

次期Siriの頭脳にGoogleの「Gemini」が採用される。この結末は、ある意味で「規定路線」だったと言えるだろう──。
(Jeffrey Hazelwood/CNET、Google/Apple)
今週初め、AppleとGoogleは共同声明を出し、Siriを自律型AI(エージェンティックAI)へと進化させるための提携を発表した。具体的な実装形態はまだ伏せられているが、Appleの次世代基盤モデルをGoogleのGeminiが下支えすることは間違いない。
もっとも、Appleの流儀からすれば、iPhoneやiPad、Macの画面がGoogleやGeminiのロゴで埋め尽くされることはないはずだ。あくまでGoogleには「Apple Intelligence専用エンジン」の製造を委託する形をとり、その車のハンドルはApple自身が握り続けることになるだろう。
「もしこれがラブコメ映画なら、振り返ったときに『やっぱり最後はこうなる運命だったんだ』と納得する場面だ。あまりにも理にかなった組み合わせなのだから」。サンタクララ大学リービー・スクール・オブ・ビジネスのアンディ・ツァイ教授は、今回の提携をそう読み解く。
両社の蜜月関係は今に始まったことではない。各々の支配領域を盤石にするため、両社は長年にわたり手を組んできた。司法省による対Google独禁法訴訟では、iPhoneにおける「標準検索エンジン」の座を守る対価として、GoogleがAppleへ200億ドルもの巨費を投じていた事実(2022年時点)が露見している。この契約により、Appleは自前検索エンジンの開発インセンティブを削がれ、GoogleはAppleユーザーの膨大なデータを独占し続けてきた。
今回の合意は、難航していたApple独自のAIモデル開発における苦闘の、少なくとも一時的な「休戦」をも意味する。先行して発表されたOpenAIとの提携によるApple Intelligenceも、改善傾向にあるとはいえ、ファンが期待した水準には達していなかった。ライバルのGoogleやSamsungがデバイスへのAI統合を急速に進める中、これ以上の周回遅れを防ぐためには、Googleと手を組む以外に道はなかったのだ。
なお、本件に関しGoogleとAppleからのコメントは記事公開時点で得られていない。
Apple Intelligenceのパートナーの座を巡っては、OpenAIやAnthropicも激しい売り込み合戦を繰り広げていたとみられる。それでもGoogleが勝利したのは、過去の財務的な結びつきに加え、純粋な「技術力の差」が決め手になったというのが観測筋の見方だ。
「技術面において、Googleは他を圧倒している」。DeepMindの初期投資家であり、現在はAIエージェント企業Fetch.aiを率いるフマユン・シェイク氏はそう指摘する。Googleは2014年に6億5000万ドルでDeepMindを買収している。「モデルのトレーニング手法やガードレール(安全対策)の設置において、Googleは最も状況を掌握していると言える」
シェイク氏は現在、Fetchのプラットフォーム「Agentverse」へのGemini導入でGoogleと協業しており、その見解には一定のバイアスがあることは認めている。その上で、同氏は次のように続けた。
「Googleはモバイル領域での経験値が桁違いだ。自社でスマートフォンとOSを持っているため、モバイル端末上でAIをどう最適化すべきか、そのノウハウにおいてOpenAIはGoogleの足元にも及ばない」
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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