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押さえておきたい!ECトレンド図鑑

1日1,000円からおしゃれスペースでオムニチャネル! 新サービス「SHOPCOUNTER」はEC事業者に試してほしい


これまでもECサイトに寄せられてきた「実物が見たい」という声。とはいえ、実店舗への出店は先立つものがないと……とお悩みのEC事業者さんへ。レジ横のテーブルだけ月1,000円で借りる、という柔軟な発想の新サービス「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」ができましたよ。サービスを提供する、COUNTERWORKSの三瓶直樹さんにお話を聞きました。

――新サービス「SHOPCOUNTER」について教えてください。

 リテール向けスペースのオンラインマーケットプレイスとしていて、空き店舗や商業施設、店内の一角の空きスペースに、期間限定のショップを出店できるというものです。出店したい小売さんは、オンライン上でオーナーさんとやりとりして予約、決済までできます。

 スペースの基本的な用途は、物販、展示、プロモーションで、そういった目的をもっていらっしゃる方ならどなたでもご利用いただきたいのですが、とくにEC事業者さんにニーズがあって、使っていただきやすいんじゃないかなと思っています。

株式会社COUNTERWORKS 代表取締役 三瓶直樹さん

――EC事業者にニーズがあるというと?

 まず大前提として、日本のEC化率は2020年には6%とも言われ、マーケットも大きくなり続けているのですが、逆に言えば9割以上はまだオフラインです。購買だけでなく、そのモノを知る、接触する機会も、まだまだオフラインのほうが多い。

 そんななか、ECはじめオンラインをメインに事業をされている皆さんが、オンラインの世界だけに閉じていると、そういった機会を逃してしまうのではないでしょうか。お客様から、手にとってみたい、ディテールを確かめたいといったニーズが寄せられているところも少なくないと思います。

 でも、いきなり自社の店舗を作るのはリスクも高いし、コストもかかる。だからテスト的に、期間限定でスペースを借りて、商品やサービスを提供してみる場があったらと感じているEC事業者さんは多いじゃないかなと。

――やっぱり、オンラインだけだと限界がありますか?

 もちろん、新しいテクノロジーはどんどん出てきていますが、その分、新たに参入する事業者の数も多くなるので、オンラインだけに閉じていると限界がくるんじゃないかな。一方で、実店舗ありきの事業者さんで、ほとんどの人がECで買う時代のことを想定して、実店舗を運営しているところは、まだ少ないと思います。そういう時代が来たときには、実店舗の使いかた、姿形は変わっていくと思うんです。

 たとえば、オンラインでTシャツをデザインできる「tmix」さんが最近、ショールームを作られたりしていますし、海外ならEC発のメガネ屋さん「Warby Parker」なんかも、実店舗に在庫を置いていないですよね。展示物としての商品はあっても、購入するのはタブレットからオンラインで、と割り切っている。そんなふうになっていくんじゃないかな。

――具体的に、どれくらいのスペースがいくらくらいで借りられますか?

 5月25日のサービスローンチ時点で、東京で60スペースくらいを揃えました。スペースは今、「ショップスペース」「シェアスペース」「イベントスペース」の3つに分類しているのですが、たとえばあるお店の棚に作品を展示したいなら、1日1,000円で借りられます。一方で、渋谷ヒカリエのイベントスペースなら、1日20万円とか。スペースによって値段もさまざまです。

https://shopcounter.jp/

――サイトを見た感じ、おしゃれなスペースが多い印象です。

 写真は、我々が手配するカメラマンが撮影しています。ECも同じだと思いますが、写真を見て受けた感じが意思決定に与える影響が大きいと思うので、こだわって撮っているんです。雰囲気については、感性というか、定量的でなくて定性的なところではあるのですが、まずは、「こういうところであれば出店してみたいな」というところを選んで、サービスの世界観を形作ることを優先しています。

 今後は、たとえば商店街の空き店舗といったところも視野に入れて、スペースを拡大していきます。いずれは、空きスペースを持つオーナーが登録し、借りたい人とやりとりが進むような「マーケットプレイス」にしていきたいです。

――マネタイズは?

 スペースのオーナーから仲介手数料をいただきます。スペース利用料金から、SHOPCOUNTER利用料金として最大35%を差し引いた金額を、オーナーにお振り込みする形です。

――競合サービスは?

 アメリカに「Storefront」というサービスが2年ほど前からあります。日本だと、「軒先ビジネス」さんかな。

――三瓶さんのキャリアのバックグラウンドをお聞かせください。なぜ、このビジネスを?

 2014年10月に起業するまで、インターネット広告の仕事をしていました。そこで、EC事業者さんから、「手にとって見られる場所はないんですか?という声があるんだよね」という話をちょこちょこ聞いていました。加えて、父親、祖父が不動産業をずっと営んでいたので、不動産への興味もずっと持っていました。

 空きスペースを短期間でも借りられるようにするというのは、インターネット広告の世界に近いかもしれないですね。DSPが出てくるまでは、メディアが作ったこの枠を1ヵ月100万円で、といったパッケージを広告主が買うというスタイルしか、広告出稿の方法がなかった。それを、1インプレッションの単位までばらして、広告主が設定した条件でアラカルト的に出稿できるようになったのがDSPですよね。

 今、日本の空き店舗率は14%程度ですが、僕からすると「結構空いてるな」という印象です。それは、需要と供給のバランスがとれていないから。今の借家契約だと、事業用に店舗を借りようと思ったら、事前に10ヵ月の前払いをしなければいけないようなパッケージになっていて、それだと、いくら小さいお店でも、300~500万円は用意しないといけなくて、手が出ない事業者さんも多い。でもそれは、不動産業者やオーナーなどが勝手に決めたパッケージにしか過ぎなくて、それが売れなくなってきただけじゃないかな。だから僕らが、そのパッケージの形を少し変えて、多様な借りかたのニーズに対応できるようになったら、流通が促進されるんじゃないかと考えています。

――このサービスのために起業されて、目指すは上場ですか?

 マーケットとしてすごく大きいビジネスなので、必要なオプションであれば上場します。たとえば、自社で物件を全部おさえて、在庫を持って貸し出すビジネスをやるなら、資金力があったほうがいいので。

――最後に、EC事業者に向けてメッセージをお願いします。

 インスタントカートを使った趣味の方から、本気でビジネスとして取り組んでいる人まで、世の中にECサイトが溢れかえっています。そうなると、どうやって自分たちの世界観、商品を体験してもらうかというマーケティング活動の中で、実際にモノに触れて体験してもらう、フィジカルなコンタクトポイントがあるか否かは、差別化の1つになるのではないでしょうか。多様な借りかたに対応できるようスペースを増やしていきますので、興味がある方は、小さなところから短期間で、ぜひ試してみてほしいと思います。

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この記事の著者

ワダ スミエ(ワダ スミエ)

2013年11月11日〜2023年3月31日までECzine編集部在籍。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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