見出し画像

【徹底解説】Google製AIエージェント「Gemini CLI」の使い方・主要機能の解説

2025年6月、Googleは開発者のワークフローを一変させる可能性を秘めたオープンソースツール「Gemini CLI」をリリースしました。黒い画面でおなじみのターミナルから、最新AI「Gemini 2.5 Pro」と直接対話できるコマンドライン用AIエージェントです。

「AIを使った開発」というと、これまではAnthropic社の「Claude Code」が非常に人気で、一強状態とも言われていました。そこへGoogleが投入したGemini CLIは、果たしてどのようなツールなのでしょうか。

この記事では、Gemini CLIの基本的な使い方から、その内部の仕組み、そして他のツールとの比較まで、網羅的かつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたもGemini CLIを自在に操り、日々の開発や作業を劇的に効率化できるようになるでしょう。

Gemini CLIのここが凄い!3つの大きな特徴

まず、Gemini CLIがなぜこれほど注目されているのか、その核心的な特徴を3つご紹介します。

  1. 【無料】でGemini 2.5 Proがほぼ使い放題

    1. 最大の魅力は、なんといってもそのコストパフォーマンスです。個人のGoogleアカウントで認証するだけで、プレビュー期間中は毎分60リクエスト・毎日1,000リクエストまで無料で利用できます。これは、個人開発や学習用途であれば、ほぼ無制限と言っても過言ではないでしょう。高価なAPI利用料を気にせず、最新AIのパワーを思う存分試すことができます。

  2. 【Google検索】とのシームレスな連携

    1. さすがGoogle製、というべき機能が「Google検索ツール」の標準搭載です。AIが「このライブラリの最新の仕様がわからない」「このエラーメッセージに関する情報が欲しい」と判断した際に、自律的にWeb検索を行い、最新の情報をもとに回答を生成します。これにより、情報の鮮度が重要なタスクにも柔軟に対応できます。

  3. 【オープンソース】であることの透明性と拡張性

    1. Gemini CLIは、Apache 2.0ライセンスで公開されている完全なオープンソースプロジェクトです。これは、内部でどのようなプロンプトが生成され、AIとどう連携しているのか、その全てを誰でも確認できることを意味します。また、自ら機能を追加したり、特定の用途に特化させた独自のバージョンを作成したりといった、無限の拡張性を秘めています。


以下に動画でも解説しているので興味のある方はぜひどうぞ!


クイックスタート:わずか1分でGeminiとの対話を始めよう

Gemini CLIを使い始めるのに、複雑な手順は一切不要です。Node.js(バージョン18以上)がインストールされた環境であれば、以下のコマンドを1つ実行するだけです。

1. インストール

ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してください。

npx https://github.com/google-gemini/gemini-cli

これだけで、Gemini CLIが一時的にダウンロードされ、実行されます。もし、PCにインストールして、いつでも gemini コマンドを使えるようにしたい場合は、以下のコマンドを実行してください。

npm install -g @google/gemini-cli

2. 初回設定と認証

初めて起動すると、いくつかの簡単な設定を求められます。

  1. テーマの選択: まず、CLIの見た目のテーマを選択します。お好みのものを選びましょう(後から /theme コマンドで変更可能です)。

  2. 認証: 次に、ブラウザが自動的に開き、Googleアカウントでのログインを求められます。指示に従って認証を完了させてください。

認証が完了すれば、準備はすべてOKです。ターミナルに > というプロンプトが表示され、Geminiとの対話を開始できます。


基本的な使い方:AIとの対話方法をマスターする

Gemini CLIの使い方は、大きく分けて2つのモードがあります。

1. 対話モード (インタラクティブモード)

ターミナルで gemini とだけ入力して起動するのが、この対話モードです。

gemini

この後に、人間と話すように自然な言葉で質問や指示を入力します。

例:

> このディレクトリにある全ての画像をpngに変換して、exifデータの日付を使ってリネームして。

対話を終了したい場合は、/quit または /exit と入力します。

2. 非対話モード (ワンショット)

シェルスクリプトに組み込んだり、単発の命令で使いたい場合に便利なのが非対話モードです。--prompt (または -p) フラグを使います。

gemini --prompt "1から10までの素数をリストアップして"

パイプ(|)を使って、他のコマンドの出力をGeminiに渡すことも可能です。

echo "日本の首都はどこですか?" | gemini

コマンドリファレンス:Geminiを自在に操るための呪文

Gemini CLIには、作業を効率化するための便利なコマンドが3種類用意されています。これらを使いこなすことが、脱初心者への第一歩です。

1. @ コマンド:ファイルやフォルダをAIのコンテキストに含める

AIにローカルのファイルを操作してもらいたい時、最も重要なコマンドが @ です。プロンプトの先頭に @<ファイルパス> または @<ディレクトリパス> を付けると、その内容を読み込んでAIへの指示に含めてくれます。

 @src/main.js この関数の役割を説明して、リファクタリング案を提案して。

この機能は、.gitignore ファイルを尊重してくれるため、node_modules のような不要なファイルを誤って読み込んでしまう心配がありません。

2. ! コマンド:ターミナルからシェルを直接実行

Geminiとの対話中に、ふとOSのコマンドを実行したくなることがあります。そんな時、わざわざGeminiを終了する必要はありません。! を使うと、その行をシェルコマンドとして直接実行できます

> !ls -l (現在のディレクトリのファイル一覧を表示)

また、! だけを入力すると「シェルモード」に切り替わり、以降の入力が全てシェルコマンドとして扱われます。もう一度 ! を入力すると、Geminiとの対話モードに戻ります。

3. スラッシュコマンド (/):機能を呼び出す

対話モード中に / から始まるコマンドを入力すると、Gemini CLIの様々な便利機能を呼び出せます。ここでは特に重要なものをいくつかご紹介します。

  • /help or /?

    1. 利用可能な全てのスラッシュコマンドとその説明を表示します。困ったらまずこれを入力しましょう。

  • /chat

    1. 会話の履歴を管理する非常に強力なコマンドです。

      • /chat save <タグ名>: 現在の会話に名前(タグ)を付けて保存します。

      • /chat resume <タグ名>: 保存した会話を呼び出して、中断したところから再開できます。

      • /chat list: 保存した会話の一覧を表示します。

  • /stats

    1. 現在のセッションで、どれだけのトークンを使ったか、APIを何回呼び出したかなどの統計情報を表示します。

  • /tools

    1. 現在AIが利用可能なツール(ファイルの読み書き、Web検索など)の一覧を表示します。

  • /clear

    1. ターミナルの画面をクリアします(ショートカット: Ctrl+L)。

その他のコマンドはこちらをみていただくのが良いでしょう


Gemini CLIを自分専用にカスタマイズする

Gemini CLIの真価は、その高いカスタマイズ性にあります。ここでは、より高度な使い方を2つ紹介します。

1. GEMINI.md:AIにプロジェクト固有のルールを記憶させる

AIに何度も同じ指示をするのは非効率です。そこで役立つのが GEMINI.md という魔法のファイルです。

プロジェクトのルートディレクトリに GEMINI.md という名前のMarkdownファイルを作成し、その中にAIに常に守ってほしいルールや前提知識を書いておくと、Gemini CLIはその内容を自動で読み込み、システムプロンプト(AIへの基本指示)に加えてくれます。

GEMINI.md の記述例:

Markdown

# このプロジェクトに関する指示

## コーディング規約
- 言語はTypeScriptを使用する。
- 変数名はキャメルケースで記述すること。
- コメントは日本語で丁寧に記述すること。

## プロジェクトの背景
このアプリは、日々のタスクを管理するためのToDoアプリです。ユーザーはタスクの追加、編集、削除ができます。

このように設定しておけば、毎回「TypeScriptで書いてね」と指示しなくても、AIは自動でルールを遵守してくれます。

さらに、この GEMINI.md は階層的に読み込まれます。

  1. グローバル: ~/.gemini/GEMINI.md (全てのプロジェクトで共通の指示)

  2. プロジェクト: プロジェクトのルートにある GEMINI.md

  3. ローカル: 現在いるサブディレクトリにある GEMINI.md

この仕組みにより、非常に柔軟な指示系統を構築できます。

2. settings.json:CLIの動作を細かく設定する

より詳細な設定は settings.json ファイルで行います。グローバル設定(~/.gemini/settings.json)やプロジェクト設定((プロジェクトルート)/.gemini/settings.json)に配置することで、挙動をカスタマイズできます。

主な設定項目:

  • contextFileName: コンテキストファイルの名前を GEMINI.md から CLAUDE.md などに変更できます。Claude Codeと設定を共通化したい場合に便利です。

  • autoAccept: 読み取り専用など、安全だと判断されたツールの実行確認をスキップします。

  • preferredEditor: 差分表示などに使うエディタを vscode などから変更できます。

基本的な使い方のところはこちらを見ると良いでしょう。

システムプロンプトのまとめ

GeminiCLIに関しては、OSSプロジェクトのため、システムプロンプトを見ることもできます。以下がそのシステムプロンプトになります

検索の仕様について

以下のつぶやきでも共有しましたが、google_web_searchツールに関しては、GeminiAPIの内部に含まれるGoogle検索機能を使っていそうでした。


トークンキャッシュとは?

• 以前送信した「システム指示」や「コンテキスト」を一時保存
• 同じ内容を再送する必要がなくなるため、API リクエストあたりのトークン消費量を削減

API経由で利用した場合のみ使えるようです
Token caching is available for:API key users (Gemini API key)
Vertex AI users (with project and location setup)
Token caching is not available for:OAuth users (Google Personal/Enterprise accounts) - the Code Assist API does not support cached content creation at this time


他のツールとの比較:Gemini CLIの立ち位置

AIコーディング支援ツールとしては「Claude Code」が有名です。では、Gemini CLIはそれと比べてどうなのか?考えてみました

Gemini CLIの強み:

  • 圧倒的な無料枠と、Google検索による情報の鮮度。

  • オープンソースであることによる透明性と将来的な拡張性。

  • 100万トークンという広大なコンテキストウィンドウ。

Claude Codeの強み:

  • 「ToDoリスト」という形でタスクを計画・分解し、着実に実行していく能力に長けている。

  • 現時点では、複雑なコーディングタスクの「実装力」や修正の精度が高いという評価が多い。

現状では、「調査やリサーチ、簡単なタスクやコンテキストを活かしたいタスクはGemini CLI」「複雑な新規開発やリファクタリングはClaude Code」 といった使い分けが賢い選択かもしれません。

まとめ

今回は、Googleから登場した新しいコマンドラインAIエージェント「Gemini CLI」について、その魅力から具体的な使い方、カスタマイズ方法までを徹底的に解説しました。

  • 簡単なセットアップと圧倒的な無料枠で、誰でもすぐに始められる。

  • @ ! / の3種のコマンドを使いこなせば、作業効率が飛躍的に向上する。

  • GEMINI.md によるカスタム指示で、AIを自分専用にチューニングできる。

  • Google検索連携という、他のツールにはない強力な武器を持つ。

まだリリースされたばかりで、実装力などには改善の余地があるかもしれませんが、そのポテンシャルは計り知れません。何より、これだけの機能を無料で試せるのは大きな魅力です。


いいなと思ったら応援しよう!