超特急「ガチ夢中!」インタビュー|世界中の“夢中”を全力で讃える ガチでトンチキな愛賛歌

今年2月に東京・国立代々木競技場第一体育館で行われたアリーナツアー最終公演で、デビュー当時から掲げてきた「東京ドームでのワンマンライブ」という夢が11月に実現することを発表した超特急。大きな夢をその手につかみ、さらに加速する彼らが5月13日にニューシングル「ガチ夢中!」をリリースした。

表題曲「ガチ夢中!」は、“ガチで夢中になって”何かに取り組んでいる人の背中を全力で押す、超特急流のトンチキ応援ソング。紛れもなく全身全霊を注ぐ9人のダンスと歌声が、聴き手を熱く楽しく鼓舞するハイテンションな1曲だ。

リリースを記念して、音楽ナタリーではカイ、ユーキ、シューヤ、マサヒロの4人にインタビュー。東京ドーム公演を決めた今の思い、「ガチ夢中!」の制作エピソードを中心に、メンバーの胸中をたっぷりと聞いた。特集後半ではリョウガ、タクヤ、タカシ、アロハ、ハルへの“全力の好き”も叫んでもらったので、最後までお見逃しなく。

取材・文 / 三橋あずみ撮影 / YURIE PEPE

リーダーからの声が一番まっすぐ伝わる

──まずは東京ドームでのワンマンライブ決定、おめでとうございます。2月21日の発表からは少し時間が経ちましたが、現状、メンバーの皆さんの雰囲気はいかがですか?(参照:超特急、東京ドーム決定にそれぞれの思い「待たせてしまった」「約束を叶えられる」空に超特急号?演出プランも)

マサヒロ まだ特別に何かが進んでいるというわけではないから、「だんだん近付いてるな」という感情だけかな。6月からはツアー(「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2026 ESCORT」)もあるので。

──超特急が結成当初から掲げていた夢の実現がついに決まったという大事な発表はライブのアンコールで、リーダーのリョウガさんから伝えられる形でした。映像での発表などほかにも方法がある中、この形を取ったのはメンバーで話し合って?

ユーキ そうですね。それこそ映像も作ったんですよ。だけど「なんか違うな」って。「これだと伝えたいものが伝わらないな」とかいろいろ考えて、メンバーが一番納得するやり方で伝えようとなったときに、リーダーからの声が一番まっすぐ伝わるなという判断をみんなでしました。

ユーキ

ユーキ

──実際に発表してみての感覚はいかがでしたか? 活動を続ける中で、きっとこの瞬間をイメージすることもあったのではと思いますが……。

カイ 自分はあまり想像してなかったんですよね。でもなんか、僕たちはドームが決まって発表できてもちろんうれしいんですけど、それ以上にみんなが喜んでくれているのが。8号車(超特急ファンの呼称)も周りのスタッフさんも、みんなが喜んでくれてて。今もいろんな場所でお祝いしていただくんです。それがうれしいから、とにかく健康に舞台に上がりたいなという気持ちです。

ユーキ 発表の瞬間……僕は大号泣するかなと正直思ってたんですけど(笑)、意外と前向きな姿勢になれていました。まだ決まっただけ、発表するだけだったからかな。あとは「ESCORT」ツアーが控えているっていうのもあるし。ドームの前に超えるべき山がまだあるので。それを超えた先に、いろんな感情が爆発するのかなと思います。

──皆さんの中で、東京ドームに“届いた”手触りを感じたタイミングみたいなものはあったのでしょうか。

マサヒロ 「届くんじゃないかな?」という実感は……近年はありがたいことにツアーの公演数が年を重ねるごとに増えていって、直近の「REAL?」ではアリーナ12公演をやって。そういった中で「もしかしたら、数字的にも見えてくるんじゃない?」みたいな話を会議でするようになってからですね。最近は、ミーティングもより密にしていたんで。そういう場面で意識していたかなとは思います。

マサヒロ

マサヒロ

あきらめず思いを一心に持って励んでいれば

──2011年12月の結成から、15年目での夢の実現。とても重みのあることだと思いますが、決して夢をあきらめることなくここまで進んでこられた、その理由はどんなところにあるのでしょうか。

ユーキ 「東京ドーム」は僕らが最初に掲げた夢で、それを叶えたい一心で皆さんにパフォーマンスを届けていたっていうところもあるし、僕らは同期のDISH//が先に「武道館に立つ」という夢を叶えたりする姿を見ている立場だったけど、それでもずっと応援してくださる8号車の期待や思いをすごく感じていたんですね。ライブはもちろん、最近はSNSでも、いろんなものを通して皆さんの思いを実感することができるので、それに尽きるんじゃないかな。

カイ 「8号車がすべて」と言ったらそれで完結するし、それは大前提ではあるんだけど、もっと別のことで言うと……たぶん「やめる勇気がなかった」という部分も、少なからずみんなの中にあると思う。「ここでやめたとて、何がある?」と。そういう思いは、特に1桁号車(カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシ)に関しては一度はよぎったことがあるんじゃないかな。「やめる勇気がない」とか「続けるしかない」とか、そういう思いも持ちつつ、でもやっぱり僕らのことを応援してくれる8号車がいるし、家族や周りの人がいるし。それに自分が高校生の頃から人生懸けてやってるものだから「ここでやめるわけにはいかない」という意地があったりもするし。ムズいよね。

ユーキ うん、確かに。

カイ 全部がポジティブではないし、かといって全部がネガティブでもない。いろんな感情がないまぜになったうえで、8号車がいて、支えてくれるスタッフのみんな、家族がいて、なんとか進んでこられたという言い方が正しいのかもしれない。順調に進んでるときだって、ふいにやめたくなる瞬間もあるじゃないですか。「やめたろか!」みたいな(笑)。そういう感じかな。根っこに8号車の存在があるというのは大前提のうえで、いろんな感情が混ざって「続けるしかない」と。そういう気持ちで自分たちを奮い立たせていた、みたいな部分はおそらく……特に1桁に関してはあるんじゃないかなと思います。

カイ

カイ

──発表後の挨拶で、ユーキさんが言った「15年かかったけど、15年かけるべきだった」という言葉が印象に残っています。この言葉にはどんな思いがあったのでしょう。

ユーキ 7人体制から6人体制になったとき……6人から5人になったときもそうですけど「あのまま進んでたら、もうどこどこに立ってたと思う」とか、いろんな“たられば”のコメントを目にして。自分自身「そうだな」と思う反面、「いや、あきらめてねーし」みたいな気持ちが湧いたし、「絶対に超特急なら夢を叶えられる」という自信もあった。そういう思いがある中で、やっぱり続けることってすごく大切だよなと。何年経っても色褪せることなく、こうしてまた輝きを放てるってことが証明できたし、今それを伝えることができているからこそ。メンバーもそう、スタッフもそう、何よりファンの皆さんの期待がつながっている限り、あきらめず思いを一心に持って励んでいれば、叶えられるものってあるんだとすごく実感して、あの言葉が自然と出たんじゃないかなと思います。

──超特急にとっての大きな夢が実現する瞬間だけど、そこで終わりではなく、皆さんには夢が叶ったその先の未来もある。そう見据えたとき、超特急の歴史にとって“夢のドーム”はどういう位置付けの出来事になるべきなのか、今の皆さんの考えを聞かせてもらえますか?

シューヤ なんだろうね。

シューヤ

シューヤ

カイ “3期のオープニング”じゃないですか。7人時代、6人時代、5人時代が“1期”で、2桁号車の4人(シューヤ、マサヒロ、アロハ、ハル)が入ってくれてからが“2期”、東京ドーム公演が3期の第1話。ここを改めてのスタートラインにしたいとみんな思ってるだろうし。どうしてもね、スタッフさんとか8号車のみんながここを大きな目標にしてきたというのがあるから、メンバー自身にはないけど、周りの人がみんな燃え尽きてしまうんじゃないか?っていうのが、僕たちとしてはすごく怖い。「やったったぞ~!」と達成感を感じすぎてしまうのは怖いので、ここを皮切りにまた加速していくぞ!とか、その先が見えるようにしないとな、とは思ってます。

──「東京ドームでライブをする」というのは“超特急の夢”だけど、超特急を応援してきた人はみんなきっとこの夢を自分事にして自分にできる何かを日々積み重ねてきたと思いますし、9人が東京ドームのステージに立つときは、そこに集まる、思いを寄せる1人ひとりの夢が叶う瞬間でもある。そう考えるとものすごくスケールの大きな出来事ですもんね。

カイ EBiDANの後輩たちもみんな言ってくれていたしね。東京ドーム公演決定が発表された瞬間、「僕、ドームの日はほかのスケジュールNG入れました!」と言ってくれる子がいたり、中にはグループ単位で予定を空けてくれているところもあるし(笑)。でもやっぱり、さすがに観に来てほしいよね、EBiDANみんな。

ユーキ そうだね。

そろそろトンチキのプロセスを踏みたい

──ではここからは新曲「ガチ夢中!」のお話を。9人体制以降、いわゆるトンチキ系の曲がリードになるのはすごくひさびさですね。

ユーキ 「宇宙ドライブ」(2022年10月リリース)以来ですよね。その「宇宙ドライブ」とも、またちょっと方向性が違うし。

──なぜ今、こういった方向性で打ち出していこうと?

ユーキ もともとはカッコいい方向性で始まった超特急だけど、途中から色付けと言いますか、いわゆる「トンチキ」と言われるようなもの。ポリスマンになってみたり吸血鬼になってみたり、いろんなものに化ける時期があったじゃないですか。

左からカイ、ユーキ。

左からカイ、ユーキ。

──デビュー初期の「POLICEMEN」(2013年2月リリースの3rdシングル)や「Bloody Night」(2013年6月リリースの4thシングル)ですね。

ユーキ あの時代があったので、9人体制になった今、改めて自分たちの歴史をしっかりと作っていく中で、そろそろトンチキのプロセスを踏みたいなと。カッコいい9人の超特急を知ってもらう期間を経て、次は超特急らしいものを表題曲でやりたいという思いがありました。そうやってずっと話し合ってきた中で「ここだ、このタイミングだ」と。

──なるほど。

ユーキ 満を持して訪れたタイミングでどんな曲を打ち出すか?ということを、メンバーと音楽プロデューサーの新井(弘毅)さんと、何度も話し合いながら。二転三転あったんですが、それくらい慎重に進めて決めた楽曲が「ガチ夢中!」です。

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ユーキが応援団長