富士通が事業の改革を目指している。顧客の依頼を受けてIT(情報技術)システムを構築する従来型SI(システムインテグレーション)から、コンサルティングを含む提案型ビジネスへの変革だ。
その過程で、2035年度にはメインフレーム(大型汎用機)事業を終了する。メインフレームは企業や官公庁などのITシステムに使われ、富士通にとっても屋台骨であった事業だ。これらをけん引してきた島津めぐみ副社長COO(最高執行責任者)は、意外にも事業の変化や終了に対して晴れやかな表情を見せる。
富士通は19年から、従来型SIからの脱却を本格的に目指してきました。島津COOは自身もシステムエンジニアとしてSIの現場を長く経験していますが、どのように受け止めてきたのですか。
島津めぐみ副社長COO(以下、島津COO):すごくポジティブですよ!
富士通は1980~90年代からSIビジネスを展開し、顧客がつくりたいというシステムを愚直に手掛けてきました。でもそのビジネスモデルにも、もうそろそろ変革があっていいと考えていました。
事業ブランドの立ち上げや働き方改革などを同時並行で進める中、新しい主力事業(としての提案型ビジネス)を誕生させるんだと、期待感も抱いていました。
![島津めぐみ氏[しまづ・めぐみ]](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/gen/19/00816/121900012/p1.jpg?__scale=w:600,h:400&_sh=0780420a40)
その背景には何があったのでしょうか。
島津COO:2010年ごろに遡ります。私は当時米国に赴任し、システム開発のプロジェクトを担当しました。
現地では一般的に、顧客側にもITエンジニアがたくさんいて、CIO(最高情報責任者)がフレキシブルに開発体制を変えます。富士通と顧客の関係も、(成果物の完成義務を負う請負契約ではなく、システム開発業務に報酬が支払われる)準委任契約でした。
一方、日本は請負契約で、(全体の設計を終えてから順序立てて開発していく)ウオーターフォール型。(納期遅延などの)リスクがあり、それはパートナー企業にも負わせていました。
ウオーターフォール型で、スピードよりも品質重視という考え方が凝り固まっている。それに請負では、例えば一見必要ではないようなドキュメントも、納品物であれば依頼通りにつくらざるを得ません。
私は当時役員に対し、こうした状況について「変えるべきではないか」と、ちょっと偉そうに進言しました。しかし反応は、ネガティブなものだった。
でも今ようやく、時田(隆仁)社長の下、会社を変革していくという流れの中で、チャンスが到来したなと。
富士通は、21年には事業ブランド「Uvance(ユーバンス)」を打ち出し、提案型ビジネスへの移行を進めてきました。その時にはどのような課題感を持っていましたか。
島津COO:それまでの富士通は、数々の商材パッケージを持っていてブランドが統一されていませんでした。
「こういう商材があったら顧客にとってよいのではないか」と、富士通側の現場が勝手に考えたものをつくっていた。それに、個別につくり込むから操作性もばらばら。グローバルを意識して、ブランドを統一させたいという考えがありました。
北海道から沖縄まで、現場へ説明行脚
長年SIを担当してきた現場の方の中には、ビジネスモデルや体制を変えることに否定的な意見もあったのではないでしょうか。
【春割】5/18(月)締切迫る!
- 月額プランなら最大2カ月無料体験
- 年額プランなら今だけ10,700円お得
- 有料会員ならすべての記事が読み放題

