世界をリードする3つのAI研究所が2026年の幕開けとともに、ヘルスケアに特化した新製品を相次いで発表した。
各製品の機能は多岐にわたるが、その目指す方向性は一致している。それは、患者や保険支払者、そして医療提供者がAIを活用することで、特定の重要な業務を迅速化し、質の高い医療サービスへのアクセスを広く普及させる世界だ。ヘルスケア分野におけるAI活用はまだ初期段階にあり、連邦政府による監督体制も整っていない。そのため、テクノロジーが予期せぬ危険な挙動を示した場合の責任の所在は不明確なままだ。しかし、これら3つの新製品は、近い将来の「新たな日常」を予感させるものとなっている。
ChatGPT HealthとClaude for Healthcare
OpenAIは1月7日、チャットボットの新機能として「ChatGPT Health」を発表した。これは「Apple Health」や「Function」といったアプリから健康記録をアップロードすることで、パーソナライズされた医学的アドバイスを受けられるものだ。
OpenAIはブログ記事で、この新機能が「明確で有用な健康情報を提供するため、世界中の医師と緊密に協力して開発された」と説明している。Axiosの報道によると、現在は少数の初期ユーザーによるテスト段階だが、数週間以内にはウェブおよびiOSで一般公開される予定だという。現在はウェーティングリストへの登録も受け付けている。
その4日後の11日、Anthropicも同様の機能を持つ「Claude for Healthcare」をリリースした。米国の「Pro」および「Max」プランの購読者は、組み込みのコネクターを通じて健康アプリから個人の健康記録をアップロードできる。
Anthropicの発表によれば、接続された「Claude」はユーザーの病歴の要約や検査結果の平易な解説、さらにはフィットネスと健康指標に共通するパターンの検出や診察に向けた質問事項の作成が可能になるという。その目的は、患者と医師の対話をより生産的なものにし、ユーザーが自身の健康状態について十分な知識を持てるよう支援することにある。
さらにClaude for Healthcareは、保険支払者や医療提供者向けのコネクターやスキルも備えている。例えば、医師はこのツールを用いることで、特定の治療や投薬が患者の保険プランでカバーされるかを確認する「事前承認」のプロセスを迅速化できる。医療機関は現在、「Claude for Enterprise」や「Claude Developer Platform」を通じてこの機能を利用可能だ。
OpenAIとAnthropicはともに、ユーザーの健康データが新しいモデルの学習に使用されることはなく、これらのツールが対面による直接的な診療の代わりになるものではないと強調している。OpenAIはブログで「Health機能は医療を代替するものではなく、サポートするために設計された」と述べている。
ヘルスケア業界が他産業に比べて急速にAIツールを導入している中、これら2つのサービスは直接的な競合関係にあると言える。ユーザー側でも、健康保険に関する相談や特定の症状への懸念など、極めて個人的な健康問題について、ChatGPTやMicrosoftの「Copilot」といった主要なチャットボットに助言を求める動きが広がっている。


