはずです。

余談ですが、以前コーチングで「英語のハノン中級」を一緒にコンプリートしてくださった方から「『フレーズ編』のダイアログって、とりあえず無視して進めてもいいですか?」というご質問をいただいたことがありました。こちらの記事を公開した後だったと記憶しています。

それから「先に各Unitのドリルに取り組んで、それからDialogを仕上げるのはどうか?」というご質問も、別のクライエントさん複数名からいただいたこともあります。Unit1ドリル→Unit1ダイアログ→Unit2ドリル→…と言うことですね。

結論から言うと「どっちでもいい」です。

ただし「やらない」は無しです。だってさっきも書きましたけど、「自然な会話表現を学ぶ」のが「フレーズ編」の醍醐味なんですよ?そのリアルな会話表現が実際に提示されていて、その練習用に4つの音源まで用意されているこの「Dialog」のセクションを実施しないなんて、カツ丼を頼んで上の豚カツだけ食べているようなもんです。あるいはトンカツを頼んでその衣を剥いでトンテキだけ食べるみたいな。

そんなのもったいないったらありゃしません(例えが稚拙でごめんなさい)し、そもそも本書で得られるはずの効果が半減します。

ダイアログをやらないんなら、そもそも「フレーズ編」をやる意味はあまりありません。それだと「英語ではこんな時こういう」的なトリヴァルな知識を水平方向に拡大していくだけなので、ドリルをする意味も半減します。それなら別の本を買った方がいいです。そう言うのいっぱい載ってるやつ。

ではどんなふうに「Dialog」に取り組むべきか?について以下に挙げてみます。ちなみにこちらは僕の記事や学習のご提案の御多分に洩れず「自分がやってみて感じた」ことです(自分がやったことのない学習については基本的に語るのをよしとしないポリシーでお仕事させていただいています)。

a.ダイアログ(会話)形式のドリルと思って取り組む

一つ目は「ダイアログ」を会話形式のドリルとみなして取り組むことです。音源で言うと、各UnitのDialog音源2-4番目のトラックを使った練習をメインに据えるということ。最初のトラック1は全体像を掴むためのリスニング専用です。

いわば本書の指示通りのオーソドックスな実施方法です。

最初は開本で実施し、その後本を閉じてリテンション能力を効かせながらポーズ内に収まるように発話を完了すると言うのもハノンのやり方と同じです。ドリルと違うのは「パターンプラクティス」になっていない、と言う点のみ。

覚える→アウトプットの流れだけで言えば、ダイアログの方がより長い文章を一時記憶に保持する(リテンションする)必要があります。

僕がこれまでの記事で何度も言及している通り、「英語のハノン」の1番の肝は「リテンション能力の向上を通じて英語力全般の底上げを図る」ことです。スキルとしての英語4技能は「短期記憶に一度に保持できる英文の量の多寡」によって規定されます。

どれだけ英語の文法や語彙をたくさん知っていても、この「リテンション能力」が低い人は英語を話すことができません。これが「TOEIC®︎900点あるのに/英検®︎一級なのに」話せない人の正体です。リテンション力を鍛える機会がなかったんでしょう(書いてあるものを中心に学習することの弊害もここにあります)。

時間をかければいくらでも想起できる知識も、瞬発力が必要な英会話では、「短期記憶にさっと入れてさっと取り出す」力がないとまさに宝の持ち腐れとなります。これを可能にするのがリテンション力なんです。

そしてドリルとダイアログ、双方からこのリテンション能力の向上にアプローチできるのが本書なんです。やらない手はないと思いませんか?

b.シャドーイング素材として

音源2-4でリテンション能力をUPさせるのはわかった、では各ダイアログの「1」の音源は聞き流すだけでいいのか?という方もいらっしゃるでしょう。

これは「お好みで」でいいと思います。けど、僕は大体1回聞けば話の流れはわかりますし、このくらいのスピードなら聞き取れない音というのもないので(固有名詞は別)、一回聴いたら後はずっと「シャドーイング」をしてました。

従って、僕の「フレーズ編」を使った学習の、各Unitにおける最初の学習は「シャドーイング」から始まっていた、ということになります。

ただ、これは本書の著者が推奨している学習法ではありません。あくまで僕が自分により負荷をかけるために独自で実施していた方法ですので、絶対やらないといけないとは思いません。「1」の音源を30分なら30分、繰り返し聴いて意味を感じながら情景を思い浮かべてリスニングするのは、特に英語初中級者の方にとっては非常に効果的な英語学習になり得ます。 

c.「閉本+スクリプト丸暗記=Dialog完コピ」で、目指せネイティブレベルの英語話者!

僕が「英語のハノンフレーズ編」を完了するのに一年かかってしまった最大の理由をご説明します。

実は僕は自然な会話の流れを学ぶには「すべてのダイアログを完璧に暗記してしまう」のが最上級の学習法だという確信がありました。

それはこれまで自分が出会ってきたネイティブレベルの英語話者は、映画などのセリフを丸暗記・完コピしたことがある(大抵はその映画のキャストなりが好きすぎて)という自分の経験に基づいています。

『プラダを着た悪魔』(=女性の英語学習者)のケースが多いですけど、『フレンズ』とか『フルハウス』といった連続ドラマを完コピしている強者もいたりします。

僕は残念ながら映画やドラマを見る習慣がほとどんどないので、「よし、いっちょ『英語のハノンフレーズ編』のダイアログでそれやったろかい!」と思ったんです。

この件は実はこちらの記事にも書かせていただいていますが、それを一年かけてやっていたというのが、僕が本書を完了するのに時間がかかった最大の理由です。

この「ダイアログを完コピする」という学習法に関しては、単なる僕の思いつきというわけでもありません。本書「はじめに」で、著者が「ダイアログを、感情を込めて言えるように」というメッセージをくださっていた、それを閉本で実現したくて時間をかけて暗記していた、というのもあります。

当該箇所を引用しておきます。

(前略)ロールプレイングを「閉本でスラスラ言える」状態にまでなるには、ダイアログを完全に体得することが求められます。難しいと思うかもしれませんが、「無駄なこと」ではなく「必要なこと」「できないこと」ではなく「時間をかければできること」と捉え、じっくり取り組むようにしてください。大変ではありますが、登場人物の1人になりきり、感情を込めて会話を練習するのは楽しいものです。

『英語のハノンフレーズ編』(筑摩書房)p4
太線は筆者による

「無駄なこと」ではなく「必要なこと」「できないこと」ではなく「時間をかければできること」

という著者の両先生からのメッセージ、僕にとってはめちゃくちゃパワフルでした。

4.併行したい英語学習

単体でも非常に強力な「英語のハノンフレーズ編」を使った学習ですが、以下の学習を組み合わせることで、さらにその効果は増すと思われます。

実際に英語コーチとして数多くの生徒さんの英語指導、「英語のハノン」の添削をさせていただいた経験から、また一英語学習者としての10年間の経験から、以下の学習を並行して進めていただくことを強くお勧めします。

a.発音学習、発音矯正(オンライン英会話等がベター)

ここに挙げる三つの併行学習のうち「忙しいからどれかひとつだけに絞りたい」という方がいらっしゃったら、僕は何の迷いもなく「じゃあ発音矯正ですね」とお伝えします。

この手の「パターンプラクティス」的な「英文を真似て、声に出す練習」は、常に「誤った発音を身につけてしまう」リスクと背中合わせです。そして本邦における多くの英語学習者のみなさんは、このリスクをあまりにも過小評価しすぎています。

あなたの英語が聞き返されたり通じなかったりするのは、英文法の知識の不足や語彙力の不十分さだけではありません。

「何言ってんだか、わからない(=聞き取ってもらえてない)」んです。

英語発音や英音法を学べば、自分達が普段発している英語発音らしきものがいかに現実の英語からは程遠い、いわゆる「ジャパングリッシュ」であるかを痛切に思い知らされることになります。
そしてさらに残念なことには、私たちの強固なジャパニーズアクセントは、単独での矯正はほぼ不可能なんです。

発音の矯正には、英音法や英語音声学に精通した先生の存在が不可欠です。最近はAIもありますが、それにも限界があります。

悪いことは言いません。発音のレッスンは、それを努力して身につけた英語講師のもと、並行して必ず受けるようにしましょう。

b.多読・多聴

発音練習がきちんとできるなら、さらにそこにアドオンしていただきたいのが「多読・多聴」です。『英語のハノン』で伸ばせる大きな力の一つ「リテンション能力」は、多読・多聴においてその威力を存分に発揮します。

多読においては、そのリテンション能力の高さは、初中級者にありがちな「複雑な文構造において主語を見失う」的な症状の緩和にとても役に立ちます。「五つの文型のあくなき反復練習」によって身体化された英語の型も、文章の読解に役立つでしょう。

多聴では、より如実にその恩恵を感じられることでしょう。多読で触れた先の恩恵に加え、英語のハノンの実施で英語の音に対する感受性や自然なリズム・イントネーションに耳が馴染んでくるので、英語らしい発音で「何を言ってんだかよくわからない」ということは減っていくはずです。発音レッスンとの相乗効果もかなりのものがあります。

ただ、注意点がひとつ。その効果を感じたいんであれば、多聴は必ず最初から並行してやるべきです。「ハノンが進んできたから、多聴でもするか」では、『英語のハノン』のパターンプラクティスによる恩恵やその効果を感じることはあまりできないでしょう。

多読、多聴のクオリティが上がれば、英語力は爆発的に伸びはじめます。これは自分の経験から、自信を持っていうことができます。良質なアウトプットを可能にしてくれるのは大量のインプットから。そのインプット学習の質が上がれば、放っておいても英語力は勝手にどんどん伸びていきます。

英語がいつまで経ってもできるようにならない方は、このエネルギーをかける方向性・ベクトルを間違えているんです。能力の問題ではない、単に「やり方」の問題です。

c.単語学習

「もうひとつ、何かおすすめの学習を教えてください!」という猛者には間違いなく「単語学習」をお勧めしています。

すると大体の方が「え、単語…。」とおっしゃいますが、残念ながらやりたくない学習は、いま一番あなたがやらなければならない学習です。そしてすべての英語力において、単語力は基本です。

世の中には英語学習法や「ペラペラになるために」といった情報が玉石混交星の数ほどある中で、どんな学習法がベストかは皆さんが一番おしりになりたいことかもしれません。

が、僕がコーチとして学習法云々の前に声を大にして言いたいのは「ごちゃごちゃ言ってる時間があったらその時間を使って単語一個覚えてください。それが一番の英語力UPの近道なんで」ということです。

「どういうことですか?」と言われるんですけど、これは考えてみれば当たり前のことで、単語を知らなければ英語を読むことも聞くことも、話すこともできません。どれだけ複雑な構文を知っていようとも、どれだけネイティブの英語を完璧に聞き取れる耳があろうとも、自分が言いたいこと・書きたいことを英語でどう表現するのか?を知らなければ、あなたの思いは1ミリも相手に伝わりません。

ものすごく洗練されたデザイン、最新の工学技術を駆使して計算し尽くされた鮮やかな建築図面が書けたとしても、レンガやコンクリート、鉄筋や鉄骨がなければその建築が世に現れることは一生ありません。材料がないからです。まさに「絵に描いた餅」です。

英単語はこの「レンガやコンクリート、鉄筋や鉄骨」にあたります。「そんなものを手に入れる必要はない」、という理由は1ミクロンもないはずですが、意外と日本人英語学習者は単語学習におけるトラウマのせいからか、文法学習ばっかりやって、英語学習法のyoutubeやインスタばっかり見るという「絵に描いた餅製造機」になっている人がほとんどです。。

最後に - これからもずっと、『英語のハノン』と共に英語道を歩んでいくために

長い記事になってしまいました(そしてここからもまた長いです笑)。

やっぱり「英語のハノン」について書き始めると、ついつい筆を置くのが惜しくなって「あれについても書きたい」「これについても言及したい」となってしまいます。

これまでに執筆させていただいた記事についてもそうでした。

ひとえに、これも「英語のハノン」全シリーズに対する僕の愛と感謝の気持ちの表れです。

これまで折に触れてこのnoteで何度も書かせていただいている通り、僕にはそれまで停滞していた英語力が爆発的にUPした経験が2度あります。一度目はフィリピン・セブ島で出会った「多読」を取り入れた時、そして2度目が日本で「英語のハノン」を毎日回し始めてからでした。

多読で「大量のインプット」を経験し、たかだかTOEIC®︎700点だった僕の英語力が、一年ほどで一気に英検®︎一級合格/TOEIC®︎900点UPレベルにまでに到達したことはこちらの記事に書かせていただいた通りです。

そして『英語のハノン』との出会い。このシリーズを上級編までコンプリートしたことで、僕の英語力、とりわけリスニング力とスピーキング力は爆発的に高まりました。著者のお二人の端正で考え抜かれた英文と、ジャック・マルジさんの鬼のネイティブ英語のおかげで、リスニングに関してはもはや実際の英会話レベルで「何を言っているんだかわからない」ということはほぼなくなるまでになりました。

この「フレーズ編」はそこに加えて、私たち日本人が苦手な、英文法のルールには厳密には外れているような言い回しのストックを増やしてくれます。それによって会話に自信がつきますし、先の「リスニング力」UPの感覚と相まって、もはやネイティブはもとより外国人の英語話者を前に物おじするということは無くなりました。

相手が言っていることがわからないのは、相手の英語力が低いせい、ということがわかるからです。

世の中には星の数ほどの英語学習参考書が存在します。それらの参考書や出版社が巧妙だなぁと思うのは、本邦の9割の英語学習者が国際レベルで見たときには「英語ビギナー」であるにもかかわらず、その事実に言及することを回避して、耳障りの良いフレーズと目を惹く紙面で私たちに「英語ができない人たちである」という劣等感を感じさせないことです。

そんなビギナーたちが、それと気付かずに読みたくなる・買いたくなるような英語ビギナー向け教材を半永久的に素材濫造することで新刊を購入させ続ける、学習参考書の悪魔的なセールス戦略。

「(国際的な基準で言うところの)英語初心者」をいつまでも初心者のままでとどめ置くこと。そのことそのものが、本邦の英語学習産業に利益をもたらすような構造になっているんです。

初心者であること、初心者のままでとどめ置かれていることに気づかずに、いつまでもそれらのそれらの書籍に年間何万円もかけてしまう我々英語学習者自身が、その構造をさらに強化していきます。

そんな「英語を売りたい人たち」と「英語を買いたい人たち」との共依存関係の中で、私たちは英語を学ぶことを余儀なくされています。SNSやYouTubeの動画がそんな共依存関係をenablingしていきます。

新しい書籍に手を出し続けることが結果的に私たちをいつまでも英語初心者のままにとどめ置くという英語学習産業の構造にとって「同じ書籍を繰り返し使われること」は売上の点において致命的です。一冊売れてしまったらそれで終わりだからです。


一方で、英語学習の要諦はつまるところ「同じことの繰り返し」、これにつきます。

そんな日本の英語学習出版産業において、一生かけても繰り返し使いたくなるような、きらりと光る「ホンモノ」を見つけるのは、素人さんには至難の業です。その書籍を手に取った英語学習者の英語力UPを心から願ってその本を世に出してくれた著者や出版社に出会うことは本当に至難の業なんです。

そしてこれは間違いなく断言できます。「英語のハノン」は、そのキラリと輝く本物の光を十二分に放っていると。

僕は仕事柄、年間何十冊という英語学習参考書を購入します(購入させられます)。そしてはっきりと言いますが『英語のハノン』のように、一生かけて付き合いたいと思わせてくれる、そして実際にその価値がある英語学習参考書は残念ながらほとんど存在しません。

けれど、これまで『英語のハノン』を使ってたくさんのクライエントさんを指導させていただいた経験から、そして何より自分自身の英語力の伸びの歴史を振り返ったときに、『英語のハノン』は単なる英語学習における通過点の一つではなくて、これから先一生涯続いていく英語道において、欠くことのできない伴侶たりうると、そのことは自信を持っていうことができるんです。

だから英語学習者である「あなた」にとって必要な心構えはただひとつ。

『英語のハノン』を信じて何十回でもやり抜く覚悟があるか?

ということですし、それ以外には必要ありません。

そしてこの記事や、これまで英語のハノンについて付いて書き記してきた他の記事が、その大きな一助になれば…と、そんな願いと思いで本稿を記す筆をおきたいと思います。

どうか『英語のハノン』で、世界に通用する英語力を手に入れてください。そんな方が一人でもたくさん現れることが、あなた自身の英語力だけでなく、日本人全体の英語力を国際的なレベルに引き上げていくための、長い長い道のりの最初の一歩になるはずなんです。

いいなと思ったら応援しよう!

Ken Sugihara この記事が気に入っていただけましたら、サポートしていただけると嬉しいです😆今後の励みになります!よろしくお願いします!